表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/169

始まる者達20

「君の仲間が、君がタフネスなのはRLHだからと言ったが、それは違う!!」



「あっ……」



人を背中に乗せる程に、大きな体だったドラゴンが小さくなっていき、



「君は彼の魂を受け継いでいるんだ!!君はドラゴンなんだ!!それはタフネスなんて話じゃない!!君の生命力は、ドラゴン由来のものなんだ!!」



ドラゴンの姿が人になると、目の前に現れたのは鏡映しの自分。



「これから私がするのは、君の中のドラゴンの力を目覚めさせるのに力を貸す事……君がドラゴンとして目覚めれば、苦難に直面する事になるかもしれない……でも、君はそれを望むのだろ」



「……聞きたい事が」



「なんだい」



「何故自分なんですか?」



それは至極全うな質問。



自分は決して特別な家系では無い……珍しいと言えば日本人である事位な物で、ドラゴンと関わるような家系では無い。



「……うん、それは……例えば大統領の息子、首相の子供がいたとして、その子供達が何で、国のトップの人間の下に生まれたって言われたら、偶然としか言いようが無いよね」



「自分にドラゴンの魂が混ざり込んだのは偶然と?」



「でも、君がドラゴンの魂と結合してくれて良かったと思う……他の人だったら、ここまで来れなかったかもしれないから」



自分の姿になったドラゴンは手を伸ばす、それは握手をしようという事。



「あなたの名前は?」



「私かい?私の名前はレイン」



「レイン……?そっくりな名前ですね」



「そうだね…なにせ君の名前は……」



「雫です」



二人は手を握ると、ドラゴンは姿をまた変えていく。



それは頭を垂れて眠りに付いた彼の様に、人型のドラゴンへと姿を変えて、雫をドラゴンへと引っ張っていく。



________



『ギャッイン!!!!』



『ゥグゥオァ!!!!』



焔の狼が、ミンクに殴り飛ばされて宙を舞って、そのまま木に叩き付けられてしまう。



焔の毛色が美しい狼であったが、どうやらRLのような何か特別な肉体を持っている訳では無く、単なる獣がRLに戦いを挑んでいたらしく、



『ガッシィ……』



『グゥルゥゥ……』



時間を重ねるごとに、身体能力の差が出て、ただの獣はRLに追い詰めらていた。



大きな腕で体を掴まれた焔の獣は、抵抗する事も叶わずに、なすがままに、



『バッゴォッン!!』



『ゴフゥ…………』



地面に叩き付けた勢いで、胸を握り潰された。



焔の狼は口から鼻から血を噴出させると、体をグッタリさせて終わってしまった。



『ドサッ……』



死に体となった焔の狼を、もう一つの亡骸である人間の方へと投げ飛ばすと、



『ゴォウ……』



『グゥォ……』



事は済んだと言わんばかりに、二体のミンクは、先に行った仲間の下へと向かおうと……



「うぉおぉあぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!!!!!!!!!」



殺したはずの人間が立ち上がって、雄叫びを上げる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ