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白骨少女が逝くVRMMO記  作者:
王都
62/96

王の乱心‐5

ご高覧いただきありがとうございます。


「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」


 細剣がガラス玉を貫いて『吸魔』が魔物さんを襲う。私が細剣で貫いた勢いで魔物さんは五体投地みたいな格好になってるから、起き上がりたくてもなかなか起き上がれなくてもがいている。

 というか、熱い!熱すぎる!私は細剣から手を離せない関係上、魔物さんに馬乗りになってるんだけど魔物さんの体から出ている炎があまりにも熱い。これ、『吸魔』でHPを吸収できてなかったら魔物さんに馬乗りになった時点で私死んでたんじゃない?

 それに魔物さんが私を振り落とそうとめちゃくちゃしてくる!胸の部分を地面に縫い付けられてるくせに元気だね全く!どうにかして動きを封じれないものか。

 そういえばさっき、闇魔法が進化どうのこうのでダークバインドがどうこうって聞こえてきたよね。バインドって縛るみたいに意味だったよね!じゃあそれ使ってみよう!これ以上悪いことにはならないでしょ!


「『闇縛』!」


 さっき覚えたばかりのスキルを使うと、細剣から黒い蔦みたいなものがニュルニュルと生えてきて素早く魔物さんの体に巻き付いていく。心なしか蔦が巻き付いた場所の炎が弱くなっている気がする。というか魔法の同時発動なんてできるんだね。やろうとも思わなかった。

 相変わらず魔物さんの体は青い炎で覆われているけど、『闇縛』のおかげで若干抑えられているし、魔物さんは『闇縛』の蔦のおかげで全くというほどではないけど動けなくなっている。高々Ⅲで覚えた魔法なのに便利過ぎないかなこれ。

 そうこうしているうちに『吸魔』の持続時間が切れてしまったから、急いで魔物さんの背中から飛びのく。見たところ魔物さんはまだ生きているし、『闇縛』の蔦も消えてしまった。さてここからどうしようか。


「オ、オオ・・・」


 魔物さんはフラフラと立ち上がって無機質な目で私を見据える。


◇◆◇◆◇


名前:‐

種族:スルトアバター


Lv:52

HP:4631/19999

MP:384/4999


スキル:「獄炎魔法Ⅳ」「岩石魔法Ⅸ」「頑健」「魔装」「轣ス遖阪?蟾ィ莠コ」


◇◆◇◆◇


 ほぼ満タンの状態からここまで減らせたなら上出来、なのかな?でも全然HP残ってるんだよね。でも弱点わかってるし、ヴィオもいる。思ってたよりなんとかなりそう。


「ナゼ、ナゼコノヨウナトカゲノホネゴトキガ、シンイノミワザヲツカウノダ・・・!ソノチカラハ・・・!キサマハ、カミガミノツカイダトデモイウノカ・・・!」


 相変わらず何を言ってるのかいまいち聞き取れない言葉で話している。一応言葉の端々は聞き取れるんだけどよくわからないんだよね。ヴィオのことをニーズヘグなんていうよくわかんない呼び方するし。そもそもヴィオは生まれてから私としか過ごしてないんだから、見ず知らずの魔物さんと面識があるわけがない。人、いや龍違いだよ!


「イクラカリソメノスガタトイエ、コレイジョウチカラヲロウヒハデキヌ・・・!キサマトノケッチャクハアトマワシダ!」


 魔物さんはそう言って体の炎を強く燃え上がらせたかと思うと、その姿は掻き消えていた。セリフは三下だったけど実際めちゃくちゃ強いんだよね。というかあの言い方的に再戦があるってことですか・・・


「一応終わった・・・のかな」


「そうだ、ブレイさんは」


 あの後、まだ意識を飛ばしていたブレイさんを担いで街の中へ戻ろうとしたけど、体格的に無理がありすぎてどうしたものかと思案していると、街の中から黒髪ロン毛の爽やかイケメンが出てきて


「なんだこの有り様は・・・僕の真の戦場はこっちだったというのか!」


 とかわけのわからないことを言ってたから、無視してブレイさんを運ぶようにお願いした。この黒髪ロン毛はロインさんというらしく、ブレイさんの部下だそうだ。他の門はどうなったのか聞くと、襲ってきた分の魔物さんは殲滅したけど逃げた分は特に追撃もせずに見逃したらしい。それってクエスト的にはどうなんだろう?あのムカつく王様は全部殺せとか言ってたよね。

 というか、私が戦っていた方にはあの魔物さん以外いなかったのはどういうことなんだろう。熱気がすごすぎて他の魔物さんは近寄れなくてその分が他の場所へ流れちゃったのかな。


「とりあえず、ノーリはもう安全さ。他の街や王都がどうなっているのかはまだ連絡が無い。もし他がまだ交戦中なのだとしたら僕らも駆り出されるだろうね」


「なるほど」


「ところで君は?なんとも怪しげな恰好をしているけど」


「流れの商人みたいなものです。今はお売りできるようなものは持ってないですけど」


「・・・まあそういうことにしておこう。今は尋問をする時間も人員も足りない」


 どうやら見逃してもらえたらしい。ちゃらんぽらんな感じの人だったけど、私が変なことに気付いてたっぽい。怖い怖い。

 とりあえず一難去って平和になった街の中をぶらぶらしていると、噴水のある広場に人が集まってちょっとした騒ぎになっていた。まだ何かあるのかな。



「オイこれ見てみろ」

「なんだこいつ、燃えてる?」

「例のごとく『鑑定』は通じないらしい」

「何か言葉しゃべってるらしいぞ」

「おいおい、攻略組が一撃で殺されてんじゃん」

「強さ的にレイドボス?」



 あー・・・もうだいたいわかった。あいつ(スルトアバター)だ。何、今度は王都の方に行ってるの?まあでもあっちなら強いプレイヤーも多いだろうし大丈夫でしょ。

 そんなことよりも私には今やらなければならないことがある。そう、ステータスチェックだ。


「神様仏様運営様・・・!どうか・・・!どうか・・・!」


◇◆◇◆◇


称号:セットなし


名前:ディラ

種族:呪狂(カースドインセイン)竜骸(ワイバーンスケルトン)

職業:‐

所持金:87000ギル


Lv:‐

HP:127/127

MP:24550/24550

SP:88


装備:瘴石英の細剣、滅聖の外套、瘴気の編み上げ靴、蜀・逡後?鬥夜」セ繧


スキル:「闇魔法Ⅲ」「錬成」「瘴気」「念話(邪)」「看破」「吸魔」「竜の因子」「詠唱破棄」「細剣術・流麗」「細剣術・猛撃」「呪法」「魔装」「細剣術・致命」


パッシブスキル:「冥王の加護」「呪狂竜」


取得称号:『棺離寫のお気に入り』『艱難辛苦を求めし狂人』『最速の異界人』『邪王龍の友』『超オーバーキル』『弱点克服への近道(聖)』『暗愚の屍』『卑劣』『冥王の友』『呪いと狂気の二重苦』『物好き』『情け無用』『アリアーナの友』


アイテム:存在進化のスクロール、瘴気に染まりし錆びた長剣、英華の宝玉、呪いに呑まれた邪なる宝珠、王家のメダル


◇◆◇◆◇


「神は死んだ・・・」


「勝手に殺すな。こんなところで何をしてるんじゃディラ」


「へ?」


 外聞もへったくれもなく地面に横たわっていると、背後から私の名前を呼ばれた。この声は・・・!


「おばあさん・・・?」


「ふふふ、元気そうで何よりじゃ。ディラも、そのチビトカゲもな」

というわけでイベント回第5話目でした。

理菜はなんとかスルトアバターを退けることができましたが、なんと奴は王都の方にすぐ現れたとのこと。意外と再戦は近いのかもしれませんね。

そして久しぶりにおばあさんと遭遇。どこにでもいますねこのひと。

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― 新着の感想 ―
[一言] HPが…3桁から3桁になった… よし変わってないなセーフ
[一言] (´・Д・)▁▂ 焼いちゃう? そろそろマジで防御力を攻撃力にした鈍足メタルスライムになりそう((( *艸))クスクス
[一言] 王都陥落秒読みですねクォレハ…
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