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始まる者達41

ドラゴンもどきを行かせた後、片方の原人がミィオ達の方へと歩き出すと、



「待て!!」



それを黙って見ている訳も無く、リナが前に出て立ちはだかる。



本能がこいつらは危険だと言っている……からこそ、ミィオ達の所には行かせられない。



どんなに苦しい戦いになろうとも、自分が二人の相手をしよとするが、



『…………』



もう一人の原人が、横から周ってミィオ達の方へと歩き出す。



「私が相手だ!!」



自分の事を無視する原人が、それに合わせてリナも横に歩いて、前に出れないように通せんぼをする。



『……』



『……』



これでは(らち)が明かないと、二人は顔を見合わせると、まるで俺に任せておけと言わんばかりに片方の原人が手をヒラヒラとしてから、



『タッ!!タッタッタン!!!!』



「なっ!?」



ヒラヒラと手を振った方の原人が、木々の幹を三角飛びで蹴り飛ばし、リナの事を乗り越えてしまう。



やはり何か違う、修行僧達は木に登って枝を掴むか、枝に登ってから飛ぶという動きだが、この原人は幹を蹴ってそのまま行ってしまった……そんなの同じじゃないのかと言われたら、同じなのかもしれないのだが、



『スゥ……』



足を一本立ちにして体を横斜めに構え、腕をゆったりと前に出すその構えは、拳法家そのもの……あの三角飛びは、身体的な能力でした物では無い。



『ユラッ……』



身体能力に物を言わせた戦い方ではない、武術を身に纏った者の動き……努力の結晶。



原人は、体を前に傾けると倒れる勢いを利用して、スタスタと早歩きで近付いて来る。



「くっ……!!」



何とも距離感の掴めない動き、歩いて来るのと違い、走って来るのとも違う速さ。



リナは、その場でピョンピョンと跳ねると、ボクシングのフットワークを始める。



どんな動きにでも対応出来るように小さいステップを踏んで、相手の動きに付いていけるようにするのだが、



『ユラッ……』



「このっ⁉」



まるでナマケモノが動くかのように、ゆったりとした動きに痺れを切らして、リナも前に踏み出すと、



『トンッ』



「げっ!?」



それに合わせて原人が前に跳び、リナの肋骨を殴る。



「こ…の……」



リナの動きに合わせてのカウンター……だが、致命傷では無い、肺から空気が抜けてしまったが、それでも、原人の足を破壊しようと、反射的にローキックが出てくれる。



『トンットンットンッ……』



「はっ…おサルの人形みたい……」



しかし原人は、リナのローキックに反応して後方宙返りを繰り出して避けてしまう。

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