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プロローグ2

一応手直ししたものです。この後もプロローグ的なものが多いです…

side 夜絆


「今日もいい天気だな~」


七月中旬の今は太陽が毎日元気に頑張っている。そのせいか毎日毎日快晴続きだ


「雲が一つもない空か…何故か気分が下がる」


快晴なんだから雲がないのは当たり前だが、少しはあってもいいような気もする。そんな事考えてたら俺が通う高校である私立不動高校が見えた


「げっ!今日もいんのかよ…」


校門の前に柄の悪い連中を見つけた。あいつらはこの学校にいる不良でなんかよくわからない理由で一度因縁を付けられてからというもの何度も嫌がらせをしてくる


「校門からは駄目だな…ならば!」


校門から学校に入ることを諦めた俺は学校の周りにある金網の壊れた部分から学校に侵入する。この学校の金網は設置されてから十年程整備されてないので至る所に穴が開いているのだ


「ふぅ、これで一安心」


俺が侵入した場所はグラウンドの隅の方にある部活塔の裏手の空き地。ここには放課後以外誰も来ないような場所なのであの不良連中に見つかることは無い


「そうか、それはよかったな。夜絆」


「げっ!姉さん…」


俺が安堵のため息を漏らした途端、姉である冬雪に会ってしまった。なんでここにいるんだろう?俺のほうが先に家を出たはずなのに…


「自分の姉を見てそんなに嫌そうな顔をするとは…少し傷つく」


「そ、そういう意味じゃないって!ただなんでここにいるのかな~って思っただけで」


姉さんは少し寂しそうな顔になる。こんな顔は見たことが無いので俺はかなり狼狽し、話を適当にそらす


「簡単なことだ。夜絆は校門から入らないだろうと予想はついていた。となれば一番侵入しやすいここから入ってくるのは誰でもわかる」


「もしかして俺って単純…?」


姉に自分の行動パターンを言われたことで少しショックを受け地面にorzな感じで膝を突く


「だからいつも言ってるだろ?あの不良どもが苦手なら私と一緒に登校すれば問題はないって。なのにどうしていつも断るんだ?」


「いや、その…」


確かに複数で登校すれば不良達もあまりかかわってこないと思う。それが武道を極めている姉さんなら間違いなく絡んでこないだろう。だが、姉と一緒に登校するのはデメリットもある。さっきも言ったが姉は美人だ。しかも生徒会長兼、剣道部主将で男子から絶大な支持を受けている。だから姉弟でも一緒に歩いているのを見られると男子からいやな目で見られるのだ


「どうした?」


「ち、違うよ!ただ、俺だって色々あるんだよ!」


「あっ!」


俺は姉さんの横を全力で駆け抜け一気に校舎へと走っていく







「はぁ、はぁ、まったく少しは自覚して欲しいよ…」


全力で走った俺は息を切らして下駄箱に寄りかかり、自分の姉に対するちょっとした愚痴をはく


「何を自覚して欲しいの?」


「うわっ!な、なんだ未玖か…驚かすなよ!」


いきなり下駄箱の横から俺より頭一つ分小さな女子が飛び出し、俺を驚かした。この女子の名前は華燐未玖。同じ高校生なのに今だ中学生と間違われるのが悩みというある意味幸せな奴。こんな悩みしかないから性格は軽くて無邪気なまだ子供っぽい奴だ。俺も同級生というよりは妹のように扱っている。実際に妹もいるので扱いにはそう困らない


「へへー!無防備にしてる夜絆が悪いんだよ!」


「なんだとこの野郎!」


「未玖は野郎じゃないですー!」


「屁理屈言いやがって!お仕置きだ!」


俺は未玖の頭を軽く拳骨し、説教する


「痛い!女の子に暴力振るうなんて最低ー!」


「人を驚かす奴に言われたくねぇよ!ったく、先に行くぞ」


「あ、待ってよー!」


俺は未玖を放置して自分のクラスに向かっていく


「…それにしても久しぶりだね」


「なにが?」


「夜絆が学校に来るの。最近はあんまり来てなかったから」


「…ちょっと最近は体調悪くて」


本当は虐められて学校に行きたくないから仮病で休んでいた…とは言えないので適当な嘘をつく


「あんまり無理しちゃ駄目だよ?」


「わかってるよ。心配してくれてサンキューな」


「へへ~!」


俺が未玖の頭を撫でると未玖は嬉しそうに目を細め、されるがままの状態だ。小さい頃の樹理と黒を彷彿させる


(こいつ頭撫でられてそんなに楽しいのか?)


年下扱いされて嬉しそうにするこいつはどうなんだろうか…


「仲いいなお前ら」


「っ!……なんだ太一か」


いきなり肩を叩かれ、驚き振り返る。そこには俺の小さい頃からの親友華燐太一がいた。まぁ苗字でわかると思うけど未玖の兄。ただこの二人は血が繋がってないそうなので実際には兄妹のような上下関係はまったくといっていいほどない。太一は小さい頃から遊んでいる仲間の一人である


「なんだは無いだろ。久々に親友に会ったんだ、もう少し嬉しそうにしろよ!」


「嬉しいけど驚かす必要あるか?」


「もう!太一、驚かさないでよね!」


「…それを未玖が言うか?」


先程驚俺を驚かした未玖にとやかく言う資格はあまり無いと思うが、当の未玖は聞いていないようである


「悪い悪い、でもそろそろやめといたほうがいいぜ」


「「なにが?」」


俺と未玖は同時に首を傾ける


「はぁ、未玖ちょっとこっちに来い」


「う、うん」


「俺は?」


「夜絆は聞かなくていいんだよ」


太一はため息を吐きながら、未玖をつれて少し離れた。二人はヒソヒソ声で何かを喋っている。めっちゃ気になるんですけど…


「二人ともなに話してんの?」


俺は二人の傍により声をかける


「い、いやなんでもねぇよ!な、未玖?」


「う、うん。気にしなくてもいいよ!」


二人は慌てたように気をそらしてきたので、深入りしちゃいけないと思って聞くのをやめた


「そう?ならいいけど早くしないとチャイムなるぞ」


「やべっ!じゃあな夜絆、帰りにどっか行こうぜ!」


「おう!」


太一は俺や未玖と違うクラスなので急いで自分のクラスに向かっていった


「それにしても太一となにはなしてたんだ?」


「えっ!な、内緒だよ!夜絆には教えない〜」


「なんだよそれ…なんかすげぇ疎外感感じるんだけど」


「気にしない気にしない!さ、早く教室に入ろう!」


いつの間にか俺のクラスである二年A組の教室前に来ていた


「あれ、もう着いてたか?なんか感覚がおかしいな」


長く来てなかったせいかどうも調子が狂う


「長い間来てないからだよ!」


「…そうかな?」


未玖にも同じ事を言われる。そんなに俺の考えは読みやすいのだろうか?俺はそんな事を考えながら教室のドアを開ける。すると全員がこちらを見て驚愕の表情を浮かべている光景があった


「…おはよう」


なんか気まずい空気が流れていたので俺は小さく挨拶をする


「おはよー!夜絆元気にしてたか?」


俺が自分の席に向かおうとしたら明るく元気な挨拶をしてくる少し肌の焼けた女生徒がいた。彼女の名前は小林麻美。この学校にある陸上部と剣道部に所属しているスポーツ少女で陸上部にいたせいか肌が少し焼けているみたいだ。ついでにこいつも小さい頃からよく遊んでいる仲間の一人。まぁ遊んでたというよりは襲われてたな…武力で


「麻美…体調不良で休んでた人間に言う挨拶か、それ?」


実際には俺は仮病で休んでいたので体調が悪いというのは嘘である


「まぁ、気にしない気にしない!それよりよく来たね!噂じゃ夜絆は二度と学校に来ないって言われてたんだけどな〜」


麻美は俺に挨拶し終わると、隣にいる未玖をジト目で見る

視線を食らった未玖はばつが悪そうに視線を逸らすしている。何があったのやら?


「はぁ?…まぁ、あながち間違いじゃないけどさ」


この前起きた発作は酷くもう少しで天国に行きかけたから、運が悪かったら二度と来なかっただろう


「そ、そ、そうだよ!ま、間違ってぃっ痛っ!」


焦って喋ったせいで舌を噛んでしまった未玖


「なに舌噛んでんだよ?それに呂律も全然上手く回ってないぞ」


「それはね〜やm「ああ!駄目だって!」モゴモゴ」


何かを喋ろうとした麻美の口を慌てて塞ぐ未玖


「?仲がいいのはいいけど、そろそろチャイム鳴るし席に座ろうか?」


「そ、そうだよね!ほら、愛美も早く自分の席に行くよ!」


「はいはーい。じゃあね夜絆、ホームルームの後にまた喋ろうね」


「わかったわかった」


愛美と未玖は席が隣なので一緒に向かっていった。俺も自分の席に鞄をかけ着席する。

俺の席は窓側の一番後ろで、未玖や愛美の席は窓側から二番目の列の一番前とその後ろなので喋るには少し距離があるが、先生からあまり目を付けられない場所なので昼寝にはもってこいだ

そして時計の長針が9を指し示した時チャイムが鳴り、担任の先生が入ってきた


「おはよう!早速だが点呼をとるぞ!安達!」


「はい」


来て早々担任はいきなり点呼を開始した。俺は名簿の順番だと後ろの方なので呼ばれるまで時間がかかる


「矢部!」


「はい」


「夕月…は今日も休みか?」


「いますよ」


「おお!夕月来ていたのか!体調は大丈夫か?」


「今日は大丈夫です」


「そうか、だが無理はするなよ。少しでも体調が悪くなったら保健室に行け」


「わかってますよ」


「よし!点呼は以上!久々にクラス全員が集まったな!」


先生のこの言葉を聞いてクラスの表情は二分化された。男子は一斉にいやそうな顔をし、女子は殆どが嬉しそうにしている。前者は俺に対する妬みだろう。なんか妬みを買うんだよな、たぶんあの姉妹がいるせいだ。美人な姉妹は持ってると怖いな。後者はよくわからない


「じゃあ今日は特に重要な事はないからホームルームはこれで終了だ。一時限目の用意をしておけ」


そういって担任の教師はクラスから出て行った。俺は未玖と麻美がいる席に向かおうとするがその前に大量の女子に囲まれてしまう


「夜絆君、久々だね!本当に体調は大丈夫?」


「心配してくれてありがとう、さっきも言ったけど今日は大丈夫だよ」


「よかった〜」


(随分優しいんだな。みんな俺を心配してくれたのか)


なぜか安堵の息を漏らす女子に俺は不可解としか言いようが無い

結局女子たちと話している間に休み時間は終わり未玖達とは話せ無かった。そしてこの後退屈でつまらない授業が始まることになる




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