其の拾弐「董卓、処刑されるのこと」
反董卓連合編、最終話です。(話はまだまだ続きます。)
一刀達が恋とセキトを連れて洛陽に向かっている時、虎牢関・裏門での連合軍対霞の部隊はというと
虎牢関・裏門
春蘭「張遼はどこだー!魏の大剣の夏侯惇が相手をしてやるぞ! 」
これを見ていた霞は
霞「おっ!なんかあん中で一番強そうな奴が騒いでんな。よしっ!そこのお前、後は頼むで 」
そう言って霞は虎牢関から出て行って春蘭に向かっていった。
この場を任された兵は
兵「ちょっと!張遼様どこに行くのですか? 」
困っていた。
そして霞は
霞「ウチの名は張遼 文遠。神速の張遼や!あんたは誰や? 」
霞が自分の武器である飛龍偃月刀を構えて言うと春蘭は
春蘭「我が名は夏侯惇 元譲。華琳様の一の家臣であり、魏の大剣だ! 」
一の家臣を自分で言うのはどうかと思うが…
春蘭「うるさい!貴様は黙っていろ! 」
はい、久々の語り手に突っ込みですねわかりました。
突っ込みながらも春蘭も自分の武器である、七星餓狼を構えた。
霞「夏侯惇か、ならば惇ちゃんでええな。いくで惇ちゃん! 」
これに対して春蘭は
春蘭「誰が惇ちゃんだ。ふざけるな! 」
すごく怒っていた。
二人の戦いが始まる中、他の諸侯はというと
孫権軍
周瑜「蓮華様、我々は行かなくていいのですか? 」
蓮華とは孫権の真名である。
蓮華「戦いはあいつらだけに任せておけばいい我が軍を傷つけるわけにはいかんからな 」
これに対して周瑜は
周瑜「戦いの際に自軍を温存させるとは、勝手にしてください! 」
やけに喧嘩口調になっていた。そんな中、蓮華は
蓮華「私は間違っているのか?姉様… 」
袁紹軍
斗詩「麗羽様〜。どこにいるんですかー? 」
斗詩が麗羽を探していた。
文醜「斗詩〜、どうしたんだ? 」
そこへ文醜がやって来た。
斗詩「あっ!文ちゃん麗羽様を見なかった? 」
文醜は答える。
文醜「麗羽様ならさっきこの手紙を置いてどこかに行ったぜ 」
文醜は手に持っていた手紙を斗詩に見せた。
手紙には
『わたくしの活躍の出番が無さそうなので帰らせてもらいますわ。 麗羽 』
と書かれていた。この手紙を読めば誰だって思うだろう。こいつは馬鹿だということを。いくらなんでも戦っている最中に先に帰る総大将なんてめったにいるはずがない。
これにはさすがの側近の二人も呆れるしかなかった。
斗詩「文ちゃん、この手紙読んだの? 」
斗詩が聞くと文醜は
文醜「読んでないよ、斗詩と一緒に読もうと思ったからさ 」
斗詩はもう呆れるしかなかった。
この後二人も手紙を残して帰ったのはいうまでもない。
さて、洛陽に向かった一刀達はというと、
洛陽
そこはもう廃墟であった。
家が壊れ、あちこちから死臭がしていた。
朱里「酷すぎです… 」
愛紗「やはり魔王・董卓のせいか 」
愛紗がいうと恋は
恋「…違う。月は優しい 」
一刀「月ってたしか董卓の真名だったな、呂布はここで何がおこったのか知ってるのなら教えてくれ! 」
恋は答える。
恋「…恋って呼んでいい。白いやつ、そいつらが悪い 」
更に続けて恋が言う。
恋「そいつらが張譲をそそのかして月を悪人にした 」
恋の口から真実が出されたが、
鈴々「ホントのことなのかなのだー? 」
と鈴々が言うが一刀は
一刀「恋はもう俺達の仲間だよ 」
そう言って恋の頭を撫でる一刀。しかし愛紗が
愛紗「ご主人様!どこにその根拠があるのですか!たとえ仲間だとしてもこいつは元敵軍なのですよ! 」
一刀はいう。
一刀「仲間の言うことを信じられなくて何が仲間なんだ 」
愛紗達は呆れた。ここまで人を信用するなんてこの人はすごいお人好しだと。しかし、そんな人だからこそ自分達はついて来たのだと同時に思った。
朱里「さっきの呂布さんの話が本当なら一番の被害者は董卓さんですね 」
朱里がそう言った直後、奥の方が騒がしくなってきた。
一刀「まさかもう裏門の兵が来たのか!? 」
一刀が聞くと恋は
恋「…違う、この気配は 」
恋がそう言うと奥の方から白装束の大群が現れた。
一刀「あれが恋の言っていた白いやつか… 」
一刀が言うと突然白装束達は一斉に話しかけてきた。
白装束達『北郷一刀は世界を滅ぼす悪の化身なり!、悪を滅ぼすのは我ら正義なり! 』
この一言に一刀達は
一刀「俺が世界を滅ぼす悪だって!?何を言ってるんだ? 」
愛紗「ご主人様が悪だと!ふざけるな! 」
鈴々「お兄ちゃんを悪く言う奴は許さないのだ! 」
朱里「はわわ〜!! 」
白装束は答える。
白装束達『黙れ!歯向かう奴は誰であろうと死罪だ! 』
白装束達は武器を向けてきた。
すかさず応戦する愛紗達だが
愛紗「くっ!!こいつら中々の使い手な上に先の戦いでの疲労がたまって 」
鈴々「体が重くて自由に動けないのだ 」
さっきの恋との戦いで体がすっかり疲れてしまった愛紗達、その隙を白装束は見逃さなかった。
白装束達『正義に歯向かう者には死罪を 』
白装束達の槍が愛紗と鈴々に襲いかかる。
愛紗「くっ!!無念だ! 」
愛紗が自分の死を悟り目を閉じた瞬間…
目の前には
白装束の死体がうつった。
一体何が起きたのか愛紗が周りを見てみるとそこには恋の姿があった。
恋「…仲間を殺るやつは許さない 」
恋は愛紗を救うと直ぐ様鈴々を助けに行った。
この時、愛紗は思った。
愛紗「仲間か… 」
愛紗はすぐに立ち上がりそして、
愛紗「呂布には負けるものか! 」
恋の後について行った。
愛紗と恋の活躍により白装束達は全滅した。
すると愛紗は
愛紗「呂布よ、さっきは敵だと疑ってすまなかった。許してくれ! 」
頭を下げる愛紗に恋は
恋「…真名の恋って呼んでいい、別に疑われて当然だから気にはしない。仲間なら守りあうのが普通 」
この一言に愛紗は
愛紗「そうか!では私の真名である愛紗を恋にあずけよう 」
愛紗に続けて鈴々と朱里が言う。
鈴々「愛紗があずけたのなら鈴々もあずけるのだ。鈴々の真名は鈴々なのだ 」
朱里「はわわ〜!私の真名は朱里でしゅ 」
恋「…恋は恋でいい 」
これを見ていたセキトは
セキト『よかったな恋。家族が増えてよ 』
と書かれた看板を出していた。
その時だ!。みんなの後ろにあった箱が急に揺れだした。
朱里「はわわ〜!!急に箱が揺れています 」
箱の揺れはますます増してついには箱の蓋が開いた。
箱の中にいたのは…
?「やっと出られたわ! 」
董卓軍軍師の賈駆 文和と見知らぬ女の子が眠っていた。
この二人を見た恋は
恋「…月と詠だ! 」
月という言葉に一刀は驚いた。まさか魔王である董卓 仲穎がこんなにもかわいい女の子だなんて想像しなかったのである。
一刀はすぐに動きだし
一刀「お嬢ちゃん。怪我はありませんか? 」
ナンパしていた。
これを見た愛紗に一刀がボコボコにされたのはお約束である。
もはや見慣れた鈴々と朱里は呆れたがはじめて見た恋は少し驚いていた。
やがて董卓らしき人が目を覚ますと賈駆が聞いてきた。
賈駆「ハッ!どうして恋がそっちにいるのよ 」
これに対して恋は
恋「…今はご主人様の仲間! 」
セキト『そういうこった 』
この事に賈駆は驚いた。
やがて復活した一刀は董卓に話しかける。
一刀「董卓さん、話は恋から聞いたけど君はどうする? 」
一刀の言葉に董卓は
董卓「私を殺してください! 」
叫びまくった。
董卓の一言に賈駆は
賈駆「月!何を言ってるのよ 」
慌てる賈駆に対して董卓(真名は月)は
月「だって詠ちゃん、私がしっかりしなけばこんなことにはならなかったんだよだから責任は私がとらなきゃ 」
詠とは賈駆の真名である。月の一言に詠は
詠「そんなの月のせいじゃないってボク達をはめた張譲が悪いんだから 」
この一言に朱里が聞いた。
朱里「あのぅ〜。よければわけを話してくれませんか? 」
話すかどうか迷う詠だがどうせ信じてくれないと思い話をした。
そもそもこの戦いの原因は十常侍の張譲が皇帝である劉弁様と劉協様と何進将軍を殺し、その罪を皇帝に大事にされていた月に擦り付けたのである。その後、張譲が袁紹をそそのかしたのが始まりだ。
話の真実を知った一刀達の反応を見ていた詠は驚いた。
なんと一刀達は声を出さずに大粒の涙を流していたのだ。
董卓は言う。
月「みなさんが泣いてくれるのは嬉しいですが私が死ねば全て収まるのですから死なせて下さい! 」
そう言ってどこから出したのか短剣を首に向ける月を止める皆。
愛紗「あなたが死ぬ必要はありません! 」
鈴々「死んじゃ駄目なのだー! 」
朱里「はわわ〜!!やめてくださーい!! 」
詠「月ー!。死んじゃ駄目だって! 」
恋「…ダメ 」
その止める中に一刀はいなかった。すると一刀は急に口を開き、
一刀「分かった!死んでもらおう 」
一刀の言葉に少しの間、全員が沈黙した後一刀を責めまくった。
愛紗「何を言ってるのですかご主人様! 」
鈴々「お兄ちゃんは薄情者なのだー! 」
朱里「ご主人様酷いです! 」
詠「このバカチ〇コ!何を言ってんのよ! 」
恋「…酷い 」
そして一刀は答える。
一刀「みんな落ち着いてくれ!殺すといっても表向きだからさ! 」
一刀の言葉にホッと安心する一同であった。
月「でもどうして私を助けてくれるのですか?あなた達からすれば得はないはずですが? 」
月が聞くと一刀は
一刀「君みたいなかわいい子を放っておけないし、俺にもちゃんと得があるさ 」
最初の方が何か引っ掛かる愛紗達だがそれは置いとくとしよう。
そしてその後、董卓軍が降参をして戦いは終った。
霞は降参と聞いて洛陽から逃げていき、各軍はそれぞれ帰っていった。そして幸い董卓の姿は誰も知らないため偽の董卓(人形)を処刑し、董卓は処刑されたと看板が立てられた。
さて、本物の董卓はというと一刀達の旅について来て名前を捨てたのだが
月「あのぅ〜。ご主人様?この服は何ですか? 」
月はメイド服を着ていた。
一刀「天の国の女侍の服だよ 」
一刀の言葉に詠は
詠「このバカチ〇コ!月になんて格好させているよ! 」
一刀に蹴りをくらわせてきた。
新たな旅の仲間に月と詠が加わった一刀達。果たして次は何が待ち構えているのやら。
朱里ちゃんの小さな疑問
其の壱
ここでは小説中に起きた疑問を説明していきます。
朱里「ご主人様は女の人にすぐに飛び付くそうですがなぜ愛紗さん達には飛び付かなかったんですか? 」
西森「一刀はこの人には飛び付いたら危ないというのを察知してるんです 」
朱里「ならばなぜ公孫賛さんには飛び付かなかったんですか? 」
西森「普通すぎたからです。一刀は安全・かわいい・存在感のある娘に飛び付きます。子供には飛び付きません 」
朱里「ってことはわたしは子供ですか? 」
この時朱里に青筋がでていた。
西森「ちょっと朱里ちゃん!……ギャー!! 」