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第6話 パーティ初邂逅

間違えて、サブタイ『第6話』じゃなくて『第8話』って書いてたので修正しました。内容に変化はないです。



世界とは醜悪だ。



弱者が強者を我が物顔で支配する世界。勝ち続ければアンチが湧き、負け続ければ踏み台になるしかない。


才ある者は淘汰され、英雄願望も既に無い。


民衆は他人から聞いた情報に踊らされ自意識を持たず、時には政治家すら甘い妄言を垂れ流す。


『世界は見えないルールに縛られている』とは、友達の言葉だったか。



どれもこれも、平和が産んだ怪物だ。



だから思ったのだ。私にもし二度目の人生があるのならーーーー『その時は完全な機械になりたい』、と。


私がもし、完全な機械であればそんな事に悩まなくて良かったのに、と。



人に愛を。


星に平和を。



あぁ、反吐が出る。



定価37万円のアンドロイド。最後までただの創造物でありきれない人生だったーーーー。










◆◇◆◇



「あ、エルティ!お仕事おつかれ!」



「エル〜〜!」



「あ…二人とも。帰ってきてたんですね」



あー、うー、………………もしかして、合体してます?



「ん?エルティ、その鉄扇は?」



「ああ、これはーー」



ーーーー

【名前:なし】

LV:5

種族:宝石(魔除けの鉄扇)

性別:無

ランク:E+

所有者:エルティ・ライムハート


筋力:E

耐久:D

敏捷:ー

魔力:A


スキル【流離い人】【進化する石】【念話】【魔除け】

ーーーー



「うわ、なんだこれ、魔道具?」



「鑑定結果がこれなんですよ」



何故かステータスが上がってます。最初は確かにただの宝石だったのに。

それに、種族の横にある(魔除けの鉄扇)の文字……。


明らかに埋め込まれた鉄扇と合体してますね!多分、()内の名前は鉄扇の名前なんでしょう。【念話】と【魔除け】のスキルも鉄扇の影響でしょうし。


だとしたら、ステータスが上がったのは………耐久は鉄ですから上がって当然ですし、筋力が上がってるのは……いまいち実感湧きませんが一応武器として使われるんですし当たり前ですかね?



あ、いつのまにかマスターが知らない二人と話してる。マスターの姿はどう見ても子供なんですから、知らない人について行ったらダメですよ?



「一応、念話石も使ったから話せるよ?」



「えっ……、エルちゃん、この魔道具意思があるの?」



「まじかよ、最近は鉄扇が喋る時代なのか……」



「違います!魔石を埋め込んだんです!」



「ああ、そういう……」



あれ?これって意外と仲良いパターンですか?つまり、目の前の二人はお友達ですか?いや、まだ何も聞いてないのに結論を出すのは早い。冷静に問いただしてみましょう。



『ご紹介にあずかりました、魔石のエーテルです。街道の草むらで動けずに困っていた所をマスターに拾われた身です。………ところで、お二人はマスターの何なんでしょう?もし、マスターを害する者であるならば………わかっていますね?』



「オイ、いきなり恫喝してきたぞ、この石っころ」



「私たちは、エルちゃんの仲間だよ〜?」



『仲間……ですか?』



いけない、いけない。ちょっと冷静になりきれなかった。仲間だったんですか。仲間。ナカーマ。

……まぁ、どうせ脅したところで、石ころ風情の私には目の前の二人をどうにかできたとは思えませんから、大丈夫でしょうけど。



「ああ。アタシはイズミ・カエデ。極東出身の武芸者だ」



「わたしはファルル・ルーシィ。一応、魔導研究者の一人なんですよ〜」



「そういえば、本格的な紹介はしてませんでしたね。私はエルティ・ライムハート。一応これからあなたの主ですよ?」



そう言って3人は息を合わせて自己紹介をしました。個人的には最初に話しかけてきた人……イズミさんが転生者じゃないかと疑いましたが、髪が灰色なので違う気がします。多分この世界にも日本に似た文化の国があるのでしょう。

あと、間延びした口調の人……ファルルさんの魔道研究者とはなんでしょう?わからないので後で聞きましょう。

マスターは既に知ってました。ステータスに丸々フルネーム書いてましたからね。


それより、私には聞きたいことがあります。



『とりあえず、おおまかでも皆さんの事は把握しました』



「それはよーござんした」



『ところで、お二人はどのような契約でマスターに手を貸しているのですか?』



「え?」

「「はい?」」



え?何か変なこと言いましたか?何を驚くのか、だって協力に対価が必要なのは当たり前だろう。現代日本で「友達だから協力して!」なんて言おうものなら、協力してくれても、後で必ず「前、手を貸したんだから手伝って」って言う人いるでしょう。

命の危険の無い日本の、それも友達でも損得勘定がしっかりしてるんだから、ギルドなどの協力の場があるだけで、命の危険が近い冒険者に契約関係が無い訳ない。



『まさか、絆とか言わないでしょうし………』



「「そのまさかだよ(ですよ〜)!」」



『………あ、そうですか』



意外とお人好しなのか、単純にバカなのか………。どちらにしろマスターは良い仲間を持ったようですね。



「びっくりしました。お二人が何か打算があって協力してるのかと、疑ってしまいました……私は未熟者です」



………いや、いきなりどんな契約関係で?とか聞いたら揺らいじゃうのはわかりますけどね?

………マスターは日本人によくいる潜在的に人を信じてないタイプでしょうか?



『いきなり、疑ってかかってすみません』



「ホントだな!」



「もぅ、酷いですよ〜」



まぁ、真っ向から疑ってかかった私がこの場では悪役でしょうから謝りますが、元より絆とか言い出す人は信じない性質(タチ)でして。二人には悪いですが、警戒は解かないでおきましょう。

【エルティ・ライムハート】………幼女。銀髪。ハネっ毛。碧目。色白。小柄。Bランク冒険者。


【イズミ・カエデ】………少女。灰髪。ボブカット。赤目。黄色人種。童顔。東国の武芸者。


【ファルル・ルーシィ】………少女。蒼髪。おかっぱ。黒目。色白。癒し系。魔道研究者。

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