第1話 七夕の朝に………磐の宮
私のペンネーム七月七日にちなみに、七夕に小説を書いてみました。
好きな神社をモデルにしています。
私はこの神社に生まれ今も住んでいる。
この社には神がいる。
今までの私はそれを不思議とは思わなかったし、これからもおもわない。
今日も朝早く起きて巫女服を着て、社殿の清掃を始める。
「いつ、みても大きい」
それは圧巻、私の目一杯にうつる巨岩。
奥の宮に、なぜか、千年間も落ちない岩……引っかかるように止まっていた。
この岩がこの神社の御神体。
「おはよう。杏は早起きだね 」
お父さんから声をかけられる。
神主姿の少しシワが寄りながらも優しい笑顔で箒ではいていた。
「おはよう。今日は大事な祭りだからね」
今日は星祝……七月七日……そう、七夕だ。
そう、私は石見杏はこの神社の一人娘して、巫女としてたぶん、この神社を継ぐことになるんだろう。
だからこそ、しっかりとがんばらないと。
私と父はしっかりと神殿を清掃していく。
やさしく、ゆっくりとていねいに木目の筋を通るように。
いつもと違い、今日だけは自治会の人が手伝いに来てくれてる。
祭りのためにでも来てくれるのは嬉しい……いつも掃除はお父さん、一人で大変そうだし………
私のお母さんは小さい頃に亡くなった。
でもさみしくない……この街で楽しく生きているから。
そして、ふと、声をかけられる。
「いつみても……大きいな」
声をかけてくれたのは、同級生の高梨柊磨君……私の好きな人。
すごくドキドキする。
「……隕石っていわれてるよ」
私の声に。彼は目を丸くする。
その驚きようは、めちゃカワイイくて見とれちゃう。
彼は市外から来た転校生だから、ほとんどこの街の事をしらない。
「マジか! こんなのが……へぇ~」
グリグリと目を丸くしている柊磨、私が口を開こうとすると。
「そう言われているね。けど、こんなにでかい隕石だったら、街がなくなってるよ」
などと、お父さんが笑顔で口にする。
どうして、二人のところにお父さんが来るかな……
「この大岩が、隕石なんてありえないよね」
私も知ったかぶりするように、口にする。
「たしかにね。むしろ、隕石がえぐったあとに残された岩というのが正しいね」
けど、この山の上の神社から見下ろすと 、隕石が落ちたあとがハッキリとわかるぐらい、えぐれた跡がみえる。
「この星の岩を織姫様の磐の宮、祭りになったんだよ」
私がすかさずに、お父さんを邪魔をして、横から柊磨君に声をかけた。
「磐の宮?」
柊磨君の?が浮かぶような顔が愛らしくて見てられる。
普段成績の悪い私がアピールできるのはすごくうれしい。
「うん。だからね。この街を星空に見立てて、あの川を天の川、ここが織姫様がいるお宮に見立てているんだって」
お父さんからの受け入りだけど、彼は目を丸くして聞いてくれる。
「天の川、小さいな」
小さく苦笑いする。山上から見下ろす彼のいたずらっ子みたいな表情がカワイイ男の子。
「私もそう思う」
もっと広くて、勢いのある川だったら年に1回というのがわかるのに、いつでも、渡れそうな川に納得がいかない。
「さて、掃除は皆がやってくれてるようだし、朝の食事にしようか」
朝の少し涼しげな緑の社にも、夏の熱波が届く時間になるだろう。
私と柊磨君とお父さんは社の中に入っていく。
さぁ、祭りの朝の始まりだ。
ここの神社好きなんですよね 終わらせたかったのですが第一話とします
こういう素直で恋する女の子いいですね