表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/53

ブラフに怯える者共

「ねえ、リョータ。さっきから若い娘にやたら挨拶してるけど何で?」


そりゃ未来のハーレム要員だし。


「あれは娼──」


「にゃあ!」


イファナが抱きついてくる。

どうした?!


「ちょ、イファナ?!」


ラックルがイファナを引き剥がす。


「キミは何やってるの?!リョータに迷惑だろう!」


ラックルがイファナに怒りながら言うが、


「いや、俺は歓迎だぞ」


柔らかくて気持ちが良いし、チャージも加算されるからな。


「・・・ふーん、そう」


ラックルがぷくーっと膨れ、俺の腕の抱きついて来た。

これで男じゃなければなあ。


捕虜を囚えている施設につく。


「良し、じゃあリョータ、山羊さん出して」


ラックルが促す。


「山羊さんにゃ?」


イファナが小首を傾げる。

可愛いなあ。


「うん。ブラフなんだけどね。契約を反故にしたらこの羊が怖いよ、って脅しておくんだ。そうすると、契約破らなくなるんだよ」


多分破った結果、国の重鎮が大量消失しているのだけど。


「にゃ?羊にゃ?山羊じゃ無かったにゃ?」


イファナの周りに疑問符が沢山飛んでいる。


「羊の皮を被った山羊だね」


ラックルの答えに、混乱した様子のイファナ。

正常な反応だ。


まあ、山羊さんを呼び出そう。


ぽむ


「にゃ?!」


イファナが全身の毛を総毛立て、その場に尻餅を付き、涙目で、蒼白になり・・・震える。

勘が鋭いと言うのは本当のようだ。


「山羊さん〜、またお願い〜」


ラックルがバフォメットを撫でくりまわし、バフォメットがごろごろのどを鳴らす。


「ちょ・・・馬鹿リーン・・・何やってるにゃあ?!」


イファナが涙声を絞り出す。


「誰が馬鹿だ、この馬鹿猫」


ラックルが不機嫌そうに言う。

君だよ、間違いなく。


「姉ちゃん、自信作作ったで」


バフォメットが、そっと紙を差し出す。


契約に違反した場合、この世の全ての生者が******に隷属します。


と書かれている。

何でだよ。


「うん、いいと思うよ」


ラックルが答える。


「「良い訳ない(だろ)(にゃ)!」」


俺とイファナのツッコミがハモる。


「駄目にゃ、リーン。この話は無しにゃ。手伝いとか要らないにゃ!」


イファナが涙目で首を振る。


「嬢ちゃん、もうちょい利口になった方がええんちゃう?安心し?迅速安心確実の山羊さんコースやで?」


にたあ、と山羊さんが笑う。


「ひっ」


イファナが怯えて座り込む。


「大丈夫だよ、イファナ。山羊さん、話し方は怖いけど、優しい山羊だよ」


そう言って、ラックルがバフォメットの喉を撫でる。

ラックルの恐れ知らずには本当に戦慄する。


「あああ・・・」


イファナが震えて抱きついてくる。


「山羊さん、申し訳ないがさっきの文言はなしだ。加害者側に限定される文言にしてくれ」


まあ、今までのも、等、とかついてたので、アウトなんだけど。


「兄ちゃんがそう言うのならしゃあないなあ・・・最近ぼちぼち人手も増えてきよったし」


山羊さんが書き直す。


違反した者、それを命じた者達、命じた者と意志を同じくする者達


と書き換えた。

うん、まあ、こっち側には被害及ばないだろう、多分。


「そのままでも良かったと思うけどね」


ラックルが言う。

君は実に馬鹿だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ