其の肆「孔明、旅に出るのこと」
相変わらずあてのない旅を続ける一刀、愛紗、鈴々の三人。今、彼ら一行は街に向かうため山の中を歩いていた。
そんな中、一刀は考え事をしていた。
一刀「(この乱世を救うために必要なものといえば、愛紗と鈴々の武力とくればやはり、凄い頭脳を持つ人=軍師か) 」
一刀「(三國志の中で関羽と張飛と共に戦ったとされる軍師というと…
やはり有名な天才軍師、諸葛亮孔明だろうな) 」
っと今一刀の頭の中には
長髭孔明という横山先生のイメージが流れていた。
っと突然!
愛紗「ご主人様、危ないです! 」
一刀「えっ? 」
愛紗の声が聞こえた瞬間
一刀は石につまずき
転んだ。
一刀「いてて! 」
鈴々「お兄ちゃん、ちゃんと前を向いて歩いていないから転ぶのだ 」
愛紗「言っている場合か鈴々!大丈夫ですか!? 」
一刀「あぁ、対したことじゃない…いててっ!! 」
愛紗「どうしました!? 」
愛紗が押さえる一刀の足首を見てみると
鈴々「すごく腫れているのだ 」
どうやらさっき転んだときに足首を捻ったらしい。
一刀「ごめんね、2人とも 」
愛紗「何を言っているのですか。鈴々!竹筒を出してくれ 」
鈴々「わかったのだ 」
竹筒の中に入っていた水を一刀の足首にかける愛紗
それがもうしみてきて、
一刀「痛い!痛い! 」
騒ぐ一刀、しかし愛紗は
愛紗「これくらい我慢してください! 」
勢いよく水をかける。
騒ぐ暇も与えられない一刀であった。
愛紗「しかしどうしましょう。街はまだだいぶ先のようですし、道を戻ると大変ですし 」
考え悩む愛紗、っとそこへ鈴々がやって来て。
鈴々「愛紗ー!ちょっと行ったところに山小屋が見えたのだ 」
愛紗「ホントか鈴々! 」
愛紗が一刀を背負って鈴々の方へ向かう。
その時一刀は思った。
一刀「(愛紗の髪っていいにおいがするな。) 」
これなら怪我をしても得だなと思う一刀であった。
さて一刀はおいといて山小屋に着いた愛紗と鈴々
その看板らしき物には
『水鏡女学院』と書かれていた。
愛紗「すまない!誰かいないのか 」
扉を叩く愛紗。すると
扉が開いて中から出てきた人は
?「どうなさいました? 」
扉から出てきたのはこの女学院の教師、名は水鏡という(容姿は若い美人の女教師だと思って下さい。)
愛紗「じつは怪我人が… 」
と言い背中の一刀を見せる愛紗だが、さっきまで背中にいたはずの一刀がいなくなっているではないか。
一刀を探す愛紗だがとうの本人はというと…
一刀「美しいお姉さん。貴方の美貌を見ていましたら急に熱がでてきました 」
まさにポケ○ンの岩タイプ使いのごとく水鏡先生をナンパしていた。
水鏡「まぁ! 」
これにはさすがに困る水鏡先生であった。
っとそこへ
鬼の形相をした愛紗が近づ…
愛紗「何か?!!! 」
ひっ!語り手も驚く。
愛紗は一刀に近寄り次の瞬間!
ゴスンッ★彡
ボロボロになった一刀が愛紗に首を捕まれていた状態になっていた。
愛紗「重傷です。!!! 」
一刀を差し出す愛紗であった。
水鏡「あらあら 」
鈴々「愛紗がここまで怖いとは知らなかったのだ 」
脅える鈴々!それはさておき先生は
水鏡「朱里!ちょっと来て下さい 」
そう言うと柱の陰から
?「はいです〜! 」
小さな女の子が出てきた。背丈は鈴々位で金髪のスカートをはいている。
気がついた一刀は聞いてみる。
一刀「まさかと思うけど君は諸葛亮孔明かい? 」
朱里「はわわ〜!!なぜわたしの名前を知っているんでしゅか! 」噛んでいた。
一刀「(可愛いな) 」
愛紗「ご主人様、知り合いですか? 」
一刀「いや初対面だけど? 」
愛紗「ならなぜ名前を知っているんですか! 」
再び愛紗が鬼になって…
ここでよしとこう。
一刀「いや愛紗!誤解だからさ 」
愛紗「問答無用です!! 」
愛紗に殴られて再び気絶する一刀その後愛紗の誤解だとわかり謝られたというのは他でもない。
それ後一刀の治療が済むまで泊めてもらうことになった。
それから三日が立ち一刀の傷はすっかりよくなり別れの時
愛紗「水鏡どの、孔明どのまことに感謝をします 」
鈴々「さよならなのだ 」
水鏡「こちらこそ色々とありがとうございます 」
実は一刀が休んでいる間、愛紗と鈴々は家の雑用を手伝っていた。
一刀「じゃあね孔明ちゃん 」
頭を撫でる一刀
朱里「はわわ〜! 」
照れる朱里
一刀「それではどうも 」
頭を下げてすぐに先に進む一刀達
それをみて手を振る朱里だがその体は小さく震えていた。
それをみていた水鏡先生は思わず
水鏡「行ってきなさい 」
朱里「えっ! 」
驚く朱里であった。
水鏡「あの人達の旅の目的はあなたも聞いていたでしょう。あなたの夢も乱世を救うことならあの人達についていきなさい 」
その後ジッと黙る朱里
そして…
水鏡達と別れたあと山登りを続ける一刀達、すると突然後ろの方から声が
朱里「皆さーん! 」
一刀「んっ? 」
愛紗「あの声は 」
振り向いてみると朱里が後ろから走って来たではないか。
朱里「わたしも連れていってくだしゃ〜い! 」
ようやく追い着いた朱里は息をきらしながら言う。
朱里「関羽さん、張飛さん、一と…ご主人様。これからはわたしの真名、朱里とお呼びください 」
一刀「朱里… 」
こうして新しく一刀達の仲間に天才軍士?朱里が加わった。その後愛紗と鈴々は真名を朱里に渡したのであったが。
朱里を見て顔が緩む一刀のにやけ顔を愛紗に見られて説教をくらったのは別の話である。
ここでこの小説での一刀の設定を紹介します。
年齢 高校2年の17歳
武力 武将には適わないがキレた時には強くなる。
知力 並の下(三國志については詳しいほう)
性格 困っている人を見過ごせない。
美人を見ると口説く
(これにより愛紗達からお仕置きをうける)
持ち物 背中に背負ってあるバック(中身は後程)