其の伍拾壱「三羽烏、合体技を喰らわすのこと」
南西:五頭 対 凪・真桜・沙和
南西の街で凪達は五頭相手と戦っていた。
しかし、何か様子がおかしかった。
何がおかしかったのかというと…
沙和「とりゃー!!なの〜! 」
沙和は五頭に向けて双剣の二天を振るうが
カキンッ!。
何故か沙和の攻撃を受け止めてしまう真桜だった。
沙和「もうっ!真桜ちゃん、さっきから何で邪魔するの!! 」
このやりとりは戦いの初めから始まっていたのだが沙和が聞くと真桜は
真桜「だって沙和が狙っていた部分はウチが欲しい部品やったからついな 」
機械いじりが好きな真桜にとって全身が機械で覆われた五頭はまさに宝の山であった。
真桜はさっきから部品を傷つけられないために攻撃を妨害しているのだ。
凪「馬鹿かお前は!!!今は敵と戦っている最中だろうが!!! 」
戦いに集中していない真桜に対して凪が怒るが
真桜「馬鹿とはなんや!ウチかて真面目にやっとるわい!!! 」
真桜は逆ギレしてきた。
沙和「二人共、喧嘩はやめるの〜!? 」
いつも仲良しな三人が喧嘩をしていると
五頭「何ダカワカランガ今ガ好機ダ! 」
すると五頭は戦闘体制にはいった。
それにいち早く気付いた凪は
凪「いかん!くるぞ!? 」
二人に呼び掛ける。
五頭「喰ライナ!『円盤砲』発射! 」
シュシュシュッ!。
五頭が構えると五頭のお腹から沢山の巨大手裏剣が出てきた。
真桜「うわっ!? 」
沙和「危ないの〜!? 」
凪が早く教えてくれたおかげで凪達は五頭の攻撃を避けることができた。
五頭「ヨクモ避ケヤガッタナ!次ハコイツだ! 」
攻撃を避けられたことに腹を立てた五頭は両腕を凪達に向けると
五頭「ロケットパーンチ! 」
ドドッー!!。
両腕は凪達めがけて襲いかかってきた。
真桜「あいつすごいからくりやなぁ〜♪ 」
真桜は五頭の力に喜んでいた。
沙和「喜んでいる場合じゃないの!!急いで逃げるの〜!? 」
沙和は真桜を引きずりながら逃げていた。
一方、凪は
凪「ハァッ! 」
シュッ!。ドカンッ!。
気弾を飛ばしてロケットパンチを破壊していた。
沙和「凪ちゃんすごいの〜!ついでにこっちのも壊して欲しいの〜!! 」
まだ沙和達はロケットパンチに追い掛けられていた。
そして凪は沙和達を追い掛けていたロケットパンチも気弾で破壊してあげた。
しかし、次々と宝の山が破壊されていくのを見た真桜は
真桜「・・・ 」
驚きすぎて放心状態になっていた。
五頭「クソッー!生意気ナ奴ラメ!コウナッタラ奥ノ手ダ! 」
すると五頭の体から
ピッーー!!。
おかしな音が鳴り出すと
ガシャンガシャンッ!
五頭の体が変形しだした。
沙和「この間に逃げられないのかななの〜? 」
沙和が聞くと
凪「それはダメだ!仮に逃げれたとしても奴は我々を置いて他の場所を襲いに来るかもしれない!他のみんなだって戦っているのだから我々でこいつを倒さねば! 」
凪の言葉を聞いた沙和は少しだけ勇気が出てきた。
沙和「わかったの!あんな〈ピー〉な奴は沙和達だけで倒してやるの! 」
凪と沙和が話しているなか、真桜は
真桜「・・・ 」
まだ放心状態であった。
しばらくして、五頭から鳴っていた音が鳴り止むと
五頭「戦闘形態・変換完了! 」
ジャジャーン!
五頭の体は更にあらゆる武器で覆われてしまった。
右腕には刀、左腕には金棒、両足には鋸、背中には二門の銛の発射台ができていた。
これを見た真桜は
真桜「すっごいやんか!!ますますその部品欲しくなったわ! 」
目を輝かせていた。
凪「お前はなんで目を輝かせているんだ!!! 」
凪は真桜に説教するが
真桜「何いうてんねん!あいつの体は宝の山やねんで!からくり好きとしてはほっとかれへんやん! 」
真桜と凪は再び口論をしだした。
沙和「二人共、喧嘩はやめるの〜!? 」
沙和が喧嘩の仲裁をしていると
五頭「コレデクタバリヤガレ! 」
五頭は腹を開くと腹の中には新しく大砲ができていた。
五頭「ブラストキャノン!! 」
五頭がそう言うと腹の大砲が光だして
ズキューン!!。
光線が撃たれた!。
沙和「わっ!何かがこっちに向かってくるの!? 」
沙和が言い出した方向を凪と真桜が見てみると
ズキューンッ!!
光線が向かってきた。
真桜「なんやねん!あの武器は!? 」
凪「そんなことより早く逃げるんだ!? 」
凪の指示で三人はバラバラに逃げる。
さっきまで三人が立っていた近くにあった建物に光線が当たると
ジュッー!!。
建物はバターのように溶けてしまった。
真桜「あんなん喰らったらウチらかて溶けてまうで!? 」
沙和「沙和はまだ死にたくないの〜!?いっぱいお化粧したり買い物がしたいの〜!! 」
二人が慌てていると
凪「うろたえるな!隊長がいつも言っているだろう、戦いは常に冷静になった方の勝ちだと! 」
二人にそう言うと凪は
凪「私が先手をうってやる! 」
五頭めがけて飛び出していった。
真桜「アホかいな凪! 」
沙和「凪ちゃんが一番冷静になった方がいいの! 」
二人は必死に叫ぶが凪は話を聞いていなかった。
五頭「向カッテ来ルナンテ馬鹿ナヤツメ! 」
五頭は向かってくる凪に標準を合わせると背中の銛を乱射してきた。
シュシュシュッ!
凪「こんなものがなんだ!! 」
凪は向かってくる銛を次々と避けて突き進んでいった。
これを見ていた真桜と沙和は
真桜「凪ってあんなにすごかったか!? 」
沙和「旅をしていた頃とは全然違うの〜!? 」
二人は凪の力に驚いていた。
凪「(確かに以前の私だったら全て避けることは出来なかったかもしれないが、隊長と出会ってから毎日鍛えてもらっていたのだ!) 」
凪は一刀に感謝した。
そして凪は全ての銛を避けきって五頭の背後に回ると
凪「喰らえっ! 」
拳を突き出した!だが…
五頭「馬鹿メ! 」
急に五頭の背中が開き、中から出てきたのは
シュシュシュッ!。
沢山の矢が飛んで来た。
凪「ぐわっ!! 」
不意をつかれた凪は避けることが出来ずに矢を喰らってしまった。
バタッ!
そして五頭は倒れた凪に近付くと
五頭「喰ライナ! 」
左腕の金棒を凪に向けて振り下ろした。
キィーーン!!。
凪に金棒が当たろうとした時!
スッ!
横から真桜と沙和が飛び出して凪を助けた。
ドッゴーン!
二人が凪を救いだしたおかげで凪は無事であった。
凪「真桜・沙和、お前達! 」
凪が二人を見ると
真桜「ちょっと泥だらけになってもうたな! 」
沙和「汚れちゃったなの〜♪ 」
二人の体は凪を助けた時に泥で汚れて擦り傷だらけになっていた。
凪「二人共、何で来たんだ? 」
凪が聞くと二人は
真桜「そんなん友達やったら当たり前やないか! 」
沙和「沙和達の友情は不滅なの〜! 」
二人の友情を聞いた凪は
凪「二人共、ありがとう…! 」
感激のあまり涙を流していた。
沙和「凪ちゃんが泣いているの〜! 」
真桜「ホンマに凪は泣き虫なんやからなー! 」
三人が友情を感じていると後ろから
五頭「俺ヲ無視スルナー!!! 」
五頭が殴りかかってきた。
凪「二人共!逃げるぞ! 」
真桜・沙和『わかった(で・なの〜)! 」
ヒュヒュンッ!。
凪の指示でいち早く避けることが出来た三人は五頭から離れた位置に移動すると作戦を考える。すると凪が何かを思い付いた。
凪「二人共、必死に特訓したあれをやるぞ! 」
真桜「マジかいな!? 」
沙和「あれはまだ一度も成功してないの〜!? 」
凪「だから今がぶっつけ本番だ! 」
三人がさっきから言っているあれとは、話はちょっと前に遡る。
凪「合体技ですか? 」
一刀「そうだよ、凪達は三人いるから協力しあった合体技なんてどうかなと思ってね♪ 」
一刀のなりげない一言に三人は
真桜「面白そうやん!いっちょやってみよか! 」
凪「隊長が言うのでしたら賛成です! 」
二人がやる気になっていると
沙和「隊長の国ではどんな技があるの〜? 」
沙和の質問に一刀は
一刀「そうだな…。三人ならジェットストリームアタックがあるな! 」
ちなみに一刀が言った技は初期ガン〇ムの黒の三連星の技である。一刀は技の説明を簡単にすると三人は技の特訓を始めたが一度だって成功したことがなかった。
凪「いくぞ二人共! 」
真桜「仕方がないな! 」
沙和「神様に祈るの〜! 」
三人は決意した。
そして三人は五頭の前に立ち塞がると
真桜「どりゃー!! 」
螺旋槍を持った真桜を先頭に沙和・凪という順に並んで五頭めがけて走ってきた。
五頭「ヨウヤク観念シヤガッタナ! 」
五頭は銛を乱射するが
凪「真桜、沙和!右だ! 」
後ろにいた凪が的確に向かってくる位置を指示し、二人がその方向に避ける。
沙和「沙和もやるの〜!! 」
ピョンッ!ビュンッ!
沙和は高くジャンプすると二天を五頭めがけて投げつけ、高くとんだ状態で半回転すると
沙和「凪ちゃん!今なの!! 」
凪「わかった! 」
凪も高くジャンプし、半回転した沙和と足を合わせあうと
ビョンッ!!。
凪は更に高く飛んだ。
その頃、五頭に投げた二天は
五頭「コンナモノ! 」
キンッキンッ!
簡単に弾かれてしまったが二天を弾いたすぐ後に真桜が突っ込んできた。
真桜「どりゃー!! 」
ギィィーーン!!。
真桜の螺旋槍と五頭の金属の体が激しくぶつかり合う!しかし、
キュルルゥ〜!
螺旋槍の回転が止まってしまった。
真桜「ちっ!やっぱあかんかったか!? 」
真桜はすぐに五頭から離れた。しかし螺旋槍で削られて五頭の体は少しの穴ができていた。
五頭「モウ終ワリカ!ガハハッ! 」
五頭が大笑いをしていると
キィーン!
空高くから何かが落ちてきた。
凪「ハァーー! 」
落ちてくるものの正体は高く飛んでいた凪であった。
そして落ちてくる凪の標的は五頭であった。
五頭は大笑いをしていて全く気付いていない!
そしてついに凪は五頭の近くに落ちてきた。
五頭「ンッ? 」
五頭はようやく気付くがもう遅かった。
凪「喰らえっ!これが私達の… 」
凪・真桜・沙和『ジェットストリームアタック(だ・や・なの〜)! 』
ドッゴーンッ!!。
凪の攻撃はあらかじめ真桜が開けた穴を狙っていたので五頭の体には大穴が開いていた。
五頭「…馬鹿ナ!コノ俺ガ!? 」
五頭には自分が負けたことが信じられなかった。しかし、
凪「んっ?二人共、早く逃げるんだ! 」
真桜「何なんや凪? 」
沙和「とりあえずいう通りにするの〜!? 」
凪の言う通りに二人が離れた後で凪が離れ出すと五頭の体は…
ドッカーーン!!。
急に大爆発を起こした。
凪達は隠れていたので無事だったのだが、五頭の体はバラバラになってしまった。
それを見た真桜は
真桜「宝の山が……粉々になってもうた……!? 」
口から魂が抜けかけていた。
南西の戦い
五頭 対 凪・真桜・沙和
勝者 凪・真桜・沙和




