其の肆拾陸「北郷軍、大蛇と対峙するのこと」
一刀の戦いが始まる前、みんなを先に行かせた頃
朱里「どうやら全員通りきったみたいでしゅね! 」
一刀を除く全員は長い門を通り抜けた。
愛紗「では早くご主人様を救わなければ! 」
愛紗は急いで門の中に戻ろうとするが
ゴゴゴ…バタンッ!!。
急に門の扉が閉まった。
鈴々「なんなのだこの扉は!? 」
愛紗「早く開かんか! 」
凪「隊長ー!! 」
愛紗と凪は扉に向かって攻撃するが扉はびくともしなかった。
翠「おい!二人ともやめろって! 」
真桜「翠姉はんの言う通りや、やめんかい! 」
沙和「これ以上時間をとっている暇はないの〜! 」
すると愛紗と凪は三人を睨みつける。
愛紗「翠、貴様何故あの時止めたのだ!止めなければ今頃ご主人様は! 」
凪「真桜・沙和、お前達もだ!余計なことをしてくれたな! 」
二人は三人に掴みかかると三人がキレ始めた。
翠「何だと!あたしが悪いって言うのかよ! 」
真桜「いくらなんでも言い過ぎやで凪! 」
沙和「凪ちゃんひどいのー! 」
五人は喧嘩を始めた。
雛里「あわわ〜!喧嘩はやめてくだしゃ〜い!? 」
しかし五人はやめる気配はなかった。
紫苑「ここは私に任せなさい! 」
紫苑が五人を止めようとする。
紫苑「いい加減にしなさい! 」
しかし五人は
五人『おばさんは黙ってろ!!! 』
禁句を言ってしまった。
・しばらくお待ちください
しばらく時間がたつと、五人はその場で正座をして、震えながら謝っていた。
五人『喧嘩をして申し訳ありませんでした! 』
紫苑「よろしい! 」
謝っている理由は他にもあると思えるが
星「頭を冷やしたようだな五人共!主ならばきっと大丈夫であろう。主の無事を信じずに何が仲間だというのだ! 」
星の言葉を聞いた愛紗は
愛紗「(そうだ!何をしているんだ私は、危うくまたご主人様を信じられないところだった) 」
すると愛紗は翠の前に立つと
愛紗「すまなかった翠!私が悪かった許してくれ! 」
頭を下げ始めた。
翠「別にいいよ、あたしだって言い過ぎたしな! 」
愛紗と翠を見ていた凪も
凪「真桜、沙和!すまなかった! 」
頭を下げると二人は
真桜「許さへんなぁ〜♪この詫びは工具一式買ってくれたら許したるで〜♪ 」
沙和「だったら沙和はかわいい服を買ってくれたら許してあげるの〜♪ 」
あきらかに調子に乗っている二人に凪は
凪「お前らー!!! 」
二人を追い掛け回した。
真桜「堪忍してーな!冗談やがなー!? 」
沙和「凪ちゃん、許してほしいの〜!? 」
三人の追いかけっこが始まった。
しばらくして、凪が二人に制裁を終えると
リー「ここから城のある大きな丘までは約十粁です。大きな丘の上にある街を通り抜けて城に入るには丘の近くにある八つの門を抜けなければいけません! 」
リーの説明が終わると
焔耶「たかが十粁くらい楽に行けるぜ! 」
焔耶が元気よく言うが
タンポポ「これだから脳筋は、私達は急がなくちゃならないし途中で大蛇が攻めてきたらどうする気よバーカ! 」
タンポポが言うのももっともだ。
急いで行かなければならないが、途中で大蛇に見付かると疲れた体で戦わなくてはならなくなる。だからといって遅く行っても駄目なのだ。
焔耶「バーカは余計だろうが!!! 」
タンポポ「バカだからバカって言ったんだよこのバーカ! 」
焔耶「何だと!!! 」
タンポポ「やる気! 」
二人は喧嘩を始めようとすると
ゴチンッ!!。★彡
桔梗「話が進まないから黙っとれ! 」
二人は桔梗に殴られた。
タンポポ「いったーい!! 」
焔耶「桔梗様、私は悪くありませんのに!! 」
桔梗「黙っとれ!リー殿、話の続きをはなして下され! 」
リー「はい…わかりました!? 」
リーは話を再開した。
リー「八つの門を通り抜けてしばらく歩くと中央にあるのが城です 」
リーの説明が終わると
詠「つまりはボク達は急ぎつつ、大蛇に見付からなければいいわけね 」
月「詠ちゃんすごーい! 」
別にほめるとこなんて無いと思うが
凪「残念ですがそれは無理のようですね!先ほどからやたらと強い気が集まっています 」
恋「…確かに強い奴が集まっている 」
真桜「こういう時、伽羅坂があればええのにな 」
伽羅坂は門の外側に置いてきたため取りに行くには門を破壊して通るか、門の外側から取りに行くしかないのだ。
みんなが移動方法を悩んでいると
鈴々「あそこに変な鳥がいるのだ! 」
鈴々が指さす先を見てみるとダチョウのような姿の鳥がいた。
桃香「ホントだね、あんな足が長い鳥は初めて見たよ! 」
桃香が鳥を見ていると
リー「あれはバシャドリ(架空の動物)ですね 」
鈴々「何なのだバシャドリって? 」
鈴々が聞くと
リー「バシャドリは賃金さえ払えばどこまでも運んでくれる旅人にはありがたい鳥なんです 」
リーが言うと朱里が考え込む。そして…
朱里「閃きました! 」
しばらくして、街に入るための丘の手前には凪と恋の勘が当たり、大蛇のメンバーが待ち構えていた。
三頭「ねぇユー達、せっかくだから姫を捕えた者が褒美を貰うということにしないザンスか? 」
三頭の言葉に他のメンバーは
一頭「面白そうじゃない♪ 」
九頭「どうせ奴らを皆殺しにすれば同じだからな! 」
四頭「その賭け、乗ったよん♪ 」
全員が賭けに賛成すると
六頭「何だか遠くから土煙が出てるぜ! 」
二頭「北郷軍とやらが来たのか! 」
ところが土煙をよく見てみると黒い外套を着た集団が七羽のバシャドリに乗ってやってきた。
八頭「なんと!あやつら皆が同じ外套を着ておるのか! 」
大蛇のメンバーは混乱する。
大蛇が考えている間にバシャドリ達は別れて進んでいった。
二頭「こうなれば手分けして殺るしかない!我はこっちを行くぞ! 」
二頭は一羽のバシャドリめがけて走り出す。
四頭「ちっ!五頭はそっちを狙うです!ボクチンはあっちを狙うのです! 」
五頭「ワカッタ! 」
四頭と五頭もそれぞれ追って行った。
九頭「じゃあ俺はたくさんいるあの鳥だ! 」
九頭は一番多く乗っていたバシャドリをめがける。
七頭「…(あいつから強い気を感じる) 」
七頭は強い気を追って九頭の追っていたバシャドリと同じ方向に行ったバシャドリをめがけた。
三頭「これじゃあ賭けにならないザンス! 」
八頭「下手な弓も数うちゃ当たるナリ 」
六頭「誰が当たっても文句なしだぜ! 」
大蛇達はそれぞれバシャドリを追って行ったが只一人、一頭だけは動かなかった。
一頭「あいつら馬鹿じゃないの!最初のやつらは囮、本物は後から来るに決まってるわ! 」
一頭が言うとホントにみんなが去って行った後、一羽のバシャドリが向かってきた。
一頭「あれが姫ね、もらったわよ! 」
その頃、各自で分かれたバシャドリ達は
南東側:二頭
二頭「ようやく止まったか、観念しろ! 」
南西側:五頭
五頭「オイツイター! 」
西側:八頭
八頭「観念するナリ 」
北西側:三頭
三頭「追い付いたザンスよ! 」
北東側:七頭、九頭
九頭「ついてくるんじゃねーよ!!! 」
七頭「…別について来ていない(ボソッ) 」
東側:四頭
四頭「止まりやがったですな! 」
丘の外れ側:六頭
六頭「城から離れた所に行きやがって! 」
南側(正門):一頭
一頭「姫様、観念しな! 」
バシャドリ達は追い付きそうになると一斉に止まりだし、乗っていた者も外套を外した。
そこにいたのは
南東側:二頭
鈴々「引っ掛かったなのだ! 」
桃香「私達が相手です! 」
二頭「なにっ!? 」
南西側:五頭
凪「我らが相手です! 」
真桜「騙されたなお前 」
沙和「引っ掛かるなんて大馬鹿さんなの〜! 」
五頭「エッ!? 」
西側:八頭
焔耶「何で貴様と一緒なんだ!!! 」
タンポポ「こっちだって嫌だよ! 」
八頭「あやつら、何をしているナリ? 」
北西側:三頭
朱里「頑張ろうね雛里ちゃん! 」
雛里「一緒に頑張ろうね朱里ちゃん! 」
周々「ガルッ! 」
三頭「何と!?姫がちびっこになったザンス!? 」
北東側:七頭、九頭
月「へぅ〜!! 」
詠「月には指一本触れさせないんだから! 」
ねね「恋殿がいればこんな奴らなんて楽勝なのです! 」
恋「…皆は恋が守る 」
セキト『俺達だっているぜ! 』
張々『がんばるー! 』
九頭「ケッ!チビばかりかよ! 」
七頭「…あの赤髪の奴、強い(ボソッ) 」
東側:四頭
翠「何だよ、あたしらの相手はガキかよ! 」
星「子供相手では手を抜いてしまうかもしれんな 」
四頭「ボクチンをガキ扱いするなですー!!! 」
外れの場所:六頭
紫苑「ではいきましょうか桔梗! 」
桔梗「紫苑との協力は久しぶりじゃのう! 」
璃々「璃々もやるー! 」
六頭「何だよ!ババアだけかよ! 」
南側(正門):一頭
愛紗「見事策にはまってくれたな! 」
一頭「馬鹿な!?では姫はどこだ? 」
一頭が周りを探していると
愛紗「貴様らが探している姫ならば今ごろ 」
北側(裏門)
リー「大蛇は誰もいないみたいですね!みんな、頑張ってください 」
こっそりと裏門から侵入していた。
南側(正門)
一頭「おのれー!!!この私を騙したな! 」
愛紗「そういう事だ、我が名は北郷軍一の家臣、関羽 雲長!いざ、参る 」
そして各自の戦いが始まった。
オリキャラ紹介
・六頭
右腕にリボルバーをつけた責眼の狙撃手。口が悪いモヒカン男。
・七頭
無口の暗殺者、動きが素早い。恋に似た青髪の男。
・八頭
黒ずくめの服を着た色黒坊主。大蛇の喧嘩の仲裁役
・九頭
三メートルを越える巨大な鉄仮面をつけた大男。頭と口が悪く、自分より弱いくせに上にいる七頭のことが気に入らない。自分が大蛇で一番強いと思っている。