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其の参拾陸「華佗、親友ができるのこと」

あの後、何とか追い付いた焔耶を乗せて一刀達一行は次なる目的として恋達を迎えに行くことになったのだが、他の人達とは違い恋達はあてもなく旅をしているので探すのが容易でなかった。


そんな道中の途中


鈴々「いたたー!お腹が痛いのだ! 」


鈴々がお腹を押さえて転げまわる。


星「何か悪いものでも食べたのではないのか? 」


星が聞くと


愛紗「鈴々!最近食べたもので悪いものはあるか? 」


愛紗が聞くと鈴々は


鈴々「昨日、愛紗がお兄ちゃんのために作った肉まんを知らずに食べたのだ 」


コキンッ!!。


鈴々は愛紗に殴られた。


一刀「それより状態はどうだい朱里、雛里? 」


一刀が二人に聞くと


朱里「ものすごい腹いたですね! 」


雛里「持ちあわせている薬じゃ治りにくいでしゅ 」


今回ばかりはさすがの二人もお手上げだった。


一刀「仕方ない!早いところ次の村に行って薬を買お… 」


一刀が最後まで言おうとすると伽羅坂の目の前に行き倒れている人がいた。


一刀「大丈夫ですか? 」


伽羅坂を止めて一刀が駆け寄ると


?「う〜ん!! 」


倒れていた赤毛の男は目を覚ました。


?「腹がへった…。なにか食べ物を… 」


全員『へっ? 』


どうやらこの男は空腹で倒れたらしい。しばらくして


バクバクッ!ガツガツ!


男は出された飯を電気掃除機のごとく吸い込んでいった。


一刀「それにしてもすごい食欲だな… 」


愛紗「この状態なら恋と互角かもしれませんね 」


あまりの食欲にみんなは呆気にとられていた。


?「ごちそうさん!すまないな、財布を持たせていた連れとはぐれてしまって三日間何も食べていなかったからな 」


男は倒れていた事情を話した。


一刀「俺の名は北郷一刀。あんたの名前は? 」


一刀の問いに男は答える。


華佗「俺の名は華佗!さすらいの医者だ! 」


一刀達は華佗が医者だと聞くと


一刀「医者ならちょうどいいや!この子の腹痛を治してくれ 」


一刀は鈴々を指さす。


鈴々「お腹が痛いのだー!! 」


さっきから鈴々は痛がっていた。


華佗「よしっ!食事をご馳走してくれた礼に診てあげよう 」


華佗は懐から一本の針を取り出すと


華佗「こいつじゃない、これもちがう、じゃあこれか? 」


ブツブツ独り言をいい始めた。これを見ていたみんなは


翠「あいつさっきからなに独り言をはなしてるんだ? 」


焔耶「あんな胡散臭い男は信用できん! 」


桔梗「これっ!焔耶 」


周りが色々と言うなか、華佗は突然!


華佗「見えたっ!こいつだ! 」


華佗は急に叫んだ後、針を持って集中しだした。


華佗「ハァーーー! 」


この華佗が集中する姿を見て、一刀と凪はなにかに気付いた。


そして華佗は針を持つ手を上にあげると


華佗「元気になーれー! 」


針を鈴々めがけてつきだした。


ピカッー!!。


一瞬、その場が輝いたかと思うと華佗は


華佗「病魔退散。治療完了 」


治療が終ったように言う、すると鈴々は


鈴々「お腹が痛かったのが治っているのだ! 」


その様子にみんなが驚いた。


雛里「あわわ〜!!針を刺しただけで治るなんて 」


紫苑「すごい医術ですね! 」


華佗の治療に驚いていた。しかし一刀と凪は


凪「隊長!今のは! 」


一刀「凪も気付いていたかさすがだな! 」


二人がなにか分かったような態度をとると


愛紗「ご主人様。なにか分かったのですか? 」


タンポポ「二人だけで納得してないで教えてよ! 」


みんなに聞かれて一刀と凪は答える。


凪「華佗さんがさっき集中した時にものすごい気が集まっていたんです 」


一刀「しかもそのでかい気を右手一本に集めるとはたいした使い手だ 」


二人も気を使うので華佗の気が見えていたのだ。


朱里「あのぅ、華佗さん。さっきの医術はなんというのですか?あんな医術は初めて見ました 」


朱里が聞くと華佗は


華佗「知らないのも無理はないさ俺の医術『五斗米道』は門外不出の秘伝だからな 」


華佗の言葉を聞いた朱里は言ってみることにした。


朱里「ごと… 」


すると突然!華佗は


華佗「ちっがーう!「ごと」じゃなくて「ゴッド」だ! 」


華佗は突然叫んで発音を注意してきた。


それを聞いたみんなは


一刀以外全員『ごっとべいどう… 』


華佗「ちがーう!『ゴッドヴェイドォー』だ! 」


なかなかみんなが発音できないなか


一刀「ゴッドヴェイドォーだろ? 」


一刀のみが正しく発言できた。


それを聞いた華佗は


華佗「君は素晴らしい!一度聞いただけで発音できるなんてすごい人物だ 」


華佗はゴド…


華佗「ちがーう! 」


訂正、華佗はゴッドヴェイドォーを正しく発音できた一刀に感動していた。


すると華佗は一刀に手をさしのべた。


華佗「北郷一刀と言ったな、今日から俺達は親友だ! 」


華佗は一刀に握手を求めてきた。


一刀はこれに答える。


一刀「こちらこそよろしくな! 」


二人は互いに握手をするのであった。


しばらくして


愛紗「ところで華佗よ!お主のはぐれた連れはどうするのだ? 」


愛紗が聞くと華佗は


華佗「まぁ、目立つ姿だからすぐにでも見付かるだろう 」


華佗が言うと


鈴々「どんな姿なのだ? 」

華佗は説明を始める。


華佗「黒い上着を着ていて、白い髪と髭をもち、赤の首巻き(ネクタイ)と白の(ふんどし)をした色黒の筋肉大男だ! 」


華佗の話を聞いた直後、みんなは思った。


(そんな変な奴がいるのかよ!)


みんなが頭の中で想像していると


ドドドッー!!。


はるか遠くに土煙がおきていた。


?「華佗を見付けたのじゃー! 」


目をこらして姿を見てみると先程、華佗が言っていた変な奴が叫んでいるではないか!


桃香「ホントにあんな人がいるんだね 」


あまりの容姿に桃香は驚いた。


変な奴はそのまま伽羅坂の前に立つと


?「華佗ちゃん!会いたかったのじゃー! 」


ものすごい力で華佗に抱きついてきた。


しかし華佗はこれを避けると、


華佗「財布を持っているお前とはぐれてこっちは大変だったぞ卑弥呼! 」


すると卑弥呼という男(?)は


卑弥呼「すまんすまん!ところで華佗よ、こちらの人達は誰じゃ? 」


卑弥呼は一刀達を指さす


華佗「俺の親友の北郷一刀とその仲間達だ 」


すると北郷一刀という名前を聞いた卑弥呼は考え始める。


卑弥呼「北郷一刀?どこかで聞いた名前なのじゃが… 」


卑弥呼はしばらく考えていると


卑弥呼「思い出したぞ!貂蝉の恩人じゃ! 」


卑弥呼はなにかを思い出したようだ。


一刀「(やっぱりこいつは貂蝉の仲間なのか) 」


一刀が思っていると


卑弥呼「紹介が遅れたな、我が名は卑弥呼!邪馬大国(現在の日本)の王であり、貂蝉の師である 」


一刀は驚いた。なぜ日本の王が中国にいるのだろうか、そもそもなんでまた男なのだろうか


一刀が深く考えていると卑弥呼は


卑弥呼「おぬしのことは貂蝉から聞いておるぞ!対したおのこ(男)じゃとな 」


卑弥呼がいうと一刀は何かを思い出した。


一刀「そういえばあいつ(貂蝉)はどうしたんだ 」


貂蝉は一刀を送り届けて以来、姿を見せていないのだ。


すると卑弥呼は


卑弥呼「おぬしを送り出すのに力を使いすぎてのぅ、今はある場所で休んでおるわい! 」


一刀と卑弥呼の会話を聞いていたみんなは


翠「ご主人様と変態が話をしているぞ!? 」


タンポポ「ご主人様って変態と話せるんだ!? 」


焔耶「変態同士で気が合うのだろう! 」


みんなは変態(卑弥呼)と普通に話す一刀に驚いていた。


華佗「さすがは俺の親友、五斗米道を正しく発音できるだけでなく卑弥呼とも普通に会話できるとは 」


華佗は別の意味で一刀を感心していた。


しばらくして


華佗「それではみんな、世話になったな! 」


卑弥呼「だぁ〜りんに会えるのを楽しみにしておるぞ♪ 」


卑弥呼は一刀をだぁ〜りんと呼ぶ様になった。理由は、貂蝉と接吻(キス)したからだそうだ。ちなみにキスした話を聞いたみんなから一刀は愛紗と凪にすら白い目で見られた。


一刀「貂蝉に会ったらよろしく伝えておいてくれ! 」


一刀は手を振りながら別れを告げた。


そして伽羅坂が見えなくなってきた頃、卑弥呼は考えていた。


卑弥呼「(我が弟子である貂蝉が守ろうとしたおのこよ、わしもかげながら協力するからのぅ) 」


卑弥呼が考えているといつの間にか華佗の姿が消えていた。


卑弥呼「しもうた!またはぐれてしまったわい! 」


華佗が卑弥呼と再会したのはこの日から三日たった日だったという。


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