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星映しの陣  作者: 汐田ますみ
ドラグーン編

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第60話 風花の声

新章突入!

レオナルドSide


 リオン達が五大宝玉について思考を張り巡らせている最中、レオナルドもまた遠く離れたメトロジア城にて五大宝玉を知る。


「五大宝玉、なるほど。騎士長リオンの能力の根源は後天的な物か」

(然し、アース様が騎士長を生け捕りにする理由は何だ?……姫サマを捕らえるのに邪魔だから。……いや、違うな。態々生かす理由が無い)


 旧カラットタウンでレオナルドはリオンと一戦交えた。勝ち戦の見立てが崩れたのは深手を負っていた筈のリオンが"有り得ない強さ"を見せた時。結局レオナルドが勝利したのだが彼はどうにも腑に落ちなかった。


 ジャンヌの話す"毛色の違う鼠"の件も含め、レオナルドは考察を続ける。脳内で必要な単語を並べ仮説を立てる為、彼は集中していた。

 …その所為で扉の開閉音すら聞こえなかった。何者かがレオナルドの猫背に片手を置き、耳元で囁く。


?「何してる?」

「っー!アース様」

(!?!マズイ)

「……何もしてはいませんよ」


「貴様に課した使命は唯一つ。王女の生まれ変わりと、かつての騎士長を生け捕りにする事。城で過ごせなどと我は申したか?」

「……」

「レオ。王に逆らうつもりか?」

「滅相も御座いません。命令には従います」


 アースはメトロジア城に常在する身。玉座の間で過ごす時間もあれば、城内を闊歩する時間もあるだろう。僅かでも警戒態勢を緩め油断した己に落ち度はあるのだと強引に冷や汗を引っ込めて平静を保つ。


 幾らレオナルドが演技をしようとも、王には全て筒抜けらしい。直接的な言葉で責めずにいる訳は必要ないから。判明済みの事実を態々掘り返したりはしない。何時でも訊けると暗に伝え牽制しているのだ。


 緊迫した空気は去りぬ。アースの口元が薄っすらと開き、背中越しに視認したレオナルドが覚悟を決めた瞬間、ノック音も無しに扉が開け放たれる。


?「アース様」

「何用だ」

(誰だ……?)


「御食事の準備が整いました。冷めぬ内にお召し上がりください」

「……グライシスでは無く貴様が呼びに来るとは。よく此処に居ると判ったな」


「アスト感知したまでです」

「アスト感知、は出来る」

「探るだけですから私の様な一般人でも習得可能です」

「貴様が一般人か?……フンまぁ良い。精々息巻いていろ」


 普段レイガの側に居るシエラが今日だけはグライシスに代わりアースの元へ向かった。時計の針は太陽が真上に来る頃を差し、昼食にはうってつけの時刻だった。レオナルドの背から手を離しシエラの真横を通り過ぎる。


 廊下へ出る直前、アースは振り返り際にシエラを見据えた。懐疑を纏わせた視線が刺さる中で彼女は優美に微笑む。シエラの余裕の所以は何処から来るものか、アースは矢張り知っているのだろう。会話を途切らせて扉は開けたまま去って行った。



「一つ訊こう。貴方は一体誰だ?」

「ウフッ。レイガ様のお目付け役です」

(何時から?百年前には居なかった筈だ)


(……貴方様も私を忘れるのですね)

「お初にお目にかかります。シエラと申します」

「っ!シエラ?!」


 素性不明の使用人らしい女性がレオナルドの警戒心を余計に逆撫でさせる。彼は浮世に執着しないタイプ、"百年前は居ない"との目測が正確であるかは甚だ疑問が残る。


 微笑みの裏の心情を隠し、本名を名乗った。一礼見上げれば、レオナルドは目を見開いて彼女をマジマジと見つめていた。


―――――― ―――

―――

 リオン、天音、リュウシン、ティアナ、スタファノの五人はスコアリーズを去り、街未満の集落へと着実に向かっていた。


「あと、どのくらいで着く?」

「あと少しだ」

「ソレ、さっきも言ってたよ〜…」

(……)


 五人の中で群を抜いて体力の無い天音が音を上げる。彼女の体感にして一時間、小休憩を挟んだとは言え両足は腫れていた。筋肉痛を訴えてもリオンは何処吹く風だ。


 へにょへにょと歩く天音にリュウシンは苦笑しながら彼女の真横に立ち速度を合わせる。先頭がリオンとティアナ、二歩下がり天音とリュウシン、最後尾は両耳をピクピク動かすスタファノと言った並びだ。


「本当はね、ポスポロス技術の四輪駆動って言う交通手段があったんだけど戦の所為で停止してるんだ…」

「うっ…楽に移動したい……」

(……)


 メトロジア王国で、ありとあらゆる分野に置いて著しく発展しているポスポロスには独自の交通手段があった。現在は稼働しておらず、天音達が利用する機会はほぼ無いだろうが一応、此方の世界について伝えるリュウシン。悲しいかな今の天音には逆効果だ。


「おっ見えてきた。集落の末端だ」

「ほらな。あと少しっつたろ」

(……!)

「もー駄目!!」

「うわっ!?スタファノ、大丈夫?」

「ん?」


 雑談を交えた事で気休め程度に体力が回復した天音に、朗報が舞い込んだのも束の間。最後尾で挙動不審だったスタファノが突然、叫び出し両耳を塞いだ。全員が様子の可笑しな彼に注目する。


「リオン」

「あ?」

「付かぬ事を訊くようだけどさ、アッチに知り合い居たりする?」


「アッチは雪山の方か…ポスポロスとは逆方向だが」

「え、雪山って」

「居る。ソレがどうした」

「いやぁ…なら早目に行くのを勧めるよ」


 ゆっくりと両耳から手を退かし、集落とは逆方向を指差してリオンに問う。スタファノの様子から不穏な気配を察したリオンは彼に向き直り詳細を訊こうと半歩近付いた。


 かつてリオンは雪山に登った。雪山で得た力と経験が、今日の彼を動かす道理の一部にもなっている。雪山で過ごす一族に良からぬ事態でも起こったのかと思考回路を回す最中(さなか)に五人の目は"其れ"を捉えた。


「ー!!」

「っ爆発!?」

「ただの爆発じゃあねぇ…法術による攻撃…バカな!?」


「リオン!待っ」

「天音ちゃん行くよ!」

「みんな早い…!」


 大爆発。距離が離れている為、爆発音は然程気にならなかったがスタファノは肩をビクリと震わせ、再び耳を塞いだ。彼にとって爆発音は天敵なのかも知れない。


 爆発の種類を察知したリオンの行動は速い。考えるより先に身体が動く、と言うよりは考えながら同時に身体を動かしているように見える。リオンに続きリュウシンとティアナも雪山へ足先を向けた。


 伸ばした右手が空を切り、取り残されかけた天音をスタファノが支え、一歩出遅れた二人も先頭についていく。


「聞こえてるよキミの声」

「?」

?「……早く行かないと……早く…」


「前方から誰か来るぞ!」

「星の民…ファントムかッ」

「?様子が変だ」

「血の音…彼女は敵じゃない」


(視界が悪くてよく見えない……あ、砂煙が晴れてきた)

?「っっ!会え、…た」


 姿見えぬ彼女の声が聞こえた。流れた血の音が聞こえた。一足先に駆け出したリオン達は砂煙の向こうに人影を発見する。アスト感知により人影は星の民だと断定するが、先のスコアリーズでの一件もある。そんなリオンの警戒態勢を解いたのは、"彼女"だった。


 彼女は立ち竦むリオンとの距離を一歩一歩確実に詰める。ファントムかは、さておき敵である可能性はほぼゼロだ。敵ならば何故深手を負っているのだろうか、何故リオンを見て涙するのか。


?「う…リオ、ン」

「まさか!?」


 リオンが彼女の正体に気付き、駆け寄る。最後の力を振り絞り揺らぐ視界で必死にリオンの姿を捉え続ける。舌に残る血腥い鉄分の味を呑み込んででも彼の名を呼んだ。


 不意に足が縺れ、倒れ込む。地面に激突しないように間一髪リオンが受け止め、青髪の彼女は彼の腕に抱かれた。


「イリヤ!しっかりしろ!!」

「彼女がリオンの知り合い?」

「敵では無さそうだが相当な訳ありのようだ」


「……酷い怪我」

「やっと会えた…。水龍の言った通りリオンは生きてた。…言われなくたって信じるよ」

「何があった!?」

「助けてリオン……!!"()()()()()()()"」


 微かな体温が、意識を繋ぎ止める。

 彼女の名はイリヤ・ドラグ。雪山に住まうドラグ一家の次女にして青髪青目の持主だ。リオンとイリヤの対話を見るに敵意は無いと判断し、力を抜く。


 交錯する青目。風の噂で騎士長は死したと云われていたが、双龍は力を与えた対象者の生死を把握出来るのでリオンの生存をイリヤは確信していた。



 震える声が導く新たな目的地、雪山ドラグ。


 イリヤは青色の水晶石を差し出し、遂に意識を失う。同色のペンダントがだらりと揺れ無情に光る。


「水晶石……ッ。スタファノ!」

「モチロン治すよ」

「頼んだ。お前等は此処に居ろ」


「待ってよ」

「止めんな」

「違う。僕も行く!」

「あたしも行くぞ、あたしの為に。抑、あんたに行動を指図される筋合いは無い」

「こんな時、君が前だけを向けるように役割分担するのが僕の役目だ。その熱くなり過ぎる性を止めるのもね!」


 "盗られた"の意味為す事実は、差し出された水晶石にある。片割れが何者かの手によって堕ちたと理解した瞬間、リオンはスタファノの名を呼んだ。5人の中で深手のイリヤを治せるのは彼を置いて他に居ない。地面に落ちぬように水晶石をイリヤの手に握らせ、彼女を託したリオンは明確な意志を持って立ち上がった。


 リオンの後に続く者が二人。何方も小言を言いつつリオンやイリヤが心配なのだ。リュウシンに言われ、自分の視野が狭まっていた事に気付き情けないと含みある複雑な表情を浮かべた。


(冷静さを失い掛けてたのか俺は)

「リオン、行ってきて!私はスタファノとイリヤさんと一緒に待ってるから」


「天音…」

「エトワールだってあるもん。自分の身は自分で守れるよ!」

「嗚呼、行ってくる」


 言われる前に先に宣言する天音。徒歩ですらリオン達に追い付けない自分が、雪山ドラグに行ける訳も無い。身の程を弁え、微細でも彼の負担が減るならばと強く頷いてみせた。


 此処で二手に別れた。雪山ドラグへ向かったリオン、リュウシン、ティアナの三人と集落へ戻りイリヤの治癒に専念するスタファノ、天音の二人と一人。三人が背を向け姿が見えなくなると天音達も移動を始めた。


「うぅ…リオン」

「……」

「イリヤちゃん、キミは絶対治るよ」

「私に出来る事があったらじゃんじゃん言ってねスタファノ。アカゲソウだって一人で採れるよ」


「天音ちゃん頼もしい〜!じゃあお手伝いお願いしよっかな」


―――――― ―――

雪山ドラグ


「此処が山麓の街…!?」

「これじゃまるで……!」


 最速で駆ける道中、リオンは二人にドラグ家と水晶石、そして己の力の根源について話をした。リオンとて無闇矢鱈に秘術を吐露するのは憚れたが事態は一刻を争う。仕方無い。


「……火の海」


 山麓の街に到着した彼等は、眼前の光景に吐き気を催す醜悪さを見た。長閑な街が一変火の海へと変わっていた。見渡す限り広がる戦火に散り散りに逃げ惑う人々。


「逃げるにしたってこの状況下で何処に。安全な場所なんて…雪山だって安全とは限らない」

「無ければ作れば良い。そうだろう」

「俺の水の力で消化してみせる」


「僕達は二手に別れよう」

「元よりそのつもりだ!」


 やっと絞り出した声は弱音を吐いた。被害は全域に及び、安全圏など存在しなかったからだ。炎々と燃える火の発生源は不明だが対抗出来る属性を持ち合わせているのは、リオン以外居ない。リュウシンの風は火を煽る、ティアナの火は余計に火力を上げてしまう。


 かと言って、何もせず指を咥えて見てる二人でもない。安全圏が少なかろうと火の勢いが弱い場所は幾つかある。逃げ場を知らずに怯える住人を誘導しに、二人は逆方向に走った。


「〈法術 滾清流〉!予想通りだな…さっきの爆発、法術の影響で街中の至るところから火種が飛び散ってる」

(ッ!居る。質の違うアストエネルギー…霊族が!)


 ちまちまと属性放出するのは彼の性に合わない。だからと言って特大量を放出すれば速攻でアスト切れする。故に法術が最適解だ。


 火の海の光景に意識を削がれ、自然とアスト感知を解いてしまったが逃げ遅れた人が法術に巻き込まれぬように位置を把握する為、再度アスト感知を再開した矢先に霊族特有のアストエネルギーが反応した。


 霊族に対して、主に悪い面での思い入れが強いリオンは外套の火の粉を払い退け霊族の居場所に向かった。付近には弱々しい星の民の反応も存在していた。


――――――

リュウシンSide


「今助けます!!」

「すみません、…」


 リオンとティアナと別れた後、リュウシンは瓦礫の隙間から藻掻く人影を発見した。全壊せぬように隙間を広げて見れば負傷した男性が一人倒れていた。意識はあるらしく、リュウシンは慎重に出口を作り男性を助け出した。


「足をやられてしまって動けずにいました。ドラグ家に仕える身として不甲斐ない」

「ドラグ…もしかしてカシワさん?!」


「俺の名前を何故?」

「此処へ来る前、リオンからドラグ家について聞きました。僕は彼の仲間です」


 片足を負傷し、リュウシンに支えられながら立つ男性はカシワ。変わらない茶髪ポニテが特徴的なドラグ家の分家だ。


――――――

ティアナSide


「雪…?」


 リュウシンがカシワと出会った頃、火の海に雪が降り始めた。妙なタイミングの良さに怪訝な表情を浮かべつつも、ティアナは消え始めた火の痕跡を辿った。


「その髪、その瞳の色、聞いた通りだ。あんたドラグ家の人間だな」

「!こんなところにも敵が」


「はっ?待て待て、あたしは敵じゃない味方だ。メイプル、ティアナ・メイプル…。一応リオンの旅に同行している」

「リオン…!そうティアナさんイリヤには会えた?」


 桃寄りの髪色に黄みを帯びた瞳の持ち主はドラグ家五女のオリヴィア・ドラグ。分厚い本を片手に小声で何かを呟く最中、ティアナと出会う。

 警戒心が強いのは当たり前だ。慌てて彼女の誤解を解き、リオンの名を出せば漸く味方を見る目に変わる。


「傷を負っていたが命に別状はない」

「ありがとうティアナさん。私は結界を張っている途中で動けない。どうか、私の代わりにリオンに伝えてほしい…」


「?」

「仮定の話だけど、とても大事な事を」


 分厚い本はどうやら結界法術を含めた文字列が並んでいるらしい。オリヴィアは見るからに戦闘要員では無いが、結界法術は彼女にも扱える。


 ティアナが味方だと知ると今度は、控え目にけれど芯の通った声で頼み込んだ。リオンに伝えるべき重大な仮定を。


――――――


(居たッ!)


 障害物に遮られ反応のあった星の民と霊族の容姿は曖昧だったが構わず飛び出した。

 肩からの出血を押さえ荒い息を吐く赤髪の星の民と、明らかな敵意を持って攻撃を続けようとする霊族。


「はぁっ!」

「ー…!」

「リオン!?」


「お前、ウィルか」

「イリヤ…間に合ったんだ」

「ヌ…。釣られて来たか、間抜け」

「んだと!?」


 二人の間を斬るようにして抜刀するリオン。乱入した彼の勢いに後退する霊族、眉一つ動かさず冷静に素性を見極める霊族の男は手練と見える。


 窮地を救われた彼女の名はウィル・ドラグ。ドラグ家三女にして五姉妹の中で飛び抜けて男気が強い。思い出話に浸る余裕も無く、霊族の男は不敵に笑いリオンを見下す態度を取った。


「イリヤから事情は聞いたかも知れんけど」

「聞いてねぇよ。一言、盗られたとだけ言って気を失ったからな」

「えっ、じゃあ"あの事も"知らない…?」


「ヌハハ!覚悟ッ!!」

「下がってろ。法術…」

「駄目だリオン!!オリヴィアの見立てが、正しければ…今のお前は」


「…水龍斬ッッ」

(技が出ねぇ!!?)


 危惧した事態が起こった。霊族と対峙するリオンは得意の水龍由来の法術で先制を取るつもりでいた。然し、不発に終わった。訳を知った風な口振りのウィルは肩の痛みで呂律が最後まで回らず、結果的にリオンに隙を作らせてしまった。


 コンマ数秒の内に思考をぶん回すリオンだが霊族が隙を見逃してくれる筈も無く、大振りで構えて法術を発動する準備を整えた。


(滾清流は使えた。そして恐らく結時雨も使える。水龍の技だけか?使えないのは)

「くっ!」

「〈法術 火箭・三連武〉」


「仲間、間違い無い」

「間一髪だった」

「助かった」

「一々、礼など言わんでも」


「ヌッハァ。では戻るとするかァ」

「待ちやがれッ」

「深追いは止めろリオン」

「だが!」

「……アロマの為にも今は抑えてほしい」


 盾変化と同時に結時雨発動の準備をするが、どうにも間に合いそうにない。使える筈の法術が突然使えず、自分の思う以上に気が動転したのだ。今度はウィルがリオンを救うべく動く。身体を酷使して二人の間に手を伸ばした。捨て身の行動はティアナによって打ち止められる。


 火の消えた雪降る山麓でリオンとティアナが再び合流し、霊族に睨みを効かせる。効果の程が無いまま霊族は自身を火球に包むと何時の間にやら痕跡を残さず消えてしまった。


「此処へ来る前、ドラグ家の人間に会った。あんたに伝えてくれと話していた」

「情報の整理が必要だ。分家に行こう」


「…全て聞かせろ」

「せっかちな奴。肩貸せ」

「ん」


 暗影を落とし表情が曇るリオンにお構いなくウィルは肩に手を乗せ、支柱代わりにする。別段気にする素振りも無い。


 情報が錯乱した現状では何するにしたって先程の様な不本意な足枷が生まれる。分家、つまりカシワの家へ三人は向かった。


――――――

―――

アロマSide


「離しなさいよ…っ!」

「ん〜どっかな。命令は絶対だからムリ」


 散々荒らされた当主の家に、縄で縛られたアロマが膝を付き頭部からの出血を押さえる暇もなく、眼前の男にガンを飛ばす。


「うぅ〜お母さぁん…!!!」

「サラ大丈夫、大丈夫よ。直ぐにお母さんが助けてあげるから」


 子供はアロマの息子サラ・ドラグ。ドラグ家五姉妹の長女は母親になっていた。子を守る母の顔は何時だって気高い。



星の民と霊族。

二種族の対立は雪山をも溶かす火炎の渦を生もうとしていた。

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