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大切な存在の死
高校3年の秋、祖母が亡くなった。
訃報を聞いたのは、ちょうど大学合格の通知を受けた直後だった。
「麗奈が無事合格できたから、安心して逝ったのよ」
母にそう言われて、私は涙が止まらなかった。
それから約1年後、今度は小学生の頃から飼っていた愛犬が亡くなった。
3姉妹の中で唯一 麗奈だけが愛犬の火葬に立ち会った。もともとは私以外の姉と妹が欲しがった愛犬だった。大学生になると姉と妹は家にいることも少なく、愛犬は寂しそうに弱っていった。
しばらく玄関で動けないで過ごす日々を送っていたが、ある朝 麗奈が見ると冷たくなっていた。
中学・高校と、寂しい時や悩んでる時にいつも側にいてくれた愛犬だった。知らぬ間に麗奈の心の支えになっていた。
冷たくなった愛犬を前に、私は泣いた。
静かに泣いた。