其の拾「呂布、関羽・張飛と交えるのこと」
何とか10話にたどり着きました。これからも頑張ります。
一刀達が袁紹の我が儘によって次の虎牢関の先陣を任されていた頃、董卓軍ではこんな会話が始まっていた。
虎牢関・作戦本部
霞(張遼の真名)「しかしまぁ、連合軍の力ってあんなもんかいな?華雄がやられたとはおもえへん弱さやったなぁ、呂布っち! 」
霞が言うと
呂布「…あんなの彼奴らの本気じゃない。もっと強い奴がいる 」
そこにはパッと見、天下無双とは思えない程で犬とじゃれあう呂布の姿があった。
霞「相変わらずやな。でも呂布っちの勘は結構当たるし、うちもあんなんが本気やとは思えんしな 」
霞が言うとさっきまで動かなかった呂布が急に動きだした。
霞「どないしたんや?呂布っち? 」
霞が聞くと呂布は
呂布「…何か分からないけど強い奴が近寄って来てる。それも数が少ない 」
霞は驚いた!
霞「分かった。呂布っちは兵を少数連れてそっちに行ってくれ、残りの奴らはうちが大軍で押さえたる! 」
呂布は頷く(うなずく)と
呂布「…霞、お願い」
呂布は敵が来るであろうとする場所に向かっていった。
その呂布の後ろ姿を一匹のコーギーらしき犬が見ていた。
犬「…」
すると急に犬はどこから出したのか分からないが大きな看板を取りだし、墨で何かを書いていた。
犬『恋…』
恋とは呂布の真名である。
さて、その頃虎牢関に向かっていた一刀達はというと。
虎牢関・入口付近
一刀「…ふぅ!何とか入口まで見付からなかったものの 」
鈴々「この先はどうやって入るのだ? 」
一刀達は少数ということを利用して少しずつ虎牢関に近付きようやく入口に着いたのだが、肝心の中に入る方法を考えてなかったことに気付いた。
愛紗「このまま隠れていてもらちがあきませんし 」
悩む皆、すると朱里が
朱里「そうだ!皆さんあれを使いましょう 」
朱里が指を指した先には亡くなった董卓軍の兵の死体があった。
一刀「そうか!分かったよ 」
一刀は朱里の考えていることが分かったらしく兵の死体から鎧を奪っていた。
首を傾げる愛紗達だが一刀の後に続くように鎧を奪っていた。
鈴々「うぇ〜!!血で汚れてて気持ち悪いのだ 」
鈴々が血で汚れた鎧を着てぐずる。
愛紗「我慢しろ鈴々!皆だって同じ気持ちだ 」
ぐずる鈴々を愛紗が咎める(とがめる)。
一刀「よし!それでは潜入だ 」
そうっ、一刀達は変装して忍び込もうとしていた。
しかし鈴々は
鈴々「こんな変装すぐにばれるのだ 」
鈴々がそう思うのも無理はない。ここは敵の本拠地である、当然変装した賊を追い払うため厳重な警備が行われているであろう。しかし一刀は
一刀「大丈夫!俺にいい考えがある 」
一刀がそう言うので従う三人。そして遂に門までたどり着いた。
案の定、厳重な警備がしかれていた。董卓軍の兵が一列に並んで厳しい検査を受けていた。
すると、急に門の前の方が騒がしくなってきた。どうやら賊が紛れ込んでいたらしい。その賊はすぐさま数人の兵に囲まれてしまい首を切られた。それを見ていた愛紗達の反応は…
愛紗「ご主人様!今からでも遅くありません別の方法を考えましょう! 」
鈴々「正面から入るなんて余程の死にたがりなのだ! 」
朱里「はわわ〜!! 」
朱里は泡をふいて倒れた。自分で考えた策なのにまさかここまでとは予想していなかったのである。
三人のつめ寄りに一刀が答える。
一刀「大丈夫だって!俺を信用してくれ 」
一刀がこんなにも言うので一応信用する三人、そうこうしてる間に遂に一刀達の番になった。
門番兵「そこのお前達どこの所属の兵だ!」
案の定尋問にきた兵。下手なことを言えば殺される。愛紗・鈴々・朱里が諦めかけたその時である。
一刀「俺達は天下の名高い呂布様の兵ですよ 」
この一言に門番兵は
門番兵「呂布様の部下だと〜?嘘をつくんじゃねえよ、あのお方がおまえらのような奴を部下にするはずがな…」
門番兵が言いかけたところで一刀が答えた。
一刀「セキト… 」
この一言に門番兵は驚いた。
門番兵「てめー!?何でその名を知ってやがる? 」
一刀は答える。
一刀「そんなこと本人に聞いたからに決まってるじゃないっすか。どう?通してくれる? 」
門番兵は悩んだが散々悩んだ後に
門番兵「どうぞお通り下さい 」
一礼をして通してくれた。これには愛紗達も驚いた。何せ、門を簡単に通れたのだから
門から少し歩いた所で変装をとき、愛紗はさっきのことについて聞いてきた。
愛紗「ご主人様!凄いですけど一体何が起きたのですか? 」
鈴々「お兄ちゃん!何であのおじちゃん(門番兵)通してくれたのだ? 」
朱里「はわわ〜!! 」
朱里は混乱していた。
一刀は答える。
一刀「簡単なことだよ。偉い人の名前とキーワード…っていうか印象な点を言っただけだよ 」
当たり前のように言う一刀だが実はこの案は悪友である及川が一刀と共に女子高の学園祭に潜入した時に見付かってしまい使った案である。もっともその時は偉い人が近くにいたせいで及川と共に女子高からつまみ出されたが、
一刀「呂布といえばやっぱり赤兎馬が印象的だしね 」
一刀は赤兎馬と言おうとしたのだが門番兵は勘違いをしていた。
一刀「ともかくこのまま先に進もう 」
一刀が先に向かおうとした時、愛紗が何かに気付いた。
愛紗「ご主人様!そのまま動かないで下さい! 」
思わず?になる一刀だが止まってみると
突然前から戟が飛んできて一刀が向かおうとしていた場所に突き刺さった。
一刀「あっぶねー!? 」
愛紗が止めてくれなければ今頃一刀は刺されていたかもしれない。
一刀は心から愛紗に感謝した。
?「…惜しい。外した 」
その時戟を一刀に向けて投げた者が現れた。
愛紗「貴様!何者だ 」
?は答える。
恋「恋は呂布 奉先。月を苦しめるお前達許さないから死ね 」
この時、一刀達は一番出会ってはいけない人物に会ってしまったと後悔していた。
一刀「月?ひょっとして董卓さんの真名か?」
一刀が言うと恋は
恋「…そう 」
答えた。すると、
愛紗「くっ!ご主人様早くお逃げ下さい 」
急に愛紗が一刀をかばう様な形になった。
一刀「愛紗!一体何を! 」
驚く一刀、愛紗は
愛紗「この私が殿を務めてさしあげますので早く逃げてください! 」
しかしそうは問屋がおろさなかった。
恋「…逃がさない 」
恋は腕を上に挙げる、するとどこに隠れていたのか少数(約三十人)の兵が一斉に出てきた。
鈴々「一体どこにこんなに隠れていたのだ? 」
鈴々は思わず頭に?が浮かんだ。その時一人の兵が言った。
兵「呂布将軍!こいつらを早く血祭りにあげましょうぜ 」
しかし恋は
恋「…いらない。恋一人で戦う 」
兵「そうですか分かりました 」
この後この兵は舌打ちをしていた。
愛紗「お前が天下無双の呂布であったな我が名は関羽!黒髪の山賊狩りだ! 」
愛紗は名乗りをあげた。
対する恋は
恋「…お前強い。あと… 」
恋はすかさず後ろに戟を構えたのかと思うと突然戟に攻撃が当たった。
愛紗「一体何が起きたのだ? 」
愛紗が目を凝らして見てみるとそこには戟に動きを捕えられている義妹の鈴々の姿があった。
愛紗「鈴々!何をしている 」
鈴々「見ての通りなのだ。鈴々も愛紗と一緒にこいつと戦うのだ! 」
恋「…お前達。うるさい! 」
すると恋は戟に絡めていた蛇矛をはね飛ばした。
いきなり飛ばされて鈴々は尻餅をついた。
鈴々「いったーい!お尻を強く打ったのだ 」
すると愛紗は鈴々に向かって
愛紗「馬鹿か!鈴々、お前は下がっていろ! 」
厳しく言う愛紗だが鈴々はというと
鈴々「嫌なのだ。鈴々も一番強いあのお姉ちゃんと戦いたいのだ 」
このことを聞いた愛紗には分かっていた、鈴々が我が儘なんかでこんなことを言っているのではない。自分(愛紗)のためにやっているということを。
すると恋は自らの武器『方天画戟』を構えて言う。
恋「…どっちでもいい、面倒だから二人でかかって来い 」
この言葉に愛紗達は
鈴々「ふざけるななのだ! 」怒る鈴々
愛紗「朱里頼みがある 」
愛紗が言うと朱里が答えた。
朱里「はっはひ!! 」
朱里は噛みまくっていた。
愛紗「ご主人様を頼むぞ 」
そういうと愛紗は武器を持って恋に向かっていった。
愛紗「呂布よ!さっきの言葉取り消そうとしても無駄だぞ 」
いきなり愛紗は青龍偃月刀構える。
そして鈴々
鈴々「もう許さないのだー 」
鈴々も己の武器蛇矛を構えた。
ちなみにこれはお互いに分かっていたことだが、『呂布は一人では倒せない。』
愛紗と鈴々はそう感じていた。
ここで書いていた時に気付いた誤字です。
×軍士……軍師〇
×虎狼関……虎牢関〇
他にもあるかな?