始まる者達25
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『『『『シャン…シャシャン…シャン…シャシャン……』』』』
「化け物め……!!」
リナは、山の中を駆け巡って逃げる。
ミンクとの争いは、リナが制した。
『『『『シャンシャンシャンシャン!!!!!!!!』』』』
「また来る……!!」
全てのミンクを、リナ一人で相手をしていたら、数の暴力で負けたかもしれないが、分散されたお陰で、シミュレーションの中のように、ミンクを始末する事は出来たのだが、
『バチバチバチバチバチ!!!!!!!!』
「この……!!」
新たな敵に、リナは四苦八苦していた。
「話にならない」
少しは話は戻るが、ミンクを始末して、三人を助ける為に後を追うとした時だった。
『『『『シャン…シャシャン…シャン…シャシャン……』』』』
「なに?」
闇に紛れて、何人もの「人」が立っていた。
なぜそれが人と分かるのかというと、服を着ていたから……僧侶の格好をして、顔をすっぽりと隠すほど深い竹笠をしていたから。
そんな服装をするのは……そもそも服を着るのは人間しかいないのだから、服を着されられたとかない限りは、人だと判断出来る。
ミンクとではなく人と出会ったのだから、喜ばしい事に思えるかもしれないが、
『『『『シャンシャンシャンシャン!!!!!!!!』』』』
「私は、鳥かご所属の軍人です!!あなた達の行為は、反逆行為と判断します!!早急にここから立ち去りなさい!!」
こんな森の中で修行僧と会うとは思えない。
森の中で腕を振る人達に警告をしつつも、何かして来るようなら、人であろうと始末しようと身構えていると、
『バチバチバチバチバチ!!!!!!!!バッッッチィィィィンンンン!!!!!!!!!!』
「うっ……!?」
修行僧の格好をした者達の腕が光ったかと思うと、光がリナ目掛けて落ちて来た。
「カミナリ!?」
リナは光が走る前に、光が灯った瞬間には横っ飛びに跳んだから避けられたが、
「付いて来い!!」
こんなの、ミィオ達が避けられる訳がない。
突如として現れた敵を、みんなと引き合わせないためにも、リナは謎の修行僧を引き連れて、森の中を走り出すのであった。