其の拾壱「北郷一刀、再びキレるのこと」
感想から意見をとってみました。大変ですが、全文見直してみようと思います。
一刀達が恋に出会ってしまった時、裏門では霞が率いる董卓軍が連合軍と戦っていた。
袁紹「ムキー!!こんな時のために囮として向かわせたブ男さん達は何をしていますの!! 」
文醜「(麗羽様ひでーや、あの人達を囮に使うなんて) 」
麗羽とは袁紹の真名である。そんな中曹操は
曹操「春蘭!秋蘭!なんとしてでも張遼を軍に引き込むのよ! 」
秋蘭とは夏侯淵の真名である。曹操がそういうと二人は
春蘭「わかりました華琳様!この夏侯惇、命にかえても張遼を引き込んでみせます! 」
秋蘭「凛々しい姉者も素敵だな 」
二人は張遼に向かって行った。
いい忘れていたが華琳とは曹操の真名である。
虎牢関
霞「どっからでもかかってこいや連合軍め! 」
霞が強気で叫ぶ。なぜならばシ水関での霞の部隊が無傷だったので兵数は五万、そして虎牢関では恋が少数の兵だけを連れていったので数は大体十五万近く、合わせて二十万の兵がいる。対して曹操軍は十五万。将が霞しかいないとはいえ戦況は互角なのだ。
霞はそんな中、一刀達(霞は知らない)をおさえに行った恋のことが少し心配だった。
霞「(いくら恋が強いとはいえそう長くももたへんやろな。おまけにあいつ心に小さい不安があるから心配やわぁ、早いとここいつらを片付けて恋を助けに行かんとな ) 」
その頃、恋に見付かってしまい戦うことになった愛紗達は
鈴々「ぐはっ!! 」
急に鈴々が飛ばされて壁にぶち当たった。恋の一撃に鈴々が負けてしまい飛ばされたのである。
愛紗「大丈夫か鈴々! 」
義妹を心配する愛紗、しかし鈴々は打ち所が悪く気絶してしまいすぐには動けなかった。
恋「…お前達弱い。本気でかかってこい 」
あれから何分も戦っているにもかかわらず愛紗達はボロボロだが恋には傷一つついてなかった。
その戦いを近くで見ていた一刀達は
一刀「何てこった!愛紗と鈴々の二人がかりでも勝てないなんて、これが天下無双の呂布の力なのか… 」
朱里「はわわ〜!! 」
あまりの力の差に驚いていた。無理もない今まで愛紗と鈴々に勝てた奴などいなかったのだ。一刀はまさに井の中の蛙大海を知らず(世の中にはもっと強い奴がいることを知らないこと)だったのだ。
一刀達が考えていると急に看板らしき物が一刀達の目の前に現れた。看板には
『当然だ! 』と書かれていた。
急に看板が出たので驚く一刀達、看板がどこから出たのかを探してみるがわからない、すると再び看板が目の前に現れた。
『お前達の足元だよ 』
この看板に従い足元を見てみると…、そこにいたのは
一刀「犬? 」
朱里「犬ですね? 」
足元にはコーギーらしき犬がいた。犬は看板に何かを書くと見せてきた。
『オレの名はセキトっていうんだ 』
犬の名はセキトということがわかった。
セキトは再び看板に何かを書いている。
『恋…呂布は強いぜ。守りたいものがあれば呂布は誰にも負けない 』
犬に説明された二人であった。
そんな会話(?)がある程度進むと戦いの方が騒がしくなってきた。
愛紗「貴様!我が武をなめるなー! 」
愛紗が恋に向かっていったその時だ、
急に愛紗の後ろから鎖が飛び出して愛紗にからまった。
愛紗「くっ…一体なんだこれは? 」
これには恋も驚いた。
恋「…邪魔するの誰だ! 」
恋がそういうと崩れてできた瓦礫から董卓軍の兵が出てきた。みんな最初に恋についてきた少数の兵である。その中には前回愛紗達を襲おうとした兵が兵達の中心にいた。
恋「…なぜ、戦いの邪魔する? 」
恋が聞くと兵達の親分らしき中心にいた兵が言う。
親分兵「俺達はもう呂布様にはついていけないのでね勝手に離れさせてもらいますよ。でもその前に… 」
親分兵は周りを見回すと言う。
親分兵「この場で全員血祭りにしてやるよ! 」
親分兵が剣をぬくと同時に他の兵達も剣をぬいた。
この場を黙って見過ごす恋ではなかった。
すぐさま恋は親分兵めがけて戟を向けて走った。
恋「…死ね! 」
これには周りの兵がうろたえ始めた。
兵「どうするんですか親分!?全員でかかっても呂布様には勝てませんぜ! 」
これに対して親分兵は平気な顔をして言う。
親分兵「うろたえるんじゃねぇよ馬鹿が!大丈夫呂布はすぐに動けなくなるさ 」
何のことを言ってるんだこの人?。そう思う兵が多数いるなかいよいよ戟が親分兵に当たる直前に親分兵が大きな声で恋に言った。
親分兵「この疫病神!!バケモノ!! 」
親分兵が言うと突然恋の動きが止まった。
この突然のことに理解したのはただ一人、恋の愛犬のセキトである。セキトだけはどういうことなのか理解していた。
一体どうしたんだと首を傾げる兵達に親分兵が答える。
親分兵「こいつは疫病神とかバケモノっていわれると動きが急に止まるんだよ 」
これには理由があった。それはまだ恋が幼少の頃、この時から一人で賊を倒す程強かった恋に対して村人からはバケモノ扱いされた。それでも一部優しい人はいたが悲劇的なことが起きた。
ある日のこと、恋が唯一人の家族であるセキトと共に村の外に散歩に行っていた時に事件は起きた。それは前に恋が追い払った賊が恋のいない間を狙い村を襲っていたのである。恋が村に戻った時にはすでに村は崩壊していた。この時生き残っていた村人は恋を疫病神扱いしひどく非難し、村から追い出したのである。このことが今でも恋のトラウマになっていた。その後、恋は唯一人の家族であるセキトと共に旅をしてその時董卓に出会い今の状態になっていた。
この事を親分兵は知っていた。
親分兵「さて、邪魔な呂布は片付けたし残るやつらはと… 」
親分兵は周りを見渡した。
親分兵「鎖で捕まった山賊狩り(愛紗)に、気絶して動けないガキ(鈴々)、さっきからはわわしか言わないガキ(朱里)、そして天の御遣い(一刀)と犬か 」
親分兵は全員を確認すると直ぐ様叫ぶ!
親分兵「野郎共!殺っちまいな! 」
親分兵が言うと兵全員が武器を構えた。
愛紗「くっ!この鎖さえほどければ! 」
愛紗は何とか鎖をぶち切ろうとするが鎖は簡単には壊れない。
そうこうしてる間に朱里が襲われていた。
朱里「はわわ〜!! 」
慌てて逃げる朱里
一刀はというと、一刀もまた兵に囲まれていた。
一刀「くっ… 」
一刀の後ろでセキトが字を書く。
『お前達!こんなことをしてただですむと… 』
兵「うっせーんだよこの馬鹿犬が! 」
近くにいた兵がセキトの腹を蹴り飛ばした。
地面に転がるセキト。しかしそれでも恋は動かなかった。
セキトを蹴られて一刀は叫んだ。
一刀「何をしてやがるんだ!お前達は仲間だろ! 」
しかし兵は
兵「はぁ?仲間?ふざけるなよそんな奴なんて仲間じゃねえよ 」
この一言に一刀がキレだしさっきまで一刀の近くにいた兵が壁にめり込んでいた。
一刀は叫ぶ。
一刀「ふざけるんじゃねぇよ!仲間を傷つける奴は仲間じゃねぇ! 」
すると今度は恋に向かって言う。
一刀「呂布いつまでも止まってんじゃねぇよ!何が起きたかは知らんが、家族を傷つけられて黙ってる奴なんていないんだよ! 」
『家族』という言葉に恋が少し動いた。
しかし一刀が恋の方を向いた瞬間別の兵が襲ってきて一刀に刀を向けた。致命傷は避けられたものの一刀の頬が少し切れてしまい血が流れていた。
兵「くそっ! 」
再び斬りつけようとする兵達しかし、彼らは忘れていた。
愛紗「キサマら!ご主人様に何をするかー!! 」
その時、愛紗を止めていたはずの鎖が一斉にちぎれた。
兵「鎖は鉄なんですけど!! 」
突っ込みをいれる兵。しかし数秒後、愛紗に殴られてさっき突っ込みしていた兵がいなくなっていた。
兵「親分!どうしますか!? 」
親分兵は
親分兵「うろたえるんじゃねえよたかが一人くらい… 」
そう言った直後、親分兵の首が飛んでいった。
恋「…セキトを傷つけたお仕置き 」
恋が親分兵の首を斬ったのである
これについて兵は驚いた。まさか動けないと思っていた呂布が動きだしたからだ。そして愛紗と恋が背中合わせになると愛紗が言う。
愛紗「呂布よ、お前はどうする?私はここにいるゲス共を叩きのめす! 」
恋は答える。
恋「…恋もやる 」
二人の意見が一致した。
愛紗「そうか、なら一時休戦だ! 」
恋「…わかった 」
その後はもう結果が見えていたなにせ一刀を傷つけられて逆上した愛紗と家族を傷つけられて怒った恋を相手に勝てる奴などこの場にいなかったのだ。
やがて、辺りにいた兵が全滅した後に鈴々が目を覚まし、一刀が
一刀「それじゃあ行こうか! 」
といって進もうとすると急に服の裾を誰かに掴まれた。
その正体は恋だった。
恋は一刀の服の裾をしっかり握っていてはなさない、すると恋は
恋「…ご主人様 」
一刀の腕に抱きついてきた。
これには誰もが驚いたがセキトだけは違った。
『よかったな恋、守りたいものがまた増えてよ 』
この様子を見ていたセキトは微笑んでいるように見えた。
余談ではあるが一刀の腕に抱きつく恋をみて愛紗がその後、一刀に対して怒ったのはお約束である。
こうして新たに恋とセキトを仲間に加え一行は洛陽ヘと向かっていった。
今回よりセキトの言葉は
セキト『 』とあらわします。