始まる者達36
火内とリナの二人は、修行僧達に対して優勢に押し込んでいる時、残された四人は、
『ブゥブルッゥゥゥゥゥゥ!!!!』
『『『バッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッ!!!!!!!!!!』』』
沙羅曼蛇とマシンガンの掃射で、自分達の方に回り込もうとしている修行を追い払うが、相手も馬鹿ではない。
一か所に固まればハチの巣にされるのを分かっているから、散開して的を絞らせないようにしてくる。
森の中を飛び交うRLHを弾丸の圧で牽制しつつ、リナと火内が敵を仕留めるのを待っていると、
『ヒュッゴッ!!』
「ミィオ!!」
銃撃を避けて迂回して来た修行僧が、木から飛び降りてすれ違い様に、十手でミィオの頭を殴り、その勢いのまま振り返って十手をミィオの顔面に突き立てようとしたが、
『シュゥゥゥーッ!!!!!!』
パワードスーツを着用していても、その中の人間の視界をチカチカさせ、一瞬の隙を作るはずなのだが、
「このぉぉぉおおぉ!!!!!!」
このパワードスーツを着用をしている者には効かなかった。
『…………』
振り下ろされるヒートソードに、修行僧は慌てる事なく十手の鉤、十手から飛び出ている鉄の所に剣を絡めようとするが、
『キィィィィィン!!!!!!』
『……ッ!!』
硬い鉄で出来ているはずの、ヒートソードを耐えると実証されているはずの十手が切り裂かれて、腕を落とされる。
『ウ…ウグッオォオォォオオォォオォォ!!!!!!!!』
全く持って想像していなかった展開、一人一殺で突っ込んだはずなのに、自分がやられた。
頭を殴られた訳じゃないのに、自分の置かれた境遇に絶望して、視界がおかしくなって定まらない。
『……ッ⁉』
敵に集中しようにも、落とされた自分の腕が頭にこびりついて、それ所では無く、仲間に助けを求めようと何か声を上げようとするが、
『シュゥゥゥーッ!!!!!!』
鳴き声を上げる剣が自分の体に迫り来る。
『……ッ!!』
その剣は避けなければと理解しているのだが、足が踊ってもつれて……
『シュゥゥゥーッ!!!!!!』
体が嘘のように……ゼリーにスプーンが差し込むかのように体に剣が入り込んで、
『シュッパァァン!!!!』
体を真っ二つに裂いてしまう。