え、俺勇者なの?《後編》
「俺は、俺は!」
少年は叫んだ。
「俺は勇者なんかじゃない!」
その瞬間、国が、いや世界がこの
少年に呆れただろう。
絶望を希望に変える少年が、全てを
絶望に変えたのだから。
「お主、名をなんと申す」
老人はいった。それに関しては素直に
答えた。
「俺の名は、アルス。アルス=ザースト」
「ザーストというのはザースト家の人間ということでいいんじゃな」
この老人、何かを知っているようだった。
「しかし、アルス。この国の法として
剣を抜いた以上、責任を持って魔族と戦うのは義務。お主に拒否する権利はない」
魔族と戦う。それは、歴戦の戦士とて容易いものではない。
「しかし、よりにもとってザースト家の人間が引き抜いたか…」
(また言ってるよ…)
「あの、うちの家系って引き抜けない家系なんですか?」
「そんなことはないが、科学特化の戦術により、魔術が格段に落ちた一族と言われとるよ。ザースト家は。
なんにせよ。お主は勇者じゃ。
明後日、英雄式を行う。つまり、明日は
王に忠誠を誓わなければならぬ。よいな」
そこまで聞いて、この勇者というものの重みを、ようやく感じられた。そして思った。
え、俺勇者なの????
こんばんは。大月です。
この作品意外とPVが3桁いってて驚きました。有難うございます!
そんな状態で失礼なのですが、来月あたりから新作を考えております。書き方が全然違うので、わかりませんが、今作品よりは完成度高い予定です笑
ではまた次回お会いしましょう