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其の参拾玖「北郷軍、集結するのこと」

一刀達は七乃から聞いた情報を元に恋達を探していた。


翠「でもそんな情報があてになるのかよ? 」


星「しかし、ここで嘘をつかれても何の得もないのだがな 」


周りがざわめくと


一刀「手掛りが一つしかないなら今は信じるしかないじゃないか! 」


一刀が伽羅坂を動かしていると


わんっ!


どこかで犬の鳴き声がした。


鈴々「お兄ちゃん、今の鳴き声って!? 」


鈴々が聞いてくると


一刀「間違いない!今のはセキトの鳴き声だ! 」


伽羅坂は犬の鳴き声がする方へ走り出した。


しばらくして鳴き声が聞こえた場所にやって来ると


愛紗「この辺から聞こえたのだが 」


紫苑「何もいませんね 」


一刀「おーい!セキト、俺だ!一刀だよ 」


一刀はセキトに呼び掛ける


焔耶「犬が返事をするものか!あいつは馬鹿か 」


焔耶はセキトが人の言葉が分かるのを知らない。


焔耶が茂みに近付くと


ガサッ!!。


茂みの中に何かがいる。


焔耶「何奴だ!賊か?熊か?猪か? 」


焔耶は構えるが茂みから出てきたのは


焔耶「ギャーー!!! 」


焔耶の叫び声を聞いて一刀達が集まる。


一刀「どうしたんだ焔耶!? 」


桃香「何が出たの? 」


一刀達が焔耶の元に集まるとそこには


焔耶「こらっ!あんまり舐めまわすな! 」


セキトが焔耶の顔を舐めまくっていた。そして焔耶はくるしがっていた。


桔梗「あやつは犬が大嫌いじゃからのぅ 」


一刀「セキト、俺だよ分かるか? 」


セキトは一刀に気が付くと背中から看板を取り出して


セキト『遅いんだよ、この馬鹿が! 』


返事を返してきた。


一刀達は再会を喜んだが


朱里「ところで恋さん達はどこですか? 」


朱里の質問をセキトが聞くとセキトは黙ったまま看板を取り出した。


セキト『恋達なら三日前に賊の一団に連れ去られちまったよ 』


これを聞いた一刀達は驚いた。そしてセキトは経緯をはなし始めた。


三日前、恋・月・詠・セキトは旅の途中で仲間になった陳宮と張々を連れて賊退治をしていたのだが


賊一「ぐわっ! 」


賊二「ギャッ! 」


賊達は次々と討ちとられていった。


恋「…お前達、すごく弱すぎる 」


前よりも力をつけた恋の前に賊なんて敵ではなかった。


詠「やっちまいな恋! 」


月「へぅ、恋さん頑張ってください! 」


ねね「あんな賊に恋殿が負けるわけがないのです! 」


この緑髪で小さな子は陳宮 公台。真名は音々(ねね)という呂布の大ファンだ」


みんなは邪魔にならないように隠れていたがその後ろから賊が忍び寄っているのに気が付かなかった。


詠・月・ねね『うわっ! 』


三人の声を聞いた恋が見てみると


賊頭「やいっ天下無双の呂布!仲間の命が惜しければ動くんじゃねぇぞ! 」


三人が賊に人質にされていた。三人が人質にとられてはさすがの恋も何もできなかった。


ねね「恋殿!ねね達のことは気にせずこいつらを倒すのです! 」


ねねは必死に叫ぶが恋は


恋「…駄目、みんなの方が大事 」


恋が方天画戟を地に置くと


賊頭「抵抗するんじゃないぞ!もししたらこいつらの命がないからな!それっ!野郎共やっちまえ! 」


賊達『うおー!!! 』


賊達は無抵抗の恋に対して襲いかかった。


詠「この卑怯者! 」


ねね「人質とらないと勝てない臆病者です! 」


賊頭「黙ってろ! 」


そして奴らは四人を連れ去って基地に戻っていった。


セキト『基地の場所は張々が見張っているんだが俺達だけで救出は無理なんだ! 』


セキトから話を一部始終聞いた一刀は


一刀「セキト、案内してくれ!恋達は必ず俺達が取り返してやるぜ! 」


愛紗「恋は大事な仲間だからな! 」


凪「仲間の救出なら断るわけにはいきません! 」


一刀「よし行くぞみんな! 」


全員『オォー!! 』


こうして恋達救出作戦が開始された。


賊の基地


セキト『ここがその基地だぜ 』


鈴々「でも張々さんがいないのだ 」


みんなも探すがそれらしき人は見付からない


セキト『いるぜ!そこに 』


セキトが示した先を見てみるとそこには


張々『きてくれたんだねせきと! 』


セキトと同じく看板を持ったセントバーナードらしき犬がいた。


真桜「これが張々かいな!? 」


璃々「おっき〜い! 」


みんなは張々に驚いていた。


愛紗「そんなことよりもまずは中に入って四人の無事を確かめないといけませんね 」


愛紗が悩んでいると


一刀「俺に一つの策があるんだ桃香、紫苑。ちょっと協力頼む 」


一刀に呼ばれた二人は


桃香「ご主人様!どんな策なの? 」


一刀「慌てないで準備がいるんだから。沙和、頼むぞ! 」


沙和「まっかせるの〜! 」


一刀達が準備している頃、中では


賊三「ギャハハッ!天下無双の呂布を俺達が捕まえてよかったですね頭! 」


賊頭「呂布なんて俺達にかかれば一人や二人軽いものよな!この三日間全然メシを食わせてないから腹ペコだろうよ 」


恋は鎖で手足をふさがれたうえに、お腹が空いて動けないでいた。


賊四「頭、あいつらはどうします? 」


子分は縛られた月達を指さす。


賊頭「胸がちいせえ奴は好みじゃねえから好きにしな! 」


詠「小さくて悪かったわね!!! 」


ねね「小さいのを馬鹿にするなです!!! 」


月「やっぱり男の人って胸が大きい人が好きなのかな? 」


三人は色々言っていた。


すると外の見張りが中に入ってきた。


賊五「頭!頭に贈り物の女が三人も来ています 」


頭「贈り物の女だと?いいだろう連れてこい 」


頭が言うと女達は入ってきた。


入ってきたのは桃香に紫苑、そして


一刀「あら!お頭さんいい男ねぇ 」


女装した一刀が入ってきた。


賊頭「オメェだってなかなかの美人じゃねえか 」


頭はすっかり一刀に美惚れていた。


この様子を見ていた四人は


ねね「(誰なのですかあいつらは?) 」


詠「(あいつ!帰ってきてたのね!) 」


月「(へぅ〜!ご主人様、会えて嬉しいです) 」


恋「(…ご主人様、絶対助けに来てくれるって恋は信じてた) 」


実は恋達は女装した一刀を見るのは二度目なのだ。(一度目は其の弐拾参参照)


一刀「ところでお頭さん、あの縛られている人達はどうするつもりなのん? 」


完全に女言葉の一刀であった。


賊頭「みんなの好きにして構わねえぜ! 」


頭がいうと一刀は


一刀「好きにしていいのねだったら… 」


一刀は縛られているみんなに近付く


一刀「あたしに頂戴な! 」


一刀は背中に隠し持っていた刀で縄を斬った。


賊頭「オメェ!一体何もんだ! 」


頭が叫ぶと一刀は


一刀「あたし?あたしはねある時は四神団の青龍、またある時は絶世の美女、しかしてその正体は… 」


一刀は女装を解く


一刀「北郷軍大将、北郷一刀だ! 」


一刀の登場に賊達は驚いた。


賊頭「あいつが天の御遣いの北郷だと! 」


頭が驚いていると入り口が騒がしくなってきた。


愛紗「そして我々は同じくして北郷軍の一団だ! 」


今ここに、北郷軍が全員集結したのだ。


賊頭「くそー!もうやけだ野郎共やっちまえ! 」


賊達約二十万人は一刀達に襲いかかるが


愛紗「わが偃月刀のさびになりたいか! 」


鈴々「突撃・粉砕・勝利なのだ! 」


星「せいっ!せいっ!せいっ! 」


翠「退きやがれ賊共! 」


雛里「行きましゅよ!周々! 」


朱里「賊をこらしめてください! 」


周々「ガルルーッ! 」


タンポポ「こっちだよ〜んだ♪ 」


凪「悪党は成敗します! 」


真桜「どかへんかったら体に穴が空くでー!! 」


沙和「お前達賊共は腐った〈ピー〉なの!そんな腐った根性を叩きなおしてやるの! 」


紫苑「桔梗と賊退治するのも久しぶりね 」


桔梗「そうじゃな何年ぶりになるのかのぅ? 」


桃香「えいっ!やぁっ! 」


賊六「こいつだけは対したことないな。殺ってやるぜ! 」


賊が安心したのも束の間だった。


焔耶「桃香様に刃を向けるとはこいつめー! 」


ズシーン!!。


彼は鈍砕骨で潰された。


賊頭「おいおい!?嘘だろ!? 」


頭が驚くのも無理はない


なにせ、最初二十万いた賊が今は半数以下なのだ。


一刀「所詮奴らは雑魚ってわけさ 」


いつの間にか一刀は頭の後ろに立っていた。


賊頭「うわっ!?てめぇいつの間に!? 」


頭はすぐさま後退りしたが一刀が逃がしてくれなかった。


一刀「俺だってお前をぶっとばしたいけどそれは俺の役目じゃないんでな 」


そう言うと一刀は


一刀「恋、好きなようにしていいからな 」


恋「…わかった 」


一刀は頭の始末を恋に任した。ちなみに今の恋は賊が食べていたごちそうを食べたのでお腹はふくれている。


恋は頭をにらむと、頭はいのちごいを始めた。


賊頭「頼む!許してくれよ!本の冗談だったんだ! 」


しかし恋は


恋「…恋は冗談が嫌い! 」


ブゥン!!。


恋は戟の刃のない部分でおもいっきり頭の顔をひっぱたいた。


賊頭「グヘッ!! 」


頭はひっぱたかれた後、ぶっとんで体が壁にぶつかってのびていた。


そしてそののびた頭に近付く物陰が二つ


詠「このっ!こいつさっきはよくも!!! 」


ねね「喰らうのです! 」


二人はのびた頭に蹴りを喰らわしていた。そして賊達が全滅すると


月「へぅ〜!会いたかったですご主人様! 」


いつの間にか月は一刀に近付いて抱きついていた。


一刀「ただいま、月! 」


一刀は泣いている月の頭を撫でていたが


詠「あんたはいつも遅いのよ!このバカチ〇コ! 」


久々の詠の毒舌だ。


一刀「ただいま詠! 」


そしてもう一人も


恋「…ご主人様 」


一刀に恋が近寄ってきた


一刀「恋もただい… 」


一刀が最後まで言おうとすると恋は


ムチュ〜〜!!!。


長い口づけをしてきた。


恋「…再会の接吻 」


恋がそう言って離れると


一刀は顔を赤くしていた。


すると


ねね「このヘボ大将が!恋殿に口づけをするなんて!たとえ天が許してもこのねねが許さないのです!というわけで 」


ねねは少し構えると


ねね「ちんきゅうキーック! 」


ドカッ!!。


一刀「ぐえっ! 」


さすがに一刀も予想できなかったため避けることができなかった。


セキト『変わらないなあいつは 』


張々『おもしろいひとだね! 』


こうして今ここに北郷軍総勢二十人と三匹が揃ったのだった。


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