表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/63

其の拾捌「許緒、一刀に手を貸すのこと」

桂花によって閉じ込められた暗い部屋の奥に何かがいると感じた一刀。声を聞いてみると


?「ガルルー!! 」


何かが唸っている。

そして一刀は持っていた懐中電灯をつけようとした時だ。


?「ガルルー!! 」


何がが一刀にとびかかっていた。


ここで話は少し戻り


一刀を閉じ込めた桂花が通路を歩いていた。


桂花「フフフ!!今頃あの全身精液男は大変な目にあっているわね。魏の野獣相手に手も足も出ないでしょうし 」


桂花が不気味に笑いながら通路を歩いていると


?「誰が大変な目にあってるのかしら? 」


突然後ろから声が聞こえた。


桂花「それはもちろん北郷一… 」


桂花が振り向くとそこにいたのは


華琳「桂花、私はあなたに部屋を案内するように言ったはずよね? 」


魏の王である華琳が頭に青筋をうかべて立っていた。


華琳「あなたバカじゃないの!人質を殺したら大変な目にあうのはこっちの方よ!! 」


確かにここで人質を殺せば北郷軍との戦争になる。主君を殺された怒りの北郷軍相手に城にいるわずかな曹操軍ではだいぶきつい。華琳としてもそれは避けたいのだ。華琳にバカと言われて落ち込む桂花だが華琳はそんなことを気にもせずに通路を走る。


一刀が閉じ込められた部屋の前


そこには『危険!!立ち入り禁止!!』と書かれていた。


華琳「北郷、無事? 」


華琳が急いで扉を開くとそこにいたのは


?「兄ちゃん!このお菓子美味しいや♪ 」


一刀「そうか口にあってよかったよ 」


一刀が少女と仲良くしていた。


華琳「あなた達…。一体何があったの? 」


呆然とする華琳だった。


この一刀と一緒にいる子の名前は許緒 仲康。華琳の親衛隊であり、魏が誇る怪力少女であり、野獣の正体なのだ。


どうしてこうなったのかというと話はまた少し戻り、一刀に許緒がとびかかった時


許緒「ガルルー!! 」


一刀「うわっ!! 」


とびかかってきた許緒を避ける一刀、すると許緒は


許緒「ガルルッ!…お腹が空いた 」


この声を聞いた一刀は


一刀「お腹が空いていたのか。それじゃあこれをお食べ♪ 」


そう言って一刀は自分の顔のアンパンをちぎって…


ではなく懐に入れておいた鈴々達用に作っておいたクッキーを許緒に差し出した。


クッキーを貰った許緒は一口かじる。すると…


許緒「おいし〜い♪ 」


とても喜んでいた。

そして許緒はすっかり一刀になついてしまった。


これを見た華琳は驚いた。


なぜならば許緒は重度の人見知りで気に入った人にしかなつかない上にお腹が空いた時ならば華琳すらも襲う野獣なのだ。その許緒が一刀になついてしまっている。


華琳はこの事に対して驚いていたのだ。


そこへ駆け付けた春蘭、秋蘭、桂花さえも驚いていた。


春蘭「まさかあの季衣が!? 」


季衣とは許緒の真名である。


秋蘭「信じられんな!? 」


二人が驚くなか桂花は


桂花「(何してんのよ季衣!!そいつを殺してほしいからこの部屋に閉じ込めたのに) 」


桂花の思う通り、もし一刀が食べ物を持っていなければ今頃季衣に殺されていたかもしれない。


そして華琳が言う。


華琳「ふふっ!季衣もなついている事だし、部屋を変えるのも面倒だからここを北郷の部屋にしましょうか 」


華琳が言うと季衣は


季衣「やったー♪兄ちゃんと一緒の部屋だ〜♪ 」


喜ぶ季衣、さらに


季衣「兄ちゃん!これからはボクの真名の季衣って呼んでいいよ。よろしくね兄ちゃん♪ 」


すっかりなつかれた一刀。更に華琳は言う。


華琳「部屋の話は冗談よ!さて、みんなが預けたわけだし私もあず… 」


とここで


桂花「華琳様!!やめてください!華琳様の真名が腐ってしま… 」


華琳「桂花!!うるさいわよ!! 」


華琳が桂花を睨む。


すると桂花は急におとなしくなった。


華琳「さて、今度こそ私の真名を預けるわ。私の真名は華琳よ。よろしくね北郷 」


すると一刀は


一刀「わかったよ華琳。俺には真名が無いから北郷でも一刀でも何でも呼んでくれ! 」


このままいけばよかったのだが…


華琳「では春蘭! 」


春蘭「はっ!! 」


華琳に呼ばれた春蘭は一刀の手をとる。そして手枷をつけた。


一刀「ちょっと何だよこれっ!? 」


慌てる一刀だが華琳は言う。


華琳「忘れたの?あなたは人質なのよ。だから勝手な事をされては困るからね手枷は必要よ♪ 」


しかし黙っている一刀ではない


一刀「ふざけるな!さっさと外せ! 」


この言葉に春蘭が一刀を押さえようとするが華琳がそれを止めた。


華琳「イヤよ♪。手枷の鍵はここに入れとくわ 」


そう言って懐に鍵を入れた。


華琳「他のみんなは一刀の脱出に協力しないこと!わかったわね。それじゃあおとなしくすることね 」


そう言って華琳は去る。そして他のみんなも次々と去った。


春蘭「華琳様に逆らうからだ。アッカンベ〜 」


秋蘭「姉者恥ずかしいからやめてくれ。すまないな北郷、華琳様の命令だ 」


桂花「華琳様〜!見捨てないでくださ〜い 」


季衣「兄ちゃんごめんね 」


みんなが去って行った後、一刀は兵士に連れて行かれながら叫ぶ。


一刀「くそー!!少しでも華琳がいい奴だと思った俺が馬鹿だった! 」


そして一刀は牢屋に入れられた。


一刀は必死に脱出口を探すが開いてある窓は遥か上、扉の前には見張りが二人、更に手枷をつけられていると最悪な状況であった。


一刀は考える。いつもならばすぐに愛紗達が助けてくれるが今はいない。


一刀はそのまま考えるが何も思い付かないまま一日がたってしまった。


牢屋


一刀「ZZZ〜〜 」


考えてる間に朝になってしまい寝る一刀


しかし僅かな睡眠は


春蘭「起きんか!北郷! 」

春蘭によって止められてしまった。


一刀「一体朝早くから何の用だよ春蘭? 」


一刀が聞くと春蘭は


春蘭「華琳様がお呼びだ早く支度しろ! 」


春蘭に言われ手枷をつけられたまま華琳の前に連れてこられた。


華琳「おはよう一刀。ぐっすり眠れたかしら? 」


そう華琳が言っている時、一刀は…


一刀「ZZZ〜〜 」


器用に立ったまま寝ていた。


春蘭「起きんか!バカモン! 」


春蘭に頭を叩かれ目が覚める一刀


華琳「まぁいいわ、一言言わせてもらうわね。働きなさい! 」


華琳の言葉に一刀は?をうかべた。


華琳「私は役立たずを城に置くほど甘くはないの。たとえそれが人質だとしてもね 」


ようするに働かざる者食うべからずというわけだ。華琳に言われ、仕方なくお菓子作りをすることになった一刀(もちろん手枷付き)


すると通路の方から


季衣「兄ちゃん! 」


季衣が頭を出してきた。


一刀は季衣に聞く。


一刀「季衣、どうしたんだ?お菓子ならもう少しまってくれよ 」


すると季衣は


季衣「あのね、兄ちゃんをここから出してあげるよ。昨日は無理だったけど今ならやれるからさ 」


一刀は驚いた。


一刀「何でだ?いいのか季衣?俺を出したら季衣が酷い目にあうんだぜ 」


心配する一刀に季衣は


季衣「ボクのことなら心配しなくても大丈夫だよ。それに兄ちゃんには笑ってほしいしさ♪ 」


季衣的には一刀が牢屋に入れられた時に暗い顔をしていたからだろう一刀の笑顔が見たいために季衣は脱走を協力するのだ。


一刀「ありがとう季衣。でもこの手枷がな… 」


すると季衣は


季衣「こんな物! 」


手枷を壊した。


季衣「早く勝手口から逃げてよ兄ちゃん 」


季衣は脱走を薦める。そして一刀も


一刀「わかった!ありがとな季衣! 」


一刀は勝手口から脱走した。


この様子を密かに見ていた華琳と秋蘭は


秋蘭「いいのですか?華琳様? 」


すると華琳は


華琳「良いのよ別に!あんな男なんていない方が楽だしね 」


華琳と秋蘭は一刀の脱走を見逃したのだ。


そして脱走後、すぐに愛紗達の待つ宿に向かった。


恋「…んっ? 」


愛紗「どうしたのだ恋よ?早く仕事を終らせ… 」


ここで愛紗の言葉が止まった。なぜならば…


一刀「みんな〜!ただいま! 」


人質にされているはずの一刀が帰ってきたのだ。


それから一刀は「みんなに心配かけてごめん」と謝り、翠も自分のせいでと謝るのであった。そして北郷軍はすぐさま村を出ていくようにしたが、途中で鈴々が


鈴々「お兄ちゃん!前に作ってくれたお菓子がほしいのだ♪ 」


しかし…


一刀「ごめんね!クッキーは今はないんだよ 」


この言葉に膨れる鈴々であった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ