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20XX年、3月某日のこと。
俺、小賀龍介は世界有数の発展都市“レイヴェル”から同じ世界有数の発展都市“フェイント・アース”に引っ越すことになった。
前に勤めていた会社の上司から、もっと世界の技術の見て来い、と言われて引っ越すことになった。
世界有数の発展都市は、今からおよそ十数年前に突如世界各都市で大規模な発展現象が見られ、人口が急上昇した都市のこと。
半年前から着々と引っ越しの準備を進め、いよいよ今日この街に引っ越して来た。
「......此処が、眠らないワンダーランド“フェイント・アース”か...。結構、噂通り賑やかな街だな」
「ようこそ、小賀龍介さん!!世界有数の発展都市の中でも、最も発展している“フェイント・アース”へ」
「.........」
「...あれ?不発だったでしょうか...」
「いや、お前誰だよ」
「あ、大変失礼致しました!私この街では有名な方であります社乃碕雅と申します」
「...あぁ、何となく聞いたことがある」
確か、この街で行われるパレードやフェスティバルを企画している人物だとか.....。
しかし、風の噂で雨の日は全く姿を見せないとか...とても謎の多い人物だ。
「あぁ、そうでした!龍介さんの家は此処から数分程で到着致しますので地図をお渡しします。道中お気を付けて」
「ありがとな」
雅から地図を貰い、俺の新しい家に向かった。
それから数分後、一軒の空き家を見つけた。その家こそが俺の新しい家だとすぐに気が付いた。
「結構、見た感じは良い家だな。普通にシンプルで」
俺は、すぐさま引っ越しの荷物を家の中に入れようと荷物の方に向きを変えたら、目の前に何時の間にか二人の女性が立っていた。
「ねぇ...君、今日この街に引っ越して来た人でしょ?」
「まぁ、そうだけど」
「やっぱり!!お姉ちゃんの言った通りだ!」
「こら、エイシー!余計な事言わないのっ!」
何なんだ...この姉妹(?)は、俺の前でいきなり姉妹喧嘩って......。
「...あ、ごめんなさいね。いきなり喧嘩しちゃって」
「え...いや、俺の方は大丈夫。お前らの名前って...?」
「私はあなたの家の隣に住むアンジュ・キラメイアって言うの」
「同じくアタシはエイシー・キラメイアだよー!」
「え...、エイシーってあの現役世界格闘技チャンピオンのエイシー?!」
「そだよ~」
「それで、あなたの名前は?」
「...あぁ、俺は小賀龍介。前居た街はこの街と同じ世界有数の発展都市“レイヴェル”から、引っ越して来た。」
「へぇ~、あの“レイヴェル”からねぇ...」
「珍しいわね、発展都市から発展都市へと引っ越す人なんて」
「前に勤めていた会社の上司にもっと発展している都市の技術を見て来いって言われてさ...。それでこの街に来たのさ」
「そうなんだ...あ、今夜ウチに来ない?」
「え、良いのか?」
「歓迎するよ、お姉ちゃんの手料理でさ」
「...それじゃあ、お言葉に甘えて今夜の7時に家に行くよ」