地上8
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その日、リナ達は太陽が昇っている時間すらも使って、体力の回復に努めた。
昼食を取ってからの昼寝、次に目を覚ましたのは、もう夕食の時間だったが、余程からは栄養を欲していたのか、寝ていたにも関わらず、胃の中に入れた食べ物は全て消化されていて、お腹が空いたと腹を鳴らす。
そこでリナ達は、最後の賭けとして十日目の食料を開封して、多めの食事を取り、
「明日は頑張ろう」
「うん、泣き言は言わないよ」
「大丈夫ッス!!もう一回寝れば元気一杯ッス!!」
頑張らないといけないミィオと小此木は、やる気満々だと、疲労が多少なりとも抜けた体で力こぶを作る動作をした。
こうして運命の分かれ道となる八日目、リナ達は前進をしながらも横移動を始める。
平坦な道を求めての横移動しながらの前進。
朝日が昇った頃から歩き始め、時折休憩を挟み、日が再び落ちるまで歩き……
「見つからなかったッス……これなら真っ直ぐ進んだ方が良かったス……」
平坦な道は見付からなかった。
一か八かの賭けをしようと言って、一日半を無駄にした事に罪悪感を感じて、後悔の念を吐露するが、
「いや、それは無いよ。真っ直ぐ進んだ所で意味が無いんだから、賭けるしかないんだって」
「そうだよミィオ、これはみんなの同意なんだよ。明日も前進しながら横移動するよ」
やるしかないとミィオを鼓舞をして、九日目の朝が来て、同じように夜が来てしまう。
「良くやったよね僕達?」
「当たり前だよ!!途中でリタイヤしなかっただけでも偉いんだから!!」
「ベッドの上で寝たいって、言葉の意味が良く分かったス」
「そうだね。帰ったらゆっくり休もう」
ここまで来て、光明の見えない状況に落胆するのではなく、お互いがここまで頑張れた事に讃え合う。
リナ達は後半からは、無理をせずに訓練を遂行すると決めてから、心身共に健康な状態に戻り、いがみ合うような事は無かった。
「でもあれだね……中央基地まで、どこまで近付いたんだろう?」
「良い所まで来たんじゃない?別にサボって動いていなかった訳じゃないし」
これで訓練が終わるとばかりに、四人は雑談をしながら夜食を食べ終えると、
「それじゃ良い夢を見よう……」
「うん……」
「お休みッス……」
「お休み……」
全員が夜の闇に包まれて、眠りの中に落ちる。
光の届かない闇の中、自分達が夢の中にいるのか、まだ現実の世界の中にいるのか分からなくなる錯覚に陥りながらも、
『…………』
遠くから聞こえる何かの声を聞いている。