其の肆拾玖「馬岱・魏延、手を組むのこと」
西側:タンポポ・焔耶 対 八頭
タンポポ「やっぱり脳筋なんかと当たらなきゃよかったよー!! 」
焔耶「私だって貴様より桃香様と組みたかったわ!!! 」
そもそもなんで喧嘩ばかりしているこの二人が一緒に組んでいるのかというと話は戦う前に遡る。
戦いが始まる前、門の前
愛紗「ではどうやって分かれるかだが何か案はないか? 」
焔耶「ならば私は立候補するぞ!絶対に桃香様と一緒がいい! 」
鈴々「ずるいのだー!鈴々だって桃香お姉ちゃんと一緒がいいのだ! 」
みんなが誰と組むかでもめていると
桔梗「黙っとれ!このままここで騒いでも何もならんじゃろうが! 」
桔梗の一喝で場が静まった。
愛紗「桔梗の言う通りだなここは公平にクジで決めようではないか! 」
愛紗がクジを取り出すと
焔耶「まぁ仕方がない、ただしクジの決定は絶対だからな! 」
タンポポ「焔耶だって桃香様と当たらなかったからってだだをこねないでよ! 」
すると焔耶は
焔耶「貴様じゃあるまいしだだなぞこねるものか! 」
そしてクジの結果
焔耶「なんで貴様と一緒なんだ!!! 」
タンポポ「こっちだって脳筋なんかとは嫌だよ!!! 」
二人はだだをこねはじめた。
焔耶「こんなクジは無効だ! 」
タンポポ「もう一回やろうよ! 」
わがままを言う二人に
翠・桔梗『いい加減に(しろ・せい)!!! 』
ゴッチーン!!。★彡
二人は殴られた。
そして今に至る。
焔耶「だいたい貴様が青の紐を引いてしまうからこんなことになるんだ!!! 」
タンポポ「自分のクジ運の無さをタンポポにあたらないでよ!!! 」
二人が戦いの最中にもかかわらず喧嘩をしていると
八頭「見付けたナリ! 」
八頭に見付かってしまった。
タンポポ「見付かっちゃった!?焔耶が大きな声を出すから見付かっちゃったんだよ!!! 」
焔耶「人のせいにするな!!! 」
先に人のせいにしたのは焔耶だろうが
焔耶「うるさい!会話に入ってくるな!!! 」
二人が喧嘩を続けていると八頭は
八頭「戦いの最中に喧嘩をするとは… 」
何やら唱えていると
八頭「喝っ!! 」
八頭が叫んだ瞬間!
ビュンッ!!。
八頭の体から何かが飛んで来て焔耶達に向かっていった。
タンポポ「ちょっと!なんなのよあれ!? 」
焔耶「私が知るか!とにかく逃げるぞ! 」
わけの分からない攻撃を避けるため二人は避けようとするが
ゴッチーン!!。★彡
二人は互いに頭をぶつけあった。
焔耶「何でこっちに避けるんだ!!! 」
タンポポ「脳筋こそそっちに逃げてよ!!! 」
二人は同じ方向に逃げようとして頭をぶつけあったのだ。
二人が争っている間に
ベチョッ!!。
八頭の攻撃が二人に当たった。
タンポポ「なんなのよこれ!? 」
焔耶「腕について離れないぞ!? 」
八頭の攻撃は焔耶の左手とタンポポの右手にくっついた。
八頭「これぞ我の闇の装飾、『決壊油』ナリ! 」
八頭の体から出たものは八頭の油であった。そして八頭は攻撃が当たると説明しだした。
八頭「我の能力は仲の悪い者同士をくっつかせ、仲たがいさせる力ナリ! 」
八頭「これを解くには我を倒すか、どちらか片方が死ぬしか外れないナリ! 」
八頭の説明が終ると
焔耶「だったら貴様を早く倒せばいいだけの話だ! 」
焔耶は八頭めがけて飛びかかろうとするが
ビッターン!!。
タンポポがじっとしていたため飛びかかることが出来ず地面に倒れてしまった。
焔耶「貴様!なぜ奴に向かわない!!! 」
鼻をうった焔耶が抗議すると
タンポポ「何でタンポポが脳筋の指示を受けなくちゃならないのさ!!! 」
タンポポは反論した。
さらに二人の喧嘩が続くと八頭は
八頭「説明してあげたにもかかわらずなおも喧嘩を続けるとは… 」
そして再び何かを唱え始めると
八頭「愚かナリ、喝っ!! 」
再び油を飛ばし始めた。
焔耶「ヤバいぞ!?タンポポ、喧嘩している場合じゃない! 」
タンポポ「そうだよね逃げなくちゃ!? 」
タンポポは逃げようとするが
ビッターン!!。
おもいっきり転んだ。
タンポポ「ちょっと脳筋!何で逃げないのよ!!! 」
タンポポは抗議するが
焔耶「誰が逃げると言ったんだこのバカタレめ!この魏文長の辞書に逃げるという言葉なんて無いわ! 」
焔耶が反論した。
二人が騒いでいる間に再び油が当たりそうになるが
焔耶「くっ!?逃げたくはないがあの攻撃は二度と喰らいたくない! 」
焔耶はタンポポを脇に挟んで走り去っていった。
それにより攻撃は受けなかったが
焔耶「(この私が逃げるなんて!桔梗様、お許しください!) 」
焔耶自身は逃げたことを悔やんでいた。
二人が走り去っていった後残った八頭は
八頭「逃げたナリか。だが一度我が技を喰らえば戦ったにしろ地獄ナリ 」
不気味に笑みを浮かべる八頭であった。
その頃、逃げた焔耶達は
タンポポ「ちょっとあんた逃げないって言ったくせに逃げるなんてどういうことよ!!! 」
焔耶「うるさい!あれは逃げたのではなく戦略的撤退だ! 」
二人は逃げた先でも喧嘩をしていた。
タンポポ「だいたいあんたは… 」
タンポポが最後まで言おうとすると
バタッ!!。
急に焔耶が倒れ出した。
タンポポ「ちょっと!?どうしたのよ脳筋!? 」
タンポポが倒れた焔耶に近寄ると
焔耶「体が…急に痺れてきて… 」
そして焔耶の繋がれた腕を見てみると
繋がれた部分が黒に染まっていた。
タンポポ「何でこんなことが… 」
しかしタンポポはあることに心当たりがあった。それはこの油に毒の成分があるかもしれないということだ。焔耶はタンポポを抱えて走って体力が減った分タンポポより毒の回りが早かったのだろう。
タンポポは納得はしたが
タンポポ「だけど放っておけば焔耶が死んじゃうよー!? 」
タンポポが慌てていると
焔耶「うるさいぞ少しは静かにしろ! 」
倒れていた焔耶が起き上がった。
タンポポ「焔耶!あんた大丈夫なの!? 」
タンポポが聞くと焔耶は
焔耶「私は桔梗様より毒に強くなるようにと昔から毒を飲まされ続けたから毒には多少抵抗できるんだ! 」
昔やった無茶な修行がここにきて役に立つとはすごいことであった。
焔耶「とはいえ、抵抗できるだけで解毒できたわけではないがな 」
焔耶が言うとタンポポは
タンポポ「それじゃあ毒が体に回る前にあいつを倒さなくちゃ、喧嘩は一時休戦だよ♪ 」
焔耶「それしかないな! 」
二人は互いに握手をすると作戦を考える。
タンポポ「ねぇ焔耶、タンポポに案があるんだけど乗ってみる? 」
すると焔耶は
焔耶「この際どんな案でも構わん乗ってやろう! 」
タンポポは焔耶に作戦を伝えた。
タンポポ達が作戦の準備をしている頃、八頭は
八頭「あやつらどこに行ったナリ? 」
二人を探していた。
八頭「隠れた二人はどこにいるナリか? 」
八頭が言うと
タンポポ「ここにいるぞー! 」
タンポポが家の陰から出てきた。
八頭「何だか分からんがバカな奴ナリ! 」
八頭はタンポポの所に駆け付ける。
タンポポ「しまった!?いつもの癖で言っちゃったよ!? 」
タンポポが慌てていると
八頭「愚か者ナリ! 」
八頭が迫ってきたがタンポポは
タンポポ「な〜んちゃってね! 」
舌を出しはじめた。
八頭が頭に?を浮かべていると突然!
ボコッ!!。
八頭の足元に穴が開いて八頭は穴の中に落ちていった。
八頭「不覚ナリ―! 」
穴の中に落ちた八頭が穴の底に落ちるとタンポポが顔を出してきた。
タンポポ「タンポポの穴に落ちたらしばらくは出られないよ♪落とし穴なら片手でだって掘れるもんね〜 」
八頭の落ちた穴は深さが約三十米というタンポポが掘った穴では一位を争う深さであった。
しかし八頭は
八頭「まことに愚かナリ!このような穴に落ちたくらいで我に勝った気でいるとは! 」
八頭が言うとタンポポは
タンポポ「確かにそれだけじゃタンポポは勝てないからさ… 」
タンポポが話の最中に急にジャンプすると
タンポポ「今だよ焔耶! 」
するとタンポポの後ろから焔耶が現れて
焔耶「任せておけっ! 」
ブンッ!。ドッカーン!
降り下ろした鈍砕骨を地面に叩き付けて地震を起こした。
ゴゴゴ…
八頭「なっ…何の音ナリか? 」
八頭が不思議がっていると
ガララーン!!。
八頭の落ちた穴が崩れはじめた。
八頭「うわっー!? 」
穴に落ちていた八頭は身動きがとれずにそのまま穴の中で生き埋めになってしまった。
しばらくすると、タンポポ達の腕についていた油が取れた。
タンポポ「これで自由だね! 」
焔耶「全くだな! 」
このままいけば二人は仲良くなっていたのかもしれないがそうは問屋がおろさなかった。
タンポポ「それにしても今度焔耶に使おうとした案を使ってしまうの惜しかったな♪ 」
その言葉を聞いた焔耶は
焔耶「タンポポ!貴様私にあんな策をしようと思っていたのか!!! 」
焔耶が怒りはじめた。
タンポポ「脳筋にはちょうどいいじゃない! 」
焔耶「貴様―!!! 」
二人は再び喧嘩をはじめた。
西の戦い
八頭 対 タンポポ・焔耶
勝者 タンポポ・焔耶
八頭の闇の装飾
・決壊油
仲の悪い者同士をくっつけさせる油。
この油は一度くっつくと絶対に外れない。
外す方法はどちらか片方が死ぬか八頭が気を失うかしかない。
油には遅効性の毒があり放っておいても死んでしまう。