其の参「張飛、小さな失敗をするのこと」
突然異世界に飛ばされた北郷一刀は、山賊に襲われるものの現れた愛紗と鈴々によって救われる。
そしてその二人から天の御遣いとして扱われ三人で世界を救う旅をすることになったのだが。
一刀「何でこんな事になっているんだ? 」
愛紗「申し訳ございません、ご主人様 」
鈴々「愛紗がこんなに謝っているからお兄ちゃんも許してほしいのだ 」
愛紗「何を言っているんだ鈴々!元はといえばお前のせいだろうが 」
一刀「落ち着きなって愛紗! 」
一刀達は今とある街の飯屋にいた。
何故こうなったのかというと話は数分前に遡る(さかのぼる)。
数分前、街に着き始めた時鈴々が「お腹がすいたのだ 」と駄々をこねて一刀達もお腹がすいていたので飯屋に入って愛紗に天の御遣いについて詳しく聞いてみると
愛紗「実は当たるという評判の占師の管輅に呼び止められまして 」
管輅「もしもし、そこのお二人さん 」
愛紗「私達のことか? 」
鈴々「何の用なのだ? 」
管輅「見たところお二人は乱世を救うために旅をしているご様子ではありませんか? 」管輅がいうと
鈴々「すごい!当たっているのだ!? 」
愛紗「何故それを!? 」
管輅「私はこう見えても占師でしてね 」
こう言っているが外套(コートの様な物)を頭から被り、首から小さな水晶玉をぶら下げていれば大抵の人は気付くものである。
管輅「まぁその点についてはおいときまして 」
自分で言っておいて何を言っているんだこの人は。
管輅「幽州にて輝く衣をまといしその者、乱世を救うべく現れる天の御遣いなり 」
愛紗「そうして其所へ行くとご主人様がいたわけです 」
一刀「なるほど 」
鈴々「そうなのだ 」
一刀「…ところで鈴々は何をしているのかな? 」
鈴々「二人の話が難しくて分からないから鈴々先に食べているのだ 」
一刀「それはいいんだけど。その点心何個目? 」
一刀が指差す先を見てみるとそこには
空になった五十は越える点心の籠があった。
もちろん三人がそんなに金を持っているはずもなく
その結果…
食べた分、店の手伝いをする羽目になり
現在に至るというわけだ。
鈴々「だってー!お兄ちゃんと愛紗の二人が話してて鈴々、暇だったからつい… 」
愛紗「ついで五十以上も食べる奴があるか! 」
一刀「まぁまぁ愛紗、それくらいにして… 」
愛紗「ご主人様は黙っていて下さい!! 」
一刀「はい! 」即答!
鈴々「ニャハハ!お兄ちゃん怒られているのだ 」
愛紗「鈴々!! 」鈴々を睨む
鈴々「ごめんなのだ 」
一刀「こわ… 」
愛紗「何か言いましたか?ご主人様 」ゴゴゴ…
一刀「いいえ!何もありません 」
あまりの恐ろしさに震える一刀であっ…
愛紗「あなたは黙っていて下さい!! 」
鈴々「愛紗は誰に言っているのだ? 」
一刀「多分、天の声(語り手)にだろ 」
とその時、
突然扉が蹴破られる
アニキ「黄巾党参上! 」
チビ「金を出しなっす 」
デク「メシを寄越せだなー 」
お客さん「黄巾党だって!! 」
アニキ「騒ぐんじゃねーぞてめーら! 」
あちこちを破壊する三人
一刀「なんて酷いことをしやがる 」
鈴々「やっつけるのだ! 」向かう鈴々、だが
愛紗「待て、今行けば人が多くて巻き込んでしまう。ここは時を待つんだ… 」愛紗がそういうと鈴々は
鈴々「あれっ?お兄ちゃんはどこなのだ? 」
さっきまで近くにいた一刀がいなくなっているのに鈴々が気付いた。
その頃一刀というと
アニキ「っん。テメー何を睨んでやがる? 」アニキが聞くと
一刀「出ていけ! 」
一刀は拳をアニキにぶち当てた。
アニキ「ぐはっ!! 」
ぶっとんでいき、そのままテーブルに当たってアニキは気絶した。
それにチビとデクが気付いた。
二人『アニキー!! 』
一刀「ふぅー! 」息をはく一刀、しかし
チビ「テメー、よくもアニキを!! 」
デク「許さないんだな! 」
一刀に襲いかかる二人。
だがっ
?「許さないのは 」
?「こっちの方なのだー 」
っと愛紗と鈴々の2人は武器である青龍偃月刀と蛇矛を二人にぶちあてた。
二人『ぐはぁ!! 』
倒れる二人。っとそこに
客壱「すげーぞ!あんたら ! 」
客弐「黄巾党を倒すなんて! 」
歓声が沸き上がった!
一刀「凄い歓声だな! 」
喜ぶ一刀。だが…
愛紗「何て無茶をしているんですか!!! 」
そこに鬼の形相をした愛紗が立ちふさがっ…
愛紗「誰が鬼ですか!! 」
一刀「ごめん!愛… 」謝る一刀だが
愛紗「許しませんよ!!ご主人様!! 」許してくれなかった。
一刀「ごめん。でもジッとしていられなかったから。 」
愛紗「もう!今回だけですよ。これからはあまり無茶をしないで下さい 」
一刀「はいっ 」頭を下げる一刀。
愛紗「全くもう!ご主人様は 」これを見ていた鈴々は
鈴々「(愛紗あんなこと言っているけどホントは嬉しいのだ。でも言ってしまうと怒られるから鈴々の心にしまっておくのだ。 )」
その後、三人は食べた分働き翌日には街を出ていった。