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Elsaleo ~世界を巡る風~  作者: 馬鷹
第五章 『別れ』
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第五十三話




 巫女メーリの来訪に驚きながらも、何とか出迎えの準備は整い、紅茶とお茶菓子がテーブルの上に並べられる。さすがのケクゴアも雰囲気用の健康茶を出すことは、最初に頭を過っただけで自重したようだ。


 そして、挨拶と紅茶を飲んでの感想が交わされると、本題を聞き出すためにケクゴアが切り出した。


「それで、本日はどのようなご用件で?」

「えっとですねー、用事というほどのことじゃなくてですね。ほら、わたし達が泊まった宿にケクゴアさんのお薬が置いてありますよね」


 確かにメーリ達の泊まる老舗宿には、ケクゴアの作った薬を置いてある。しかも、今回は急遽入れ替えられた最高級品で、理由はもちろんメーリ達が泊まるからである。

 ただ、相手によって品を入れ換えるのは、あまり褒められた行為ではない。宿側も議会に言われたから換えただけで、元々置かれている物でも高級品だったのだ。


 レオ達がこの屋敷に来た時にレイド達が出かけていたのは、その納品作業があったからだった。


「それを見たアロイスさんが、『凄い出来だわ』って褒めいていたんで、街を見て回る時に寄ってみようかとなりました」


 同じ街ならついでにと寄ってみれば、出迎えでゴタゴタさせたのが少し後ろめたいのだろう。

 ただ、そう思っているのは発案者のメーリだけで、他の仲間やケクゴア達は全く気にしていなかった。むしろ品物を褒めてもらって、わざわざ足を運んでくれた事実が嬉しいのである。


「それはそれは、お褒め頂きありがとうございます。私共もこれからの製作に一段と気合と精魂を込めて頑張れます」


 そして、和やかな雰囲気で話しが進んでいると、部屋の奥から人の声が聞こえ漏れてきた。そのことに初めに気付いたのはケクゴア。誰が騒いでいるのかも検討がついているので、弟子の一人に静かにするよう視線で促す。


 しかし、それに気付いたメーリが何か有ったのかを尋ねる。


「いえ、先ほどまで食事をしていた方々の声が聞こえてきただけです。今、静かにさせますので」

「あっ、もしかしてわたし達が来たから……えっと、まだお食事中ならこちらで食べても構いませんよ」


 何気ない一言だったが、ケクゴアとレイドは困ったように固まり、テルヒは呆れたようにため息を吐いた。

 どうしようかと迷う弟子に、ケクゴアが頷いてそのまま伝えるように行かせた。伝えたところで、断るだろうと思っていたからである。


 しかし、メーリを含めた誰もが断るだろうと考える中、伝言役の弟子よりも早くその少女は姿を現した。真紅の髪を揺らして楽しそうな笑顔。部屋全体が明るい色に彩られ、続いて背後から静かで落ち着いた少年が現れる。


「お初にお目に掛かります、メーリさま。私はクロノセイド学園に在籍している、エルザ・アニエッリと申します。こちらは一緒に旅をしている学友の……」

「レオ・テスティです。御目に掛かれて光栄です」


 見事な挨拶と一礼。普段のエルザしか知らないケクゴア達は、顔には出さないが驚いていた。これは今のエルザの立場がケクゴアの客人だからということもあるが、メーリ自身がマリアほど市民に不満や人恋しくはしてなさそうだからである。


 ケクゴアとの話を除き見た限りでは、メーリよりも真面目なテルヒの印象を悪くすることを避けたかったのだ。

 人目のつく屋敷では無理だろうが、後でダナト達魔族のことを伝える必要がある。その時橋渡しとなるのがマリアの手紙。彼女が推薦した人物である以上、恥を掻かせるようなことは出来なかった。


「昼食の件ですが、御前でいただくのも失礼かと思いまして、出来れば食後のお茶をご一緒させてはいただけませんでしょうか?」

「うん、いいよ」


 あっさりと出された許可にエルザは礼を言うと、空いた椅子に座る前に後ろを振り返った。返事を聞く前に移動したが、どうやら一大決心をしたようだ。そこには弟子の後に続くコンラド達の姿があった。


「こ、コンラド・パルラモンですっ」

「テオドール・デュカーです」

「ぷ、プりゅム・キュトラで、です」


 傍目から見ても分かるほど、緊張で硬くなっている。手足が一緒に動くコンラドや名前を噛んだプルム。一見普段と同じように見えるテオドールだが、焦点が合っておらずここではない何処かを見ているかのようだ。


 ただ、それも仕方のないことだろう。一介の学生が世界の頂点に立つ巫女と対話しているのだ、緊張するなと言う方が無理である。


「初めまして、メーリ・メティー・ハララです。今日は急にお邪魔しちゃってごめんね。さあ、一緒に紅茶を楽しみましょう」

「はい、それでは失礼して」


 必要以上に畏まるエルザ達は、椅子を引く音を立てないようにしながら静かに座る。アロイスはその様子を見て、彼らの緊張を解させるように柔らかく笑う。


「うふふ、楽しいお茶の席、そんなに畏まらなくても大丈夫よ」

「ありがとうございます、実は私もちょっと無理してました」


 肩の力を抜いて笑いを浮かべ、先ほどよりも楽にしているが、それでも地を出すほどではない。そして口と喉を潤すために紅茶を飲む、明らかに昨夜のお別れ会よりも良い茶葉である。


「そう言えば、私達がケクゴアさんの屋敷に来た時もお茶を出してもらったんですけど、面白い味でしたよ」

「あら、どんなのかしら?」

「液体は黒くてドロドロしていて、苦味と酸味があって見た目ほど不味くはありませんでした。健康には良いお茶らしいですけど、ケクゴアさんは雰囲気用だって言ってました」


 お茶と言う話題から最初に切り出した話だったが、話されたケクゴアからすれば嫌な話題である。現に孫のレイドから「あれを客に出したのか」と睨まれている。


「えっ、面白そう。わたしも飲んでみたい」

「止めておきなさいっ」


 ただ、話題としては成功したようで、メーリは期待の眼差しをケクゴアに向けるが、それはテルヒに止められた。


 エルザとしても再びあのお茶が出たところで、あの時と同じく微妙な空気が漂うだろうと予想でき、話題を変えるために自分達のことを話して聞かせた。

 内容は学校や旅で起こった出来事など、巫女とは関係のない話を中心にして、話をしていく内に崩した敬語で話しかけてもいいように距離を詰めていった。


 そして自分達の話も一段落つき、紅茶で喉を潤しながら周囲を見回すと、未だ緊張した様子で紅茶を飲み続ける三人に気付く。彼らは会話に参加することもなく、黙って頷きならお茶を飲んでいるだけだった。

 新しい話題が見つかった。それにこのままお茶会が終わっては、せっかく一緒にいるのに勿体無いと思ったのも事実である。


「そうそう、そこの三人はアディルガンの生徒なんですよ」

「ぅおぃっ」

「へぇ、ミラノニアの学校だよね。確かあそこは進学校じゃなかったかな」


 いきなり話の中央に立たせられ、驚きのあまりコンラドの口から変な言葉が漏れる。プルムは口を開いては閉じるを繰り返し、テオドールは心を落ち着かせるため気付かれないように深呼吸を繰り返す。


「は、はい、僕らも勉学に勤しんでおります」


 そして、セストの問いに答えたのはテオドールだった。緊張からか声は普段よりも高くなってしまっているが、それでもきちんと受け答えが出来ていセストに、コンラドとプルムは尊敬の眼差しを向ける。


 だが、その中でもプルムは更なる劣等感を感じていた。自分達のパーティーは落ちこぼれと呼ばれているが、実際にはその中でも差があることに気付いているからである。


「どうしたのかしら?」

「い、いえ、何でも、ありません」


 僅かな表情の陰りから、心配したアロイスが右頬に右手を当てながら首を傾げている。さまざまな経験をしたのだろう、プルムを見つめる紫色の瞳は心を覗き込んでしまいそうなほどに奥深い。


「そう? でも、貴女も彼らと一緒にアディルガンで成長しているのよね」


 優しげに微笑んで、プルムが今言われたくない言葉を的確に言い放つ。


「ゎたしは落ちこぼれ、だから――ッ」


 思わず出てしまう、口癖になってしまった何時もの言葉。

 巫女の面前のお茶会という場に相応しくない言葉を発し、それに気付いてプルムは思わず息を呑んでしまう。


「も、申し訳ありません、変なことを言ってしまい。ど、どうかお気になさらず、私は別の――」

「プリュムちゃんだったわね」


 噛んだ時の名前を言ったアロイスに、エルザが申し訳なさそうに訂正する。


「落ちこぼれだと言うのなら、アタシだってそうよ」

「えっ」

「アタシも武闘家、魔闘士にはなれなかった落ちこぼれなのよ、うふふ」


 アロイス自身がそう思っていたのかは分からないが、世間一般周囲からの目からはそう見えるのが普通である。しかし、彼はそれを気にしてないように笑う。


「あっ、それならわたしも候補生の時に、運動訓練は落ちこぼれだったんだよ」

「そうね、メーリは魔法関連以外ダメだったものね」


 手を上げてメーリも落ちこぼれだったことを主張し、テルヒもそのことを否定せずに頷く。

 しかし、プルムの表情は晴れることは無い。もちろん、それを直接言葉や表情に出すまいとしているが、アロイスに通じるはずもない。


「そこまで強くなって何を言うのか、って思うでしょう。でもね、それは無い者ねだりなのよ。エルザちゃんが魔闘士だって聞いて、アタシだって悔しいもの。出来ることならその才能を分けて欲しいわ」

「うーん、わたしは良いかなー、べつに運動が出来な……はむっ」

「あんたはちょっと黙ってなさい」


 空気の読めない巫女の口元へお茶菓子のクッキーを近づける。ただそれだけで、そちらに食いつくのだからお手軽な黙らせ方である。

 テルヒはとりあえずもう一つクッキーを用意して、メーリの顔の前で揺らしながらアロイスとプルムの話しに耳を傾ける。


「落ちこぼれて何て結構いるものよ。でも、そこで落ちぶれてちゃダメ」

「落ち、ぶれる」


 今まで気にしていなかった二つの言葉。しかし、そこには明確な違いがあると、頭ではなく心で瞬時に理解できた。


「そうよ、落ちぶれた人なんて言われても、大抵は社会の仕組みから落ちこぼれているだけ。心が生きているなら、返り咲きを計るのも別の道を進むも自分次第。そして全てを投げ出して、本当に落ちぶれてしまうのも……」


 この場に居るだけでも、魔闘士にはなれずに武闘家として鍛えたアロイス、元からではあるが運動能力ではなく魔法を鍛えたメーリ。そして、剣士から魔術師を選んだテオドールがいる。


 話をしている最中、真剣な眼差しは逸れることなくプルムを貫いていたが、手を鳴らすことで雰囲気を切り替えると、左手の甲で口元を隠して笑う。


「ゴメンなさいねぇ、この歳になると説教くさくなっちゃって」

「いえ……私、もう少し、考えてみます」


 どこか気の抜けたように、プルムは力なく俯いた。


 疑問が解決した思いなのである。彼女達三人は同じパーティーを組み、アディルガンで落ちこぼれと言われてきた。しかし、落ちぶれているかと問われれば、プルムは自分以外は違うと答えるだろう。

 コンラドは同年代の平均よりは上のランクで、落ちこぼれと言われても全く気にせず鍛え続け、テオドールは気にしているからこそ諦める事無く己を鍛え続けた。それに対して自分はどうか……。


 失敗を繰り返すたびに失敗を恐れて、力を出さなくなったのではないのか。足を引っ張らなければ良いと思い、積極的に動かなかったのではないか。

 そんな思いが頭を過り、知らず知らずの内に仲間までも裏切っていた可能性もあった。それに気付いて、思わず身体を振るわせる。


「最後にもう一言だけ言わせてね。実は落ちぶれた人でも、周囲の手助けを受けて這い上がった人もいるのよ。だから、お友達は大切になさいね」


 今直ぐに変わることは無いかもしれない。しかし、アロイスの言葉という種はプルムの胸の奥に埋まり、成長して綺麗な花を咲かせることになるだろう。



 ◇



 あの後メーリ達を案内し、薬製作の作業場やレオ達が雑草を抜いた中庭、手伝っていない薬草の植えられている栽培場まで見て回った。当然、レオ達も許可を貰って一緒に回り、ガイド役のレイドの話を聞きながら楽しんでいた。


 途中、観光客の二人が物陰から手を振っているのを見つけ、エルザも振り替えすなど危険なことは無く終わった。

 ただ、変な植物を見すぎて気分の悪くなったテルヒが、屋敷の中で休むなど無事に終わったとは良いがたいが。


「すっごいねー、わたしもお城とかに行ってるけど、見たことない植物も多かったよ」

「いや、普通の家や城には無いから、あんなの」


 初めて見る不気味な植物もあり、興奮気味なメーリをセストが突っ込みながらも気持ちを落ち着かせる。

 気分の悪くなったテルヒも大分顔色がよくなった。ケクゴアの薬が効いたのだろうが、それを飲む前に一瞬躊躇していたのは言うまでもない。


 すでに見学も終わり、休んでいたテルヒと考え事をしていたプルムの二人と合流したレオ達は、世間話をしながら玄関へと向かっていた。


「私達の予想では、宿の中庭から山へと入って――」

「えっ、普通に出てきたけど?」

「なんとぉっ」


 返ってきた答えに思わずエルザは地を出して、一緒に脱出の道を考えたケクゴアへと視線を移す。普通に出てくる可能性も考えてはいたのだが、二人はそれだとつまらないで一致し、結局は暴走したのである。


「脱出とか、面白そうじゃありません?」

「面白そうだよねー。でも、わたしって身体を動かすのが苦手だから」


 照れ隠しに頬を掻きながら恥ずかしそうに笑う。


「それに宿の前のみんなは、わたし達が出てくるのを待っててくれたんだし、挨拶くらいはしておきたいでしょ」

「おぅ、眩しい」


 まるで綺麗な水面に反射する陽光の輝きを、メーリの笑顔に見たエルザは、手の平で目を覆いながら目を瞑る。


「いや、普通に考えたらそんなことしないからね」


 セストによるもっともな突っ込みを受け、人知れずケクゴアもそっぽを向く。ただ、中には気付いている人もいるが、その中の一人であるレオは全く触れる事無く話題を変える。


「次はどちらへ向かわれる予定ですか?」

「とりあえず、このまま東に向かってパティーバかしらね」

「あまりこの辺りの地理に詳しくありませんが、今日旅立たれるのですか?」

「いや、出発は明日の予定だよ。本当なら街を見て回る予定だったけど、テルヒさんも調子が悪いみたいだし、もう宿に戻るかもしれないね」


 メーリ達のこれからの予定を聞きだしたレオは静かに頷く。これで今日中にギルドへ向かい、受けられる依頼があるかを探せばいいのである。

 そして階段の前までやってくると、今思い出したかのようにエルザが手を叩く。話しかける相手は、気さくで話しかけやすいアロイス。


「あっ、そうだ。見て欲しいものがあるんですけど、ちょっと時間いいですか」

「えぇ、いいわよ」

「ありがとうございます、今から取ってきますねっ」


 アロイスから了承を得ると階段を上って、レオに宛がわれた部屋へと向かう。

 魔族の脅威は余り関係のない人に知られたくない話であり、そのためにどうやってメーリ達だけに知らせるのかを考えた結果、屋敷を出た後を追いかけるか、一度会う約束を取ってから後で会いに行く方法を思いついた。


 エルザはレオのリュックから本に挟まれたマリアの手紙が入った封筒と、封筒が収まる大きさの手帳を取り出し、そこに一文を書き込んで部屋を出て行く。




 急いで玄関へ向かうと、立ち話で時間を潰しながら待っていたメーリ達の姿があった。一度見ると約束をした以上、待っているのは当たり前に思えるが、思わず安堵のため息を吐いた。


「すみません、お待たせしました」


 息を切らしているわけではないが、一度大きく息を吸って呼吸を整えると、大事そうに両手で持った手帳をアロイスに手渡す。

 だが、そのまま身体を引くことはしない。マリアの手紙を落としたらマリアに悪く、またコンラド達に見られても不味いのだ。


「あの、ここに手紙を挟んでありますから、注意して下さい」


 そう言って封筒の挟んであるページを開いてアロイスに見せる。

 普通なら取ってから持ってくるものだが、『よほど急いでいたのか効率が悪いのか』と、アロイスが思いながら手帳へと視線を落とす。


 そこは『大地の巫女マリア様から言付けを預かっています。人の居ないところで』と、走り書きらしくちょっと崩れた文字が並んでいた。


「……へぇ」


 アロイスはその文とマリアのサインが入った封筒を見ると、ページを捲り何も書かれていない白紙を頷きながら見つめると、封筒を傷つけないように静かに手帳を閉じた。

 そして、そのままエルザに返さず、右手に持ったまま軽く振る。


「結構良さそうね、このお手入れ方法……うふ、悪いけどちょっと借りても良いかしら?」

「はい、お邪魔でなければ後で取りに行きますから」


 これで会う約束を取り付けることには成功した。エルザは気が楽になったおかげで、自然と笑みが浮かぶ。


「ねーアロイスさん、何が書いてあったの? わたしも知りたいよ」

「うふふ、宿に帰ったら教えてあげるわよ」


 腰の辺りを掴んで顔を覗き込むメーリに笑顔で答えて、手帳を懐にしまいながら左手で頭を撫でる。


 エルザが封筒を渡す相手をアロイスに選んだのも、こういった腹芸が出来そうだったからである。テルヒも出来そうだったが、こちらは「見せたいもの」と言っても拒否される可能性があったからだ。


「それより、ほら」

「うん。ケクゴアさんにみなさん、今日は急に来たのに素晴らしい時間をありがとうございました。みなさんにメティー様のご加護がありますよう」


 テルヒに促される形で、メーリが全員に祝願を授ける。当然だが、直接会わなければ直接授けられることもなく、テオドールは感激したように目を瞑ったまま手を胸に押し当てている。


「祝願承りました。大したお持て成しも出来んで」

「ううん、そんなことないよ本当に楽しかった。わたしも今いろいろ頑張ってるから、みんなも頑張ってねっ」


 笑顔で祝願を受けたケクゴアは、最後の最後でいつもの口調に戻った。そして、メーリも最後は巫女ではなく、普通の一女性としての言葉である。


 メーリは頭の上で両手を大きく振りながら屋敷を後にした。もちろん途中で転んでしまいそうになり、アロイスに抱きかかえられたのは言うまでもない。

 こうしてレオ、エルザと大海の巫女一行の初顔合わせは終わったのである。






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