第46話「人間と精霊の境目で」
「——頼む、美月!! 僕の声を聞いてくれ!!」
「……」
「くっ……!」
戦えなくなった美月の……妹の代わりにサターンが単独で戦っていたさっきまでとは逆に、今は妹がアークサターンのコントロールを完全に奪って戦っていた。
何もできなくなったサターンが妹へと必死に呼びかけるが、全く反応してくれない。だけど、それは無視しているからではなく、自分の声が全く届いていないからだった。
魔法が使えない普通の人間にはできない筈の、人工精霊の補助無しでの機体の操作とマジカルスキルの使用こそが、以前本物の魔女であるネオンが言っていた、妹の魔女としての力なのだろう。
だけど、ネメシスが言っていた『時間魔法』に目覚めた黒土邸での戦いの後、一時的に失明したり、体調不良で倒れたりするなど、妹の体には明らかな不調が出ていた。
そんな妹が、あの時の『未来視の魔法』を越えかねない、世界そのものに干渉して時を止める力を使って、何の影響も出ない筈がなかった。
現に妹は、真っ赤な血で染まった紫水晶の瞳から血の涙を流し、息をするのを忘れているのか殆ど呼吸をしていなかった。
それに加え、その左腕に嵌められたマジカルウォッチが、リンクした人体から検出された深刻なダメージを警告し続けていた。
妹の体がその力に耐え切れずに壊れるのも時間の問題だった。
「ダメだ、美月!! それ以上、その力を使ったら本当に死んでしまう!!」
「……」
「美月!! 戻って来るんだ!!」
*****
何も無い真っ暗な空間の中を、空な瞳をした美月は一人でフラフラと歩いていた。
前後左右に上下すらもあやふやだったが、それでも一度来たことがあるのか、真っ暗の方へと向かって足が勝手に動き続けていた。
「——美月……」
——そんな美月を誰かが呼び止めた。
「あ……」
その声を聞いた途端、美月は朧げだった意識を取り戻し、目を大きく見開いた。
今の声を自分は知っていた。今のはサターンとは違う、記憶の中にある兄の声だった。
美月が思わず視界の先にある真っ暗な方へと目を向けると、そこには十年の時を経て再会したもう一人の兄であるサターンではなく、十年前の事件が起きたあの日の幼き姿をした兄がいた。
「お兄……様……!」
その姿を見た美月は、その紫水晶の瞳からボロボロと涙を溢しながら、兄の元へと駆け出した。
「お兄様……! お兄様……!」
美月は兄の元にたどり着くと、衝動的に抱きついた。
十年の歳月が経ったことで、成長した自分とあの日のままの兄とでは、身長も体格も何もかも逆転していたが、それでも美月は昔と同じ様に妹として泣き続けた。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!」
「美月、ごめんね……置いて行ってしまって……一人にしてしまって……」
泣き叫ぶ自分の頭を、兄は昔の様に優しく撫でながらそう謝って来た。
それを聞いた美月は、自分を守る為に兄が命を落としたと言う罪悪感から泣きながら謝った。
「ごめんなさい……! ごめんなさい……! 私のせいで……お兄様は……!」
「……ううん、美月が謝ることじゃないよ」
「でも……!」
「だって、僕は美月を守れなかったんだから……」
「え……?」
兄のその言葉に美月は一瞬泣くのを忘れた。
兄は命を賭けて自分を守ってくれたのに……。兄が守ってくれたおかげで自分は今もこうして生きているのに……。
すると兄は懺悔する様に口を開いた。
「——僕は美月死なせてしまったんだ……」
「どう言う……こと……?」
美月は兄のその言葉の意味が分からずに混乱した。
——すると次の瞬間、何も無い真っ暗な空間が、赤い炎がまるで地獄の様に燃える建物の中へと変わった。
「あぁ……!?」
美月はこの地獄を知っていた。
ここは母と兄とムーンたちを失うことになった十年前のメカニカルウィッチ研究所だった。
全てを失ったあの日のトラウマを思い出した美月が助けを求める様に兄へと抱きついた。
すると兄は美月を宥める様に優しい声をかけて来た。
「大丈夫だよ、美月。 これはあくまでも記憶だから……」
「記憶……?」
兄がそう言いながら指を刺した方へと目を向けると、そこにはあの日の幼き自分たちがいた。
「——大丈夫だよ! 僕が必ず美月を守るから!」
母と離れ離れになったショックで泣いている幼き自分を、兄が力強い声で励ましていた。
足を怪我した幼き自分を背負っている兄だって、怪我をしていたし、同じ様に辛い筈なのに……。
「——約束するよ、美月! 僕は絶対に美月を置いて行ったりしないから! 一人になんかさせないから!」
「……うん、約束だよ……お兄様……」
兄がしてくれた約束に、幼き自分が弱々しい声でありながらも返事をしていた。
でも結局、この約束が果たされることはなかった。それでも兄はその命を賭けて自分を守ってくれた。その筈だった……。
するとその背後にあった通路を破壊する形で、焼き焦げた火の粉によって真っ黒に染まった機械仕掛けの怪物が現れた。
不気味なまでに赤く光る酷く無機質な瞳を見てトラウマを刺激された美月は、これが記憶だと分かっていながらも本能的に震え上がった。
「くっ……!? もう追いついて来たのか!?」
幼き自分を背負った兄は焦った声を上げていた。
それでも、機械仕掛けの怪物から逃げる為に怪我をした体に鞭を打ってでも動かして、必死に足を進めていた。
「守る……守るんだ……! 僕が美月を……絶対に……!」
そんな兄の背中に、幼き自分は弱々しくも必死に抱きついていた。
だけど、人間の……しかもまだ子供の足で、その巨大なロボットである怪物から逃げられる筈がなかった。
さらに不運なことに、建物内のどこかで起きた爆発音の衝撃が伝わって来たことで、その振動により転んでしまった兄の背中から幼き自分が落ちてしまった。
「あ……」
「しまっ……!? 美月ッ!!」
兄は必死な声で叫びながら、直ぐにその後ろにいる幼き自分へと手を伸ばしたが、その時にはもう既に追いついていた機械仕掛けの怪物の手が伸びて来ていた。
そして、その魔の手が幼き自分を掴み上げた。
「あぐっ……!?」
まるで力加減ができていないその魔の手が、幼き自分を握り潰した。
そのせいで、幼き自分が吐血し、それと同時に兄のおかげで一時的に出血が押され得られていた部分からも、再び血が吹き出した。
「美月を離せえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッーー!!」
それを見た兄が鬼の様な形相で突っ込んで行く。
だがそんな兄を捕まえようとした機械仕掛けの怪物が力加減を間違えたのか、虫を払う様に弾き飛ばした。
「ガハッ……!?」
壁へと打ち付けられた兄が吐血する。
「美月……!」
それでも兄が必死に手を伸ばそうとするが、幼き自分は糸が切れた人形の様に動かなくなっていた。
——その時だった。
幼き自分の体の中から膨大な魔力が溢れ出て来たかと思うと、機械仕掛けの怪物の手を弾き飛ばした。
「なっ……!?」
「……」
兄がそれを呆然とした様子で見る中、魔法で宙に浮かんでいる幼き自分が、その小さな手を機械仕掛けの怪物へと向けた。
「——『****』」
幼き自分が精霊の言葉で魔法を詠唱すると、次の瞬間景色が切り替わった。
気づけば機械仕掛けの怪物は炎が燃え盛る地面へと倒れ伏し、その無機質な赤い瞳も壊れた様に点滅していた。
するとその身から溢れ出る魔力が消えた幼き自分が、まるで糸が切れた人形の様に静かになり、そのまま地面へと落下した。
そして、まるで死んだ様に動かなくなった。
「美月ッ!!」
それを見た兄が血を吐きながら駆け寄って行った。
幼き自分を抱き起こした兄は何かに気付いたのか、真っ青な顔になった。
そして、慌てて幼き自分の口元と胸元を確認すると、絶望した表情でボロボロと涙を溢し始めた。
「い、息をしてない……し、心臓も止まっている……う、嘘だ……! こんなの嘘だッ!!」
兄は幼き自分の体を抱きしめながら、発狂した様に泣き叫んだ。
「美月いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッーー!!」
——兄の泣き叫ぶ声が木霊する中、記憶の世界が幻の様に消え、何も真っ暗な空間へと戻って来た。
「今……のは……?」
兄が言っていた記憶を目にした美月は震える声で尋ねた。
すると兄はその答えを語るためにゆっくりと口を開いた。
「……元々、美月と僕には、お母様譲りの魔女の素質があったんだ……」
「お母様が魔女……!?」
「……うん。 僕はお母様が直接魔法を使うところを見た訳ではないんだけど……美月の持っているお母様の形見のペンダントは、呪いとなった僕の力を封じ込めている魔石と似た物なんだ……。 それは、身に付けている者の魔力を……魔女としての力を封じ込める『魔封じのペンダント』なんだ……」
「これが……」
美月は首にかけている、宝石の部分が砕け散った母の形見であるペンダントを手に取った。
母が魔女であると言う話は初耳だったが、ネオンも言っていた通り、自分も本物の魔女である以上、おそらくは事実なのだろう。
「……そんな美月は十年前のあの日……死と言う要因によって、『時間魔法』と言う強大な力に目覚めたことで、上位の存在である精霊となって死から蘇ったんだ……」
「私が精霊として……死から蘇った……?」
「……だけど元々、幼い身でありながら致命傷を負っていた美月の小さな体ではその力に耐え切れず……美月は再び命を落としてしまったんだ……」
「じゃあ……私は何で今……?」
「そんな美月の命を救ってくれたのが、もう一人の僕だったんだ……」
「サターンが……?」
でも、サターンは確か、あの時は見ているだけで何もできなかったと後悔していた筈……。
「……あの後、僕もまた、致命傷を負って死と言う要因が迫っていたことで、無意識の内に魔法を発動させたんだ……。 対価と引き換えに『願いを叶える魔法』とまではいかないけど……『死者を蘇らせる魔法』をね……。 そして、僕の命を……人格や記憶と言った全部を対価として捧げることで、美月の命を救ってくれる神様を……悪魔を……精霊を生み出したんだ……」
「それがサターン……」
「うん……。 僕の全部を受け取ったもう一人の僕は、その全ての力を使い果たしてでも、美月を人間として生き返らせてくれた……。 だけど、その成否が自身でも知覚できないくらいに力の殆どを失ってしまったんだ……。 そして、生前の僕が美月が生き返ったことも、もう一人の僕のことも知覚できないまま命を落として、美月を守れずに死なせてしまった後悔からこの世の全てを呪う存在へとなった影響を受けて、もう一人の僕はその時の記憶を失ってしまったんだ……」
それが十年前の真相だった。
あの日、命を賭けて妹を守ろうとし、さらにその命を捧げてもう一人の兄を生み出した兄と同じく、サターンもまた、その全ての力を捧げて命を落とした自分のことを救ってくれていたのだ。
全ての真相を知ったことで、美月の頭の中で点と点が繋がっていった。
十年前のあの日を境に、普通の人間には見えない筈の魔力に加え、マジカルウォッチの機能を持ってしても見えない筈の微細な存在である本来の精霊見える、この『魔力が見える目』になっていたこと。
その目だけでは説明がつかない、『未来視の魔法』と言う『時間魔法』の力に目覚めたこと。
それは美月が一度命を落としたことで魔女の力に目覚め、精霊として蘇ったからだった。
だけど、十年前のあの日より前の一部の記憶が欠けていたこと。
それから、元々人見知りだったとは言え、十年前のあの日を境に、自分たちを直接襲って来たメカニカルウィッチよりも、同族である筈の人間に恐怖を覚える様になったことから、美月はある不安を感じていた。
「……じゃあ今の私は……精霊の私なんですか……? そもそも今の私は本当に死んだ人間の私と同じなんですか……?」
「大丈夫だよ、美月。 どっちの美月も本当の美月なんだから……。 それにね、今の美月は精霊の美月と人間の美月が混ざり合っている状態なんだ……。 もう一人の僕が美月を人間として生き返らせてくれて、人間の体を失わずに済んだおかげでね……」
「サターンのおかげ……?」
「うん……。 もし、人間の体を失って完全な精霊になっていたら、人間に寄せた人工精霊とは違って、思考も倫理観も人間とは全く別の存在になっていただろうからね……。 そして、そんな二人の美月の結びつきは、僕たちと再会した後、勇気のお呪いを思い出したのをキッカケに、どんどん強くなっているんだ……」
確かに兄の言う通り、勇気のお呪いを思い出してからは、お嬢様人格を任意でオンオフできる様になっていた。
でも、昔は他人と関わる時に勝手に発動していて、文字通り別人格の様になっていた。
昔とは変わってしまった今の自分の人格と、お母様の真似をしている昔の自分の人格。精霊の私と人間の私がが混ざり合っているとすれば、やはり精霊の方なのは……。
すると自分を優しく宥めてくれていた兄が、少し距離を取って笑いかけて来た。
「……美月はまだ人間として生きているんだ……。 だから、こんなこの世とあの世の狭間に来てはダメだよ……。 ほら、もう一人の僕が……それから皆が美月を呼んでいるよ……」
「……!」
美月は自分の左手に優しくて温かい熱を感じた。
ふと、そこに目を向けると、今回の学園リーグ戦の前に焔たちがくれたお守りが光っていた。
そして、気づけば兄の姿が遠くなっていた。いや違う、自分の方が離れて行ってしまっているのだ。
美月は咄嗟に兄に向かって手を伸ばした。
「お兄様!!」
しかし、兄の方は手を伸ばす気配はなかった。
その代わりに優しく微笑んでいた。
「……僕もまた、僕と繋がっているもう一人の僕のおかげで、こうして人間の頃の意識を少しだけ残すことができた……。 だけど、今の僕は人間の体を失ってこの世の全てを呪う存在になってしまった……。 だからもう、美月と同じ時間を生きることはできないんだ……。 ごめんね……」
「嫌だ!! そんなの嫌だよ、お兄様!!」
「それでも僕は、これからも美月のことを守るから……。 美月の力になるから……。 だから、もう一人の僕にも一緒によろしく伝えて欲しい……」
「待って、お兄様!! 私を置いて行かないで!! 私を一人にしないで!!」
美月はその紫水晶の瞳から大粒の涙をボロボロと溢しながら、必死に手を伸ばしていた。
しかし、兄の姿は真っ暗な方へと消えて行き、自分の体は焔たちから貰ったお守りがついている左手を基点に、明るい方へとどんどん引っ張られていった。
そんな中、兄は十年前のあの日に最後に見た泣き母とそっくりな微笑みを浮かべた。
そして、亡き母の最後の時と同じ様に、優しい声で語りかけて来た。
「——お願い、どうか美月は生きて……」
「お兄様!! お兄様!!」
「——美月……ずっとずっと愛しているよ……」
「お兄様あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!!」
——美月が必死に泣き叫ぶ中、世界が真っ白になった。
*****
「——美月!!」
「……!!」
自分の名前を呼ぶ兄の……もう一人の兄であるサターンの声を聞いて、美月は目を覚ました。
「お兄……ゴホッ……!?」
反射的に返事をしようとした美月は突然咳き込んだ。
喉や肺が裂ける様な激痛と共に、熱い液体が口へと逆流して来る。
美月は咄嗟に両手で口を押さえるが、その隙間から熱い液体が溢れ落ちた。
「え……?」
美月が思わず両手を口から離して確認すると、手が真っ赤な血で染まっていた。
すると焔たちから貰ったお守りがプツンと切れ、それと同時に全身に激痛が襲って来た。
「あがっ……!? ゴホッ……!? ゴホッ……!?」
「美月!!」
美月は血を吐きながらコックピット内に倒れ込んだ。
「い、痛い……! ゴホッ……!? 痛……ゴホッ……!? ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッーー!?」
「くっ……!? 美月、しっかりするんだ!」
あまりの激痛に、美月は衣替えしたばかりにも関わらず、自分の血で真っ赤に染まった白色のセーラー服を、爪を立てるくらい強く握りしめた。
喉の奥から血が逆流して来るせいで、吐血が止まらずに息ができない。心臓が握り潰された様に痛い。
体中が焼かれているみたいに熱い。全身の神経が痛みを訴えている。
「あ……が……!」
「美月!! 美月!!」
そんな美月と繋がっている様に、アークサターンも急にその動きを止めた。
足を止めた途端、機体のあちこちが壊れ、崩壊した手足が地面に落ちた。
それを魔王システムの力が修復しようとするが、直ぐにまた崩壊してしまう為、破壊と再生をいつまでも繰り返していた。
すると、その様子を見ていたムーンとサンがヨロヨロと立ち上がった。
『チッ! 元に戻ってしまったか……!?』
『後一歩のところだったのだがな……』
『なら、妾がその最後の一押しをしてやろう!!』
ムーンが杖に死神の鎌を展開させ、再び突撃して来た。
「不味い!?」
『美月!!』
『美月ちゃん!!』
だけど、誰もそれに対処できない。アークサターンも、ブラッドマーズも、ノーブルヴィーナスも、もはや誰も動けない。
——その時だった。
『『——合体マジカルスキル。 海神の魔弾・武装』』
『何……!? **……ぐはっ……!?』
選手用の通路からバトルフィールドに向けて飛んで来た、追尾性能を持つ大量の魔法の槍が、ムーンを防御魔法ごと吹っ飛ばした。
さらに……。
『『マジカルスキル! ウラノススカイウィング!』』
反対側の通路から光の翼をはためかせたスカイウラノスが、ウラノスバスターソードを構えて猛スピードで飛んで来た。
それをサンが再び合体させた大剣で受け止めた。
『ぐっ……!? 相変わらずの強さだな……天王寺麗……ウラノス……』
『皆無事……って訳じゃなさそうだな……。 よくも、俺の弟と後輩たちに手を出したな! お前たちだけは絶対に許さねえ!』
『ああ! 覚悟しやがれ!』
麗とウラノスが激しい怒りを見せる中、アークサターンの目の前に現れた魔法陣からマリンネプチューンが現れた。
『『マジカルスキル。 海神の転移門。 海神の鏡盾。 海神の波壁』』
ネオンとネプチューンは、反魔法の波の壁と反射の鏡の盾でアークサターンを保護すると、相手の顔が見える個別回線を繋げて来た。
『……美月、大丈夫……?』
「ね、ネオン……さん……」
『……じゃないみたいだね……。 酷い怪我……』
『ちょ、ちょっと、コレ! 早く手当しないと不味いでしょ!?』
「……だが、この状況では……」
サターンが苦々しい声を上げる中、マリンネプチューンはマリンTロッドを倒れているムーンへと向けた。
『——よくも……やっと見つけた私の同類に手を出したな……。 お前たちだけは絶対に許さない……』
——ネオンは怒りが含まれた低い声でそう呟くと、美月と同じ本物の魔女の力を解放した。




