表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/169

学園13

早撃ちというより、息をつかせる間も無い連射。



絶え間無く放たれるコルク弾は、寸分違う事無く黄金の胸像の喉元に食らいつく。



黄金の胸像の質量を考えれば、こんな事で黄金の胸像が倒れるという事は無いが、



「あれ、いけるかな?」



「……厳しいだろ。あれでどうにかなる訳が無い」



「いやでも…勝ったらしばらく生活に困らないんだぜ?」



「んっ?どういうことだ?」



「あっ……」



どうやら上級生の中には、赤髪の少年が勝つ事を願っている者がいるらしいのだが、何か様子が変であった。



「分かってるよな?ガス抜きで、賭けは暗黙の了解で認められている……だけど、破産するレベルの賭け事は禁止されてる事を……」



「いやまぁ……」



「デバイス見せろ」



「ちょっ…まっ……!?」



いきなりポケットに手を突っ込まれてデバイスを奪われると、デバイスに何かを差し込まれて、中身の情報を奪われてしまう。



「……これ金額アウトだからな……お前は見逃してやる……っていうか俺の役職を知っってるんだから、やるなよ……」



違法賭博をしていた彼だけに聞こえるように(ささや)いてから、胸ポケットから手帳を取り出して、



「オラッ!!風紀委員だ!!本部から連絡が来た!!違法賭博した奴は自首しろ!!一ヶ月の強制ボランティアで許してやる!!」



大声で叫んだ。



「やべぇ……!?」



「誰だよ!!見つかったバカ野郎は!?」



「何が強制ボランティアだ!?強制させたらボランティアじゃねぇだろ!!強制労働だ労働!!」



大声と同時に何人かの賭けたであろう生徒達が、悪態を吐きながら、その場から走り出して逃げ出す。



その様子に、風紀委員は無線機を取り出し、



「賭博の容疑者が逃げ出した!!良いか絶対に逃がすな!?犯人は……」



逃げ出していく生徒達の、特長を述べていく。



「…………」



そんな周りが騒がしくしている中、赤髪の少年の動きが止まっていた。



周りがうるさくて集中力が欠けた……からではない、



「どうした!?決着を付けて見せろーーーー!!」



最後の一丁を残して全てのコルク銃は空になってしまい、撃つのを止めてしまったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ