始まる者達7
「小此木何をしているスか!!」
今度は小此木が怒られる番。
一刻も早くしなければならない状況で、手間取ってしまう小此木。
エラーを吐かれてしまうのなら仕方無いと、銃とヒートソードを持って外に出るしかないのだが、
「緊急用のコードが…くそっ……使えない!!」
それならばとテンキーを押して、何が何でもパワージャケットを強制的に使おうとする。
『ドゴンッ!!』
「小此木……!!ぐっ……!?」
またミンクが突進して、トラックが揺れる。
「小此木……!!」
自分達という、未熟な存在というのもおこがましい程の存在でも、教官達は人手として欲している。
小此木が目の前の新型のパワードスーツを動かそうとしているのは分かるが、時間が無いと諦めさせようとトラックの中に乗り込み、
「自分のパイロットカードを差し込んでも無駄なんス!!さっさと……!!」
『パイロットカードを認識、起動します』
「えっ……?」
新型のパワードスーツに、自分のパイロットカードを差し込んで動ないと言おうとしたのに起動した。
パワージャケットが解放されて、自分と共に戦う者を自分の中に入るように促す。
「それを着て来るんだ!!」
「小此木!!」
「それはパワージャケット!!対RL用の新型だ!!その横にある高周波ブレードとガトリング砲を忘れないで!!」
「小此木!!」
さっきまでパワージャケットに夢中になっていた小此木は、嘘のように興味を無くしてマシンガンとヒートソードを手にして、真っ先に外に出てしまう。
「これを着るスか……」
思い掛けない状況……何がどうなっているのか、状況に追い付けずに解放されているパワージャケットを呆けて見てしまうが、
『ドゴンッ!!』
「ぐっ……!?」
一人になってしまった教官側の方にも突進の攻撃が始まってしまう。
「悩んでいる場合じゃないッス!!」
ミィオはパワージャケットの中に入り込むと、それを認識してパワージャケットが貝殻の様に閉じた。
________
「小此木、こっちを手伝え!!」
「了解!!」
『グォオォオォォ!!』
「来るぞ!!」
「了解!!」
『『ドッドッドッドッドッドッドッドッ!!!!!!』』
『グゥッ!!』
突然の横からの銃撃にミンクは、敵に援護が来たのだと森の中に引っ込む。