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メカニカル☆ウィッチ  作者: 星乃祈
第5章「ヒーローの証」
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第80話「ヒーローの証」



 ——ボクたちは世界を滅ぼす兵器として……人殺しの道具として作られた。 ……そう言う存在としてこの世に生まれた……。


「——フォッフォッフォッ……! ようやく完成じゃ……! ワシがかつて作り上げた、プロトタイプのX(エックス)をベースに、未完成で終わったV(ブイ)のデータを取り入れて開発した、最高傑作にして最強の兵器であるOS(オーエス)が……!」


 O(オー)とS(エス)は、黒穴博士を司法取引によって秘密裏に外に出したワールドユニオンの本部にある、とある研究所で生まれた。


「……」

「……」


 メインの頭脳の役割を担うO(オー)と、サブの手足の役割を担うS(エス)は、二人で一つの存在であり、人間無しに自ら思考し戦闘できる無人の兵器として、二人揃ってOS(オーエス)と名付けられた。

 そんな二人は、戦闘時に人間の様に感情に左右されない様に、余計な感情を全て削ぎ落とされ、合理的に思考できる様にさせられたこともあり、お互いに機械的なやり取りしかしなかった。

 それでも自分の半身にして影の様な存在であるからか、O(オー)は別個体のS(エス)との間に不思議な繋がりを感じていて、それは向こうも同じな様だった。


 その後、黒穴博士が兵器としての実験を行う為に、自分たちをワールドユニオンのトップであるアダム議長に売り込んだ。

 そしてアダム議長が自身の計画に組み込んだことで、O(オー)とS(エス)はそれぞれオフィウカスとサーペンスとして、ワールドユニオンに登録されることになった。

 それから自分は人間に扮する為に、オフィウカス(蛇遣い座)とO(オー)から文字った蛇遣異零と言う偽名と、ワールドユニオンが用意した架空の戸籍を手にし、相棒と言う程にしたサーペンスと一緒に、生まれて初めて外の世界に出ることになった。


 その際に、本部の外に出して貰えない黒穴博士の代わりにワールドユニオンの大人たちが自分たちの管理を行うことになった。

 そんな大人たちはアダム議長と同じ、人工精霊の様な人間擬きには自由意志など与えず、ただの便利な道具として管理すべきだと言う考えを持っており、事実そんな風に自分たちを扱って来た。

 それに対し、別に怒りや憎しみなどは湧かなかったが、これが人間なのかと思った。

 

 だけどそんな人間ばかりじゃなかった。

 自分たちのお目付役を任された天魔とカプリコーンは口で文句を言いつつも、何かと面倒を見てくれた。

 そして……。


「——私、レイ! 白金(しろがね)レイって言うの! お姉ちゃんたちのお名前は?」


 レイと出会った。


「——あ、そっか! お姉ちゃんの名前もレイって言うんだね! えへへ……! 私と一緒だね! お兄ちゃんのお名前は? ……お〜、カッコいい名前だね!」


 レイは綺麗な花の様な子だった。

 こんな子は初めてだった。まだ正体を知らないとは言え、自分たちみたいな兵器に純粋な好意を向けてくる人間は……。

 サーペンスも悪い気はしていない様だった。


「——はい、コレ! 零お姉ちゃんたちと天魔お兄ちゃんたちに! この前のお礼を込めて、私が作った手作りのお守りなんだ! 勿論、勝利の願掛けもしてあるよ!」


 レイは自分たちにお守りの紙の花をくれた。

 生まれて初めてだった。誰かからこんな風にプレゼントを貰ったのは……。嬉しかった。

 サーペンスも良いのではと言ってくれた。


「——だってもう、零お姉ちゃんたちとはお友達だから!」


 どうしてこんな風に接してくれるのかと尋ねると、レイはそう答えてくれた。


「——うん! あ、でも、確かに……まだちゃんと言ってなかったね……! それなら、零お姉ちゃん! これでちゃんとお友達だね!」


 本当に嬉しかった。自分もその手を掴みたかった。

 だけどワールドユニオンの大人たちに邪魔されたことで、それは許されなかった。

 いや、例え邪魔が入らなかったとしても……。


 ——綺麗な花の様なあの子の隣に、ボクたちの様な兵器が……人殺しの道具が立つなんて許される筈が無いんだ……。 ……兵器は兵器らしく余計なことを考えずに黙って命令に従っていれば良い……。 ……ボクたちはそう言う存在としてこの世に生まれたのだから……。 ……だけどもし、許されるのなら……。



*****



 ——『戦地』のバトルフィールドにで。


『——さあ、行け、O(オー)……! S(エス)……!  明日斗博士が作ったサターンとその機体を倒し、星を喰らうのじゃ……!』

「「……了解」」


 黒穴博士から通信で指示を受けたオフィウカスたちは、カオスマウスキャノンを発射した。

 超巨大なビームが周囲の建物ごと美月とサターンのアークサターンを吹き飛ばし、さらに観客席を守る特別なマジカルバリアの一部にヒビを入れた。いくら実戦に耐える物にしてあるとは言え、あまりの戦闘の激しさに耐えきれなかった様で、そのままその一部が破壊された。


『フォッフォッフォッ……! 流石はワシのO(オー)とS(エス)じゃ……! 素晴らしい……! これこそが力こそが全てと言うこの世の真理を体現する、最強の力じゃ……!』


 黒穴博士は焦るどころか、逆に狂喜の笑い声を上げていた。

 力に取り憑かれているこの人は、やはり皆の言う通り、狂人なのだろう……。そしてそんな人物に作られた自分たちも……。


 すると周囲の声を遮断する役割も担っていた、特別なマジカルバリアの一部が破壊されたことで、観客席の声が聞こえて来た。


「な、何だあれは……!? 普通じゃない……!」

「こんなの競技のバトルじゃ無い……! まるで本物の戦いだよ……!」

「怪物……いや、兵器だ……!」

「ママ……パパ……怖いよ……」


 ——そんな人々の畏怖の声がバトルフィールド全体を包みかけた……その時だった。


「——違うもん!! 零お姉ちゃんも、サーペンス君も、私の大事なお友達で、本当はとっても優しいんだもん!! だから自分の意思でこんなことする筈がない……きっとあの怪しい笑い声をしている人が、無理やり命令しているだけなんだもん!!」


 レイの泣き叫ぶ声が聞こえて来たことで、オフィウカスたちは戦闘の手をピタリと止めた。

 思わず目を向けると、特別なマジカルバリアが壊れた付近の観客席に、母親らしき女性と二人のメカニカルウィッチの男女と一緒にいるレイを見つけた。


『何じゃ、この小童(こわっぱ)は……!? ワシの作った兵器に優しさなどの余計な感情なとあるものか……! O(オー)……! S(エス)……! 最強の兵器として作られ、戦う為だけに生まれて来たお前たちと言う存在をこの小童に知らしめてやれ……! 何なら攻撃を当てても構わん……!』

「ーーッ!?」


 黒穴博士(開発者)の命令は絶対。それがオフィウカスたちに刻まれた不文律だ。

 だから兵器として……人殺しの道具として黙ってその命令に従えば良い……。

 だけど……。


「……撃ちたくない……」

『何……?』

「……あの子を撃ちたくない……。 あの子を傷つけたくない……。 ボクはあの子に嫌われたくない……」

『貴様……!』


 自分たちはあくまでも兵器で、人殺しの道具だと言うことはちゃんと理解していた。

 そんな資格は無いのは分かっている。だけどもし、許されるのなら、レイの隣に立ちたかった。


 すると黒穴博士は怒り心頭と言った様子で声を上げた。


『O(オー)ッ!! 兵器である貴様に、愚かな人間の様な余計な感情など不要なのじゃッ!! それなのに、あの小童に惑わされ、愚かな人間と同列の存在になりおってッ!! ええい、貴様が兵器であることを思い出さんかッ!! X(エックス)システム起動ッ!!』

「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!?」

「オフィウカス……!? ぐっ……!?」


 黒穴博士の遠隔操作によりX(エックス)システムが起動し、心臓に相当する魔石X(エックス)が人為的な暴走を起こした。

 それにより暴走した魔力が赤いオーラとして機体を包み込み、さらにX(エックス)の文字を描く様に、背中に赤い翼が、頭部に赤い光の光輪が現れた。

 そしてその赤いオーラが合計二百機のドローン武器へと伝播していく。


「嫌……だ……! あの子へのこの感情を……失いたくない……!」


 脳に相当する人格システムへと、暴走した魔力が侵入して来たことで、思考が全て戦いに関するものへと塗りつぶされていく。レイとの交流で得た初めての感情が消されそうになる。

 オフィウカスがそれに必死に抗っていると、自分を侵食して来る暴走した魔力が少しだけ軽減した。それがどこへと行ったのか、半(・)身(・)であるが故に直ぐに分かった。


「サーペンス……!? 何を……!?」

「オレはお前の半身で……影だ……! だからお前を支え……助けるのがオレの役目なんだ……!」

「だけど……! そんなことしたら……サーペンスが……!?」

「オレは良いんだ……! 空っぽだから……! でもオフィウカスは違う……! お前にはあの子から貰った感情がある……! それを失くすな……!」

「それはサーペンスだって……!? ぐっ……!?」


 暴走した魔力がさらに侵食して来たことで、オフィウカスは苦悶の声を上げた。

 

 不味い。このままでは意識が塗り潰される。

 だけど負担を肩代わりして貰っている自分がこれなら、サーペンスはもっと不味い状況の筈だ。下手をすればあまりの負荷に、自我崩壊を起こして精神的に死んでしまってもおかしくない。

 

 しかしX(エックス)システムに抗うのが精一杯な自分では何もできない。

 だからオフィウカスは助けを求めた。


「——お願い……! 誰か……助けて……!」



*****



『——お願い……! 誰か……助けて……!』

(……!! そうだ……あの子たちは決して兵器なんかじゃありません……! Dr.X(ドクターエックス)……いや、黒穴博士に利用されている被害者なんです……!)


 美月は十年前の事故の際に、暴走したスーパーメカニカルウィッチに襲われた経験から、無意識の内に軍用機であるオフィウカスたちに恐怖を抱いていた。

 だけどオフィウカスたちの声を聞いて分かった。彼女たちは自ら望んでこんなことをしている訳ではないと。最初はワールドユニオンの刺客だと疑っていたし、事実その通りだったが、レイが言っていた通り本当は優しい子たちだった。

 そう、あくまでも悪いのは、裏で操っている黒穴博士とワールドユニオンなのだ。


(それに……私は小春たちとのバトルで、人間とメカニカルウィッチが本当の意味で隣人になれる世界を作りたいと言う夢を見つけたんです……! その夢の為にも、人間に苦しめられているあの子たちを絶対に救って見せます……!)


 そう決意を固めた美月は、目を閉じてお守りのペンダントを両手で握り締め、勇気のお呪いを唱えた。


「——頑張れ、私! 頑張りなさい、わたくし!」


 そしてオフィウカスたちを救う為に、相棒であるサターンへと呼びかけた。


「サターン! オフィウカスとサーペンスを黒穴博士から救い出しますわよ!」

「はい、お嬢様! その為にも暴走するオフィウカスたちを止めますよ!」

「「——シンクロゾーン!」」


 シンクロ率が百パーセントのその先へと至ったことで、人間である美月の紫水晶(アメジスト)の瞳にも、サターンの紅玉(ルビー)の瞳の色が混じり合った。

 文字通り二人で一つの存在となり、一心同体、人機一体となり、立ち上がった。


「「マジカルスキル! プラネットダーク!」」


 そして続けてアークサターンの全身に黒い炎を纏わせ、発動中の魔王システムをさらに強化すると、再びサーペンスオフィウカスの元へと突撃させた。


「——お願い、美月お姉ちゃん! サターン君! 零お姉ちゃんとサーペンス君、とても苦しそうなの! だから助けて上げて!」


 そんな美月たちの耳に、レイの叫び声が聞こえて来る。

 それだけじゃない。


『その子の言う通りだよ! みづみづ! サー君! 私と同じメカニカルウィッチの零……じゃなかったオフィウカスちゃんとサーペンス君を、その変な人間の手から救い出して上げて! お願い、ヒ(・)ー(・)ロ(・)ー(・)!』


 ステラがマイクを片手にそう叫んでいた。


 するとそんな二人の声を聞いた観客席の雰囲気も変わった。

 オフィウカスたちを兵器として恐れる空気から、操られた被害者として同情する空気へと……。

 そして観客席はそんなオフィウカスたちを今この場で止めることができる美月たちへと声援を送った。


「「「——お願い、ヒーロー! あの子たちを助け上げて! 救って上げて!」」」

「勿論ですわ!」

「当然だ!」


 それに対し、美月たちはハッキリとした声で答えた。


『ええい、こ奴らは兵器だと言っておるだろうがッ!! O(オー)……! S(エス)……! 愚かな人間共にそれを教えてやれッ!!』

『『ぐっ……! で、デリート……開始』』


 黒穴博士の指示を受けたオフィウカスたちは、動きを止めていたカオスマルチコンテナ、カオスドールユニット、カオスナノブレード、カオスエネルギースフィアを再び起動させた。


『『マジカルスキル。 X(エックス)スラッシュ』』


 そしてサーペンスオフィウカスは、カオスソードライフルでX(エックス)の文字をの赤色の魔力の斬撃を放つと、同時に合計三十八機のカオスドールユニットを放って来た。


 ただでさえX(エックス)ワールドの反(アンチ)魔法の効果のせいで、こちらのマジカルスキルが機能不全に陥っていると言うのに、相手はX(エックス)システムの暴走した魔力のおかげでその威力を上げていた。

 それならば……!


「サターン! わたくしたちも焔たちの様に、マ(・)ジ(・)カ(・)ル(・)ス(・)キ(・)ル(・)を(・)合(・)体(・)さ(・)せ(・)ま(・)す(・)わ(・)よ(・)!」

「はい、お嬢様! 今の僕たちならできる筈です!」

「「マジカルスキル! プラネットファイア! +(プラス)サターンスラッシュ!」」


 アークサターンは背中に発生させた炎の光輪を、展開したアークソードへと纏わせ、それを依代に紫色と赤色の混じった巨大な炎の剣を生み出すことで、二つのマジカルスキルを合体させた。


「「合体マジカルスキル! サターンスラッシュ・火星(マーズ)!」」


 巨大な炎の剣がX(エックス)スラッシュとカオスドールユニットを一撃で切り裂いた。


『馬鹿なッ!? ええい、ならばッ!!』

『『マジカルスキル。 X(エックス)ブレイク』』


 するとサーペンスオフィウカスは、カオスソードライフルとカオスシールドブースターを組み合わせる形で、暴力的なまでの赤色の魔力を放つと、同時に合計八十機のカオスナノブレードを放って来た。


「「マジカルスキル! プラネットツリー! +(プラス)サターンアークブレイク!」」


 それに対し、アークサターンはアークソードとアークシールドを合体させてアークX(クロス)アックスを作り出すと、さらに足元から木の根を伸ばして巨大な斧を持った巨人を作り出し、同時に紫色と緑色の暴力的なまでの魔力を放つことで、二つのマジカルスキルを合体させた。


「「合体マジカルスキル! サターンアークブレイク・木星(ジュピター)!」」


 紫色と緑色の暴力的なまでの魔力が、X(エックス)ブレイクごとカオスナノブレードを飲み込んだ。


『ぐっ……!? まだじゃッ!!』

『『マジカルスキル。 X(エックス)ストライク』』


 するとサーペンスオフィウカスは合計八十機のカオスエネルギースフィアからビームを一斉に発射すると、自身も突撃する構えを止まった。

 しかし……。


「「マジカルスキル! プラネットウォーター! +(プラス)サターンアークストライク!」」


 アークサターンは周囲に展開した水を、アークX(クロス)ランスを中心に纏わせ、機体本体を超巨大な槍へと変化させることで、二つのマジカルスキルを合体させた。


「「合体マジカルスキル! サターンアークストライク・水星(マーキュリー)!」」

『くっ……! 防御じゃッ!!』


 指示を受けたオフィウカスたちはカオスエネルギスフィアにマジカルシールドを展開させるが、暴力的なまでの紫色と青色の魔力を纏った超巨大な槍がそれを破壊した。

 そしてそのままX(エックス)ストライクを発動しかけていたサーペンスオフィウカスを吹っ飛ばした。


『ふざけるなッ!! ワシの作ったO(オー)とS(エス)が……最強の兵器が負けるなど、あり得てたまるかッ!!』


 発狂する黒穴博士と連動する様に、サーペンスオフィウカスがカオスマウスビームから超巨大なビームを放ち、さらに合計二百機のドローン武器で無差別に攻撃を行なった。

 そのせいで観客席の特別なマジカルバリアが完全に破壊されてしまった。


「ーーッ!? 不味いですわ!?」

「このままでは観客席に被害が……!?」


 ——その時だった。


『『マジカルスキル。 海神の支配する空間《ネプチューンマリンフィールド》』』


 バトルフィールドへと繋がる選手用の通路からネオンとネプチューンが飛び出して来た。

 そのまま最強のマジカルスキルであるフィールド魔法を発動させると、バトルフィールドと観客席を水の壁で遮断した。


 するとネオンたちは、美月たちにしか聞こえない回線で声をかけて来た。


『……ん。 美月、無事……?』

「はい! それに、ネオンさんたちも無事で良かったですわ!」

『……ん。 煩わしかったから魔法で蹴散らして突破して来た……』

『一応、あたしが使った様にカモフラージュしたから大丈夫だよ♪ 後、一緒にいた子は助け?に来た人たちに預けたから安心して♪』


 どうやら助けが来たらしいが、ネオンたちは自力で突破して来たらしかった。


『『マジカルスキル! ウラノススカイウィング! そして、マジカルスキル! ウラノススカイカリバー!』』


 すると反対側の選手用の通路から、巨大な光の翼を纏った麗とウラノスのスカイウラノスが海神の支配する空間《ネプチューンマリンフィールド》を突破する形で現れ、そのまま超巨大な光の剣で合計二百機のドローン武器を撃ち落とした。


『すまん、遅くなった! だけど一緒にいた冬馬君たちだけじゃなく、別の場所にいた焔たち、それに瓦礫に埋もれていた機体に乗っていた子たちも皆無事だ!』

『ああ! 俺様たちはネオンたちと一緒に観客席への被害を食い止めるから、美月たちはソイツらを早く止めな!』

「分かりましたわ!」

「助かる!」


 二大チャンピオンバディの援護を受けた美月たちは改めてサーペンスオフィウカスたちの元へと突撃した。


『O(オー)……! S(エス)……! 敵を殲滅するのじゃ……!』

『『敵ハ殲滅スル』』


 サーペンスオフィウカスがカオスマウスキャノンから超巨大なビームを放ち、同時にカオスピットオーガンから無数のビームの鞭を放って来た。

 しかしそれを、美月は魔力が見える目を使ってその全てを最小限の動きで回避した。


「決めますわよ、サターン!」

「はい、お嬢様!」

「「マジカルスキル! サターンバースト!」」


 そしてそのままアークサターンはアークX(クロス)ランスをアークランスとアークガンに分解して、その中にあったアークステッキを装備すると、その先端に魔法陣を発生させ、闇の力を持った巨大なビームを放った。


「「マジカルスキル。 X(エックス)バースト」」


 それに対し、サーペンスオフィウカスはカオスソードライフルからX(エックス)の文字の赤色の魔力のビームを放って来た。


「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!!」」

『『……』』


 二つのマジカルスキルがぶつかり合うが、強い意志を持つ者たちと、無理やり操られている者たちのどちらが勝つかなんて明確だった。

 そしてX(エックス)バーストを打ち破ったサターンバーストが、サーペンスオフィウカスを飲み込んで、マジカルバリアを破壊して戦闘不能にした。


『ありが……とう……』

『オレたちを……止めてくれて……』


 

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