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其の弐拾伍「赤兎、大活躍するのこと」

天空の登場によりバラバラになってしまった北郷軍、この先どうなってしまうのか?

一刀が飛び出していった後、入れ替わるように天空が家に入ってきた。


天空「どうしたのですか皆さん? 」


鈴々「実はお兄ちゃんが… 」


鈴々が最後まで言おうとすると


愛紗「黙っていろ鈴々!! 」


愛紗が鈴々を黙らせた。


翠「何もそんな言い方することないだろ! 」


愛紗の発言に翠が抗議するが


愛紗「関係ない者は黙っていろ! 」


この発言に翠までもがキレた。


翠「関係ないだと!ふざけるんじゃねぇよ! 」


翠は愛紗の胸ぐらを掴んで叫んだ。喧嘩の雰囲気が漂うなか、喧嘩の仲裁をしたのは


紫苑「二人ともいい加減にしなさい! 」


みんなの中で一番の年ま…


ヒュンッ!!。


いきなり矢が飛んできた。


訂正、一番のお姉さんである紫苑が二人の喧嘩を止めた。


紫苑「愛紗ちゃんも翠ちゃんも少し頭を冷やしなさい!私たちがいがみあってどうするの! 」


紫苑の発言に黙る愛紗と翠であった。


天空「ところでみなさん私について来てくれませんか?実は賊のアジトがわかりましたのでぜひ皆さんの力が必要なのです 」


すると天空は懐から大きな地図を取り出してみんなに見せるように広げた。


天空「この村から約十五里(一里=約三km)ほど離れたところに賊のアジトがあるという情報を手に入れました! 」


みんなは地図を見てみると


鈴々「あいつらそんなに離れた所から攻めてきていたのかなのだ 」


星「どおりで見付からないはずだな 」


すると天空はみんなに言う。


天空「賊を滅ぼすのなら今が好機(チャンス)です。全軍で攻めましょう! 」


ここで朱里がいう。


朱里「全軍だなんてそんな!もし賊が留守を狙ってこの村に攻めてきたらどうする気ですか! 」


すると天空は


天空「孔明殿(朱里)、考えすぎですよ。この辺りの賊ならばあらかた退治しましたので少しの間村を留守にしても大丈夫ですよ!それに孔明どのが賊よけのための罠を多数仕掛けましたから安心してください 」


それでも朱里は食い下がらなかった。


朱里「ですが、万が一のことも… 」


すると


愛紗「朱里よ、お主は考えすぎだ。天空殿の言う通りにすればいいのだ 」


この発言に鈴々が


鈴々「愛紗は簡単にお兄ちゃんを裏切るのかなのだ! 」


愛紗も答える。


愛紗「そうではない!ただ、天空殿は天の御遣いだから従うだけだ! 」


この時、一瞬場の雰囲気が変わった。


翠「わかったよ、天の御遣いの指示に従えばいいんだろ! 」


翠が進むと次々とみんなは外に出始めるが


愛紗「どうしたのだ朱里ち、月、詠、璃々。一緒についてこないのか 」


この四人の心は一つであった。


朱里「やっぱりご主人様を放ってはいけませんよ 」


月「私も同じです。ご主人様が戻ってきた時に誰かいないといけませんから 」


詠「ボクは月が残るならさ残るよ! 」


璃々「りりもごしゅじんさまをまってる! 」


一人、心が違う気がするが四人は残ることにした。


鈴々「じゃあ、お兄ちゃんが帰ってきた時は頼むのだ! 」


そして残りの者が行くことになったのだが、この時に気付いておくべきだった。


天空「ちっ!予定が少し狂ったか 」


天空が舌打ちをしたことに誰も気付いてなかった。


そして愛紗達が賊退治に出かけようとした時、恋が何かを探すようにキョロキョロしていた。


紫苑「どうしたの恋ちゃん? 」


紫苑が尋ねると恋は


恋「…セキトがいない 」


その辺を探す恋だが、しかしこのまま探しても仕方がないので嫌がる恋の手を引きながら愛紗達は賊のアジトに向かっていった。


その頃、飛び出していった一刀はというと


一刀は一人で森に入り、大きな木にもたれていた。


一刀「俺は御遣いでなければ一体何のためにこの世界に現れたんだよ! 」


一刀は拳を地におもいっきりぶつける。


これを何度も繰り返すうちに一刀の拳からは血が流れていた。


そんな時だ。


モゾモゾッ!


一刀が持ってきたバックが急に動いたかと思うと中からでてきたのは


セキト『ふぅー!苦しかったぜ 』


バックの中からセキトが出てきた。


これに一刀は驚いた。


一刀「どおりで少し重いと思ったらついてきてたのかセキト! 」


セキト『お前が暗い顔して飛び出しやがるからついて来てやったんだよ 』


犬にまで心配される一刀であった。


セキト『それで、お前はこれからどうする気だ? 』


セキトが尋ねると一刀は


一刀「俺にだってどうすればいいのかわからないよ 」


一刀「天の御遣いとして愛紗と鈴々に出会って、その後、朱里や恋、月、詠、翠、紫苑、星といった仲間が次々と増えてきて、でもわかったんだ俺から御遣いを取れば何も残らない事がさ… 」


ここまで言う一刀にセキトは


セキト『この馬鹿野郎!! 』


一刀にキレだした。


セキト『お前がそんなに弱い男だとは思わなかったぜ。いいか、みんなはお前が天の御遣いだからついて来たわけじゃねぇ 』


するとセキトは


セキト『お前のことが好きだからどんな困難があってもついて来たんだよ。もちろん俺もな! 』


照れ臭そうにいい出した。

セキトによる説教を聞いた一刀は


一刀「俺のことが好きだからみんながついてきてくれたか…。ありがとなセキト! 」


一刀は元気になった。


セキト『まったく、手間かけるんじゃねぇよ 』


そして一刀は立ち上がり


一刀「まずはみんなに謝らなくちゃな 」


村に戻ろうと足を運んでいると声が聞こえてきた。


セキト『誰の声だ? 』


一刀「聞いてみようぜ 」


一刀とセキトが耳をすましていると声の主は


天空「何をちんたらしてんだよあいつら! 」


賊を退治に行っているはずの天空だった。


しばらくすると茂みの中から出てきた人物に一刀とセキトは驚いた!。


茂みから出てきたのは追い払ったはずの賊である。


一刀とセキトはそのまま隠れて話を盗み聞きしていると


賊「お頭、準備が出来ましたぜ今すぐにでも村を攻めていけます! 」


天空「そうか、わかった。俺が関羽達を村から引き離しておくから後は頼んだぜ子分共! 」


何と天空は賊の頭だったのだ。しかし驚くのはまだ早い、この後更に驚きの事実が発覚する。


賊「村人達も馬鹿だぜ天空様が御遣いを名乗っていることに全く気付いてないからよ、でもまさかあの村に本物の御遣いが来たときは冷や汗かきましたよ 」


天空「さすがにあれには俺もびびったが、このしびれ粉さえ使えば誰だって動けなくなるさ 」


何と!こいつらは御遣いの名をかたっていたのだ。


そして一刀にしびれ粉を使い、負けさせたのだ。


天空「さぁ、今村には雑魚しかいない攻めるならば今が好機だ!頼むぜ野郎共! 」


賊達『オォーー!! 』


そう言って天空はその場を去っていった。このことを聞いていた一刀達は


セキト『あいつ、とんでもない野郎だな 』


セキトが言うと一刀は


一刀「セキト、頼みがあるんだ 」


セキト『何だよ? 』


すると一刀は


一刀「愛紗達にこのことを知らせてきてくれ! 」


一刀の体は怒りに震えていた。


セキト『それはいいがお前はどうすんだよ? 』


すると一刀は


一刀「俺は愛紗達が来るまでできるだけ時間をかせいでおく! 」


一刀の発言は本物だ。するとセキトは理解したのか


セキト『わかったよ!死ぬんじゃねぇぞ! 』


セキトは天空の後を追って行った。


一刀「俺も死なないように頑張らなくちゃな! 」


一刀は村に駆けて行った。


その頃、愛紗達は


星「う〜む、確かに天空殿をどこかで見た覚えがあるのだが思い出せぬ 」


愛紗達は村から十里ほど離れたところで休んでいた。


翠「もう別に思い出さなくてもいいんじゃねぇか? 」


しかし星は


星「そうしたいのだが、何か忘れてはいかんことを忘れてしまってな 」


いまだに考える星に


鈴々「それにしてもおじちゃんは一体どこに行ったのだ? 」


愛紗「鈴々!いい加減にお兄ちゃんと言わんか! 」


すると鈴々は


鈴々「嫌なのだ!鈴々のお兄ちゃんはお兄ちゃんだけなのだ! 」


かたくなに拒む鈴々


すると茂みの中から


天空「皆さん!遅くなってすいません 」


天空が現れた。


天空「それでは皆さん行きまし… 」


天空が先に進もうと言おうとすると


恋「…待って! 」


それを恋が止める。


紫苑「どうしたの恋ちゃん? 」


紫苑が聞くと恋は


恋「…この感じは、来るっ! 」


恋がそう言うと茂みが揺れはじめ中から出てきたのは


セキト「ワンッ! 」


セキトだった。


恋「…セキト、どこ行ってたの?恋、とっても心配した 」


するとセキトは恋の耳元で何かを話している。


天空「ではあらためて出ぱ… 」


天空が言いかけると突然


シュッ!!。


恋が方天画戟を天空に向けた。


急なことにみんなは驚いた。


愛紗「恋!御遣い様に何をしているのだ! 」


愛紗が言うと恋は


恋「…こいつ、恋達を騙して村を襲おうとしてる悪い奴だとセキトが言っている 」


この恋の発言にみんなが驚いた。


長い間一緒にいたため恋には看板を使わずともセキトの言っていることが分かるのだ。


しかし天空は


天空「フンッ!何を言うかと思えば犬の言葉を信じるなんて馬鹿らし… 」


最後まで天空が言おうとすると


『俺が関羽達を村から引き離しておくから後は頼んだぜ子分共! 』


『村人達も馬鹿だぜ天空様が御遣いを名乗っていることに全く気付いてないからよ 』


『今村には雑魚しかいない攻めるならば今が好機だ!頼むぜ野郎共! 』


どこからか声が聞こえてきた。


声はセキトの手から聞こえてきた。


鈴々「それはお兄ちゃんが持ってるぼいすれこーだーなのだ! 」


セキト『こいつがシラを切った時のために録音しといたのさ、これでも言い訳する気か! 』


途端にみんなは天空をにらみつける。するとある事に気がついた。


星「ところでセキトよ、主はどうした? 」


するとセキトは


セキト『あいつなら一人で賊を押さえに行ってるぜ! 』


これを聞いた時、愛紗を除くみんなの心は一つになった。


『ご主人様を助けに行こう! 』


みんなは駆け出そうとするが


天空「待ちなさい!私の命令が聞けないのですか!関羽殿も何か言って下さい 」


みんなが駆ける中、愛紗だけは動いてなかった。いや、動けなかったのだ。


愛紗「(私はなんて馬鹿なんだ!ご主人様に誓っておきながら亡くなった兄上に似た天空殿が現れた途端にご主人様を裏切るだなんて!なにが北郷軍一の家臣だ!) 」


愛紗は自分で自分を責めていた。


天空「関羽殿だけはついて来てくれますよね 」


天空が愛紗の顔を覗いた瞬間!


ドグボッ!!。


愛紗の拳が天空の顔にもろに当たった。


すると愛紗は


愛紗「私はもう二度とご主人様を裏切ったりはしない!わがご主人様は北郷一刀様ただ一人だ! 」


そう言って出ていく愛紗に続いてみんなも走り出していった。


残された天空は愛紗に殴られてのびていた。


翠「紫苑!村まで走ってどのくらいだ? 」


走りながら言う翠に紫苑は


紫苑「よくてギリギリ間に合うってとこね 」


愛紗「我々が着くまでに何とか生きていて下さい!死なないでくださいよご主人様! 」


みんなは体力の限界を越えて走り出していった。


果たして、間に合うのであろうか。


果たして一刀の危機にみんなは間に合うのか!


展開は西森のみぞ知る。

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