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故郷へ

 そして、スティナはカゴを持ち、シムの腕をつかむ。


 シムは自分に血なまぐさい臭いがついてないか、気になった。

 だが、スティナは気にした風もなく、シムと一緒に歩き出す。


 かわいらしい少女だけど結構な修羅場を潜り抜けてきたんだろうな、とシムは直感していた。




     * * *


 エルフの森へとスティナとペットを送り届けた、といえば恰好いいが、本当はそのペットの導きでエルフの森にたどり着いた。


 エルフの森のゲートはそのまま竜の大地へと繋がり、シムはそのまま帰ってきた。

「今度、遊びにおいでよ」

 そんなことを、スティナは言っていた。



 竜の大地のゲートの前で、シムは大きく伸びをしていた。


――ペットの名前、聞いておけばよかった。

 そのペットのおかげでかなりエネルギーの節約になった。

 充電切れにならなかったのは間違いなくペットのおかげだ。



 居住区に着き、シャワーを浴びた。服を着替え、そのまま充電に入る。


 さすがに異世界のはしごはきつかった。

 それは、機械の腕を拾ったことからはじまった。

 ドワーフたちの死体を見つけ、アンドロイドを破壊した。思いもかけず寒い国へ行き、馴染みの顔に再会。思いがけず猫の無事を聞けたのは嬉しかった。瓜二つの少年。ゲートを開く爬虫類。

 今日はいろんなことがあった。


 そんなことを考えながら、シムは充電していた。

 その後、シムは長く深く眠った。




     * * *


 次の日、シムは、あの手が落ちていたゲートを確認していた。


 ゲートはしっかり閉ざされている。

 その周辺に手は落ちていないし、ゲートの向こうから気配を感じることもない。


 結局、あの手はなんだったんだろう?

 誰かが助けを呼びたかったのか―― あのアンドロイドが自分の暴走を止めてほしかったのか―― ただの偶然だったのか――

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