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其の弐拾弐「孫小香、食い逃げを企むのこと」

現在、一刀達はある山道を通っていた。


紫苑「この山道を越えれば次の町までもう少しですわ 」


翠「それじゃあさっさと行こうぜ! 」


みんなが勢い付くなか、ただ一人うなだれる者がいた。


璃々「ごしゅじんさまだいじょうぶ? 」


璃々の目線を追うとそこには


一刀「大丈夫だよ!璃々ちゃん 」


全然見た目が大丈夫でない一刀が杖をつきながら最後尾にいた。


何故一刀だけがこんなに疲れているかというと、前回の愛紗によるお仕置きにより足腰が立たなくなり、その上、そんな体で山道を登れば一刀でなくても疲れるからだ。よって現在一刀の体力は璃々より下回っているのだ。


詠「あんたの自業自得でしょこの馬鹿チ〇コ! 」


月「詠ちゃん言いすぎだよ 」


詠「月が甘やかすからこいつが調子にのるのよ!少しはいい薬だわ 」


きつい言葉を言う詠だが今回は詠が正しいため誰も何も言わなかった。


愛紗「仕方がありませんねわかりました。あそこの茶店で一休みにしましょう 」


愛紗は疲れている一刀を気づかって休憩を申し出たのだが、当の本人である一刀は


一刀「気持ちは嬉しいけどあまりお金は使いたくないしな〜 」


一刀の元気は戻らなかった。


すると星が


星「愛紗よ、我にまかしてくれ 」


そう言うと星は一刀の耳に囁いた(ささやいた)。


星「主、きっと茶店にはかわいい女がいるかもしれませんぞ 」


と囁いた。


愛紗「星、いくらご主人様でもそんな手にかかるとは… 」


しかし一刀は


一刀「元気ふっかーつ!!さぁみんな茶店に急ごうぜ!! 」


愛紗の期待を裏切り元気になり杖を放り出し足を運んで先頭に立っていた。


これには全員がずっこけた。

ズコッ!!。


そしてみんなより一足早く茶店に着いた一刀は女の子を探すが見つかるわけもなくガックリとしたその時だ!


主人「この野郎!食い逃げしようなんて考えやがって! 」


?「食い逃げじゃないわよ!ちょっとお金が無いからずらかろうっていってるじゃない! 」


主人「それを食い逃げっていうんだよ!! 」


わけのわからないやりとりがおこっていたがどうやら少女が茶店で食い逃げしようとしたが捕まったらしい。


主人「こいっ!警備隊に引き渡してやる 」


?「それだけは勘弁してよ!また怒られるもん 」


主人「まただと、さてはお前食い逃げの常習犯だな!城主に言ってこらしめてやる 」


?「イヤー!放してよ! 」


この様子を見ていた一刀はすかさず


一刀「おじさん!代金なら俺が払うからさその子は勘弁してくれよ! 」


主人「あんた、この娘の知り合いか? 」


一刀は答える。


一刀「赤の他人だけど放っておけなかったからさ! 」


すると主人は


主人「まぁ別に俺は金さえもらえりゃそれでいいけどな 」


一刀「ありがとうおじさん! 」


一刀は財布を取り出すが一つ忘れていたことがあった。


そしてようやく愛紗達が茶店の前にたどり着いた。


鈴々「お兄ちゃんは早すぎるのだ 」


翠「あのエロ力をもっと他のことに使えばいいのによ! 」


朱里「それは言ってはいけませんよ 」


みんなが色々いうなか茶店が見えたところで一刀が手を振っていた。


一刀「愛紗―!みんなー! 」


それを見たみんなも手を振るが…


一刀「お金貸してくれー!! 」


またもや全員でずっこけた。


しばらくして、


愛紗「まったくもうっ!お金がないのに立て替えるとはお人好しにもほどがあります! 」


あの後、お金を管理していた愛紗によって場はおさまったものの一刀のお人好しに怒る愛紗であった。


一刀「ごめんごめん! 」


謝る一刀。


星「まぁ愛紗よそう怒らな… 」


愛紗「星は黙っていろ! 」


さすがに愛紗に二度目の助け舟は効かなかった。


鈴々「それでお兄ちゃん!あいつは誰なのだ? 」


ここで一刀は気づいた。


一刀「そういやまだ名前を聞いてなかったね。君は誰なの? 」


少女は言う。


孫尚香「わたしの名前は孫尚香。今は家出中なのとりあえず助けてくれたことに感謝するわ 」


ここで一刀は驚いた。


孫尚香といえば三國志でも数少ない女だ。しかし貂蝉があんな筋肉達磨だったので油断はできなかったので一刀は勇気を出して聞いてみた。


一刀「きみって…もしかして男? 」


一刀がそう言った次の瞬間!


ドグボッ!!


何者かに看板のような物で一刀は殴られた。


一刀「いきなり何をするんだよセキト! 」


すると


セキト『俺じゃねぇぞ 』


セキトが答えてきた。


朱里「セキトじゃないとすると誰なんでしょうか? 」


みんなが殴った者を見るとそこにいたのは…


?「グルルー! 」


一匹の大熊猫(パンダ)がいた。


孫尚香「善々!ダメだよいきなりそんなことしちゃ! 」


すると善々は看板に何かを書き始めるとすぐに出してきた。


善々『だって!あいつシャオに変なことを聞いてきたからお仕置きした! 』


孫尚香「確かに変なことだけど別にもういいって 」


すると愛紗が何かを思い出した。


愛紗「孫尚香…、善々…あぁー!思い出しましたよ。確か孫呉の妹さん! 」


これにみんなが驚いた。


孫尚香「今更気づいたの!まぁいいわ、わたしは孫呉の姫君(ひめぎみ)、孫尚香こと小蓮よ!頭が高いわよひかえなさい! 」


急に強気になる小蓮であった。


一刀「あのさ小蓮ちゃん… 」


一刀がいうと小蓮は


シャオ「お兄さんは助けてくれたから特別にシャオって呼んでもいいわよ。それで何? 」


すると一刀は


一刀「雪蓮や蓮華が心配してると思うから帰ったほうがいいよ 」


するとシャオは


シャオ「へ〜、お姉ちゃんから真名を許してもらったんだお兄さん 」


すると鈴々が


鈴々「さっきから聞いていればお前助けてもらっておいて態度がでかいのだ! 」


シャオの態度のでかさに鈴々がキレだした。


しかしシャオも負けていない。


シャオ「姫様にむかってお前とは何よこのちびっこ! 」


同じチビのあんたに言われたくないセリフである。


鈴々「お前だってちびっこなのだこのツルペタ! 」


あんただってそうだろが


つまらないどんぐりの背比べの口喧嘩をする二人に恋が向かっていった。


恋「…喧嘩、ダメ 」


恋は二人の頭を叩いた。


鈴々・シャオ『いった〜い!!何をする(のだ・のよ) !』


少し落ち着いたところで一刀が言う。


一刀「話はそれたけどお姉さん達が心配してるから帰ったほうがいいよ! 」


しかしシャオは


シャオ「そんなの嘘よ!冥琳や蓮華お姉ちゃんなんていつもガミガミうるさいし、雪蓮お姉ちゃんはしょっちゅういなくなるし、誰もシャオのことなんて心配してないんだから少しは困らせたほうがいいんだよ! 」


そこまでいったシャオに対して一刀はシャオに近付き、


平手を喰らわした。


善々『ちょっとあんたなにを… 』


抗議する善々だが


セキト『よしな!あいつは確かに馬鹿でスケベだが言っていることはあんまり間違ってねぇよ 』


セキトに止められた善々だった。


しかしシャオが反論してきた。


シャオ「ちょっと!孫呉の姫様をいきなりひっぱたくなんてどういうことよ! 」


シャオの反論に一刀は


一刀「家族や仲間が心配してないだって…。ふざけるな!心配しない家族なんているもんか!そんなことをいう奴はたとえ姫様だろうが城主だろうが皇帝だろうがなんだって俺がひっぱたいてやる! 」


そんなことをすればほぼ死刑になるのだが誰も何も言わなかった。


するとシャオは急に…


シャオ「ぐすっ…。うわ〜ん!! 」


泣き出した。


詠「女の子を泣かせるなんてあんた最低ね! 」


月「詠ちゃん… 」


一刀「俺が悪いのか? 」


しばらくしてシャオは泣きやんだ。


シャオ「ごめんねお兄さん。確かに今回はシャオが悪かったよ。すごく怒られるかもしれないけど一度城に帰ってみる 」


一刀「よくいったなシャオ♪ 」


一刀はシャオの頭を撫でた。


シャオ「(ポ〜〜…) 」


その時のシャオの顔が何故か少し赤かった。


星「(また主の色気にかかった者が増えましたな) 」


紫苑「(強敵を増やすなんてさすがご主人様ですわ♪) 」


みんなには気付いていないがこの二人は気付いていた。


シャオ「それじゃあまた会おうねお兄さん♪ 」


そう言って手を振りながらシャオは山道を通って行った。


そして善々はシャオに語りかけてきた。


善々『シャオ!あいつはどんな感じだった? 』


するとシャオは


シャオ「結構いいかも!シャオのお婿さんにしようかな♪ 」


一刀に興味津々だった。


しかし当の本人は


鈴々「お兄ちゃん!あいつとっても生意気だったのだ! 」


まだシャオの態度に怒る鈴々。


一刀「まぁまぁ、落ち着きなってたかが子供の言う事じゃないか 」


シャオを完全に子供扱いしていた。


星「(主、女心がわからないにもほどがありますぞ) 」


紫苑「(ご主人様はホントにニブチンね!) 」


シャオの様子を感じていた二人はそう思った。


愛紗「さて、もう少しで次の町だそうですし頑張りましょう! 」


愛紗の一言で場の雰囲気が変わった。


愛紗「誰かさんのせいで減ったお金を増やさないといけませんしね! 」


この言葉に一刀が震えた!。


一刀「反省してます〜 」


一刀は涙目に答えるのであった。


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