其の伍「趙雲、キスをするのこと」
なんか書く度に長くなっている(汗)。恐らく今回が最長でしょう。
新しく旅の仲間に軍師、朱里が加わり賑やかになった一刀達。さて、一行の向かう先はというと、
鈴々「愛紗―!鈴々達は一体どこに向かっているのだ? 」
一刀「さっき愛紗が言っていただろ。これから幽州を仕切っている公孫賛って人に会いに行くんだよ 」
鈴々「鈴々そんなこと忘れちゃったのだ 」
愛紗「こらっ!鈴々! 」
朱里「はわわ〜 」今日も一行は賑やかであった。
鈴々「でも別に会わなくたっていい気がするのだ 」
朱里「鈴々ちゃんそう言うわけには行きませんよ 」
朱里がこう言うのも無理はない。何故ならば最近黄巾党の動きが活発になり目に見えるほどになっていたのだ。この幽州付近だけでもざっと一万人は越える人数がいた。
そこで僅か四人とはいえども力になりたいと思い幽州の地主、公孫賛 伯珪に会いに行くというわけだ。
愛紗「もう少しのはずなのでちょっとお待ちください 」
一刀「わかったよ愛紗 」
鈴々「鈴々お腹が空きそうなのだ〜 」
鈴々のお腹が鳴る。
朱里「鈴々ちゃん我慢してください! 」
鈴々「我慢できないのだ〜 」ぐちる鈴々
一刀「鈴々、公孫賛さんの所に着いたらご飯沢山食べれるぞ 」
っと一声言う一刀。すると急に鈴々が走って先頭に立ち
鈴々「何をもたもたしてるのだ。早く公孫賛の所に行くのだ 」
おもわずずっこける一刀達であった。
それから数時間後、公孫賛の屋敷前
門番「何者ですかあなた達は? 」
門番が四人の前に立ち塞がった。
一刀「どうする? 」
愛紗「呼び名(人から噂される名)をつかいましょう 」
愛紗「我が名は関羽 雲長。黒髪の山賊狩りだ 」
鈴々「鈴々は張飛 翼徳。燕人なのだ 」
朱里「わっ…わたしゅは…水鏡女学院出身の…はわわ〜!! 」
一刀「(よく頑張ったな朱里!)俺は天の御遣いの北郷一刀だ 」
門番「どうも信じられない人達だなぁ 」
首を傾げる門番
愛紗「何を言う!我がご主人様が信じられないと言うのか! 」
反発する愛紗、すると
門番「いえ、天の御遣いもそうなのですが黒髪の山賊狩りもおかしいかと 」
愛紗「何を言っているのだ貴様! 」
門番「いえ、たしか噂では黒髪の山賊狩りは大変美人だと聞いていたので 」
この言葉に愛紗が傷付かないはずがなかった。
今、愛紗は体に槍が突き刺さった気分になっていた。
一刀「大丈夫愛紗は十分に美人だからさ 」
慰める一刀であった。
そんなことがあったものの何とか公孫賛との面会を許可してもらった一刀達であった。
公孫賛「お前達か私に会いに来たという人は? 」
と人がやって来たものの一刀は、
一刀「あれっ?ちょっと門番さん、公孫賛さんは? 」
首を傾げるみんな
公孫賛「あの、私が公孫賛なんだが… 」
すると一刀は
一刀「あっ!!ごめん普通すぎて気付かなかった 」
そしてその後公孫賛はさっきの愛紗と同じく槍が刺さった気分になった。
公孫賛「いいさ、別に気にしてはいないからさ 」
あきらかに気にしていますオーラを出す公孫賛そこへ追い討ちをかけるがごとく。
鈴々「お兄ちゃん。この城の料理普通すぎて美味しくないのだ 」
容赦ない鈴々の一言に更に突き刺さる公孫賛の槍!そして遂に
公孫賛「どうせ私は普通だよー!! 」
窓を開けて叫ぶ公孫賛であった。
一刀「すまないけど、今の状況を教えてくれ 」
最初に始めた人が言うセリフではない。
公孫賛「あぁ、黄巾党の奴らはこの近くの洞窟を拠点にしているらしい 」
わざとらしく今にも消えそうな声で答える公孫賛。まださっきのことを根にもっているらしい。とそこへ兵が来て
兵「公孫賛様大変です! 」
公孫賛「なんだ?どうしたんだ? 」
兵「趙雲将軍が黄巾党なんて我が槍でけちらしてくれると言って一人で黄巾党のアジトに! 」
公孫賛「あの馬鹿者が―! 」
兵の一言に公孫賛は復活した。
一刀「趙雲が危ない!今すぐ助けに行こう 」
公孫賛「待て北郷!策無しに突っ込んではかえって危険だ 」
愛紗「公孫賛どのの言う通りですご主人様! 」
一刀「しかし趙雲を見捨ててはおけない! 」
愛紗「みんなで行くとかえって遅くなりますし! 」
悩む一刀達、だがそこへ救いの手が上がった。
朱里「皆しゃん!いい案がありましゅ 」
朱里が噛みながらも答える。
一刀「どんな案なんだ朱里! 」
朱里「はいっ実は… 」
その頃黄巾党のアジトでは大変なさわぎが起きていた。
アニキ「クソッ!何を一人相手にちんたらやってやがるんだ 」
チビ「でもアニキあの乗りこんできた奴強いっす! 」
デク「ンだなー! 」
アニキ「こうなったら数で押しやがれ奴がヘトヘトになるまでな! 」
その頃数千人の黄巾党相手に一人で戦っている人がいた。
?「ふぅー!。数が多いとはいえ所詮雑魚の集まりだから大丈夫だとおもったがちときついな 」
この人こそ趙雲 子龍である。
敵兵「今の内に片付けちまえ! 」
趙雲「くっ!ここで散るとは無念なり 」
趙雲が諦めかけたその時
チビ「アニキ!ちょっと見てください 」
アニキ「何だよ。チビ? 」
チビ「あそこの川の方です 」
アニキ「どうしたってんだ、一体? 」
アニキが川の方を見てみるとそこには
一刀「や〜い!黄巾党のバッカ共悔しかったらここまで来やがれ。お尻ペンペンだ 」
ペンペンと尻を叩く一刀、それを見て挑発に乗らないほど奴らではなかった。
アニキ「あのヤロー!もう許さねーぞ。全軍あの男を血祭りにあげろ! 」
チビ「アニキ。女はどうしま…」
アニキ「放っておけ!女くらいいつでも殺れるんだよ 」
さっきまで殺れなかった奴が何を言う。
アニキ「うっせーんだよ!テメーはよ! 」
チビ「アニキ誰とはなしてるんです? 」
アニキ「知るかよ!とにかく男を殺せ! 」
趙雲を無視して一刀に向かっていく黄巾党それを見た趙雲は不思議に思った。
さて一刀に向かっていく黄巾党。
アニキ「くたばりやがれテメー! 」
近付いてくる黄巾党に一刀はというとニヤリと笑い、
一刀「今だ皆! 」
その場から立ち去るとその後で急に
すごい音がしたかとおもうと急に水が押し寄せてきた。水に流される黄巾党!ある者は流され、またある者は岩にしがみつき、またまたある者は岩や木が当たり命を落とすものが多発した。
やがて水が引いてくると、引いた川から公孫賛軍が押し寄せてきた。勿論その軍の中には愛紗と鈴々がいた。
辛うじて残っていた黄巾党をけちらす公孫賛軍、対する黄巾党はさっきの水から流されないために全体力を使ってしまい勝敗はもはや明らかであった。
朱里「作戦通りです 」
これまでのことは全て朱里の策である。順に説明すると、
川はあらかじめ塞き止めてダムのような物を作る。その後一刀の合図でダムを破壊すれば塞き止められていた水が流れ出すという策だ。
一刀「何とか無事だったな 」
愛紗「しかし朱里!作戦とはいえご主人様を囮に使うとは何事だ! 」
朱里「はわわー!すいましぇん 」
愛紗が怒るのも無理はない一見簡単な策だが一歩間違えれば一刀まで水に飲み込まれる危険があったからだ。
一刀「まぁ愛紗、俺を大事に思っているのは分かるけどそれくらいにしといてよ。結果大丈夫だったんだしさ 」
愛紗「しかしご主人様 」
朱里「すみましぇんでしゅ 」ついに朱里は泣いてしまった。
一刀「朱里泣かないで 」
ポケットからハンカチを取りだし差し出す一刀。とそこへ
公孫賛「いいところで水をさしてすまないが、北郷にうちの趙雲が話をしたいそうだ 」
一刀「俺に? 」
趙雲「お初にお目にかける北郷殿。我が名は趙雲 子龍と申す、先程の助太刀誠に感謝いたしますぞ 」
一刀「俺は別に何もしていないよ仲間が頑張ってくれたからさ 」
といい愛紗・鈴々・朱里の方を見る一刀であった。
趙雲「ほぅ。伯珪殿 」
公孫賛「なんだ趙雲? 」
趙雲「今日にて客将を辞めさせてもらう 」
公孫賛「そうか、分かった行ってこい 」
趙雲「停めぬのだな、我はてっきり「趙雲行かないでくれ〜」とでも言うと思ったのだが 」
公孫賛「んなこと言うか!!お前を停めたところで無駄なのは分かっているからな、何処へでも行ってこい 」言い切る公孫賛。
一刀「趙雲はこれからどうするの? 」
趙雲「我はこれから自分が真に遣える主を探す旅に出ます。北郷殿また会う時を待ってますぞ 」
一刀「あぁ、また会おう趙雲 」
これで終ればよかったのだがそうは問屋が下ろさなかった。
趙雲「あっ!そうだ北郷殿 」
一刀「っんなに? 」
振り向く一刀するとそこへ趙雲が一刀の側に近寄ったのかとおもうと。
趙雲は一刀の頬にキスをした。
これを見た愛紗達は驚いた。
趙雲「旅立つ男が無事でいられるようにするおまじないです。それではっ 」
趙雲はその場を去った。
そして一刀はボーっとしていてその後愛紗にボコボコにされたのはいうまでもない。
ちなみに作中に出てくる黄巾党の3人組ですが、同一人物です。
つまりあの3人組は√的に
2話にて一刀を襲うが愛紗に邪魔をされる。
3話にて飯屋を荒らし騒ぎ立てるも一刀達に邪魔をされて捕まるが脱獄。
5話にて3人組が率いる黄巾党が滅ぶ。
というわけです。