始まる者達9
話では無垢なパイロットカードを登録したのだが、何かの手違いでそのパイロットカードが流出してしまい。
更新の時に、そのパイロットカードが無かった為に強制的にロックが掛かってしまい、中央基地で保管される事になってしまった。
「そうか…アイツは模擬戦の時にエラーを吐いて……とんでもない奴だ……」
それはどれだけの確率であろうか?
流出したパイロットカードが地上では無く、いくつかのある鳥かごに辿り着き、その中で軍学校の新入生に流れ、それを何百人といる中で引き当て、訓練地がいくつもある中で中央基地に戻って来て、パイロットカードがパワージャケットに再び差し込まれたのだ。
『ガッシャン!!』
沙羅曼蛇、それは単なるガトリング砲なのだがガトリング砲なのだ。
対地の戦闘機、地上を這うように飛ぶヘリコプターが武装する兵器、それをパワージャケットが使えるようにダウンサイズしたガトリング砲。
『ブゥゥゥブルッッゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!』
『グゥオゥゥッゥオォォ!?!?!?!?!?!?』
森の中で隠れているミンクの体が、隠れていた木と一緒に削れていく。
それはミンクにとって想定外の事。
ガトリング砲は決して過去の兵器という訳では無い。
現在においてもRLに有効な兵器として扱われるが、重量がある為に、兵器として備えている戦闘ヘリ、戦闘車両、もしくは固定配置できる拠点、予め戦場として決められた所に配置される物であり、こんな何も変哲の無い所で、いきなり現れるような兵器ではない。
『グゥオゥゥッゥオォォ!?!?!?!?!?!?』
それは寝耳に水どころの話ではない。
全身に硫酸の水を浴びるかのような、苛烈な想定外の状況に、ミンクは驚愕の声を上げて身を固める事しか出来ない。
『グゥォアァアァアァアァァ!!!!!!!!』
仲間の驚愕の悲鳴を聞いて、他のミンクがミィオを襲おうと森の中から飛び出すが、
『キィィィィィィィ!!!!!!!!』
ミィオは沙羅曼蛇から手を離すと、高周波ブレードを構えて、
『シュゥゥゥゥ!!!!!!』
『グゥアゥゥッゥオォォ!?!?!?!?!?!?』
ミンクが突き出した拳に刃を合わせると、温めたバターナイフがバターを溶かしながら切るように、拳が縦に斬れる。