異世界RTA
RTA風小説ってもしかして二次創作って扱いになるんだろうか?一応中身自体はオリジナルなんだけど。
注意
部分部分で過激な言葉を使用しております。あくまで表現上使用しているだけで作者本人の思想を反映したものではなく、また他者の思想を否定するものではない事をご理解の上お読みください。
異世界を最速で攻略していくRTAはーじまるよー!
スタートから計測開始、まずはキャラクリから、他の走者の方たちは元々作っておいたプリセットや作製時間もタイムに含めたりしてるけど私は王道をいくランダム生成で。うーん、コレじゃなんかあれだし、こっちもなぁ。あ!この子可愛い!この子にけってーい!
金髪のロングヘアーに雪みたいに真っ白なお肌、ブルー色のタレ目が優しそうな、全体的に西洋人形っぽい子!
願いがふんだんに反映されている、エゴイズムとかルッキズムを感じさせる素敵な造形だね。お名前はえーっと
回音撫子ちゃん、よーし、今日からお前を転生ちゃんと呼んでやるぜ!
見た目はここまでにしといて次は生まれと特典の決定へGO!ま、ここもガチャ何だけどねー。という事でランダム連打ぁ!
正直どの特典を選んでも絶対にタイムに運が絡んでくる以上目当てとかは無いから面白そうなのが出てくるまで連打連打。え?RTAがそれで良いのかだって?良いの良いの、だってRTA(リアル楽しく遊ぶ)だからね!タイムなんて飾りなのですよ。かざり。
暫く時間がかかりそうだからここでルールの説明を、今回私が走るのは異世界転生者編の何でもありルール、どんな手段を使っても良いから転生ちゃんをエンディングまで連れていく事!簡単だからみんなもやろうね!(n敗)
お、生まれが「高貴な一族」で特典が「絶世の美貌」だって、良いじゃん良いじゃん!好タイム出そうな組み合わせじゃん!という事でこの転生ちゃんで生成開始!
生成まで時間がかかるから、その間にもちょっと説明。さっきも少し触れたけどこのゲームとにかく運が絡んでくる、特典もそうだし一番厄介なのがここの異世界生成、毎回毎回転生する世界の設定が違っていて、とんでもないアポカリプスだったり、波も風も全く立たないような平和な世界になったり振れ幅も凄くって。普通に遊ぶ分には良いんだけどね、走者にとっては地獄みたいな存在なわけよ。ちなみに私が一番楽しかったのが戦争続きの世界の中にバーサーカーをぶっ込んでカーネイジしたのが一番楽しかったです。
とか何とか言ってる間に生成が完了したみたいだね!そんじゃ夢と希望溢れる別世界へレッツゴー!
私は他人に好かれる人間じゃなかった。
好かれなかった理由は単純だ、顔が悪かったというだけ。たったそれだけのことで他人から蔑まれ迫害され続けてきた、ただただ苦痛だった。そんな世界に嫌気がさして、ついには死んでやった。
そうするとどうだ、神様が私を異世界へ連れていってくれるというじゃ無いか。コレはきっと私を哀れんだ神様からの贈り物なんだ!
ざまーみろ!私を馬鹿にしやがった奴らめ!
転生にプラスして更に特典までくれるというじゃ無いか、こうなったらもう私の天下だ!唯一の汚点だった私の顔もこんなに綺麗になった、更に高貴な身分になれるらしい!私をあんな顔に産みやがったクソ親共とこれでさよならだ。
ああ、やっとだ。
やっと私が認められる世界に行けるんだ、なんて清々しい気分なんだろう。
暗いトンネルを抜けると、光と共に見知らぬ二人の顔が見えてきた。黄金の髪に青い目、男の方は切長、女の方はタレ目で一目で私は今世の両親であると悟った。一度俯瞰で自分がどのようになるのかを確認したが改めて目にするとまた格段と良い顔だ、つい笑みを溢してしまうほどに。
ああ、私は何て幸せなんだろう。新しい生を経て、私は本当の私になれるんだ…
それからは充実した毎日だった。美しい母の胸に抱かれ、綺麗な父に愛されて、最も愛らしい私が育っていく。何て神聖で正当な時間だろう。この時間がいつまでも続いていくなんて…
ある日、私は母と父と共に旅行に出ていた。馬車に揺られ緑の中をゆるりと進んでいく。一つ気に入らない点としては御者が醜い事だけだ。
この世にもはまだこんな醜いヤツが残っているのか、気に入らない、だけど今の私は美しいといえど赤児、何もできないことが歯痒い。まぁ、馬の美しさと扱い方の巧さに免じて今日は許すことにしよう。
陽の光の照らされ母の長髪が更に輝きを帯びる、その髪と同じものが自分にも齎されると思うと今からでも心が躍る。
暖かな温度に包まれて父も私も眠くなってきた、その感情に抗うには私の体は随分と幼かった。
それからどれだけの時間が経ったかわからないが、強い揺れによって私は目を覚ました。不快な気分だ、折角心地良く絵画のような美しさの寝顔を晒していたというのに御者の不手際で阻害されてしまった。やはり醜いものは悪だ、なぜ存在しているのか理解できない。醜いということはつまり価値のないということだ。今すぐにその見るに耐えない存在を消してやろうと目を開けた時、目に見えたのは御者の首が飛ぶ瞬間だった。
元々頭があった場所からは鮮血が噴き出し、周囲を、私の体を赤く染めていた。
御者が死んだことは気にならなかった、どの道私が殺していたから。それよりも噴き出す血が光に照らされてキラキラとしていて綺麗だった。
馬が暴れ、車から外へ放り出される。見れば父母も同じように放り出されていた、その美しさの象徴たる部分を失った状態で。
死体に抱かれたまま、地に放り出された私は何もできず死体の影で蹲る事しかできなかった。
暫くしてから汚らしい男の声が聞こえてきた。
「貴族様なだけあって、服も装飾品も全部上物だ。それにこんな綺麗な髪と目なら個別にバラして売れる。そうなりゃ俺は大金持ちよ!」
どんなに汚らしい者でも美醜の判別はつく様で、父であったものから服や装飾を剥ぎとっていた。粗方盗り終わったのか、私の方へと向かってくる。
「女の方も良いもん着込んでんじゃないか、最高じゃねーの。ん?なんか抱えてんな?死んでまで護りたいものってーとそりゃ最高に豪華なもん残してあんじゃねーの?」
私を見つけた男がその穢れた手で私に触れてくる、腹立たしい。私はお前なんかよりも価値がある存在なんだぞ!弁えろよ愚民が!
「なんだガキかよ、てっきり金目のもんかと思ったんだがアテが外れたか。お?お前も良い目してんじゃねーかよ、そういうの早く教えてくれってんだよ」
やめろ!私に触れるな!私はお前よりも価値があって!世界に愛されてて!私が主人公!お前はクソ以下の端役!そんなヤツが私に気安く触れるな!
「そんじゃあ、いただいてくぜ」
やめろ、やめろ!私から奪うな!私の美しさを、私の全てを奪わないで!
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ハイ、転生ちゃんが死んだところでタイマーストップ!
タイムは一ヶ月と10日!私の自己ベストが確か3日くらいだから。うーん、速くは無いけど遅くも無いってな感じのタイム、絶妙にネタにしにくい。
まいっか。
完走した感想だけど、いやーやっぱり良いねぇ他人のリアルでタイムアタック、RTAは。
今回は特典は良かったんだけど生まれは高貴なせいで守り固かったし、それにやっぱり異世界生成の所でうまく良い世界を引けなかったみたいだね。
今回で何人目だったかなぁ?100?いやもう300人は居たっけかな?わかんないや!わかんないけど楽しいから良いよね!
それじゃ人間諸君、次のRTAまで震えて待つが良い!
バイバーイ!
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