其の参拾参「典韋、料理をふるまうのこと」
一刀達一行は紫苑と璃々を迎えに現在、益州に向かっていた。
そして今は鈴々がお腹を空かしてしまい、食べ物屋を探していた。
鈴々「早く見付けてくれないとお腹と背中の皮がくっついてしまうのだ〜 」
だだをこねる鈴々に
愛紗「鈴々!少しは我慢しないか!みんなだってお腹が空いているのだぞ! 」
すると鈴々は
鈴々「愛紗達はおっぱいの分、脂肪があるから結構もつけど、鈴々はつるぺったんだから我慢できないのだ 」
屁理屈を言う鈴々に愛紗は
愛紗「何を言っているか鈴々!!! 」
当然のごとく怒った。しかし鈴々は
鈴々「なんかもう周々が肉団子に見えてくるのだ 」
周々「ガルッ!? 」
身の危険を感じる周々だった。
一刀「もうちょいしたら飯屋がきっと見付かるからさ我慢してくれよ鈴々! 」
鈴々は一刀の言うことを信じて待つことにした。
一刀「早く何とかしないと大変なことになるな 」
一刀は運転席から店を探していると
一刀「んっ!? 」
遠く離れた場所に一軒の飯屋があった。
一刀はそこへ伽羅坂を向かわせる。到着した途端、鈴々は
鈴々「えー!!こんなボロい店じゃ嫌なのだ! 」
鈴々の言う通り店の外見はボロボロで看板にヒビがはいっていた。
愛紗「ワガママを言うでない! 」
しかし鈴々は
鈴々「絶対こんなボロい店は不味いのだ! 」
鈴々は大声で騒だした。そんな鈴々に一刀は
一刀「そうか!鈴々はついてこないのなら仕方ない!俺達だけで腹一杯食べようか! 」
ピクッ!。
一刀の一言に鈴々が反応した。更に続けて一刀は言う。
一刀「金なら沢山あるから心配ないしな! 」
実は一刀は役満姉妹の時にこっそり売り上げ金をネコババしていたため金なら沢山あるのだ。
そして一刀はみんなにウインクするとみんなはそれに答えるように
愛紗「そうですね、来ない者は置いて行きましょう! 」
桃香「私達だけでお腹一杯食べよう♪ 」
星「この際、店の外見なんて気にはしてられんしな! 」
翠「あたしもここでいいや! 」
タンポポ「タンポポも〜♪ 」
凪「自分も隊長について行きます! 」
雛里「私もでしゅ! 」
朱里「じゃあ鈴々ちゃんはここで周々ちゃんと留守番を… 」
ここまで言うと鈴々は
鈴々「わかったのだ!鈴々もこの店でいいのだ! 」
鈴々はようやく行く気になった。これも一刀の策である。
一刀達がドタバタした後で店に入ると
?「いらっしゃいませ!何名ですか?ご注文は? 」
緑の髪の青いリボンをした可愛いいウェイトレスの女の子がいた。すると当然のごとく一刀の悪い癖が出てしまう。
一刀「ご注文はキミで! 」
?「はいっ? 」
女の子が首を傾げていると
ドカ〜ン!!。★彡
愛紗「すいません!人数は十人で、注文はチャーハン十人前でお願いします!!! 」
愛紗は一刀を引きずりながら席に移動した。
?「かしこまりました! 」
女の子は驚いたがすぐに厨房に向かっていった。
翠「あれっ?あいつ一人でやっているのか 」
周りを見ても確かに彼女以外の店員はおろか客が一人もいない。
凪「大変ですね 」
星「はたしてどんなものが来るのやら? 」
星が心配していると
?「お待たせしました。チャーハン十人前です 」
みんなの前にうまそうなチャーハンが出された。
一刀「ではいただきます! 」
全員『いただきます! 』
一刀の真似をしてみんなが手を合わせて食べ始めた。すると
全員『うっ!? 』
みんなが同じ表情をした。
一刀「ちょっとキミ! 」
一刀は料理を出した子を呼ぶと
?「どうかしましたか?もしかして口にあいませんでしたか!? 」
女の子が心配すると
一刀「とんでもない!めちゃくちゃ美味しいよ! 」
これを聞いた女の子は
?「ありがとうございます! 」
とっても喜んでいた。
星「しかし、こんなにうまいというのになぜ客が来ないのだ? 」
すると女の子は
?「やはり、店の外見が悪いからだと思います。あと人手も足りませんし、けれどもお金がないから店の改築や人手を雇うお金がないんです 」
これを聞いた一刀は
一刀「よし!うまいもの食わしてくれたお礼だ!俺達も協力するよ! 」
すると女の子は
?「そんな!旅の人に迷惑をかけるわけには… 」
すると一刀達は
愛紗「確かにご主人様の言う通りだ! 」
桃香「恩は返さないとね♪ 」
鈴々「鈴々もやるのだ! 」
みんながやる気になったので女の子は止めることができなかった。
一刀「俺の名前は北郷一刀!キミは? 」
すると女の子は
流琉「私の名前は典韋、真名は流琉です。みなさん!よろしくお願いします 」
こうして一刀達による『お店繁盛計画』が始まった。
まず始めに厨房担当を決めようとすると
愛紗「私がやります! 」
凪「では自分も! 」
二人が手をあげたが
一刀・桃香『(凪・愛紗ちゃん)は接客を頼む! 」
一刀と桃香に力一杯拒否された。
一刀「料理は俺と雛里と朱里でやるからさ! 」
ここでみんなが驚いた。
愛紗「ご主人様は料理ができるのですか? 」
愛紗が聞くと凪が
凪「隊長の作る料理は確かに美味しいですよ! 」
雛里「私達もそれで生活していまちたし! 」
二人も納得するのなら本物だろう。
そんなこんながありようやく担当場所が決まった。
調理
一刀、朱里、雛里、流琉
接客
桃香、鈴々、星
客寄せ
愛紗、凪、周々
皿洗い
翠、タンポポ
そして店は開業した。
店の前では
愛紗「ホントにこんな服を着て、こんなことをすれば客が来るのだろうか? 」
凪「隊長は商売に関することなら達人ですから大丈夫ですよ 」
そして隠れていた二人は出てきた。
愛紗「いらっしゃいませ!ご主人様♪ 」
凪「どうかお店で食べてくださいにゃん♪ 」
二人の格好は猫耳フリフリエプロンのメイド服姿だった。
更に周々も
周々「ごろにゃ〜ん♪ 」
首に鈴をつけられて猫の真似をしていた。
するとさっきまで一人もいなかった道に
客達『入りま〜す♪ 』
一気に人だかりができた。男は愛紗達に、女は周々によって集められたのだ。
客が店に入ると
鈴々「いらっしゃいませなのだ! 」
鈴々が出迎えてくれた。
そして接客をする桃香達
桃香「ご注文は何ですか? 」
星「ご注文を聞いているのだが 」
そして調理する一刀達
一刀「ほいっ!オムライス一丁! 」
ちなみにメニューは客が集まるよう天界のものも混ぜてある。
雛里「麻婆豆腐でしゅ! 」
朱里「棒々鶏できました! 」
流琉「お客が沢山いるとこちらも作りがいがあります! 」
そして皿洗いは
翠「何であたしが皿洗いなんだ? 」
タンポポ「お姉様が愛紗さん達が来ていた服を着ないっていうからじゃない。タンポポは着たかったのになぁ〜 」
翠「お前が接客したら絶対にいたずらするからダメだ! 」
そういうわけでこの二人は皿洗いなのだ。
やがて時間がたって店の閉店時間になった。
一刀「さすがにちょっと疲れたな 」
鈴々「鈴々お腹が空いたのだ! 」
朱里「そういえばお昼にチャーハン食べたきりでしたね 」
みんながお腹を空かしていると
愛紗・凪『(ご主人様・隊長)!料理を作りましたのでどうぞ! 」
愛紗と凪はそれぞれチャーハンとオムライスを出してきた。
しかしそれぞれの味を知っていたので一刀達は
一刀「じゃあ、俺はチャーハンを! 」
雛里「私もでしゅ! 」
桃香「じゃあ、私はオムライスにしようと! 」
鈴々「鈴々もなのだ! 」
朱里「はわわ〜!私もでしゅ 」
迷わず味をしらない方を取った。
両方の味を知らない者はただ見ていた。
そしてパクッ!。
食べる者が一口入れた瞬間!
一刀「グエーー!! 」
雛里「あわわ〜! 」
バタッ!!。
一刀と雛里はその場で倒れこみ、
桃香「ヒッーー!! 」
鈴々「辛すぎなのだー! 」
朱里「はわわ〜! 」
桃香達も口から火をふいた後その場に倒れこんだ。
その様子を見ていた残りの者は
翠「大丈夫かよ!? 」
タンポポ「すごい威力だね! 」
星「どちらも食べなくてよかったな 」
三人が安心していると
愛紗・凪『残ったのではもったいないので(みんな・皆さん)!食べてください! 』
三人に究極の選択が待ち構えていた。どちらを選んでも待つ先は死あるのみ、それならば…
三人『食べて死んでやるー!!! 』
三人はやけになった。これを見ていた流琉は
流琉「知らなかった。お料理でやけになるんだね! 」
この様子に驚いていた。
愛紗「もちろん周々の分もあるからな! 」
周々「ガルッ!? 」
さらなる犠牲者(?)がいた。
そしてみんなが元気になった次の日、一刀達は旅立つことにした。
流琉「ありがとうございました。皆さんのおかげで店を改装できるほどのお金も手に入りましたし、新しい料理も教えてくれてありがとうございました! 」
流琉はまでお礼を言った。
一刀「別に気にすることはないよ 」
愛紗「そうですともご主人様がお節介なだけですから! 」
鈴々「そんなにお礼を言われると照れるのだ♪ 」
この店が不味いといった奴が何を言う。
一刀「また来た時ご馳走してくれればそれでいいからさ! 」
一刀はエンジンをかける。
伽羅坂は進んでいく。
流琉「みなさん!ありがとうございました!また会う日まで! 」
流琉は見送りながら手を振る。
一刀達『さようなら〜 』
一刀達は走り去っていった。
流琉「さてと、私も頑張らないと! 」
流琉が店に戻ろうとすると後ろから声がした。
華琳「ここがそのお店なの春蘭? 」
一刀達が去った後、華琳が現れた。
春蘭「兵に問いつめたところ、この店で間違いありません 」
秋蘭「姉者の言う通りです華琳様! 」
お供の春蘭、秋蘭も一緒だ。
華琳は流琉に気付くと
華琳「あなたは店員さんかしら?料理を頂戴! 」
流琉「はい!わかりました! 」
流琉は一生懸命料理を作った。そして
流琉「こちらがオムライスになります 」
当然のことだが華琳はオムライスを知らない。
春蘭「何だその『御村椅子』というものは?食べれるのか? 」
華琳「うるさいわよ春蘭! 」
華琳は春蘭を黙らせるとオムライスを一口食べてみる。すると…
華琳「何なのこれは!?この料理はあなたが考えたの? 」
突然の華琳の変わりように秋蘭は
秋蘭「どうなさいましたか華琳様? 」
すると華琳は
華琳「この料理はすごく美味しいわ! 」
華琳の一言に夏侯姉妹は驚いた。なぜならば華琳の舌は海〇雄〇をも越える舌なのだ。その華琳が美味しいという料理はまさに宝石箱のようなもの
華琳「どうなの?あなたが考えたの? 」
華琳は流琉に聞くと
流琉「この料理の創作者は私ではなく兄様です 」
流琉がいうと華琳は
華琳「そうなの。でもあなたの料理の腕は対したものだわ!我が城に来なさい! 」
なんと流琉は魏の城に招待されたのだ。しかし流琉は
流琉「申し訳ありませんが私がこの店を離れるわけには 」
すると華琳は
華琳「なら店ごとあなたをもらうわそれなら心配ないでしょう! 」
そういうことならばと流琉は了解した。
華琳「(フフッ!あの子が兄様という人も興味があるわね) 」
この時、華琳は知らなかった。流琉のいう兄様が一刀だということを