其の参拾肆「楽進、選択に悩むのこと」
キャラが増えると一話に全員登場させるのが大変です。
一刀達は現在、益州に向かっていた。そして益州までもう少しのところで
一刀「それー!! 」
グルルッー!!
一刀は伽羅坂の充電をしていた。
愛紗「ご主人様どうですか? 」
愛紗が聞いてくると一刀は
一刀「充電には時間がかかるからな明日までは動けないや! 」
これが一見、完璧にみえる伽羅坂の弱点である。一度電気がきれると電気が満タンになるまで動けないのだ。(電気を使い終るまで充電ができない。ちなみに満タンになるまでは約五時間回すことが必要、それで一週間は走る)
凪「隊長は忙しすぎです。こんなにたくさん人がいるのですから交代で回しましょう 」
鈴々「それはいい考えなのだ!鈴々も回してみたいのだ! 」
凪の提案にみんながのることになった。ちなみに今は夜である。
一刀「わかったよ!じゃあ交代で回そう! 」
五時間は三百分なので十人で割ると一人三十分ずつ回すことになった。
それから約百八十分後
一刀「凪!交代だから起きてくれ! 」
凪「う〜ん、わかりました 」
寝惚けざまに凪は答える。
凪「すみません隊長!自分がいい始めたことなのに眠ってしまって! 」
すると一刀は
一刀「仕方がないよ、もう夜だし眠いのは誰でも同じだよ 」
そして凪は一刀と交代して充電のハンドルを回し続けた。
凪「(今頃、二人はどうしているのかな?) 」
凪は考え事をしていた。
一刀と出会う前、共に旅をしていた二人のことを
そして翌日
一刀「よし!充電完了したし行こう! 」
全員『オォー!! 』
そして一刀が乗り込もうとしたその時!
?「そこの鉄のバケモン待ちやー!! 」
後ろから砂煙が見えたかとおもうと女の子が叫びながらこっちに向かっていた。
凪「あれはっ!? 」
凪は駆けてくる人物に見覚えがあった。
女の子は伽羅坂の前で急ブレーキをかけると
?「噂はホンマやったな〜!ここいらで鉄のバケモンが走ってるちゅう噂は! 」
紫髪の関西弁で上が水着のような服を着た女の子は伽羅坂を触りまくる。
愛紗「こら貴様!むやみに触るでない! 」
愛紗が注意するが
?「ええやん触るくらい減るもんやあらへんし!ホンマはちょこっと分解してみたいんやで! 」
そんなことをされては困る。
一刀「まぁ愛紗、別に触るくらいならいいからさ 」
分解されたくないので一刀が言うと
?「兄はん、ええ事言うやんか!ほな早速… 」
女の子が触りまくっていると凪が
凪「お前はまお… 」
凪が最後まで言おうとすると女の子が駆けて来た方向から
?「真桜ちゃん!待ってなの〜! 」
別の女の子が走ってきた。
凪「あいつは! 」
凪はその女の子にも見覚えがあった。
真桜「沙和!?今までどこいっとったんや? 」
すると沙和と呼ばれたオレンジ髪のそばかすメガネっ娘は
沙和「何を言ってるの!!真桜ちゃんが先に走り出すからいけないの! 」
二人の女の子が口喧嘩をしていると
凪「沙和まで!久しぶりだな! 」
口喧嘩していた二人は凪に気付くと
真桜・沙和『(凪!・凪ちゃん!)どこに(いっとったんや・行ってたの)! 」
二人は凪に抱きついた。
真桜「凪のアホゥ!心配かけるんやないで! 」
沙和「もう二度と会えないかと思ったの〜! 」
凪「真桜と沙和も元気でよかったな! 」
三人は涙を流して抱き合っていた。
鈴々「何だか分からないけど、感動の再会なのだ! 」
雛里「友情っていいでしゅね! 」
北郷軍のみんなも涙を流して見ていると
一刀「ところで凪!その二人は? 」
一刀が言うと二人はいきなり
真桜「お前!何凪の真名を勝手に言ってんねん! 」
沙和「お前のような〈ピー〉は沙和達がこらしめてやるの! 」
二人は武器を構えた。ちなみに〈〉内は禁止用語である。
凪「待て!真桜!沙和!、私はこの方達に真名を授けているんだ! 」
凪が言うと二人は
真桜「ホンマかいな! 」
沙和「驚きなの〜! 」
しばらくして
凪「隊長!この二人は私が隊長と雛里に会うまで旅をしていた仲間です 」
凪が言うと二人は
真桜「よろしゅうな兄はん!ウチの名は李典 曼成!真名は真桜や! 」
沙和「沙和は于禁 文則。真名は沙和なの〜! 」
二人は元気にはなしだした。
一刀「そうか、君達が凪がはなしていた仲間か 」
凪と一刀の出会いについては其の弐拾捌を参照。
沙和「あなたが天の御遣いだなんて驚きなの〜!ちょっとその服を見せてほしいの〜! 」
沙和は一刀が着ていたフランチェスカ学園の制服を指さす。しかし
真桜「そんなんは後にせい! 」
真桜に止められた。
真桜「凪!ようやくウチら三人が再会したわけやから、また三人で旅をしよか! 」
すると凪は
凪「えっ!?その… 」
困った顔をする凪。凪だって二人と旅に出たいが一刀から離れるのが嫌だったのだ。
いい渋る凪に真桜は
真桜「どないしたんや凪? 」
真桜が凪の顔を見てみると微かに赤くなっていた。
沙和「もしかして凪ちゃん!好きな人がいるの〜? 」
ボンッ!!。
沙和の一言に凪の顔が爆発した。凪は一刀の方を見てみると
一刀「凪に好きな人か〜!誰だろな? 」
これを見た人は思うだろう。『この朴念人が!!』
凪は一刀の発言を聞いて諦めた。この人は女心を理解できないんだと。
沙和「(あの人が凪ちゃんの好きな人か〜!女心がわからないなんてすごいウジ虫野郎なの〜!) 」
沙和は女の子の勘で凪が好きな人が分かっていた。
真桜「そんなことより凪!なんでウチらと一緒にけーへんねん! 」
真桜が話を戻してきた。
真桜「ウチら三人は誓いあったやないか!いつか大陸一の竹籠職人になるって! 」
この真桜の言葉に三人を除く全員は?をうかべた。
全員『竹籠職人? 』
すると凪は
凪「私は隊長達に出会う前は真桜と沙和の三人で竹籠を売って生活してたんです 」
その一言で全員が納得した。
真桜「ほら見てみ!凪がおらへん間にウチが作った絡繰り(からくり)その名も『全自動編み編みくん五号』や! 」
真桜は小さな人形を取り出した。
鈴々「なんで五号なのだ? 」
鈴々のするどい突っ込みに真桜は
真桜「そりゃ、一号より五号の方がかっこええからや! 」
失敗をごまかしていたが鈴々は
鈴々「確かにかっこいいのだ! 」
よく分かっていなかった。
タンポポ「それよりその人形を動かしてみてよ 」
タンポポが言うと真桜は
真桜「ええで!ウチのすごさに驚くなや! 」
真桜がボタンを押すと
ポチッ!!。
ボカンッ!!。
編み編みくんは突然、爆発した。
真桜「まちごうて、自爆ボタンを押してもおた! 」
なんでそんなものをつける必要がある!
沙和「そんなことより、凪ちゃん! 」
また話が脱線したので沙和が話を元に戻す。
沙和「私達と行くか、そっちと行くか、どっちなの! 」
沙和の答えに凪は
凪「わたしは… 」
凪は迷っていた。一刀達と旅を続けたいし、二人とも旅をしたい。
凪が迷っていると
一刀「俺は別に凪が選ぶのなら好きな方にするといいよ 」
一刀の言葉を聞いた凪は決心した。
凪「真桜!沙和!私は隊長と旅を続けたいんだ! 」
凪の本心を聞いた二人は
真桜「そうか、そっちに行くってわけやな 」
沙和「凪ちゃんが選んだのなら沙和もそれでいいの〜♪ 」
二人も納得していた。
凪「すまない!二人共! 」
凪が頭を下げていると
真桜「ほなウチもそっちに行くか! 」
全員『えっ!? 』
真桜の言葉に全員が驚いた。
真桜「この鉄のバケモン(伽羅坂)をもっとよく調べてみたいし、天の国のカラクリについても詳しゅう知りたいしな! 」
真桜が言うと
沙和「真桜ちゃんがいくなら沙和もいくの〜!可愛いい女の子ばかりだからお洒落してあげるの〜 」
沙和まで言い出した。
凪「私が言わなくても二人はこっちに来る気だったのか!? 」
凪が聞くと二人は
真桜・沙和「そう(や・なの〜)! 」
二人の返事を聞いた凪は
凪「お前達!そういうことならさっさと言わんかー! 」
さっきまで自分は何を悩んでいたのかが馬鹿らしくなり、凪は怒りながら二人を追い掛ける。
真桜「ちょっとした冗談やがなー! 」
沙和「凪ちゃん許してなの〜! 」
二人は逃げながら答えると
凪「許さん!!! 」
怒りの凪を止めることはできなかった。
これを見ていた一刀達は
鈴々「凪がついてきてくれるようで嬉しいのだ! 」
星「あの追い掛けまわしを見ていると主と愛紗に似ておるな 」
翠「確かに逃げながら謝るところなんてそっくりだな! 」
タンポポ「へー!そうなんだ!(今度、イタズラで試してみよっと♪) 」
朱里・雛里『(は・あ)わわ〜!! 』
桃香「また仲間が増えちゃったね♪ 」
愛紗「あのぅ…ご主人様! 」
一刀「なんだい愛紗? 」
愛紗「もし私が凪のような立場になっても同じ言葉を言ってくれますか? 」
一刀「言うよ!愛紗の好きにしたらいいってね! 」
愛紗「ご主人様… 」
愛紗は凪を見つめると
愛紗「(凪よ!私は絶対に負けないからな!) 」
凪に勝負を宣告していた。
そして凪達の騒動が終わると
一刀「では改めて出発だ! 」
全員『オォーー!! 』
一刀がエンジンをかけようとするが
ピーピー!
伽羅坂から音が流れだした。
鈴々「お兄ちゃん!この音は何の音なのだ? 」
鈴々が聞くと一刀は
一刀「んっ! 」
あるものに注目した。
一刀「残り電力ゼロだって! 」
一刀は驚いた。なんで昨日充電し終わったはずの車が何もしてないのに何故電力切れをおこしたのか!
それを聞いた真桜はこっそり逃げ出そうとしたが
凪「待て真桜!お前なにか知ってるな! 」
真桜の逃げ出しは凪によって止められた。
真桜「すんません!いじくってたら変な部品が取れてもうて… 」
取れた部品は電気をためる大事なものだった。
真桜が言うと
全員『真桜!!! 』
真桜「堪忍してーな! 」
その後、真桜は罰として一人で五時間充電をさせられたという。