其の伍拾「黄叙、勇気を出すのこと」
最初に
すいません!
この小説の他に恋姫小説を投稿していましたが
ネタが思い付かなかったので削除しました。
お気に入り登録してくれた人には申し訳ありません!
自作はこの小説が終わりましたら投稿する予定です。
街外れ:紫苑・桔梗・璃々 対 六頭
街外れの岩しかないこの場所で戦いが始まっていた。
六頭「オラオラ!!ババア共出てきやがれ! 」
ドドドーッ!!。
六頭は右腕につけられたリボルバーを撃ちまくる。
ズガガガッー!!。
標的となった岩は撃ち抜かれて粉々になってしまった。
それを隠れて見ていた紫苑と桔梗は
紫苑「あんなに撃ってるんじゃ迂濶に出れないわね!? 」
桔梗「あやつの弾が切れるのを待つしかないとは悔しいのぅ!? 」
二人は迂濶に出れないことを悔やんでいた。もちろんそれは六頭が撃ちまくってるのも理由の一つだがもう一つは
六頭「出てきやがれよ〈ピー〉ババア!それとも腰が抜けてギックリ腰にでもなりやがったかよ!! 」
紫苑達が悔やんでいるもう一つの理由は
紫苑「何だかとっても苛立ってくるわね!!! 」
桔梗「奇遇じゃのう、ワシもさっきから苛立っておるわ!!! 」
二人の悔やむ理由、それは自分達を罵倒(悪口を言う事)している六頭を殴れないことを二人は悔やんでいた。
璃々「お母さん、桔梗さんこわいよ!? 」
二人は璃々の脅え(おびえ)で元に戻ると
紫苑「ごめんね璃々 」
桔梗「ワシらが悪かったのぅ 」
二人は璃々に謝ったが頭には青筋が浮かんでいた。
紫苑「とりあえず弾切れを待って隠れていた方がよさそうね! 」
桔梗「焔耶の奴に散々敵から逃げるなと言ったワシが逃げるというのも嫌じゃが仕方がないのぅ 」
二人は隠れることにしたが
六頭「〈ピー〉ババア共、隠れて弾切れを待ったところで無駄だぜ!この俺様の闇の装飾『無限砲』は弾切れしねえ大砲だからよ弾切れ待ったところで無駄だぜ! 」
この時、紫苑と桔梗は唯一の可能性が砕かれた。
さらに六頭は
六頭「隠れても無駄だってことも教えてやるぜ! 」
すると六頭は懐からレンズのようなものを取り出す
六頭「これぞ四頭特製の発明品、相手の強い気を読み取る『オーラバイザー』だ!一度取り付けたら戦いが終わるまで外れない優れ物だぜ! 」
六頭は責眼の空いている目にバイザーを装着した。
ピピピッ!。
六頭「見えるぜ見えるぜ、てめぇらの強い気が丸見えだぜ!! 」
六頭はバイザーで読み取った紫苑と桔梗と璃々が隠れている岩に銃口を向けた。
六頭「くたばりやがれ〈ピー〉ババア共が! 」
ドドドッー!!。
標的となった岩は粉々に砕かれて紫苑達の姿は丸見えになった。
桔梗「くっ!?紫苑、逃げるぞ!? 」
紫苑「そうした方がよさそうね!?行くわよ璃々! 」
璃々「おかあさ〜ん! 」
紫苑達は次の岩へ逃げようとするが
六頭「逃げても無駄だって言ってるだろうが! 」
六頭は銃口を紫苑達に向けて撃ちまくった。
ドドドッー!!。
紫苑「キャア! 」
桔梗「うおっ!? 」
銃撃により紫苑と桔梗は吹き飛ばされ、璃々だけが残された。
六頭は残った璃々めがけて銃口を向ける。
紫苑「璃々、逃げて! 」
紫苑が叫ぶが間に合わない!
六頭「くたばりやがれ! 」
ドドドッー!!。
幼い命が消えると誰もが思った瞬間!
紫苑「えっ!? 」
桔梗「うおっ!? 」
璃々に向けられた銃口は何故か向きを変えて紫苑達に襲いかかった。
桔梗「(どういうことじゃ?何故目の前の璃々でなくワシらを狙うのじゃ?) 」
桔梗が考えていると六頭の言葉が頭の中に浮かんできた。
六頭『相手の強い気を読み取る』
これを頭に浮かんだ桔梗は
桔梗「(そうか!もしかしたら奴の目は) 」
そして桔梗は紫苑と合流すると璃々の元に向かっていった。
璃々「お母さ〜ん!璃々とっても怖かったよ〜! 」
璃々は紫苑に泣きながら抱きついてきた。
紫苑「璃々!無事でよかったわね! 」
紫苑も璃々を抱きしめる
すると桔梗が
桔梗「紫苑よ、あやつを倒す策があるかもしれないのじゃがのってみるか?ただし、璃々には少し危ない目にあってもらうことになるがのぅ… 」
桔梗がいうと紫苑は
紫苑「それは一体どういうことなの? 」
桔梗「それはさっき見て気付いたのじゃがあやつは…(説明中)ということじゃ! 」
桔梗の話を聞いた紫苑は
紫苑「確かにいい策だけど璃々を危険な目にあわすわけには… 」
紫苑が言い渋っていると
璃々「お母さん、璃々もやるよ! 」
璃々がいきなり言い出した。
紫苑「何を言ってるの璃々!?危ないわよ! 」
紫苑は璃々を止めようとするが
璃々「璃々だってリーお姉ちゃんを助けたいんだもん! 」
璃々の勇気ある発言を聞いた桔梗は
桔梗「やはり璃々は紫苑の娘じゃな!目つきが戦う紫苑と似ておるわい! 」
娘の勇気を聞いた紫苑も決心した。
紫苑「分かったわ、お願いね璃々! 」
璃々「うんっ♪ 」
そして作戦が実行された。
桔梗「こっちじゃバカモンが! 」
紫苑「変な髪型さんこっちを狙いなさい! 」
紫苑と桔梗は璃々を残して隠れていた岩から二手に分かれていった。
六頭「この〈ピー〉ババア共が!!ぶっ殺してやるぜ!!! 」
ドドドッー!!。
六頭は紫苑達めがけて撃ちまくる!。
しかし六頭は近付いてくるもう一人の存在に気付いてなかった。
それは璃々である。璃々は音をたてずに六頭に近付いていった。
璃々「(璃々だって頑張るんだもん!) 」
璃々は六頭に近付くと一刀から渡された小さな弓を六頭に向けた。
ここで時は遡り、一刀が紫苑達と再会した時まで戻る。
一刀「はい紫苑にお土産の天の国の反物だよ! 」
一刀は紫苑に合いそうな紫色の反物を渡す。
紫苑「ありがとうございますご主人様♪ 」
紫苑はとっても喜んでいた。
璃々「ご主人さま〜、璃々のおみやげは? 」
璃々が一刀のズボンの裾を引っ張りながら聞いてくる。
一刀「もちろん璃々ちゃんにもお土産はあるよ 」
一刀は荷物の中から璃々ヘのお土産を取り出す。
一刀「これだ! 」
一刀が取り出した璃々ヘのお土産は子供の遊び用の弓だ。ちなみに矢の先には吸盤がつけられている。
璃々「これなぁに? 」
璃々が聞いてくると
一刀「これは天の国の武器でこれを使えば相手を倒すことが出来るんだよ 」
一刀は最初に子供用の玩具と言おうとしたが、言うと璃々が膨れてしまうため誤魔化すことにした。
子供の璃々は疑う事を知らないため
璃々「わ〜い!璃々の武器だぁ〜! 」
とっても喜んでいた。
ちなみに紫苑にはちゃんと理由を話しておいた。
余談ではあるが翠にフリフリドレスを渡した一刀は殴られ、月には紅茶の茶葉を、詠には怪我してもいいように包帯を、恋には犬の首飾りを、セキトには新しい器を渡した。
時は戻り、璃々は弓を六頭の空いている目に狙いをさだめると
璃々「(それっ!) 」
ヒュンッ!!。
矢を六頭めがけて射った。
六頭は向かってくる矢に気付かないまま、
キュポンッ!。
矢は六頭の空いている目に命中した。
すると六頭は
六頭「何なんだ!急に目の前が見えなくなっちまったぞ!? 」
六頭は撃つのをやめて原因を探る。やがて六頭は空いている目に何かがあると気付くが
六頭「何なんだよこれは!?何かがあるのは分かるが取れねーぞ!? 」
取れないのも無理はない、あらかじめ矢にはのりが塗られているため簡単には取れないのだ。
そして六頭が必死になって取ろうとしていると
ズシンッ!!。
六頭にとって恐怖の足音が近付いてきた。
六頭「くそっ!何でなんだよ!!何故こんなことになっちまったんだ? 」
六頭が考えていると
紫苑「自分の欠点に気が付かないなんてね 」
桔梗「とんだバカモノじゃのぅ! 」
いつの間にか紫苑と桔梗は六頭の目の前に立っていた。そして六頭に気付かれないよう縄でくくった。
縛られたことに気付いた六頭は
六頭「その声は〈ピー〉ババア共!てめぇら何しやがったんだ!? 」
六頭が聞いてくると
桔梗「何をしたかと聞かれてもお主が勝手に弱点を話しただけではないか! 」
桔梗が言うと六頭は
六頭「ふざけんな!俺は弱点なんて一言も言ってねぇよ! 」
六頭が言うと紫苑は
紫苑「でもあなた言ったじゃない確か…強い気を読み取るだっけ? 」
六頭「間違いねぇだろうが!この場にはババア共しかいねぇだろうが! 」
すると紫苑は
紫苑「実はもう一人弱い気をもった人がいたのよ!私の娘の璃々がね! 」
つまり六頭のバイザーは強い気なら読み取れるが逆に弱い気は読み取れないということだ。
璃々「おじちゃん璃々がいたのに気付かなかったの? 」
璃々にまで馬鹿にされた六頭は
六頭「ふざけるんじゃねぇぞてめぇら!!! 」
逆ギレを始めた。
六頭「こんな縄で俺を縛ったからって調子に乗るんじゃねぇぞ!!!こんな縄切るのに十秒あれば十分だぜ! 」
六頭が言うと
紫苑「十秒あれば十分ならば… 」
紫苑はちょっとの間黙っていると
紫苑「十秒間の間に痛めつけなくちゃね!!! 」
そこには顔を般若のようにした紫苑がいた。
桔梗「紫苑よ、殺るのであればすぐにでもせんとな!!! 」
そして桔梗も顔を般若のようにして怒っていた。
この様子を間近で見ていた璃々は
璃々「(お母さん達怖いよ〜!?) 」
脅えながら震えていた。
そして二人の努気で六頭にも目の前のことが分かった。
六頭「ババア共!何する気だ!? 」
すると二人は
紫苑「ねぇ桔梗、彼は何回ババアって言ったのかしら? 」
桔梗「数えてないから分からんが少なくとも三回以上は言っておったぞ 」
二人は笑顔で六頭に近付いて行く!。
六頭「おいっ!?何する気だよ?やめてくれよババア共!? 」
プッチン!。
二人の堪忍袋が完全にきれた。
六頭「ギャーー!!! 」
・しばらくお待ちください
そこに立っていたのは見るも無惨にボロボロにされた六頭がいた。
紫苑「久々に暴れてすっきりしたわね♪ 」
桔梗「全くじゃのう♪ 」
そして二人が璃々に目を向けるとそこには疲れて眠っていた璃々の姿があった。
桔梗「この戦いの一番の功労者は璃々で決まりじゃな! 」
紫苑「そうね! 」
璃々「スゥ〜スゥ〜 」
街外れの戦い
六頭 対 紫苑・桔梗・璃々
勝者 紫苑・桔梗・璃々
六頭の闇の装飾
『無限砲』
六頭の右腕につけられた連射式のリボルバー。その名の通り弾を無限に撃ち続けることが可能。
オーラバイザー
大蛇の発明家である四頭が作った物。相手の強い気を読み取り相手が隠れていても居場所が分かる。一度つけたら戦いが終わるまで外れない。欠点として子供や小動物等の弱い気は読み取れない。