其の肆拾捌「呂布、涙を流すのこと」
通算五十話達成!
これからも頑張ります!
現在新しい話を考えているので新作出そうかな♪
同時で二〜三作書いている人が偉大です!
月達が勝利し、北郷軍がまず一勝した。そして話は戻り、月達が九頭から逃げていた頃、恋はというと
カキンッ!!。
カキンッ!!。
七頭と激しい攻防を繰り広げていた。
七頭「…お前やっぱり強い、お前が強くて七頭は嬉しい(ボソッ) 」
恋「…恋も久々に強い相手と戦えて嬉しい 」
この二人、どこか似ている雰囲気があった。
仲がいいのであれば戦わなくてもいいと思うのだが、二人の体に流れる武人の血がそうさせなかった。
恋「…ちょっと質問していい? 」
恋が聞くと
七頭「…手短にならいい(ボソッ) 」
七頭は質問を許可した。
恋「…お前、良い奴なのになんでリーを苦しめている零頭に味方する? 」
恋の問いに七頭は
七頭「…七頭だって零頭が悪いことをしているって知っている。でも零頭は七頭の恩人だから従うのみ(ボソッ) 」
七頭は返事を返した。
恋「…理由を教えてくれる? 」
すると七頭は
七頭「…わかった(ボソッ) 」
言い忘れていたが二人は互いに質問しながらも攻撃しあっていた。
七頭「…あれは十年ほど前の時 」
お前いくつだよというツッコミは置いといて
話は十年ほど前に遡る(さかのぼる)。
十年ほど前、とある村
七頭「たぁー!! 」
バシッ!!。
審判「勝者!疾風(七頭の旧名) 」
七頭「やったぁー! 」
この少年の名は疾風。後に七頭となる子である。当時十歳以下。
この時の七頭は村の中でも一番強く、明るい性格だった。
しかし、七頭は同い年の子供から妬みとしていじめを受けていたのだ。
しかし、子供同士ならまだよかった方なのだがこの時すでに七頭は大人より強かったため大人からも嫌がらせを受けていた。
それでも七頭は大人しい性格だったため反撃せずに唯一の家族である捨て犬や捨て猫と大人しく暮らしていた。
あの事件が起きるまでは
七頭が隣の村まで買い物に行って帰って来た時、七頭の家にいた犬や猫が殺されていたのだ。
七頭「白樺!、雲英!、小梅!何があったんだ!? 」
↑の名前は全て犬や猫の名前である。
?「クゥーン… 」
全滅していたと思っていたが唯一生き残りがいた。
七頭「黒匕!無事だったのか! 」
だが唯一生き残りの黒匕という黒犬も片目に怪我をしていた。
七頭「誰がこんなことを… 」
七頭が悲しみで震えていると
?「やっと帰ってきやがったな! 」
後ろから声がしたので振り向くとそこにいたのは!
大人一「お前が目立ちすぎるからいけないんだぜ! 」
回りは村中の大人の男が立ち塞がっていた。
大人二「さすがの奴もこれだけの数相手なら死ぬだろう! 」
大人三「お前が生きていると邪魔なんでね、死んでもらうぜ! 」
大人達は武器を構えた。
それを黙って聞いていた七頭は
七頭「…許さない!(ボソッ) 」
七頭が小さく呟いたのを聞いた村人達は
大人一「何を言ってるんだ?聞こえねぇよ! 」
男が七頭の肩に触れた瞬間!
ザシュッ!!。
男の首は七頭が持っていた刀で斬られていった。
大人二「ひっ!?首が飛んじまった! 」
大人三「おいっ!奴の目の色がおかしいぞ!? 」
男が指さした七頭の目の色はいつもの黒ではなく、赤に染まっていた。
七頭「…許さない!!!(ボソッ) 」
ギロリッ!。
大人達『ギャーー!! 』
怒り狂った七頭はわずか十歳くらいでその場にいた大人数十人を切り裂いていった。
しかし、その場にいた大人だけでなく七頭は村中の人間を切り裂いていった。
瞬く間に村で生き残っていたのは七頭と愛犬の黒匕だけとなり、七頭は十歳くらいにしてお尋ね者となった。
そして数日後、七頭の噂を聞き付けて零頭が現れた。
零頭「お前の噂は聞いたぜ、わずか十歳にして村人数百人を殺した悪党『風斬りの疾風 賞金二百万元(一元が約十円なのでだいたい約二千万円)』とはすげぇじゃねぇか! 」
零頭は七頭を評価する。
しかし七頭は
七頭「…お前なんか知らない、とっと帰れ!(ボソッ) 」
あの事件以来すっかり無口になった七頭であった。
零頭「まぁまぁ、とりあえず俺の話を聞けよ!短刀直入に言わせてもらう、今の世の中を壊したくねぇか? 」
七頭「…どういうことだ?(ボソッ) 」
七頭は零頭の話を聞いてみることにした。
零頭「実は俺は大蛇という組織をつくってるんだがあと一人足りないんでね、最後の一人をお前にしてやるよ!この腐った世の中を力で支配しようじゃねぇか! 」
話を一通り聞いた七頭は
七頭「…この悪魔の俺の力が必要か?(ボソッ) 」
すると零頭は
零頭「何を言ってやがる!お前は悪魔なんかじゃねぇ!むしろ俺にとっては天使なんだよ! 」
今まで他人から悪魔扱いされてきた七頭は悪魔の囁きにのってしまった。
七頭「…わかった。仲間になる(ボソッ) 」
零頭「よし決まったな!それじゃあ… 」
七頭「…ただし、条件がある(ボソッ) 」
零頭「この俺に条件を出すとはな、いいだろう言ってみな! 」
七頭は条件を言う。
七頭「…仲間になるなら黒匕も一緒、あと自分は下の位でいい(ボソッ) 」
これを聞いた零頭は
零頭「惜しい奴だな、お前ならば二頭か三頭の位までいけるというのに 」
七頭「…目立ちたくないからそれでいい(ボソッ) 」
すると零頭は
零頭「いいだろうわかったぜ!今日よりお前の名は七頭だ!今までの名は捨てろ! 」
こうして疾風改め七頭は大蛇に入ったのだ。
そして現在にいたる。ちなみに二人は話の最中も攻撃しあっていた。
話を聞いていた恋は思っていた。
恋「(…こいつは恋に似ている) 」
恋だって村から追い出された時に月と出会って一刀と出会ったのだ。(恋の過去については其の拾参照)
もし月や一刀に出会わなかったら自分も同じ目にあっていただろうと
恋がそんなことを考えていた時、一瞬の隙ができてしまった。
その隙を見逃す七頭ではなかった。
七頭「…もらった(ボソッ) 」
七頭は武器である双刀槍『風刃音』を構えた。
七頭「…特攻槍陣!(とっこうそうじん)(ボソッ) 」
七頭は後ろに下がるとそのまま勢いよく突撃をしてきた。そして…
ブシュッ!!。
槍は恋の体を貫いた。
恋「ブハッ! 」
さすがの恋も吐血をする。そしてその場で倒れた。
七頭「…お前、良い奴だったけど仕方がない(ボソッ) 」
七頭はその場を去ろうとすると
恋「…まだ終ってない! 」
腹を貫かれた恋が起き上がった。
七頭「…お前、何で起き上がれる?(ボソッ) 」
七頭が聞くと恋は
恋「…恋は守りたい者がいると強くなれる。それにお前は恋に似ているから間違った道を進んだお前を助けてあげたい!だから恋は何度でも起き上がれる! 」
恋の話を聞いた七頭は突然槍を構えると
ブシュッ!!。
自分で自分の腹を突き刺した。
予想外の行動に驚いた恋は
恋「…お前、何をしている? 」
すると七頭は
七頭「…お前はとっても良い奴!だけど手負いの相手とは戦えないからこれで互角!(ボソッ) 」
話を聞いた恋は
恋「…なるほど、だったら恋も本気を出す! 」
恋も方典画戟を握り締める。
恋「…恋の名は呂布 奉先、真名は恋。お前は? 」
七頭「俺の名は七頭、旧名は疾風。いくぞ恋! 」
いつの間にか七頭の口調が昔に戻っていた。
そして二人は互いに武器を構えて突っ込んでいった。
そして二人がぶつかりあったその時!
カキンカキンッ!!。
互いの武器が打ち合いお互いが通りすぎた。
それからしばらくして、バキンッ!。七頭の槍が砕けると
七頭「見事だ恋! 」
バタンッ!。
先に七頭が倒れた。
恋「…七頭、良い奴だった。違う場で会っていたら斬らなくてもよかったのに 」
恋は悲しみの涙を流していた。
しばらくすると物陰から一匹の眼帯をつけた黒犬が出てきた。
黒犬は七頭に近付くと舐め始めた。
黒犬を見た恋はさっきの話を思い出してこの犬が黒匕だと気付いた。
恋は黒匕に近付くと
恋「…大丈夫、急所は外してあるから死んではいない! 」
恋の話を聞いた黒匕は安心したようだ。
恋「…でも恋はちょっと疲れたから一眠りする 」
バタッ!。
恋はその場で眠ってしまった。
北東の戦い
七頭 対 恋
勝者 恋
七頭の武器
双刀槍『風刃音』
ツインランスタイプの槍。動きを早くするため軽く鋭い鉄でできている。
特攻槍陣
槍を構えて全力の早さで相手に突っ込む技(これって技ですか?)