表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/169

始まる者達43

触れれば容易(たやす)く獲物を裂くような代物……それは気を付けないといけない物であり、気の抜け無い事態であるのだが、



『…………』



原人は溜息を吐いてしまう。



決して臆病風に吹かれた訳ではない……だが、自分達の置かれている状況が嫌になる。



仲間……と言って良いのか?



人間による弾丸の牽制を避ける者達は、真っ二つに斬られる様子を見ているはずなのに、こちらに一声も「警戒しろ」と伝えて来ない。



弾丸から避けているから、そんな暇は無いと言えばそうなのかもしれないが……



『…………』



エルフとして魔法が使えない自分達が死んでも、何とも思わないのだろう。



『パンッ!!』



原人は、手の平を一度叩いてから気を取り直してから構えを取る……こちらから仕掛けるのは、少々分が悪い……そんな気がする。



見た事の無いパワードスーツを着た相手は、余程自信があるのか、剣を鳴かせながら歩いて来る。



少し緊張するが、算段がある。



見た事の無いパワードスーツは、雰囲気的に新型なのだろう……普通のパワードスーツよりも硬く、力もある……そんなのは容易に想像出来るが、もう一つ予想が出来る事がある。



『キュィィ……』



新型のパワードスーツ剣を掲げる、それが我が身に当たれば、真っ二つに(ほふ)られるかもしれないが、



『サッ……』



「避けた!!」



当たらなければ、真っ二つにされないで済む。



「この……!!」



袈裟斬(けさぎ)りに振った高周波ブレードを避けられたミィオは、返す刀で横一文字に刀を振るが、



「スッ……」



それも後ろに下がられて、避けられてしまう。



『…………』



これが原人の出した答えだった。



確かに、このパワードスーツは新型なのかもしれないが、中の人間の事を考えたら超えてはいけない事がある。



『シャァァァァ』



『スッ……』



『シャァァァァ』



『ヒュッ……』



旧式のパワードスーツよりも力も硬さもあるのだろうが、人間の速さを超えられない……いや、機械は人間の動きよりも速く動けるかもしれないが、中の人間を壊しては元も子もない。



パワードスーツはあくまでも人間を強化し、人間に追従する鎧なのだ。



中の人間の腕は、決して悪い訳ではないが、RLHを相手にするにはパワードスーツの動きも合わさって鈍重。



『…………』



地面に転がる者達には悪いが、相手を過小評価せず、自分達を……魔法が使える事を過大評価しなければ死なないで済んだはず。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ