番外編其の壱「大江戸恋姫捕物帳 後編」
一刀がいつものように董卓屋で団子のタダ食いをしていたある日のこと
幽州の町である事件が起きた。
それは越後屋(現代のデパートのようなもの)による他店の取り壊しである。
これには一刀の知っている店がほとんど被害にあっていた。その中には…
鈴々「なぜなのだ!何で鈴々達が出ていかなくちゃ駄目なのだ! 」
鈴々が何かを言い合っていた。
斗詩「ごめんね!麗羽様の言いつけなのよ 」
猪々子「そういうことだから早く立ち去りな 」
しかしここで立ち下がる鈴々ではなかった。
鈴々「嫌なのだ!このお店は出稼ぎに行っているお姉ちゃんと愛紗と鈴々の家なのだ!だから絶対に退かないのだ 」
その場に座る鈴々!
それを見ていた愛紗も
愛紗「この店は代官様に潰されないように許可をもらいましたが 」
しかし二人は
猪々子「そんなもん知らないよ!あたいらは麗羽様の命令なんでね 」
斗詩「そういうことは麗羽様に言って下さい 」
無理な話だ、越後屋が町の人に会ってくれるはずがない。この二人もそれを承知で言っているのだ。
愛紗「しかし… 」
愛紗は訴えるが
張譲「すまない愛紗殿! 」
後ろから声がして振り向くと頭を下げる代官の張譲がいた。
愛紗「これは代官様。頭を下げてどうしたのですか? 」
愛紗が聞くと代官は
張譲「実は麗羽におどされて最後まで断ったのだが店の存続権利書を奪われてしまったのだ。無力な私を許して下さい 」
代官は頭を下げる。
この話を聞いた町人は
町人一「代官様っていい人だな 」
町人二「それに比べて越後屋は酷い奴だ! 」
町人三「おいっ!悪口言うと手打ち(首斬り)にされるぞ 」
町人は代官はいい人だと話していた。
その後、愛紗と鈴々の奮闘もむなしく呉服店はとり潰され、二人は紫苑の長屋に住むことになった。
紫苑の長屋
愛紗「すまないな紫苑殿、姉妹揃ってやっかいになって 」
愛紗は言うが紫苑は
紫苑「気にしないで下さい二人くらいおやすいごようですよ、いざとなったら家賃のたまっている住人を追い出しますから 」
凄いことを言う大家であった。
鈴々「うわ〜ん!!鈴々達のお家がなくなったのだ 」
璃々「鈴々お姉ちゃんなかないで〜 」
璃々に慰められる鈴々。
そこへ一刀がやって来た。
一刀「みんな見てたか? 」
みんなは聞く。
愛紗「何をですか?一刀殿 」
一刀は答える。
一刀「あの代官、愛紗達に頭を下げた時に笑っていたぜ 」
この言葉にみんなが驚いた。
鈴々「お兄ちゃんすごいのだ。そんなに細かく見ていたなんて 」
一刀の眼力(?)に驚く鈴々、だが一刀は
一刀「いや、芸者の蓮華さんの下着を見ていたら偶然見かけてな 」
この言葉を言った後、当然のごとく愛紗にボコボコにされる一刀であった。
一刀がボコボコにされた少し時間がたった時
長屋に入ってくる人がいた。
朱里「はわわ〜!ただいま戻りましたでしゅ 」
星「張譲について調べてきましたぞ 」
翠「あいつはやっぱり悪い奴だったぜ 」
恋「…お腹空いた 」
長屋に朱里、星、翠、恋が入ってきた。
実はこの四人は張譲について色々と調査していたのである。
愛紗「それで何か分かったのか? 」
愛紗が聞くと
翠「あの野郎!表では善人のフリしてやがるが、裏では悪どい事をしてるらしいぜ 」
朱里「秘密を知った者は誰であろうと殺してますし 」
鈴々「そんな悪い奴ならなんで奉行所が捕まえないのだ? 」
鈴々が聞くと星が答えた。
星「今まで奴が捕まらなかったのは証拠が無かったからだ。証拠がなくては奉行所も手を出せん 」
すると紫苑が
紫苑「それに悪人が張譲だけとは思えませんね 」
愛紗「確かに張譲だけの犯行とは思えないな。他に仲間がいるに違いない 」
みんなが色々思案する中、一刀はというと
璃々「お兄ちゃんだいじょうぶ〜? 」
一刀「…… 」
まだ気絶していた。
(恋はお腹が空いたので団子を食べている。)
その日の夜、ついに事件が起きた!
公孫賛「うぅ〜!!寒いなぁ今日は、早く帰ってあったかい飯でも… 」
幽州の町人、公孫賛。
彼女が家に帰るための近道として越後屋の前を通りかかると、中から声が聞こえた。
麗羽「代官様も酷いですわ自分の名声のためにわたくしを悪人にするだなんて 」
越後屋の主人の麗羽だ。
張譲「すまないな私がお主を使って悪事をしていることが上様(殿様)にばれたら大変なことになってしまうからな 」
わかっている人もいると思うが驚きの事実だ!
麗羽「それにしても町人は馬鹿ですわね。大事な店の存続書を代官様に渡して安心していると思うのが間違いだと言いますのに 」
張譲「確かに馬鹿だな、しかし馬鹿だからこそうまくいくものだ。これからも互いに協力しあおうじゃないか 」
麗羽「勿論ですわ。代官様 」
この時、二人は気付いてなかった。この話を盗み聞きしていた普通の人がいることを。
公孫賛「普通って言うなー!! 」
語り手の言葉につい公孫賛は大声を出してしまった。
張譲「むっ!盗み聞きじゃ!! 」
麗羽「猪々子、斗詩!。曲者を殺しなさい 」
猪々子・斗詩『あらほらさっさー!! 』
自分が見付かったことに気付き公孫賛は逃げようとするがもうすでに遅かった。
公孫賛「ぐわー!! 」
次の日、町に公孫賛の体に刃物が刺された遺体が放置されていたが…
気付く者はいなかった。
しかしそんな中、一刀は公孫賛の遺体を見ていた。するとっ!
一刀「これは… 」
何かを見付けたかと思うとすぐに長屋に向かって行った。
長屋
扉が開いて一刀が入ってくる。長屋にはみんなが揃っていた。
一刀「みんな!今夜攻めるぞ! 」
この言葉に璃々を除く全員は
全員『わかりました!!!!!!! 』
そしてその日の夜、越後屋
張譲「麗羽よちゃんとあの曲者は始末しただろうな? 」
麗羽「勿論ですわ代官様、それにしても代官様も人が悪いですわね 」
張譲「それはお互い様であろう 」
二人の会話が進み、そしてついに!
麗羽「代官様。これは約束の品ですわ 」
一つの箱を代官に渡す、箱には『温泉饅頭』とかかれていたが中身は
張譲「おぉ!これはなんと輝かしい饅頭じゃ!越後屋、お主も悪よのう 」
箱の中には大量の小判が入っていた。
麗羽「いいえお代官様には敵いませんわ 」
二人が不気味に笑っていると…
?「そなた達の悪行しかと見たり! 」
突然声が聞こえてきた。
麗羽「誰ですの? 」
張譲「姿を見せろ! 」
すると障子が急に開いて、庭には八人の影が写っていた。
愛紗「張譲!貴様代官でありながら悪行の数々許しがたし! 」
翠「麗羽!あんたも同罪だ! 」
すると二人は
麗羽「悪行?何の事ですの? 」
しらばっくれる麗羽に
星「これを見てもまだとぼける気か? 」
星が懐から取り出したのは公孫賛を刺した刃物である。
実はこの刃物、持つ部分が金ピカなのだ。こういう悪趣味な刃物は麗羽しか持っていない。
張譲「なんであんな悪趣味な刃物を使ったんだこの馬鹿が! 」
麗羽「うっ!!… 」
紫苑「もう言い逃れはできないですよ 」
鈴々「おとなしく観念するのだ! 」
恋「…悪いことしたらダメ! 」
しかし張譲は
張譲「何を言う!全ては麗羽がやったこと、私に罪はない! 」
張譲の苦しい言い逃れに一刀がキレた。
一刀「自らの罪を人にきせるとは…。この馬鹿もんが!! 」
麗羽「さっきから黙って聞いてればあなたは一体誰ですの! 」
麗羽の問いに一刀は
一刀「張譲!俺の顔を見忘れたか? 」
その言葉を聞いた張譲は考える。すると…
張譲「あなたはまさか…!? 」
麗羽「代官様!あのブ男は誰ですの! 」
その言葉に愛紗は
愛紗「このお方をブ男とは無礼者!このお方は天下の種馬将軍、北郷一刀様であられるぞ 」
自分で言うのも恥ずかしい言葉だった。
言葉を聞いたとたん麗羽が驚いた。なぜならば…
北郷一刀は幽州の国の殿様だからだ。
しかし張譲は
張譲「うるさい!こいつは殿様の名を語る曲者だ。者共出てこい! 」
張譲が言うとどこに隠れていたのか人がたくさん現れた。
麗羽「そうですわね。殿様がなんだと言いますの!猪々子!斗詩!あなた達も行きなさい 」
猪々子・斗詩『あらほらさっさー!! 』
一刀「懲りない奴らめ!皆さん懲らしめてあげなさい 」
愛紗・鈴々・星・翠・紫苑・恋『わかりました! 』
今ここに一つの戦いが始まった!。
しかし戦いはすぐに終った。なぜならば…
愛紗「はぁー! 」
鈴々「なのだー! 」
翠「ほらよ! 」
星「成敗! 」
紫苑「お仕置きです! 」
恋「…んっ! 」
彼女達が強すぎなのである。
あっという間に残りは張譲と麗羽達になってしまった。
張譲「くそっ! 」
愛紗「悪代官張譲!成敗だ! 」
愛紗は張譲の首に手刀をくらわし、張譲は倒れた。
その隙に麗羽達は
麗羽「今のうちに逃げますわよ 」
猪々子「がってんだ! 」
斗詩「いいのかな? 」
三人は逃げようとするが目の前に一刀が立ち塞がった。
麗羽「お殿様!お許しください。全ては張譲の口車にのってしまい… 」
しかし一刀は
一刀「許さん!種馬将軍の由来を教えてくれる 」
一刀は三人に近付いた次の瞬間!
三人『ギャーー!!! 』
三人は気絶した。
そしてその数分後
華琳「悪党張譲と麗羽!魏奉行所の華琳が捕まえに来たわよ! 」
しかし華琳が入った時にはすでに張譲と麗羽達は縄で縛られていた。
華琳「また例の奴らね。一体奴らは何者なのかしら? 」
ちなみに奉行所をここまで連れてきた朱里であり、その朱里はいなくなっていた。
次の日、董卓屋
詠「まてー!この食い逃げ! 」
今日も一刀は詠から逃げていた。
月「女将さんこの瓦版見ましたか? 」
月が詠に瓦版を渡す。
瓦版には
『悪代官、張譲と越後屋、麗羽捕えられる。またも八人組の仕業か!』
詠「へぇー。越後屋と代官がグルとわね 」
月「凄いですね。この八人組は 」
すると詠は
詠「ホントよ。一刀にも少しは見習ってもらいたいわ 」
そんなことを言われている一刀はというと
一刀「蓮華さんの桃尻〜。柔らかくて気持ち良さそうだな〜♪ 」
またもや芸者の蓮華の尻を眺めていた。
そして当然のごとくこの後愛紗に見付かり一刀はボコボコにされたという。
完
公孫賛「おいっ!西森。何で私だけ死人なんだ 」
蓮華「私はお尻を見られてばかりではないか! 」
セキト『俺は出番がないぞ! 』
西森「まぁ、あぁ言う人(?)は放っておいといて。次回から本編に戻ります 」