始まる者達5
この流れで自分達も付いて行きますと言えば、話が長くなると分かっていたから小此木は素直でいたのに、これでは意味が無くなってしまう。
「……はぁ、いくらお前でもミィオがいたら大人しくしてるかと思ったけど、私達が行った後に付いて来る気だったか」
「ごめんッス…小此木……」
「……銃をお借りしたいのですが」
せめてものの救いはユナであり、自分の事を理解してくれる人だから、しょうがないと諦めてくれたが、
「こいつらを連れて行くのか?新人どころか、」
普通の反応は、教官のようになる。
教官は生徒を連れて行くのに難色を示し、置いていく 方が良いという雰囲気を出すが、
「わりぃ…小此木は大丈夫だ」
「……お前がそういう判断をするなら、問題は無い」
教官は、ユナが言うならと、それ以上の事を追求しなかった。
「だが、ミィオは……」
「自分を一人にするのは危険です!!」
「っだそうだ」
「仕方無い……二人共伏せろ!!」
「「……っ!!!!」」
『『『『ガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサ!!!!!!!!!!!!!!!!』』』』
話がまとまった所で、全員でリナと小此木の救助に向かおうとしたのだが、火内の決死の体当たりで斜面を転がって落ちたRL達がこっちに追い付て来て、
『『『『グゥゥオォォオォォォオォォォォォォ!!!!!!!!!!!!』』』』
発煙筒の赤い光にRLが群がる。
「頭を上げるな!!」
『ドッドッドッドッドッドッドッドッ!!!!‼』
教官がマシンガンのトリガーを引くと、火薬の爆ぜる音、薬莢が飛び出す鉄の音が混ざり合った音が響く。
『グゥオッ!!!!』
『『『グアァァア!!!!!!』』』
不意打ちの弾丸を喰らったRLであるが致命傷にはならずに、雄叫びで声を掛け合うと左右に別れて森の中に逃げ込む。
「タイプはミンクだ!!」
「了解だ!!」
車から降りたユナも、ヘルメットを被ると赤外線カメラに切り替えて、
「丸見えなんだよ!!」
『ボンッ!!』
手榴弾をミンクがいる所に放り投げると、手榴弾が爆発する音が聞こえる。
「やったか!!」
「いんや!!しっかりと避けてる!!」
ミンクも、何かを投げ込まれた事に気付いて、手榴弾の爆発を避けてしまう。
「世代を重ねて来ているというのは面倒だ!!」
人間が使う武器を把握している、昔は手榴弾を投げれば、それが何なのか分からずに無防備に喰らっていたが、それが次第にその場から逃げる事を覚え、今では遮蔽物の裏に隠れるというのを学習している。
『ガサガサガサガサ!!!!』
『ガサガサガサガサ!!!!』
「ほんと面倒な生き物だよ!!でけぇ腕で体を守りながら、森の中を動いてやがる!!」
こちらが闇夜の中でも弾丸を当てて来ると分かっているから、木々に紛れながら太い腕を盾にするのを怠らない。