其の参拾壱「数え役満姉妹、一刀をこき使うのこと」
ちなみに数え役満姉妹はこの小説では登場時に既に黄巾党が滅びているため関連がないただのアイドルグループです。
一刀「皆さん!どうも今日は!この小説の主人公の北郷一刀です 」
一刀「現在俺達は仲間である翠のいる西涼に向かう途中、ある町にやって来たのですが… 」
一刀が言うと後ろの方から声がした。
?「一刀〜!何はなしてるのよ! 」
?「さっさとちぃ達に蜂蜜水を持ってきなさいよ! 」
?「あと、一報亭のシュウマイもお願いします 」
一刀「(どうしてこうなった?) 」
こうなったのも話は町についた日の朝に始まったのだ。
町についた日、一刀達はそれぞれに分かれて買い物をすることになった。
なお、以前の事(其の弐拾壱参照)がないよう今回は一刀にはジャンケンで勝った雛里がついていくことになった。
ちなみに愛紗は鈴々・桃香と凪は朱里と星がついていき、周々は伽羅坂で留守番をすることになった。
一刀と雛里が買い物をしていると雛里は
雛里「(こうしてご主人様と二人きりで歩いていると逢い引き(デート)してるみたいで嬉しいでしゅ) 」
頭の中まで雛里は噛んでいた。
一刀「さて、あらかた必要なものは揃えたし、戻ろうか 」
一刀が戻ろうとしたその時
?「キャー!! 」
女の子の悲鳴が聞こえた。
一刀「雛里!行くよ! 」
一刀が駆け出すと妄想中の雛里も
雛里「あわわ〜!!真ってくだしゃ〜い! 」
一刀の後についていった。
一刀達が悲鳴が聞こえたところに行くとそこには
?「姉さんから手をはなして下さい! 」
?「あんた!ちぃ達の使いっ走りのくせにこんな事してすむとおもってるの! 」
すると叫んでいる二人の姉であろう人の首に小刀を構えた男は
男「うるせぇ!何が使いっ走りだ!散々わがまま言ってこき使ったあげく、報償(給金)や褒美がないだなんてふざけるのもいい加減にしろ! 」
?「地和ちゃん、人和ちゃん助けてー! 」
女の子が叫ぶと同時に一刀は男に近づくと
一刀「アンタ!それくらいにしなよ 」
一刀は言うと男は
男「てめぇ、いつの間にきや… 」
男が最後まで言う間に一刀の拳が男の腹に炸裂した。
男「ぐほっ!! 」
男が倒れこむと同時に女の子は男から逃げ出した。
女の子はすぐさま地和と人和と呼ばれた女の子に近寄っていった。
?「地和ちゃん!人和ちゃん!お姉ちゃん怖かったよー! 」
すると二人も
人和「天和姉さん無事でよかったわね 」
地和「あいつはもう解雇に決定ね! 」
そして一刀と雛里が去ろうとすると
地和「ちょっと待ちなさいよ! 」
いきなり呼び止められた
一刀は振り返ると
一刀「まだ何か用ですか? 」
すると地和は
地和「あんたがあいつを倒したせいでちぃ達の使いっ走りがいなくなっちゃったから代わりにあんたがやりなさいよ! 」
助けてもらっておいて何を言ってるんだこの子は
地和「うるさいわよ! 」
もちろん一刀は断ろうとする。
一刀「悪いけど俺は旅の途中だから… 」
すると
天和「えぇー!使いっ走りになってよ〜! 」
天和が胸を一刀の腕にはさむと一刀は
一刀「了解です! 」
即答だった。
その後、一刀は雛里に伝言を頼むと三人に連れていかれ冒頭にあたるというわけだ。
一刀は思う、もし時間が戻せるのなら戻してやりたいと、今更後悔してもあとの祭りだった。
天和「一刀〜!肩もんでよ! 」
地和「蜂蜜水はまだなの! 」
人和「はやくシュウマイをお願いします 」
一刀は殴ってしまった男に少し同情していた。
後になって分かったのだがこの三人は一ヶ月前から一部の地方で名を広げているアイドルグループ『数え役満姉妹』というらしい。さっきの男はマネージャーのようだ。
ちなみに彼女達の名はさっき捕まっていた長女の天和。気が強い次女の地和。真面目クールな三女の人和だ。
一刀は急いで天和の肩を揉み、地和に蜂蜜水を差し出し、人和にシュウマイを買ってきてあげた。
天和「ホント一刀って役に立つよね♪ 」
地和「前の使いっ走りより大分役に立つわ♪ 」
人和「色々と素早くこなしてますしね 」
今の一刀ならば三人がかりでも逃げ出すことは可能なのだが一刀は逃げなかった。なぜならば…
天和「ありがとね一刀! 」
ムギュッ!!。
仕事をこなす度に天和が抱きついてくるからだ。
一刀「(これくらいならプラマイゼロだな♪) 」
強くなっても性格は変わらない一刀であった。
そんな中、人和が何やら悩んでいた。
天和「人和ちゃんどうしたの? 」
天和が聞くと人和は
人和「次の音楽会はひと味違うものにしたいんだけどいい案が思い付かなくて 」
天和「確かに最近、人の集まりが悪いからねぇ 」
地和「なにか一気に人を集める策はないの? 」
三人が悩んでいると一刀は
一刀「じゃあさぁ、サイン色紙なんてどうかな? 」
一刀が言うと三人は
三人『さいん色紙? 』
一刀はサインについて詳しく教えると
人和「確かにそれなら人が集まりそうね 」
人和が納得した。
地和「じゃあ、次の時は一刀にも登場してもらいましょうよ! 」
一刀が驚いていると
天和「地和ちゃん!それはいい考えだよ! 」
人和「地和姉さんにしてはいい案ね 」
地和「人和!それってどういう意味よ! 」
こうして一刀の許可なしに次のライブに出ることになった一刀であった。
そしてライブの時
天和「みんな大好き〜!! 」
客達『てんほ〜ちゃ〜ん! 』
地和「みんなの妹〜!! 」
客達『ち〜ほ〜ちゃ〜ん! 』
人和「とっても可愛いい〜!! 」
客達『れんほ〜ちゃ〜ん! 』
三人『数え役満姉妹ー!!! 』
客達『ほぁほぁほぁ! 』
一刀は三姉妹のライブを見て驚いた。これは現代でも通じるのではないかと
三姉妹が歌うなか一刀は出番が来る間に
一刀「こちらで役満姉妹の直筆色紙を先着順に贈ります 」
ライブ関連のグッズの販売をしていた。
やがて一刀の出番が来ると三姉妹が大きくジャンプすると同時に一刀は舞台の上に立ち、刀を構える。
一刀「(北郷流三の型『螺旋龍』) 」
そして技を三姉妹めがけて打ち出した。すると三姉妹はより高く舞い上がり、落ちてきたところを一刀が見事に三人まとめて受け止める。
客の反応は
客達『ほぁほぁほぁ! 』
盛り上がりすぎていた。
その日の楽屋裏
人和「凄いですね!今日の売り上げがいつもの五倍はありますよ! 」
天和「これも一刀の案のおかげだね♪ 」
そう言って天和が抱きつくと一刀は
一刀「いや〜 」
にやけた顔をしていた。
地和「フンッ!あれくらいちぃ達の付き人なら当たり前よ 」
地和は強く言うが一刀は気付いていた。
いつの間にか使いっ走りから付き人に変化していたことを
一刀「ホントによかったよ。これで俺も安心して離れていけるね! 」
と一刀が言うと三人は
三人『ハッ? 』
頭に?を浮かべていた。
地和「何を言ってるのよ!あんたはず〜っとちぃ達の付き人よ! 」
人和「最初からそうだと思ってましたが 」
すると一刀は
一刀「ちょっと待ってよ!俺も旅の途中だし… 」
一刀が言うと天和が
天和「一刀が離れるなんて嫌だよ〜! 」
ムギュッ!!。
天和は胸を一刀に押し付けてきた。すると一刀は
一刀「一生離れないさ! 」
態度が九十度変わっていた。
三姉妹が一刀がいてくれることに喜んでいたその時だ。
シュッ!!。
窓の外からなにかが投げ込まれた。
天和「これなんだろ? 」
天和が触ろうとした途端
プシュッー!!。
謎の物体から煙が吹き出してきた。
天和「ゲホッ!何なのこれは? 」
地和「ゲホッ!目にしみるじゃないの! 」
人和「ゲホッ!姉さん達、早く窓を開けて! 」
一刀「ゴホッ!これって煙幕か!? 」
すると一刀に何かが近付いた。
やがて煙がはれると
天和「あれっ?一刀の姿がないよ!? 」
天和の言う通りさっきまでいたはずの一刀の姿が消えていた。
地和「ちょっと!戸も開いてるわよ! 」
更に扉まで開いている。すると人和は
人和「まだ遠くには行っていないはずよ探しましょう! 」
その頃、一刀はというと
一刀「んっ?… 」
一刀が目を開けてみると目には夕日が見えていた。
さらに回りの景色が動いているではないか!一刀が考えていると声が聞こえてきた。
凪「隊長!手荒い真似をしてすみませんでした! 」
一刀はなんと凪に担がれていたのだ。
ちなみに煙幕を投げたのも凪で、煙幕を投げた後、楽屋に忍び込んで一刀を気絶させてそのまま連れ帰ったのだ。
凪が一刀と担ぎながら走っていると伽羅坂が見えてきた。
愛紗「凪!こっちだ! 」
愛紗達が手を振っている。
凪は伽羅坂に乗り込むと一刀をおろした。
鈴々「お兄ちゃん!早く動かすのだ! 」
一刀「わかった! 」
鈴々にせかされて一刀は運転席に向かうと
天和「一刀〜!行っちゃダメ〜! 」
地和「ちぃ達に許可なく行くなんてダメなんだから! 」
人和「一刀さん!行かないで下さい! 」
三姉妹がようやく追い付いてきた。
愛紗「ご主人様!早くしてください! 」
すると一刀は三姉妹の方を向いて一言いう。
一刀「三人共!またなぁ〜! 」
それだけ言うと一刀はエンジンをかけて伽羅坂は走り出していった。
さすがに三人も車には勝てず取り残されてしまう。
通りすぎていく車を見た三人は
地和「一刀のバカ! 」
人和「一刀さん 」
悲しむ二人だが天和は
天和「くじけちゃダメだよ!いつかまた会えるからさ! 」
天和は二人を元気付けた。
さらに天和は言う。
天和「こんな時のために一刀の荷物にあれを入れてよかったよ! 」
すると二人は
地和・人和『あれって何なの? 』
すると天和は
天和「それはね… 」
その頃、一刀達は
一刀「いや〜!今回はみんなに助けられたよありがとう! 」
町から離れたところで一刀は車を止める。
愛紗「いえ、雛里から話を聞きましたから 」
一刀がそうかそうかと納得していると
愛紗「ご主人様が色仕掛けで参加したことも 」
この言葉を聞いた一刀はドキッとした。さらに…
凪「隊長が別れを言おうとしましたが色仕掛けで寝返ったことも 」
さらに一刀はドキッとしてブリキ人形のごとく首を後ろに回すとそこには…
愛紗・凪『(ご主人様・隊長)覚悟はいいですか? 」
地獄の鬼さえ逃げ出すかのごとく業火に怒りを燃え上がらせた二人がいた。
一刀「あの…二人とも落ち着い… 」
しかし二人は
愛紗・凪『言い訳無用です!!! 』
一刀「ギャーー!!! 」
二人は一刀をボコボコにしまくるのであった。
朱里「あれっ?ご主人様の荷物に何か入ってるよ! 」
雛里「なんだろね? 」
二人が荷物を見てみるとそこには
『数え役満姉妹 色紙壱号 北郷一刀へ 』
三姉妹の色紙が入っていた。
凪の技講座
三の型『螺旋龍』
刀に気を渦巻くように回転させてその気を相手に飛ばして相手をぶっ飛ばす技(殺傷力はない)。
応用として今話のようにジャンプした味方を上に上げることで遠くを見たりすることが可能。また気と一緒に水を巻き込むことで『螺旋水龍』となり、水を飛ばしたり洗濯機の代わりになることが可能。
凪「技を演技に使うとは許せません! 」