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星映しの陣  作者: 汐田ますみ
ドラグーン編

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第76話 リュウシンVSホプロ

 ザッザッザッと雪を踏み鳴らす。リュウシンとスタファノは無言で歩を進めていた。此れから決戦と言う時に呑気に会話出来るほどの余裕は二人には無い。


「僕はこっちだ」

「一箇所に纏まってる訳無いか〜」


 一度立ち止まり、視線を交わすと二人は真反対の方向へ歩き出した。雪山を登るだけでも疲労は溜まる。戦闘前に息が切れるなど以ての外、適度に休みつつリュウシンは歩く。


「それにしても不思議なコイン…」

(霊族が持っていたと言う事はコインはアルカディアで造られたのかな)

「着いた。ココは植物群落…?こんな所があったなんて」


 メトロジアでは馴染みないデザインのコインはその不思議な特性も相俟ってリュウシンの眼には奇妙に映った。アルカディア産ならば彼が聡明な学者であってもコインの由来を解明する事は出来ないだろう。


 光筋の終着点に着く。ティアナとマーシャルの様な雪一色の戦場とは違い、リュウシンの目の前に広がるは植物群落。小さいながらも麓には家々が点在する。資源を賄う山林が存在していても何ら不思議では無い。

 但し、ホプロの姿は何処にも見当たらない。


―――


「……」


 リュウシンの背を一瞥した後に、歩き出したスタファノは彼が自分を視界に捉えられないほど遠く離れたタイミングで立ち止まった。

 懸念材料でもあるのか、長耳をピクピクさせ雪原と青空を見比べる。


「これ以上降らないでほしいな」


 独り言とも天への祈りとも取れる言葉を白息に乗せ、コインの導く先へと足を向けた。


―――

リュウシンSide


「…来ていない訳無い、一体何処に?!」

(落ち着け。僕の相手は結界の使い手、何処かに身を潜めている可能性が……)


 リュウシンは園芸家でも況してや植物学者でも無い。到着後、間を置かずして臨戦態勢に入る。結界法術の使い手が相手とあらば事前に潜み、前後左右何処から攻撃が来ても可笑しくない。


(それなら…!)

「〈法術 風囲い(サークルストーム)〉」


 姿を隠しているのならば炙り出せば良い。地面に右手を置き片膝を付くと、リュウシンはサークルストームを発動させた。円形状の風が彼を中心に広がる。幾ら結界法術で身を隠そうが範囲技を受ければ対処せざるを得ないだろう。


(ロッドが話していた。コミューンアウトと他の法術、及び盾変化は一緒には使えない…!)

「くっ…〈法術 膨れ高まる狂風(ライズゲール)〉」


「来た。ーやぁっ!」

「弱い。俺の風が防げるとでも!?」

「ぐぅっ…!!押し、…負ける」


 救出作戦前、ロッドに結界法術についての詳細をリュウシンは熱心に聴いていた。自身の故郷が結界で覆われている為、誰よりも耳を傾けたのが功を奏し練った対策を存分に発揮する。


 徐々にサークルストームの範囲を広げ隠れ蓑を狭めていくと正面やや左からホプロが姿を現す。彼は暫く盾変化で防御していたが、埒が明かないと感じライズゲールを発動した。

 風VS風の単純な押し合いを制したのはホプロだった。リュウシンの風が弱い訳ではないが範囲を広げてしまったばかりに力が分散し受け止め切れなかった。


「ーーっ!」

(何とか相殺し切れた…)

「同じ目だ」

「えっ」

「〈膨れ高まる狂風(ライズゲール)〉ッ!」

「〈風囲い(サークルストーム)〉…!」


「弱いと言っているだろッ!!」

「うぐっ?!」


 サークルストームが途切れた瞬間に、盾を出現させ力を込める。ジリジリと地面に足が沈み後退するが意地でホプロに食らいつく。先程までの法術同士のぶつかり合いのお陰で威力が弱まっていたようで相殺に成功し息を整える。


 素性の見えないホプロの一言はリュウシンの意識をほんの僅かにズラし、二撃目への対処を遅らせた。故にライズゲールに紛れ放たれたバタフライナイフの存在に気付けず彼は呆気なく足を刺され悶えた。


「抜かない方が良いか」

「少し前にも感じたが、矢張り同じ目だ。痛いか?苦しいか?」

「君は一体何をして…」

「俺はあの日から痛みを感じない」


「!?何だって」

「だから俺を倒そうなどとは思うな」


 ナイフは思った以上に深く刺さっていた。抜いても良いが、抜いた瞬間出血多量で意識が飛ぶ恐れがある為、敢えて刺さった状態を放っておく。戦闘序盤で脚をやられたのは、最悪だ。抜くも地獄、抜かぬも地獄。


 若干足を浮かしてホプロを見据えるリュウシンは彼の次なる行動に驚愕した。予備のバタフライナイフを取り出したホプロを警戒するも、彼は自らの身体に深く刺した。リュウシンが刺された箇所と同じところを何度も何度も。余りに痛々しい光景に居た堪れなくなったリュウシンが声を上げる。

 平然とした態度で淡々と伝えるホプロを見ていると彼の言葉が(あなが)ち間違っていないようにも思えてしまい思わず己の常識を疑った。


「生憎だけどそれとコレとは話が別だ。〈法術 辻風〉!」

「お前は痛みを感じていた頃の俺の目と似ている」

「ぐ…っ」

「痛覚を取り戻す貴重な手掛かりだ」

「君は……」


 今は戦闘中だ。相手の言葉に惑わされまいとリュウシンは地を蹴った。雪上故の鈍さは相手も同じ事、足の負傷は自分のみ。不利な状況を嫌ってリュウシンはふわりと風を纏った。ゼファロで見せた特訓内容、スコアリーズで見せた戦術、それら全ては自然の風を操る風使いの特徴そのもの。

 神経を使う為、積極的に使えるものでは無いが常時発動せず突発的に使う、使えるのであれば戦況は変わる。


 相手の頭上を超え、辻風を叩き入れる。真上から吹いてくる攻撃を盾変化で防ぎ、ホプロは飛び上がった。リュウシン脚に刺さったナイフを無理矢理抜き回収すると彼の顔面に足蹴りして着地する。一連の流れを余裕に熟す彼はそれ以上の追撃を止め、回収したナイフを懐に仕舞った。


「分からない。君は利己的な人ではあるけど常識を考える事が出来る人だ。…そんな人がどうして悪事に従っているんだ!」

「俺はヴォルフさんの言葉に従っているだけだッ」

「罪なき人々を虐げる意味を君は考えなかったのか!?」

「星の民が我等の王に何をしたのか、知らないのか?!それが罪だッ。そして俺は!お前を倒し痛覚を取り戻す!!」


「霊族の王様…が何をされたって?!…な樹木を風で切った!?」

「ゆくぞ」


 此度の騒動で虐げられた者達が居た。理由は何であれドラグ家の人々は傷付いた。リュウシンは霊族の行動を悪だと思ったがホプロの善性まで否定する気にはならなかった。直感に近い思考は、リュウシンの知らない真実によって砕かれる。


 深堀りされる前にホプロが仕掛けた。ライズゲールを何時の間にか発動させていた彼は法術を辺り一帯に自生する樹木に放った。様々な角度から切り取られた樹木が法術を纏いリュウシンを見やる。一秒先の展開に唾を飲み込み、走った。


「めちゃくちゃだ…!!」

「はっ!」

「ーっ!〈辻風〉!」


 指先一つ動かせば丸太は一斉にリュウシンに襲い掛かった。風属性は戦場に散らばる他の物体を利用するのに最適な属性だ。彼自身も経験があるからこそ一歩早く動ける。

 足の痛みを気にする、なんて余裕はとうの昔に消えていた。次々に迫りくる丸太を躱し続けたリュウシンだが不運にも死角からの攻撃に気付けず肩を強打した。此処で倒れれば誰にも顔向け出来ない。歯を食いしばり丸太を掴むと法術を発動しながら放り投げた。


 リュウシンらしくない力任せの行動をホプロは眉一つ動かさず対処した。猛スピードで突っ込んでくる丸太に向かって駆け出すと懐から再度ナイフを取り出し、ライズゲールを纏わせた状態で左右に動かすと丸太はバラバラに切り取られ地面に落下した。


「全部壊せば全部解決する」

「はっ!?」


 そのままホプロも着地したが、彼が足を揃えた場所は地面ではなく切り取られていない樹木だ。丸太を操りつつ樹木から樹木へと猿のように移動するホプロを捉えるのは困難。

 同時に行わなければならない動作が増え、リュウシンは一筋の汗を流した。今の力量では全てを完璧にしようとすると何れかが中途半端になる。さてどうしたものかと一定の範囲内で丸太を回避し思考を回す。


 結果論になってしまうがリュウシンが場を動かなかったのは正解だった。無闇矢鱈に動き回れば死角が幾つも空いてしまう。然し、立ち止まれば攻撃の飛んでくるルートが見え最小範囲内で迎え撃つ事が可能になる。

 背面を取られたと気配で察知した瞬間、負傷していない方の足を半回転させホプロと向き合うと、盾を出し防御の姿勢を取った。予想通り、ナイフの物理攻撃が炸裂し盾を切り裂く。


「そうだろ?」

「っ何でもかんでも壊したらそれこそ解決する手立てを失う…と僕は思うよ」

「!…」


 切り裂いたとホプロが確信した時にはリュウシンは目の前から移動していた。ホプロ同様に付近の樹木に両足を乗せ樹木から樹木に移った。先程から使用している自然の風がブーストとなりホプロより素速く数メートル先の樹木に到達した。


(今だ!)

「〈法術 突風陣〉!!」


『突風陣は別にトドメじゃなくて良いだろ』

『けど、それだと身体が硬直した時の隙を狙われてしまう。硬直しないのが一番だけども』

『三秒だっけか?走って三秒以上掛かる位置まで吹っ飛ばせばッ!』

『簡単に言ってくれるね?!』


「ぐっ…ぁあ!」

(決まった…!)


 幾らか風を交えた後、大技を入れるに相応しいチャンスが巡ってきた。リュウシンの大技と言えば最早説明不要の突風陣だが、未熟故の弱点もある。弱点をどうにかしようと数日前、組手の相手にアドバイスを貰った。その相手と言うのがリオンなのだが、ハードルの高い助言を当たり前のようにしてニカッと笑った。簡単に言ってくれる…或いはリュウシンなら出来ると思ったのかも知れない。


 完全な死角、完璧な角度で突風陣を発動した。決まらない筈が無い。リュウシンの風をモロに喰らい、ホプロは吹っ飛ばされた。発動後の三秒の硬直に焦りは含まれていない。

 ホプロの両目には瞬きごとに増える血痕が映った。爪に雪と土が食い込むほど力を込め立ち上がると雑に鼻を拭う。


『何でもかんでも…』

「何故お前が死んだラフィーネ姉さんと同じ事を言うッ!」

「!お姉さんが亡くなって…。もしかして先の大戦で?」

「違う」

「?じゃあ…」


「俺が殺した」

「……は?」


 先の大戦でリュウシンは実の妹と生き別れた。亡くなってこそいないと確信しているが永別を余儀なくされた者達をその目で見てきた。ホプロも或いはと過ぎったリュウシンは声のトーンを落とし彼に問うた。

 想いとは裏腹な結果にリュウシンは困惑した。気にする余裕が無かった足の負傷が今になって激痛を伴う。心無しか傷口も広がったように感じる。リュウシンの混濁とした揺らぎを知らずにホプロは続けた。


「俺には憧れた人が居た」

「!」


「血の繋がった実の姉ラフィーネ姉さんだ。姉さんは完璧な人だった。他人が困っていると我が身を顧みず助けに行く。怪我人を見ると迷わず手を差し伸べる。姉さんの料理も一流だ。溜息でさえ絵になる美しい人だった。俺はそんな姉さんに憧れた。姉さんのようになりたいと思った」

「だったらナゼ……」


「…憧れてしまったからだ。憧れは超えるものだろう。ラフィーネ姉さんは完璧な人だ。最後の瞬間まで完璧なのか知りたくなった。それだけの事だ。…思った通り美しい死に様を俺に見せてくれた。だが、その日を境に俺は痛みを感じなくなった。俺と同じ目をしたお前を超えれば痛覚を取り戻せる筈だ」


 種族の分別関係なく、人として人間としてホプロは根本的に違うと突き付けられた。犯した罪の重さを思い出話をするかの如く軽々と話した。ホプロにとっては正常な思考の元辿り着いた答えなのだが、リュウシンとは相性が悪かったようで。

 見る見る内に哀から怒へ表情を変えゆく。


「ふざけるな!!!」

「ー…」


 吐き出した怒号に鉄臭い血の味が染みる。リュウシンは唇を噛み締めていた。普段の彼なら使わないであろう声量が喉を傷付け、気持ち悪さに拍車をかける。切れた息をスッと呑み込んで台詞を生成した。


「それが君の戦う理由なら……それが僕と戦う理由なら君にだけは絶対負けられない!お姉さんが完璧に見えたのは、何よりも君が大切だったからに他ならない。そんな事も分からないのか?!君はお姉さんの想いを踏み躙ったんだ!!」

「踏み躙っただと!?」


「下の子を大切に想う気持ちが伝わっていたのに肝心の君が想いの伝え方を間違えてしまった…。君に勝って証明してみせる」

(来る…!)

「〈誉れ高まる狂風(ライズゲール)〉!」


 嫡子として生まれたリュウシンだからこそホプロの言葉に激怒し、叱咤した。たった今リュウシンの戦う目的に個人的理由が含まれた。部分的にしか知り得ないラフィーネが如何にホプロを大切に想っていたか、短い会話でも伝わるのに嗚呼どうして実弟は刃を向けてしまったのか。


 頭に血が上ったが持ち前の冷静さは失わず順序よく策を練った。全身に力を込めホプロとの距離を詰める。対話が破綻したと分かるや否やホプロはライズゲールを発動し、リュウシンの出方を見る前に決着に走った。今回も丸太を浮き上がらせたが数分前とは様子が違う。丸太はライズゲールによって鋭利な武器へと作り変えられ穂先を目標へ向けた。普段からバタフライナイフを持ち歩いているので工作には事欠かない。


(僕だって成長してるぞ…!)

「はぁぁっ」

「ッ動けん…!?」

(リスクが大きいから余り使いたくなかったけどやるしかない)

「〈辻風〉」

「ーー!」


 強風と狂風の鬩ぎ合いで冷却した空気が樹木に張り付き、霧氷現象を引き起こす。一定の距離を保つとリュウシンは更なる自然の風を操る。

 常にリスクを考え最悪を見定める彼は型に嵌るタイプだ。未知の領域を足を踏み入れる行為をしなかったが、リスクを冒してでも勝たねばならない相手に漸く出会った。


 正面と背後から目も開けられないほど強烈な風を浴び、立っているのがやっとの状態のホプロだが木製武器だけは宙に浮かせたままだ。彼なりの矜持のつもりだろう。

 自身も自然の風に慄きながらもリュウシンは両手を正面に合わせ、辻風を発動させた。一種の拘束として風を使うには相当の努力が必要だ。常々変化し続ける自然の風は正しくリュウシンにとっても脅威そのもの。一歩間違えれば反動は普段の比じゃないのは明白。


「く…!」

「僕にも憧れの人が居るんだ。今よりもずっと幼かった頃、僕と妹の命を救ってくれた人が居たんだ…!それまで意識外にあった人が急に格好良いヒーローに見えた。憧れの人のようになりたい。何時か隣に並び立ちたいと強く思った」

「憧れの目、同じだ」


「違う。僕は限界を知りたいとは思わない。隣に立って手助けがしたいんだ!あの日僕達を助けてくれたみたいに!あの人に倣いたいんだ。人生の道標として!!憧れって言うのはもっと単純なんだ。複雑に考えるから君は道標を壊してしまった」

「受け入れられるものかッッ!!!」


 今のリュウシンなら辻風を百発百中で当てられる。気が動転している敵相手になら尚更に。衝撃風と共に無数の切り傷が刻まれ血を流す。ホプロの身体は戦う前から傷だらけの包帯まみれだが、痛覚を感じないのであれば彼が気を配るのは流血量のみ。


 現状、有利を行くのはリュウシンだが彼は秒数を重ねていくごとに気力の限界が近付く。即時決着を望んでいる筈のリュウシンは丁寧に言の葉を風に乗せた。持論を押し付ける気は毛頭ないが、違うものは違うと明確に言いたかった。だって憧れた人に顔向け出来ないじゃないか。


「憧れの人と同じ道を進む夢は叶わなかったけど、どの道を選択しても僕を勇気付けてくれた。此処まで来れたのもその人のお陰だ。僕の思いは変わらないどころか日に日に強まっていく。君とは違う!君の憧れた人はもう居ないじゃないか」

「……ラフィーネ姉さん何故死んでしまったんだ!俺は間違った事をしたのか!?」

「君は痛みを感じている筈だ。痛いだろう心がッ!」

「心…?」

「〈法術 風囲い(サークルストーム)〉!」


 憧れの人との出会いがリュウシンの胸中でループする。彼のシルエットが振り返り幼い兄妹の頭を撫でる。憧れとは人生を変える出逢いであり道標だ。ホプロは無意識の内に道標の光を見誤ったのだろう。殺した瞬間から痛覚を感じないのは、つまりはそう言う事だ。


 ホプロを拘束しておくにもそろそろ限界なようで、気力の底を気取られない内にサークルストームは発動してピリオドを打たんとするが、リュウシンの法術は前髪を掻き上げ敵を見据えるホプロが完璧に防いだ。


「!?」

「俺は痛みを取り戻していたのか。礼を言う少年。お前に勝てば心が喜ぶだろう」

「妙な方向に行ってる気が…うわっ!?」

(ヴォルフさんが俺に言った言葉の意味が漸く解った)


『良いかホプロ。心の痛みだけは、譬え感じなくとも忘れてはならない』

『感じないものは分かりません』

『ホプロ、心が在ると言う事は心の痛みに向き合うと言う事。ラフィーネも心の痛みを乗り越えてきた。これからはホプロも乗り越えていくのだ』


 額、腕、太腿と巻かれた包帯を全て解く。サラサラ落ちていく血の滲んだ包帯が雪上に消えた。リュウシンの叫びはホプロの心を動かした。正しい方向かはさておき吹っ切れた様子のホプロは本気でリュウシンと戦う気のようだ。


 木製武器に付与されたライズゲールが牙を向く。サークルストームを破られたリュウシンが呆気に取られた瞬間には木製武器は彼の喉元に迫っていた。

 脅威の接近にハッとしリュウシンは山林の合間を縫うようにして回避した。回避に全意識を集中した為、自然風の拘束は解かれてしまった。


 限界が近いリュウシンと四六時中、情緒不安定のホプロの戦闘は間もなく付きそうだ。



――――――

―――


 一方その頃、リオンの対戦相手ジャックは珍妙な客人を迎えていた。


「ヌハハ!久しぶりだな。…………レオナルド」


 煙草を吹かした男はまっさらな空を見上げた。

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