第八十二話
カカイ王国が聖王国アゼラウィルに対して侵略作戦を開始した頃、砂船で砂漠を移動したイヴ達大空の巫女一行は、目的地であるヒグラン遺跡へとやって来た。
砂漠に囲まれた中にポツンと現れる、ボロボロの石畳に途中で折れて長さがバラバラの石柱。広さはそれ程広くはなく、石柱を目で追っていけば向こう側の砂漠に抜けてしまう程度だった。
「あっちぃなー」
船に乗っていた時には受けなかった強い日差しがイヴ達に降り注ぎ、イヴはパタパタと胸元を開けて風を送りながら、サラサが差し出す日傘の影に入って移動している。
この日傘は下船する際に一人ずつ貰った物だが、サラサはイヴを優先して自分は完全に日陰には入っていない。もちろん、リュリュとモイセスは自分たちの分は自分たちで差していた。
そんな中でイヴは比較的、形の残っている石柱に近付いて状態を見る。
「暑いのでしたら、日が傾いてからに致しますか?」
「それだと光源がねぇ。まあ、魔法で明かりを灯せばいいけどさ」
サラサの提案もイヴは乗り気では無いようで、それを感じたサラサは口を慎み顔を伏せた。イヴが柱の近くに来たことで、サラサも石柱の影に入り一息を吐く。
日傘を片手に懐へと手を忍ばせたリュリュは、埃っぽい空気を嫌うようにハンカチで口元を押さえる。
「それで、ここって何なの」
周囲を見回したリュリュの感想は、何の面白みも無い石だらけの広場。かすかに残る石畳や石柱もひび割れや欠けていたり、砂で埋もれてしまった物まである。
イヴはリュリュの質問に答えながら次の場所へと移動を開始した。
「ヒグラン遺跡、この国が建国するよりも前からあるって話さ」
「それにしては形が残ってる方だな」
「さて、本当のところは誰も知らないからねぇ」
どっちにしろ面白い、とイヴは愉快そうに笑う。しかし、イヴが楽しそうにしても賛同するのはサラサ位で、残りの二人は興味なさそうに話半分にしか聞いていなかった。
だが、イヴの口から出た言葉に、その内の一人が食い付く。
「そんでアタシが調べたところじゃ、ここには大事な何かが眠ってるって感じなのさ」
「お宝かっ」
「そんなのもう発掘とか盗掘されちゃってるんじゃないの?」
食い付いたのはモイセス。ただ、リュリュも綺麗な宝石なら興味はあるのだが、埃っぽい所に入っての宝探しには興味が無いようで、自慢の髪を弄りながら今日の夕飯のことを考えていた。
「ま、アタシとしちゃ、宝は有っても無くても良いけどねぇ」
「イヴ様は考古に造詣が深いですからね」
楽しそうに笑うイヴと、誇らしげに微笑みを浮かべるサラサ。
イヴは両親も考古学を専攻していて、彼女が巫女になろうと思った目的も、様々な土地へ行けて情報や資料も集まるからだった。もちろん、候補生になるためには面接もあるが、猫を何枚も被って騙しきったのである。
「んなことはどうでも良い。宝はどこだ?」
「入り口はここさ」
しばらく歩いて遺跡の中央に来ると、そこには地下へと続く階段があった。既に何十という調査団が入ったのだろう、降りやすいよう壁にロープが取り付けられている。もっとも、それも長い年月で風化してしまっているが。
明かりなど当然あるはずもなく、暗がりに進む地下への階段は淀んだ空気すら見えそうである。当然、そんな場所をリュリュが好き好んで行きたがるはずもない。
「えぇー、こんな所に入るのリュリュは嫌だよ。埃っぽくてカビ臭そうだし、服どころかこの綺麗な髪まで汚れそうじゃん」
「そんなもん、お得意の美容効果魔法とかで何とかすりゃ良いじゃないか」
「効果があるのかは疑問ですが」
サラサの純粋な疑問に対しリュリュは不敵に笑うと、身体に巻きつく髪を腕で軽く持ち上げ、身体に触れさせることなく器用にに流した。透明感のある緑色の髪は光を反射してキラキラと輝く。
そして、先ほどと同じように身体に巻きつく髪型へと戻っていった。
「このサラサラで纏まりのある髪とか、スベスベなお肌を見て分かんないかな。って言うか、むくみ取りとか使わせてるじゃん」
「ありゃ、ただのマッサージみたいなもんだろ。つべこべ言わずにさっさと入りなっ」
イヴが足を持ち上げようとしたのに気付き、蹴られる前にリュリュは遺跡の内部へと嫌々入って行く。彼女らの魔王討伐の旅は、修院からの依頼や魔者の退治とは全く関係ない、個人的な楽しみを行う旅路だったのだ。
◇◇◇
一方、聖王国アゼラウィルに侵攻を開始したライナス率いるカカイ第一陣は、何をおいても速度を優先して地を駆け抜けた。
遅れる者は後から付いて来るよう指示し、国境の守備隊も詳しい情報を本国へ連絡させる暇も与えずに突破。神聖樹の周りを囲う防壁にまでやって来ていたのだ。
かつてレオ達と共にラザシールと戦い、その時の功績で小隊長に出世したクルト・ハッペもまた、右翼に陣取る第一軍団の小隊長として参戦していた。分隊長では十人ほどだった部下も、今では四十人にまで増えている。
「クルト隊長、いよいよですねっ」
「あぁ、いよいよだ」
気合の入る副官を他所に、クルトはこの戦いの厳しさを考えていた。いや、正しくは尖兵たちにとっての厳しさである。
防壁を越える戦いというのは、どうしても防衛側が有利になるもの。しかも、神聖樹の守備隊は、王都の次に大事な地域を任せられている実力者たち。攻めるのに苦労するであろうことは、誰でも予想出来るだろう。
副隊長は光を遮るように手を額に付け、防壁の上に視線を移す。
「門は確りと閉じて、防壁の上にはずらりと守備隊が並んでますよ」
神聖樹への接近を阻む防壁は、だいぶ離れていても顎を上げて見上げるほど高かった。高さは八十メートル以上は有り、梯子をかけて上ろうにも上からの妨害によって落ちてしまえば、まず命は助からないだろう。
さらに防壁、門共に分厚く、破壊して突破するのも困難。対魔法の処置もしているらしいが、カカイは隣の大国アゼラウィルが魔法国家だったからこそ、剣弓によって進歩してきた国である。魔術師も居るが、広範囲や高威力の魔法を使える者は少なかった。
「お前ら、頭上には注意しろよ。弓はもちろん、石や魔法も落ちてくるぞ」
ただ、戦闘が圧倒的に不利かというとそうでもない。聖王国に対抗意識を持っていた国だからこそ、対魔法の道具や戦術も揃っている。そして何より、一番重要なのは相手の守備隊の少なさである。
神聖樹には近くの魔を吸い取る性質がある。故に防衛で魔法を使うことを考えれば、防壁は少し離れたところに建てる必要があり、必然的に監視すべき範囲も広くなっているのだ。
それら各地に点在している守備隊全てを集めても、総数はカカイの一大隊ほどにしかならない。そして、ここに集まるカカイの兵力は、大隊が三つ集まっての軍団が二つに、数は少ないがライナス直属の兵まで居るのだ。
「先ずは生き残ることを優先しろ、時間を掛け過ぎたら相手の味方になるが、多少の時間ならこちらの味方だ」
いくら神聖樹から離れたとは言え、他の場所と比べればここは格段に魔力の消費が大きい場所。いくら実力者とは言え、長時間魔法を連発していれば何れは倒れてしまうだろう。
それに何より、第三、第四軍団も後詰としている。つまり上層部であるライナス達からすれば、この戦いにある程度の勝算はあるのだ。一介の兵士たちの犠牲の上に……。
もちろんクルトも国を護る兵士であり、小隊を預かる地位にいる。その考えを否定する気はないが、それでも自分や部下達を生き残らせるために色々と頭を働かせるのだった。
「やっぱ出世すると大変だな」
以前、第一軍団の副団長であるアイナの指揮下に入って感じたことを、クルトは誰にも聞こえないほど小さな声でポツリと呟く。
その小さな呟きを耳の端で捕らえた副隊長は、防壁からクルトへと視線を移した。
「何か言いましたか?」
「……いや。それより兵士の疲労はどうだ?」
「十分回復してますよ。むしろ標的が見えて、気合が入りまくりって感じですかね」
副隊長は一度鼻息を荒く吹かせると力強く笑う。
そうこうしている内に、決められた回数だけドラが鳴り響く。耳を澄まさなくとも聞こえてくる音は、十。前口上が始まる合図だった。
前口上が始まるということは、戦闘直前の合図でもある。自然と空気は引き締まり、皆口上を聞こうと耳を澄ませながらも、引き締まった顔は城壁を向いていた。全員がバラバラの方向を向いていては格好がつかないからである。
そして、力強く遠くまで響く声はクルトの耳にも届いた。
「聖王国アゼラウィルの兵士諸君。余はカカイ王国の国王、ライナス・ベレスフォード・ジンデルである。余を暗殺しようと企て、魔者との係わり合いのある貴国に神聖樹を任せることは危険であると判断した。直ちに門を開き即刻王都へ戻り、事の詳細をアンセルム王に伝えるがよい。さすれば、諸君らの命まで取ろうとは思っておらぬ。返答や如何にっ」
拡声器によって大きくなった声は門の上にいる兵士にまで届いた。
ただそれは、ライナスの跨る馬にとってはかなり大きな音に聞こえるだろうが、彼の馬も周囲の馬も暴れることはない。訓練されているというのもあるが、ライナスの威によって逆にピクリとも動けなかったのだ。
しかし、門の上では複数の人が動き出し、しばらく経った後で後方から誰かが出てくる。周りの兵士の様子からも、男の地位が高いことは分かった。
「権力武力にご執心の王自らの登場とは、ご足労痛み入るっ。私は神聖樹アゼラウィルの守護を、アンセルム王より直々に請け賜った、ウィルザー・チーストンである。この地はかつてより我らが祖国の地。貴様らが如何に浅知恵を使い甘言を弄しようとも、世界中から謗りを受ける侵略者であることに変わりは無い。即刻立ち退き、自国で弁論でも語っておれっ」
聖王国側から笑い声こそ起こらなかったが、強い侮蔑を込めた返答にクルトの隊員達も怒りで身体を震わせる。だが、直接暴言を向けられたライナスは涼しい顔で受け流していた。
「誠に残念だが、要求を受け入れられないのならば致し方ない。……聞けッ、勇敢なるカカイの騎士達よ。愚昧なる聖王国は、大国であるが故に自らの行いを正義だと思い込み、他国を見下すなど驕り高ぶっている。眼を開いてしかと見よ、力を誇示するが如き高き壁を、嘲罵を浴びせ周囲を見下す兵士達を、あれこそ聖王国の姿を示すものである。壁を越えよ、己の壁を超えよ。貴君らの勇戦に期待するッ」
ライナスの言葉に兵士は雄叫びを返し、その叫びは言葉ではなく爆音や轟音としか区別出来ないものであった。地鳴りにも似た揺れがクルトの心と身体を震わせる。
「全隊構えッ」
中隊長からの命令が伝わり、クルトの小隊は手に持った弓を一斉に引く。
以前、大海の巫女メーリが飛翔魔法を変則的に使っていたが、あれが戦争で使われることはほとんど無い。当然どこも対策をしており、一番の標的にされるからである。
しかも敵の攻撃を瞬時に避け続けられる程の術師が少なく、そのクラスの魔術師を数人で特攻させる位なら、普通に魔法を使わせた方が効率的だからだ。もっとも、カカイにはそこまでの術師自体が居ないのだが。
「放てぇーー」
「お前ら、自分の矢に当たって死ぬんじゃないぞっ」
中隊長の号令と共に、一斉に手を放つ。クルト小隊の役割は弓を射掛けること。
この巨大な防壁の前では、どんなに角度を調整して強く放とうとも上まで届かないだろうが、それを補助するのがカカイの魔術師の役割。放たれた弓矢に風が巻きつき、空気を切り裂いて速度を落とすことなく飛んでいく。
しかし、魔法を使うのは相手も同じである。強い風を吹かせれば弓矢は上まで届かず、下に落ちてカカイの兵士を傷付ける武器にもなる。
射掛けるという行為は、放たれた矢を簡単に返されたところを見れば、無駄に被害を出すだけにしか見えない。しかし、クルト達の役割はこれで良い。魔術師の魔力を消耗させ、使われる攻撃魔法を減らす。それが彼らの役割だった。
「各員、防御は各々の判断で行え」
中隊長からの指示が飛ぶ。
彼ら弓隊の右腕には、分厚く顔ほどの大きさの盾が装備してある。長方形の角度がついた盾は、受け止めることよりも受け流すことに長けている防具。強度を増した分だけ重量は増えたが、上に向かって弓を引く時はその重みで弦を引くことも出来た。
それを頭上に掲げて防御の体勢を取るが、盾で全身を覆えるほどの広さはない。落ちてきた弓矢が身体を傷つけ、中には盾が粉砕してそのまま直撃する者も居る。
「重傷者は後方に下げろ」
だが、打ち落とされた弓を防いだところで、守備隊の攻撃が止まる訳では無い。彼らも魔力消費を抑えるため、城壁の上からはもちろん城壁の中腹にも細長い穴が開き、そこから次々と弓矢を射る。
雨の様に飛び交う矢だが、クルト達を狙うのはそれだけではない。
「火の玉が飛んで来てるぞ、注意しろよ」
矢が雨だと言うのなら、火の玉はさながら星である。真昼だというのに、遠くで輝く幾つもの小さな光が、徐々に大きくなりながら近づいて来ている。
それでもクルト達は弓を射る手を止めずに、火の玉の行方を注意深く監視していた。幸いなことに、火の玉がクルトの小隊に当たる事は無かったが、他の部隊にはいくつか被害を出す。
それによって焦げるような臭いと悲鳴は、風に乗って遠くの兵士の鼻や耳にまで届くのである。
「射る手を止めるな、突入部隊はこんなもんじゃないんだぞッ」
だが、クルトは気合を入れるように、自分の部隊だけでなく周囲の部隊にも聞こえるよう大声で叫ぶ。
弓隊の役割は先ほどの魔術師対策以外にも、とにかく弓を射続けることで、梯子で登る部隊や門を破る部隊の突入を援護することにある。
突入を行うにはどれほどの犠牲が必要なのか。鎧や盾では防ぎきれない魔法が降り注ぎ、地面には巨大な落とし穴が幾つも作られていた。カカイ軍の接近を知って、人力では掘れない深さと数。それを可能とするのが魔法である。
弓矢はもちろん火炎の玉が飛び、岩石が雪崩れ落ち、突風が吹き荒れ、激流が押し流す。そんな理不尽とも呼べる防衛戦が行われているのだ。
意識を少しでもこちらに惹きつけるよう、少しでも突撃部隊の助けになれるよう、クルト達は一心不乱で弓を射続けるのだった。
◇
戦闘が始まって既に五時間近く経過しているが、一向に防壁を突破出来る気配は見られず、防壁の側に様々な死因の死体の数だけが増えていく。
そんな誰もが早く防壁を越えたいと願っている頃、その防壁の内部では新たな戦いが始まろうとしていた。
「進め進め、早く門を開けるのだ」
それは別の場所から防壁のに上り、突入を開始した第三、第四軍団の混成部隊。一つは城壁を越えて森を抜けながら門を目指し、一つは城壁の上を移動して横手から守備隊を攻撃しようとしていた。
どちらも息を殺しながら移動をする必要はなく、早く門へ着くため急いで駆ける。例え守備隊が気付いたとしても、壁を越えられた以上戦う以外に手はなく、それで表への攻撃が散発になれば良かったのだ。
「……これが防壁なのか」
そして、門の近くにまで来た部隊が、森で息を整えながら目にする内側から見た防壁は、網の目のように通路が張り巡らされ、そこを兵士が駆けることで物資の搬送や迎撃を効率的に行っている姿だった。
休憩所か物資置き場か、通路の途中にある建物などから、入り組んだ街の裏路地といった印象を受ける。
その光景にしばし唖然とした騎士だったが、防壁上から聞こえた怒号や剣戟の音で意識を戻す。防壁上では早い内から戦闘が始まっており、壁を越えて進入した事は敵も既に知っている。今も門を取りに来るであろう部隊を警戒し、近くの森を注視していた。
「行くぞ、我らの手でカカイを勝利に導くのだ」
「おおおぉぉぉーーーーー」
雄叫びと共に、息を潜ませて身を隠してた森から一斉に飛び出す。そして予想通り防壁の外と同等、いやそれ以上に激しく降り注ぐ弓矢の嵐。門を開けられれば敗北は決定的になるのだから、必死になるのも当然である。
門までは幾つかのバリケードが行く手を阻み、歩みが遅くなった時も弓矢が降り注ぐが、守備隊のほとんどは防壁にいる。何とか門の前に置かれたバリケードまで辿り着くと、それを退かす作業に移った。
「門を死守せよ、門を死守せよッ」
「急いで退かせ、門はもう目の前だぞッ」
双方の指揮官の声がぶつかり合いながらの攻防は、今まで守備隊を護っていた防壁が今度はカカイの部隊に味方するのだった。
それと言うのも分厚い防壁である以上、どうしても通る場所の空間は、さながら横坑のように長くなってしまう。なので一度中に入ってしまえば、上からの攻撃が届かないのである。
防壁の入り口を確りと護る騎士も、周囲の騎士達も外の仲間に聞こえるよう歓喜の雄叫びを上げる。そして大概の物を撤去し終え、いよいよ閂に取り掛かろうと思った瞬間、それは突然降ってきた。
「何だっ」
騎士は始め、防壁が崩れたのかと思った。切り出した岩のように、横長い物体が落ちてくるのを目撃したからだ。
しかし、それは何かに引っかかったように空中で止まり、その長方形の物体の中から一回りほど小さい、同じく長方形の物体が落ちてくる。それを何度か繰り返し、段々と連なりながら最後は地面に突き刺さった。
「壁だとっ」
両開きの門への接近を防ぐように、上から落下してきた壁。だがそれは、敵の接近を許さないためだけではなく、外側から門を開けようとした時に壁に突っ掛かり、完全に開けられない為のものでもあった。
「防壁を潜って通れるのはここ一ヶ所だけだが、門が一つだけと言った覚えはない。そして――」
騎士は嫌な気配を察知し咄嗟に振り返るが、それよりも早く空気を切り裂く音と共に、無数の矢と門に接近する時には使われなかった数多の魔法が襲い掛かる。
「誘い込まれたのは貴様らの方だ」
最後に騎士が見た光景は、尖った先端を向けて向かってくる透明な壁。そう思えるほどに密集した多数の氷柱だった。先ほどまで上げていた歓喜の雄叫びは、一転して悲痛の叫びへと変わり、門の外に悲報を伝えるのだった。