創世、そして
ご高覧いただきありがとうございます。あけおめです。
なんとなんと、新年早々「白骨少女が逝く」の評価者数が1000人を超えました~!
評価平均値も4.5とかなりの高評価を頂けており、読者の皆様には感謝の念が尽きません。
これを糧に今後も頑張っていきます。どうぞ今年も「白骨少女が逝く」をよろしくお願いいたします!
…ところでまだ星を付けたことがないというそこのあなた!ページの一番下の白黒のお星さまを輝かせてみたくないですか?お星さまは輝いてこそですよ^^
むかしむかし、世界には氷と炎の世界のみが存在していました。氷の世界にある"とある湖"が凍りつき、氷となって氷の世界と炎の世界を隔てる深く大きい裂け目へと落ちていました。
深く大きい裂け目へと落ちた氷は長い長い年月を経て大きくなり、深く大きい裂け目の入口に届くほどの大きい氷の山になりました。大きくなった氷の山は炎の世界の熱によって溶け、溶けた氷は雫となって滴り落ちました。
その雫には生命が宿り、やがて人と牛の形をとりました。
雫より生まれた巨人『ユミル』からは3人の巨人が生まれました。同時期にユミルと同じように氷の雫より牝牛の『アウドゥムラ』が生まれました。巨人たちはアウドゥムラの乳を栄養源に、アウドゥムラは氷山に含まれる塩を舐めて生きていました。
アウドゥムラが舐めた氷には1人の生き物の髪、頭、そして体が生じました。彼は最初の神さま『ブーリ』。ブーリは次なる神さま『ボル』が生みだしました。
ボルは巨人の娘と交わり、3人の子どもを儲けました。子供たちは『オーディン』『ヴィ―リ』『ヴェー』の3人の神さまでした。
3人の若く賢く、野心ある神さまたちは、炎と氷しかない不毛の大地を栄えさせようと手を施そうとしましたが、暴虐の限りを尽くす巨人たちが障害となりました。
3人の神さまたちは巨人たちに戦いを挑みます。そこで3人の神さまたちは、まず老いたユミルを殺してしまいました。ユミルのあまりに大きな体からは無尽蔵に血が流れ出て洪水となり、深く大きい裂け目は血で満たされ、ユミルから生まれた巨人たちはみな溺れてしまいました。
ユミルの体から溢れる血が収まった頃、オーディン、ヴィリ、ヴェーの3人の神さまたちはユミルの肉体を血の海から引き上げ、その肉体を用いて大地を創りました。
氷の世界と炎の世界の中央に位置するその世界は『ミズガルズ』と呼ばれました。ユミルの肉からは大地を、血からは海と川、湖を、壊れていない骨からは山々を、細かく砕けた骨や歯からは石を、髪からは草木を、脳みそからは雲を、そして頭蓋骨からは天空を創り出しました。この天空には、炎の世界から溢れあてもなく飛び出した火花を据え付けて太陽や月、無数の星々が創られました。
3人の神さまたちは見つけた2本の木の幹に生命、精神、視る力、聴く力、話す力を授けました。2本の木の幹は人間の形をとり、2人は原初の人類となりました。2人は『アスク』『エ■■ラ』と名付けられ、神さまたちによってミズガルズに住まわされました。
人の住むことのできない外の世界『ウートガルズ』からミズガルズを守るため、神さまたちはミズガルズの周りにユミルの睫毛から柵を張り巡らせました。ウートガルズには、ユミルの血の洪水から生き残ったベルゲルミールという巨人が移り住みました。
神さまたちは星の流れを調節し、昼夜や年の長さといった概念を創りました。
それから、何処からかやってきた他の神さまたちがオーディンたちに加わりました。神さまたちは、彼らの住まう天の住居『アースガルズ』を創りました。
その後、様々な種族が交わり、新たな神さま、種族、世界が創られました。
・・・
永遠に栄え続けると思われた世界は、あらかじめ決まっていたかのようにあっけなく終末の時を迎えました。神さまたちは巨人の軍勢と戦い、世界は宇宙もろとも滅び、生き残った神さまによって新たな世界が生まれる…はずでした。
原初の人間であるアスクが、神さまたちと巨人たちが戦うきっかけとなるはずであった、とある1人の神さまを殺してしまったのです。あろうことかアスクは人間の身に殺した神さまの力を宿し、その他の神さまや巨人たちを殺して回りました。
いびつな形で終末の時を迎えた世界は完全には滅びませんでした。アースガルズは滅びましたが、ミズガルズなどの地上にあった世界は崩壊を免れました。わずかに残った神さまたちは、自らの力で何者も寄せ付けない迷宮を作り、その中に姿を隠しました。たった1人生き残ったとある巨人は炎の世界に渡り、静かに暮らしました。
アスクはいくら神さまによって創られた体といえど、神そのものの膨大な力に耐えることが出来ず、終末の時が終えると同時に塵となってしまいました。アスクは、体が塵となって消え去る寸前、自身の妻であるエ■■ラに体に害がない程度の力を託したとされています。
そしていびつなままであった世界には『管理者』と呼ばれる者が降り立ち、『過去』『現在』『未来』の方向を修正することで、辛うじて人類が繁栄できる程度にまで世界を修復しました。『管理者』と呼ばれる者たちは世界の修復で力のほとんどを使い切り、自身の化身を地上に残して去った後、姿を現すことはありませんでした。
それから人類が繁栄して幾千の時が流れましたが、神さまや巨人といった世の流れに奔流を促す者を失った世界は完全に停滞してしまいました。このまま無為に世界は在り続けてしまうと思われましたが、世界に転換期が訪れました。それは『異界人』と呼ばれる者たちの参入です。
世界に降り立とうとする異界人たちに目を付けた『管理者』のうちの1人は、残った力を使いとある1人の異界人に干渉しました。『管理者』はその者がこの世界の理に完全に縛られぬよう、『過去』を操作し自身が創り出した『ルール』を押し付けました。外なる者に流れ出した世界を止めさせぬように、我々の希望を失わぬように、と。
ですが、『未来』を司る『管理者』は一度ならず二度までも定められた『未来』を変えて良いわけがないと…
…おや、どうかしましたか?ディラさん。
…私の言ったことに覚えがある?それは当然です。
《あなたこそが、我らの希望なのですから》
『あなたこそが、我らが主の希望なのですから』
「白骨少女が逝く」構想初期に固めていた設定をようやく出すことが出来ました。
AAO運営的には本文中の「世界が停滞した状態」を維持しつつゲームとして提供して少しずつ流れを強めていくはずだったのですが、どっかの凄い人がいらんことしたせいで今のような状況になっています。




