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当人にしか分からない事

「め・・・滅相もございません。大変申し訳ありませんでした」


老人が地面に額を擦り付ける。


「ラックルとイファナは返して貰うぞ」


俺の言葉に、


「勿論でございます」


老人が顔を下げたまま言う。


「このものが余の稼ぎ場(朋友)である旨、ゆめゆめ忘れるな」


バフォメットの言葉を、老人が、神官が、騎士が、額を地面に摺り付け、受け入れる。


バフォメットが颯爽と、壁に溶け込むように消えていった。


ラックルがこっちに駆け寄り、泣きじゃくる。


「良かった、生きて・・・生きてた!」


イファナも駆け寄り、


「リョータ様!」


泣きながら抱きついてくる。

2人の背中を抱き寄せ、


「大丈夫。もう大丈夫だよ。さあ、帰ろう」


羊を呼び出し、


どやあ


「その羊は嫌だよ・・・」


ラックルがわがままを言った。


--


エルフの集落に戻る。

イファナを猫人の集落に送り届けようとしたのだけど、とりあえずラックルと話が有るらしく、ついてきた。


ラックル、エルフ達から王女様って呼ばれてるんだよなあ。

何故だろう。


「リーンとはまだ会えないな。まだリーンに認められる事してないし」


「この上なく認めてるよ?!」


俺の言葉に、ラックルが泣きそうな声で叫ぶ。


「え、リーンと会わない?どういう事にゃ?」


イファナが疑問符いっぱいの様子だ。


「うう・・・イファナ、夜に説明・・・する・・・」


「にゃあ」


後は・・・


「イファナ、ハーレムの事だけど」


「にゃあ?」


イファナが嬉しそうに俺の目を覗き込む。


「まだ今はハーレムに加えられない」


「にゃあ?!」


イファナが泣きそうな声で叫ぶ。


「この国の王女様・・・リーンを、最初のハーレム要員にすると決めたんだ。だが、リーンには断られた・・・それを中途半端で放り出す訳にはいかない」


「何でにゃああああ」


イファナが何故かラックルをぐらぐら揺らす。


「ちが・・・イファナ、後で、後で話す」


ラックルが苦しそうに言う。


「それで今は、リーンの心を射止める為、色々してるんだ。そしていつか、リーンに・・・俺を受け止めて貰う」


「早くするにゃあ!」


「イファナ・・痛い・・・痛いから噛むな!」


ラックルが悲鳴をあげている。

イファナとラックル、仲が良いなあ。


「と言うか、キミも、リーンと会ってくれ。絶対に受け入れてくれるから!」


あのなあ。


「ラックル・・・世の中には絶対は無いんだ。当人にしか分からない事、って有るんだよ」


「分かるよ、超分かるよ!」


駄目兄貴の典型だ。


「にゃあ・・・だいたい話が見えて来たにゃあ。リーン、何故こんな事してるにゃあ?」


イファナが半眼でラックルに尋ねる。

だからリーンじゃないって。


「好きでやってるんじゃない!」


・・・俺嫌われてる?


「そういう訳だ・・・イファナ、気持ちは凄く嬉しいが、少し時間を欲しい」


「分かったにゃあ・・・待つにゃあ・・・後でリーンしめとくにゃあ」


しめないであげて。


「と言うか、本当にリーンはキミが好きなんだってば!」


「次の偉業・・・考えておかないと。今のままでは・・・自分に自信が持てない」


「持ってよ!」


「また明日、付き合ってくれ・・・またな!」


ラックル、イファナに見送られ、エルフの集落をあとにした。

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