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無題  作者: いしの riko
2/8

お片付け

少し前 避難所で


目を開けると高い天井が見えた

聞こえる声 

起き上がるとモーフが掛けてあって

昨日寝るときに着ていた服のままだと気が付いた


ゆっくり回りを見て 知ってる大人はいない…

よし 帰ろう家へ


とことこ歩く私を気に掛ける人はいない

大人たちはそれぞれの仕事に忙しい

ひいたモーフはここで配られたものかな

沢山の人が避難していたんだ


無事玄関に着くと 私の靴はどこ?


歩いてきた記憶がないから靴はないな

大きな玄関に様々な靴、下駄、スリッパ、草履などなど

ごめんなさい と 心の中で手を合わせ

くたびれたスリッパを借りることにした


感覚で知っている家の方向へ歩き始めた

舗装された大きい道はすっかり片付けられている

家の間や小道はまだ手が回らないけど

歩くには困らないくらいにはなっていて

元の形が判らない家具? などの間を歩ける


家の前


「おかえり」声のした方を見ると

目を細めて微笑みを浮かべたおかあちゃん

背中に弟をおんぶして手をだしてる

心が温かくなって頬がゆるんだ

そっと手を出してぎゅっとする

「ただいまは?声に出して言ってごらん」

「あ、ただいま」 

「よくできました」

二人で見つめあっていると

「お~い!」と声がかかる


家の庭と前の道を使って、家から出した家具、畳たちに水をかけて洗う、おとうちゃんの声だ


手を振って「ただいま」

私は帯紐で弟を背中におぶる

「大丈夫かい」と声をかけるおかあちゃんに笑顔でコクンと頷く

一番の手伝いは弟の子守


両親二人で片付ける

台風がさって片付けをするのに、止まらなかった水道水が大活躍

ホースから口を絞って水圧があがった水を出して洗っていたようだ

畳は、膨らんだ中にも汚い水が入り込んでいたから中まで真水で洗い流した

桐のタンスは、外を洗った中身は無事だったようだ

テレビは白黒 後ろは開けて丸いガラスの真空管たちが見えてる

水圧を調節しながら洗っていく

泥でまみれたテレビ、海水には塩分があるし真水で洗い流してみようかと

独り言を言いながらダメなら捨てればいいと割り切って洗ってみるようだ


洗い終わると自然乾燥


乾かしている間に、床下に入り込んだ泥などをバケツとチリトリを使ってかきだしていく


押し入れのちょうど真ん中に水が来た跡 襖も同じ位置で上下で色が違うから

ああここまで浸かった、とわかる

家じゅう洗ったようだ

凄い!よ おとうちゃん、あかあちゃん

手をぐっと握って、私は心の中で褒めたたえた


足音がして振り向く

「お~い、無事か?」と言いながらおじさんが来た


「何とかな、そっちはどうだった?」

「仕事から帰ったら独身寮は跡形もなかった、びっくりだよ」

「あらまあ…言葉もないね」

「海のそばだったからね」

「来る途中みたけど、海に近い建物は流されてた」


情報交換する大人の話はつまらないから、乾かしている畳、ガラス戸、残った雨戸、障子、家具たちを見て回る


夕方になり、避難所で泊まろうと親子で歩いていく

おじちゃんは仕事場へ行くみたい

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