其の伍拾参「孔明・鳳統、策を練るのこと」
北西側:三頭 対 朱里・雛里・周々
戦いが始まり三頭と出会った二人と一匹は逃げていた。
もちろんただ逃げていたわけではない、相手の出方を見るためだ。
三頭「チビ共!どこに行ったザンスか!! 」
三頭はみんなを必死に探していた。
三頭「大蛇のNo.3であるミーから逃げきれると思わないことザンスよ!! 」
朱里達は三頭の近くの瓦礫に隠れていた。
雛里「あわわ〜!!どうしよう朱里ちゃん!?まさか三番目に強い人に当たるなんて!? 」
雛里が脅えると
朱里「大丈夫だよ雛里ちゃん!私達には力はないけど頭脳があるんだもん! 」
脅える雛里を朱里が元気づける。しかし、朱里も震えていた。
周々「グルルー♪ 」
ペロペロッ!
朱里「周々ちゃん!? 」
雛里「周々!? 」
周々は二人を安心させるために頬を舐め始めた。
朱里「ありがとね周々ちゃん! 」
雛里「おかげで勇気が湧いてきましたでしゅ! 」
二人は周々から元気をもらった。
さて、朱里達を探している三頭はというと
三頭「ちっ!あんなチビ共に使うとは思ってなかったけど仕方がないザンス! 」
すると三頭は懐から何かを取り出した。
三頭「このミーの闇の装飾『追跡ナイフ(チェイスナイフ)』でやっつけるザンス! 」
三頭は取り出したナイフ三本を空中に投げ出すと
三頭「あのチビ達を追うザンス! 」
三頭が言うと
ヒュヒュンッ!
ナイフが勝手に移動を始めた。
そして移動したナイフは朱里達が隠れている瓦礫の所にやって来た。
朱里「はわわ〜!!ナイフが向かってきたよ雛里ちゃん!? 」
雛里「あわわ〜!!落ち着こうよ朱里ちゃん!? 」
アンタも落ち着けよ!
ナイフは二人に襲いかかってくるが、
周々「ガルルッー!! 」
バキンッ!!。
ナイフは周々に破壊された。
朱里「ありがとう周々ちゃん!? 」
雛里「おかげで助かりましたでしゅ!? 」
二人は周々に礼を言うと
周々「グルルゥ〜♪ 」
周々も喜んでいた。
しかし喜んでばかりもいられなかった。
三頭「見つけたザンス! 」
三頭に見付かってしまった。
三頭「さて、見つけたところで… 」
三頭は両腕を後ろにすると
三頭「ミーのもう一つの闇の装飾、『伸びる部分』ザンス! 」
ニューッ!!。
三頭の腕が突然延び始めた。
朱里「はわわ〜!!腕が伸びたでしゅ!? 」
雛里「あわわ〜!!どうなってるんでしゅか!? 」
二人は伸びてきた腕を何とか避ける。
三頭「ギャハハ!大蛇の中でも闇の装飾を二つも使えるのはミーだけなのザンス! 」
三頭がいうと
周々「ガルッ!! 」
周々が三頭に飛びかかっていった。
三頭「汚い獣は近付くなザンス! 」
パシンッ!。
三頭は飛びかかった周々を軽く払いのける。
朱里・雛里『周々!? 』
二人は弾き出された周々を心配した。
周々「グルルゥー! 」
しかし周々は立ち上がり、朱里と雛里を背中に乗せると
朱里「はわわ〜!! 」
雛里「どこに行くんでしゅか〜!? 」
二人を背中に乗せた周々は走り去っていった。
三頭「ミーから逃げ切れるなんて思わないことザンス! 」
しかし三頭は慌てずに追い掛けていった。
しばらくして
何とか三頭を振りきった三人は建物の中に隠れていた。
雛里「助かったのかな? 」
雛里がいうと
朱里「まだ安心は出来ないよ!とにかく休まな… 」
そして朱里が周々の方を見てみると
朱里「周々ちゃん!? 」
周々「グルルゥ−… 」
周々の体はあちこちが傷付いていた。
朱里「はわわ〜!!私達を守ったり、運んだりしたから怪我をしたんですね!? 」
朱里は慌てて周々の傷の治療をする。
雛里「あわわ〜!!周々ごめんなさいでしゅ! 」
雛里が泣き顔になると
周々「グルル〜! 」
周々は顔を舐め始めた。
雛里「くすぐったいでしゅよ周々♪ 」
雛里の泣き顔は元に戻った。
朱里「さてと、どうにかしてあの人の能力を防がないといけませんね! 」
朱里がいつものはわわ軍師から真面目軍師になった。
雛里「伸びてくる腕と追い掛けてくる刃物をどうやって対処したらいいのかな? 」
雛里が考えていると
雛里「そういえば! 」
雛里は何かを思い付いた。
朱里「何か策があるの? 」
朱里が聞くと雛里は
雛里「策かどうかは分からないけれど、前にご主人様が言っていたのを思い出したの!『己の武器は己を傷付ける事もある』って! 」
雛里の話を聞いた朱里は
ピッカーン!!。
朱里「いい策が思い付いたよ! 」
そして二人は策のための準備をする。
しばらくして
三頭「あのチビ共め!!全くどこに行ったザンスか!! 」
三頭が朱里達を探していた。
三頭「こうなったら使うのがもったいないけどナイフを使って… 」
三頭がナイフを取り出そうとすると
周々「ガルルッー!! 」
周々が飛びかかってきた。
三頭「汚い獣め! 」
三頭は周々を振り払おうとすると
クルッ!。
周々は急に方向転換をして三頭から逃げていった。
三頭「よくもミーを脅かしたザンスね!ナイフを喰らうザンス! 」
三頭はチェイスナイフを周々に投げつける。
ナイフは周々を追い掛けていく、しかし周々はナイフを打ち落とさずにそのままナイフを追跡させた。
三頭「いつまで逃げきれる気ザンスか! 」
三頭が言うと
朱里「逃げ切るためではありません! 」
どこからか声がした。
三頭「その声はチビ!どこにいるザンスか! 」
三頭は朱里を探すが中々見付からない。
雛里「周々は私達のために囮になってくれたのでしゅ! 」
今度は雛里の声まで聞こえてきた。
三頭「チビ共!!いい加減に隠れてないで出てくるザンス! 」
三頭が叫ぶと
朱里「言われなくても出てきます! 」
雛里「あなたなんて怖くありましぇん! 」
バンッ!。
二人は柱の陰から出てきた。
三頭「この三頭様が怖くないザンスって!変な事を言うと許さないザンス! 」
三頭が叫び出すと
雛里「そんなことを言うのなら刃物を飛ばしてみてくだしゃい! 」
雛里がナイフを要求すると
三頭「うっ…!? 」
三頭の様子がおかしくなった。
すると朱里が
朱里「あなたの刃物の力はみきりました!。その能力は一度に何度も使えないんですよね! 」
三頭「うっ!? 」
図星であった。
つまりナイフは一度能力で投げた後、打ち落とされるまで追跡ナイフは使えないのだ。
能力の欠点を知られた三頭は
三頭「まだミーには… 」
三頭は腕を後ろに伸ばすと
三頭「これがあるザンス! 」
ニュッー!!。
腕を伸ばしてきた。
二人は伸びてきた腕をうまく避ける。
三頭「ミーを怒らせた罰として足もいくザンス! 」
ニュッー!!。
そして三頭は足も伸ばし始めた。
朱里「はわわ〜!!足も伸びるなんて!? 」
雛里「あわわ〜!!計算外でしゅ!? 」
二人が足も何とか避けると
三頭「まだ終らないザンス! 」
三頭は手足を伸ばしたまま朱里達に襲いかかってきた。
朱里・雛里『(は・あ)わわ〜!! 』
二人は交互になりながらおってくる手足を少し傷をおいながらも逃げていた。
三頭「キャハハ! 」
実は三頭は浮かれていて気付いていなかったが
三頭「あれっ? 」
三頭はようやく気付いたがもう遅かった。
三頭「えっーー!? 」
三頭の手足は交互に絡み付いていた。
二人はただ逃げていたわけではない、手足が絡まるように計算して逃げていたのだ。
三頭「も…戻らないザンス!? 」
手足は絡まっていて簡単には外せなかった。
朱里「今頃気付いても遅いのです! 」
雛里「私達の頭脳の勝ちでしゅ!あなたは自分の能力に苦しめられていくのでしゅ! 」
二人が言うと三頭は
三頭「どうでもいいからほどいてほしいザンス−!! 」
三頭は助けてもらうよう叫ぶが
朱里・雛里『ベー!ダメですよー! 』
二人は三頭を見捨てておいていった。
三頭「助けてくれザンス−!! 」
三頭は叫ぶがそばには誰もいなかった。
やがて朱里達が歩いていると
周々「ガルッ♪ 」
ナイフに追い掛けられていた周々がやって来た。
朱里「周々ちゃん!無事だったのですね! 」
雛里「刃物はどうしたのでしゅか? 」
すると周々は口を開くと、口の中にはナイフがあった。
あの後周々はナイフにしばらく追い掛けられていた後、三頭の叫び声を合図にナイフを撃墜していった。
朱里「すごいよ周々ちゃん! 」
雛里「さすがは周々でしゅ! 」
周々「グルルッ〜♪ 」
二人と一匹は喜びあっていたが
三頭「何とかほどいてザンス〜!! 」
三頭は一人で叫んでいた。
北西側:三頭 対 朱里・雛里・周々
勝者 朱里・雛里・周々
三頭の闇の装飾
・追跡ナイフ(チェイスナイフ)
指名した相手を探し出すナイフ。一度発動したら打ち落とされるまで二度目が発動できないという欠点がある。
・伸びる部分
体の部分を伸ばすことが出来る。(ただし手足のみ)絡まると外すまで元に戻らない。
欠点だらけの能力




